GV Lab. Reading group:Control Session 21 Summary 2014/12/09 Theme Adaptive Inverse Control Bernar Widrow, Michel Bilello* 1 要約 本論文では適応逆制御(Adaptive Inverse Control)という制御の研究を行っている.適応 逆制御は力学的な制御対象の力学モデルと外乱に対してモデルをブラックボックスと し,制御するという制御である.このブラックボックスに線形なシステムでは FIR フ ィルタ,非線形なシステムではニューラルネットワークを用いている.また,不安定 な極を有しているシステム,非最小位相対象に対しても遅延を加えることによりぎ 2 線形なシステムに対する適応逆制御 2.1 順動力学モデルの同定 まず,制御するにあたって制御対象の順動力学モデルを同定する.このモデルは FIR フィルタを用いて実際の制御対象との誤差ノルムが最小になるように FIR フ ィルタの変数を LMS や RLS などを用いて求める. Fig. 1: Direct plant identification 2.2 逆動力学モデルの同定 逆動力学モデルの同定は実機の入力と逆動力学モデルの出力との誤差を最小す るように同定される. Fig. 2: Inverse identification また、非最小位相プラントの場合逆動力学モデル𝑃−1が未来のデータを参照する ため遅延を加え下図のように同定する必要がある. Fig. 3: Delayed inverse identification for nonminimum-phase plant 2.3 力学モデルの適応制御 実際に力学モデルの適応制御を行うには 2.2 で同定した逆動力学モデルを制御器 とする.ただし、物理フィードバックによってプラントを安定化させておく必要 はある.下記に最小位相、非最小位相プラントの場合についてのブロック線図を 記す. Fig. 4: Inverse control scheme for minimum-phase plants Fig. 5: Inverse control scheme for nonminimum-phase plants 2.4 適応外乱除去 外乱 N を同定した順力学モデルを用いることにより推定し、Q に通し制御入力か ら引くことで外乱を除去することができる.また Q は逆動力学𝑃−1を用いる. Fig. 5: Disturbance cancelling system 3 非線形システムに対する適応逆制御 FIR フィルタでは非線形なシステムを表すことができない.そこでニューラルネットワ ークを用いることで非線形なシステムを表すことにする.一般にニューラルネットワ ークは入力空間の有界領域内で 𝒚𝒌 = 𝒇(𝒚𝒌−𝟏 , 𝒚𝒌−𝟐 , ⋯ , 𝒚𝒌−𝒏 , 𝒖𝒌−𝟏 , ⋯ 𝒖𝒌−𝒑 ) のようなシステムを表すことができる.しかし、実機から逆動力学モデルは求めるこ とはできないので、下図のようにニューラルネットワークによって求まった順動力学 モデルから逆動力学モデルを同定する. Fig. 6: Inverse control for nonlinear systems 4 結論 本論文の手法を用いることにより未知かつ線形な制御対象に対する力学的な制御と外 乱の除去を行うことができる.それに加え、ニューラルネットワークを用いることに より未知かつ非線形な制御対象についても同じ事が行える. 5 本論文の疑問点・論点 ・具体的に非線形システムの逆動力学モデルが実機から求まらないということが明記され てなかった. ・非最小位相プラントとは不安定極を有している制御対象であり、逆関数が未来のデータ を参照する. ・外乱除去は外乱オブザーバーと非常に似た構成をしていた. Written by Takuma KATSUMATA, GVLab.
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