血算 Hb 血液ガス Hb

血算 Hb
血算は、試料を希釈するため、粘性と密度が誤差ファクターとなりうる。
ReCCS では、実験を行った結果、Hb として 14g/dL までは、溶血ヘモグロビンであっても、
粘性の影響は小さいことが分かった。 血液ガス分析装置による Hb 濃度 8.8、14.2 g/dL
に対し、血算 Hb の平均値は 8.5、13.6 g/dL となり、8g において 0.3、14g において 0.6
g/dL 低値となる。しかし、これは不確かさに含めることができる。
そこで、JCCRM 912(溶血タイプ)の L (約 8g/dL)と、M (約 13g/dL) を血算 Hb の標
準物質として供給することとした。 JCCRM 921(血球タイプ)は、希釈を行う血算では
ばらつきが大きくなるため、均一化プロセスを厳密に行う必要がある。
血液ガス Hb
超音波で溶血を行う方式では、溶血率 100%であれば、JCCRM 912(溶血タイプ)が
問題のない標準物質となる。 しかし、超音波では溶血率が 100%に満たない場合、測定
された Hb 濃度はその分低くなる。
北陸サーベイの結果をみると平均値としては、JCCRM 912 の認証値と血液ガスの測定値
とはよく一致している。 また、全血とそれから調製した溶血液とは、見事に一致した。
これから、JCCRM 912 を、超音波溶血方式 (ラジオメータ-社、血液ガス分析装置など
がある) の総ヘモグロビン標準物質として供給することとする。
血球のまま Hb を測定する血液ガス分析装置 (テクノメディカ社など) には JCCRM 921
(血球タイプ)がある。