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その時の Vol. 04
奇跡のビジョン
くる・あさみ
自分を越える瞬間
アクセルを
踏みましょう
物事が上手くいきすぎている
とき、突然、不安に襲われるよ
うなことはありませんか。
たとえば、今までにないよう
な営業成績が出たとき。ある月
の前半、過去の成績の倍の売り
上げが上がったとします。こう
いった状況に直面すると多くの
人は、「凄いこともあるもんだ」
、
「こんなの続くはずがない」な
どと思いがちです。すると、人
は無意識のうちに自分にブロッ
クをかけ、その先に広がる可能
性に限界を設けてしまいます。
人間はどうしても過去の自分
を基準に、未来を決めようとし
てしまいます。
「自分には上手
くできっこない」
と考える人は、
自分の人生に奇跡的な変化がお
こることを認めません。たとえ
それがプラスの変化であったと
しても、拒んでしまう。結果的
には、また元通りの成績に戻ろ
うとし、急降下する成績に安心
感さえ覚えてしまうのです。
そこで必要となるのが「勘違
いの才能」です。自分の未来に 「勘違いの才能」とは、
関して素敵な勘違いをしてい 言い換えてみると、
く。この勘違いの才能を活用す 〝そこからさらにアク
るタイミングを、逃す人が思い セルを踏みこむ才能
″
のほか多いのです。
壁を越えようとするその瞬
ここまで読めば、前々回で
間、過去の蓄積が一気に花開こ
紹介した新人若手女子ゴルファ
うとしている時。
「俺って天才
ーが、どうして勘違いの才能の
だ。これはいける」と、素直に
天才なのか、もうお分かりです
自分の勘違いに乗っかる。
よね。彼女たちには、そもそも
自分を越える瞬間に、アクセ 「ブロック」や「ブレーキ」と
ルを踏めるか、それとも逆に、 いうものがないのです。それゆ
自分の変化を受け容れられず、 え未来に拓けている自分の可能
ブレーキを踏んでしまうか。
性に対し、そもそも「限界」と
たとえば険しい山を登
っている時、ふと来た
道を見てしまうと、足
がすくんでしまうこと
がある。頂上だけを見
て駆け抜ければ、足が
止まることはない
いうものを感じることなく臨め
るのです。失敗経験が少なく過
去の蓄積がないからこそ、普段
と違う
「猛烈に調子のいい自分」
をすんなりと受け容れられる。
この「勘違い」の芽を摘んでし
まっては、
成長は見込めません。
問われるのは、自らの人生に
おける
「凡」
を、
いつもと違う
「非
凡」に変えるマインド力がある
かどうか、なのです。
あなたはどうでしょうか。
まだ起きていない未来のこと
に対して、きっと上手くいく。
そう根拠なく思えますか。
絶好調のはずが
後半大崩れ。
よくある現象
ゴルファーに例えると……
普段は 前後で回るゴ
ルファーが、たまたま前
半のハーフで を出した
とする。その時、その人
の頭の中によぎること
は、大抵が、こういった
考えだろう。
「こんなのマグレだ!」
本来、喜んで受け容れ
るべき〝絶好調〟な自分
を受け容れられないどこ
ろか、逆に不安を覚えて
しまう。さらには調子を
崩すと「やっぱりこんな
もんだよな」などと、妙
に納得してしまう。
自分の中に起こった変
化を拒むか、さらなるア
クセルを踏めるか。そこ
に「凡」と「非凡」の違
いがあるのだ。
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そうすれば
限界はなくなる
「過去の経験」は
時として
足かせとなる
「自分はもっといける」
。
絶好調の連鎖を生み出そう
トップアスリートや経営者、ビジネス
パーソン向けに、個人メンタルトレー
ニングを行う傍ら、リーダー研修や講
演会など、活動は多岐にわたる
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未来が 変化を受け容れて
動く今月の さらに羽ばたく。
ひとこと
“気持ち”ひとつで
未来が動く
久瑠あさ美の
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写真/干川修 イラスト/須山奈津樹 ヘアメイク/越智めぐみ(volonte/ALFALAN)
撮影協力/神山離宮