ガイダンス資料 - 数理生命システム分野

2014. 6. 9.
2014 年度後期 3 回生 研究室分属資料
自然情報学講座(2)
高須夫悟
内容と目的
生命現象一般を対象とした数理モデリングの手法を学んで実践する。数理モデルを構成し、解析結果をとり
まとめて卒業論文として作成・発表することを通じて、奈良女子大学理学部卒業生として相応な専門的知識
を習得することを目指す。数理生物学で用いられる数理的手法は、狭義の生物学のみにとどまらず、人間社
会の文化・資源管理・環境問題といった幅広い分野で応用されている。数理的思考の習得は、社会の幅広い
場面で必要とされる資質であると考える。本研究室では、1 年半の卒業研究を通じて「数理的な思考方法」
の習得を目指す。本研究室はプログラミング技術のみに長けた IT 技術者の養成を行う場ではないことに注
意されたい。数理的手法に基づく理学的思考様式を習得したい目的意識と志の高い学生を歓迎する。
昨年度実績
これまでの卒業生が手がけたテーマは http://umea.ics.nara-wu.ac.jp/GI/research/sotsuken.html で公開
している。今年度もこのような多彩なテーマに取り組みたいと考えている。
セミナー計画
高橋研究室・瀬戸研究室と合同で、Theoretical Evolutionary Ecology (Michael Bulmer 著)を輪読し、基
本的な数理モデル解析の手法を学ぶ。このセミナーでは、ただ読み進めるだけの輪読ではなく、自ら手を動
かして内容を確認し、十分納得して理解しながら読み進めることが求められる。毎回十分な準備が必須とな
る。基本的な数理モデルを学んだ後、参加者個別に生命現象に関係する未解決の問題を取り上げ、新しくモ
デルを組み立ててこれを解析する。設定した問題に関係する論文を読み、オリジナルなモデルの解析を行う。
モデルの解析は計算機による数値計算を活用し、4回生年度末に卒業発表会で結果を発表する。卒業までに
研究内容をまとめた卒業論文を作成する。卒業論文の内容が合否の判定となる。
必要な事前知識
生物学の知識は必ずしも必要ではない。必要な生物学的知識は輪読と平行して適宜学ぶ。しかし、数理モデ
リングに対する興味は卒業研究をやり遂げるためにも必須である。これまで学んできた数学(線形代数、解
析学)やプログラミングの知識も必要である。最後に、高須個人がどのような興味を持ちどのような研究を
してきた、もしくは、しているか、については、http://gi.ics.nara-wu.ac.jp/ takasu にてあらかじめ予習
しておくこと。
受入人数
4 名。卒業研究は 3 回生前期までの通常講義・演習とは異なり、自ら新たな問題に取り組んで解決すること
が求められる高度な知的作業である。卒業研究をやり遂げるためには、指導教員による適切な指導・助言が
必要となることはいうまでもない。しかし、教員の指導能力は有限である。卒業研究の質を確保するため、
また、指導内容に責任を持つためにも、4 名という制約を設ける。具体的な受入人数は分属希望の学生と面
談した上で決定する。
オープンガイダンス
3 回生後期の分属に関するガイダンスを 2014 年 6 月 18 日(水)13:00 から G303 にて高橋研究室・瀬戸
研究室と合同で行う。自然情報学講座(2)・数理生物学グループへの分属を希望する学生は必ず参加する
こと。当日参加できない学生は事前にメールにて連絡をすること。
注意
例年この時期になると、○○研究室へ配属されると就職できない、○○を研究しても就職できない、といっ
た虚偽の噂が出回るようだが、該当研究室の指導教員に尋ねれば真偽は直ちに明らかになる。各研究室で取
り組む研究内容については必ず指導教員に直接尋ねられたい。他研究室を意図的に誹謗中傷する行為は奈良
女子大学倫理人権事項に該当し、懲罰の対象となる。