(別添) 平成 26 年度第1回日本赤十字社原子力災害対応基礎研修会議事概要 1 日時 平成 26 年 11 月5日(水)11 時~17 時 2 場所 本社 201 会議室ほか 3 参加者 71 名 医師:15 名、看護師:12 名、診療放射線技師:15 名 臨床工学技士:1名、事務:29 名 4 内容 講義 「日本赤十字社の原子力災害への取り組み」 講義 「災害救護活動における放射線防護の基礎知識」 講義 「原子力災害時の救護班活動と緊急被ばく医療アドバイザーとの協働」 実習 1「原子力災害時の救護活動における安全確保のために」 「デジタル個人線量計の使用方法、防護服着脱方法」 実習 2「サーベイメータ・個人被ばく線量計の保守管理と使用方法」 グループワーク「ケーススタディ」 5 議事概要 原子力災害における救護活動について (1)救護班要員の選定について 原子力災害が発生した場合の日本赤十字社の救護活動は、前提として高線量の 被ばくを受けない国等が一般の立ち入りを制限する警戒区域以外の地域で実施 することとしている。また、広島や長崎の被爆者のデータによると、成人の場合、 年齢や男女差の影響はないと言われているが、とりわけ発災直後の混乱が予想さ れる時期においては、できるだけ経験豊富な救護員を選定する等の配慮はあって も良いかもしれない。 (2)救護班の携行品について 原子力発電所の立地県において、地震や津波災害等が発生し、原子力災害の恐 れがある場合、初動として救護活動する救護班は、個人線量計や防護服等の放射 線防護資機材を携行することが望ましい。 1 (3)累積被ばく線量1mSv の活動基準について 日赤救護班の救護活動中の累積被ばく線量は、1mSv を超えない範囲としてい る反面、原子力発電所の立地県によっては、行政職員は年間 20mSv を超えない範 囲としている為、行政職員と活動を共にしづらいという懸念については、活動期 間の違いによる累積被ばく線量のカウント方法が要因であることを理解してい ただきたい。日赤の救護班の場合、年間ではなく、長くても1週間の派遣期間と している。 この1mSv という数値は、国際放射線防護委員会の考えや赤十字国際委員会の 助言を参考にしながら、日赤の社内手続きを経て決定した数値である。今後、こ の数値では低いという多くの意見があれば、見直す可能性もあるが、現時点では、 1週間で累積線量被ばく1mSv という数値は、年換算 50mSv に相当するので低い 値とは考えていない。 累積被ばく線量1mSv の活動基準について、対外的(行政やマスコミ等)に説 明を求められた場合は、1週間の活動期間である旨を粘り強く説明してもらいた い。 東京DMATにおけるNBC災害活動マニュアルにおいても、1mSv を採択し ており、今後、1mSv という数値は定着していくのではないか。 (4)救護班要員に対する健康診断について 救護活動に従事する救護班要員は、派遣に際して、医師による問診を受け、累 積被ばく線量や疾患等、救護活動に支障がないか確認する。また、累積被ばく線 量1mSv を超えた救護班要員については、国が別に定める放射線業務従事者等を 除き、当該日より1年間、原子力災害における救護活動に従事させないものとす る。 放射線防護資機材等について (1)GMサーベイメータ等の整備について 平成 26 年3月、各ブロックにGMサーベイメータを1台かつ各支部に空間線 量率計を1台整備した。これは、各ブロックや支部の初動で活動する救護班に1 台ずつ携行することを考えている。その救護班の活動終了後は、支部現地災対本 部において、後続の救護班へ引き継いでいただきたい。 GMサーベイメータや空間線量率計については、初動で活動する救護班が携行 するため、支部より病院で保管した方が良いと考える。 (2)GMサーベイメータの取扱いについて GMサーベイメータの航空機への持ち込みについて、機器内部にガスを封入し ており、気圧の関係で割れてしまう可能性もあるため、推奨していない。陸路で 2 運ぶことをお願いしたい。空間線量率計については、航空機持込み可能である。 (3)個人線量計等の保守・校正について 個人線量計の保守・校正については7年間に2回という内容で業者と契約済み であり、経費は本社負担である。 GMサーベイメータ・空間線量率計の保守・校正の費用について、各支部・施 設で負担願いたい。費用は、それぞれ1回5万5千円程度である。 (4)安定ヨウ素剤について 現時点では、安定ヨウ素剤について、病院で常備しているなら、それを持参し ていただきたい。また、服用方法等については、国や自治体の定めに従い、今の ところ本社から指示を出すことは考えていない。 3
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