▼ CAD/CAM/CAE① D−1 FF/cam、FF/Five による面品位を向上させるパス作成機能 Proposal on new machining method using FF/cam,FF/Five 浅 見 聡一郎* 〔MAKINO MILLING MACHINE CO., LTD.〕㈱牧野フライス製作所 齋 藤 政 貴** 増 宮 泰 徳*** 1.はじめに いことが多く、後工程の磨き作業時間を増大させてし 金型加工において、生産性を向上する手段としてマ まう。そこで、CAM 上でこれらの現象を予知し、現 シニングセンタ(MC)が広く使われている。しかし、 象発生位置を加工前に確認できる機能を開発した(図 MC の加工では面品位に影響する問題として、象限突 1) 。本機能は、実際の加工機の機械座標系を用いて解 起(各軸のモータの反転位置で発生する突起)と呼ば 析するので、同時 5 軸加工時に発生する姿勢変更 (1 ブ れる軌跡が生じることが知られている。この問題は、 ロック中に 180°回転する動作)も検出可能である。 工作機械の調整や各軸の動作を補正する機能で対策を この機能を利用することで、事前に加工面不良が発 行ってきたが、完全には解消されていない。また、MC 生する個所を確認でき、直動軸、回転軸の反転動作を を動作させる NC プログラムにも問題がある。動作 減らしたり、目立ちにくい部分あるいは加工範囲外に の軌跡であるパスのブロック長や経路およびピックの 移動させたりするなどの対策を施すことができる。 幅による面品位への影響も問題となる場合がある。 本稿では、上記の問題を解決するための FF/cam、 (2) 3+C 加工機能(特許出願中) 前述のように MC は各軸のモータの反転位置で突 FF/Five に搭載された機能とその効果をいくつか紹 起が発生する場合がある。この突起は点では目立たな 介する。 いが、連なる部分では線として加工面に表れ、問題と 2.FF/cam、FF/Five の機能 (1) パス解析機能 なることが多い。そこで 3 軸加工のパスに回転軸(C 軸)を追加して加工ワークを徐々に回転させ、反転位 工作機械の直動軸や回転軸の反転および加減速の際 置を分散させた(図 2) 。反転位置がつながらないた には、切削工具に安定して加えられていた切削負荷が め加工面に表れていた線がなくなり、面品位が向上し 急激に変化する。その際に加工面に打痕のような跡を た。 発生させ、加工面を悪化させる要因の一つとなる。こ 本機能は、加工方法が 3 軸加工から 4 軸加工とな れらの現象は加工が終了し加工面を見るまでわからな るが、3 軸加工のパスで干渉がなければ新たにチェッ クを行う必要はない。 * Soichiro Asami、**Masataka Saito、***Yasunori Masumiya:製造ソフ トウェア事業部 基礎開発グループ 〒152−8578 東京都目黒区中根 2−3−19 応用として、ワークを傾けた状態でパスを作成し、 本機能を適用すると、Z 軸に対しても反転位置が変更 される(図 3) 。 (3) 最大ブロック長で均一化機能 パスの精度は指定されたトレランスで決まるが、ト レランスを守っただけではパスの曲率半径が急変し加 3 軸加工 図 1 軸の反転を表示 060 4 軸加工(3+C 加工機能) 図 2 サーボモータの反転位置
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