テクニカルレポート(国体少年男子)

平成26年度 国民体育大会 報告
1.チームコンセプト
『守備の意識改革』
チームのシステムは4-3-3を採用。国体ではこのシステムで4年目となる。ポゼッションを
目指すことは変わりないが、サッカーシステムにこだわりすぎずに、フリーになる、スペースを
空けて使う、背後を狙うといった基本に戻りトレーニングを行ってきた。その中で、昨年度から
の課題であった守備の強化に重点を置き、九州ブロック大会では前線、中盤の守備はかなり
できるようになったが、DFラインの押し上げの点で課題が残った。本番前に細かなラインコン
トロール(相手がボールを下げたら、守備者個人で押し上げをする)をトレーニングの中に入
れ、静岡相手にどこまでできるか楽しみにしながら本番に臨んだ。
2.試合結果
【1回戦 VS静岡(10/17)】
○0-0(PK5-4)
東海ブロック時のビデオ分析から、ミーティングにおいて、相手中心選手への対応とボール
プレスのを徹底し、1stDFを必ずつけ、プレスバック、くさびのボールへの狙いなど、組織で
守ることを徹底していた。また、試合前日に⑧神田尚が使えないことが確定し、代わりに⑭神
田遼を起用することを決めたことで、チームに良い緊張感が生まれた感があった。試合はJク
ラブユース勢にアカデミー福島の選手が入った静岡に主導権を握られる状態が開始直後か
ら続いたが、1stDFの徹底、カバーリング、プレスバック等、九州ブロックからより成長した選
手達は守備体系を崩すことなく対応することができた。攻撃に関しては、前半は奪ったボー
ルをなかなかつなぐことができずに、ロングボールが多くなり、形を作るところまで持っていけ
なかった。(前半は選手の中にかなりのプレッシャーがあったようだ)ハーフタイムで、「奪った
選手の近くの選手が声かけをしよう。」「奪った逆サイドにフリーの選手、スペースが多くあ
る。」ことを指示し、後半に入り、回数こそ多くはなかったが、奪った後のパスがつながるように
なると相手ゴール前まで迫ることができるようになった。延長戦に入っても選手の集中力は途
切れることなく、全員が勝ちたいという闘志を前面に出し、試合を進め、PKで勝利することが
できた。PKに関しても5人全員が強い気持ちで蹴ることができていたと思う。精神的な成長を
見ることができた試合だった。
中盤の選手(FM・FV・AK)の献身的な守備、SBのチャレンジとカバーリング、CBの粘り
強さと守備に関しては手応えを感じた試合だった。反面、攻撃については単発になることや
狭いエリア、ハイプレッシャーの中でのミス、相手を外す動きなど課題も多く見えた試合だっ
た。
【2回戦 VS石川(10/18)】
●2-3(延長)
前日のミーティングで、今までやってきたGK、DFからしっかりポゼッションをし、ハーフェイ
をみんなで超えることや逆のFVに意図的につないでいくことなど、原点に戻って確認した。
試合では開始から、主導権を握ることができ、ピッチを広く使い、試合を優位に進めることがで
きた。DFラインから間にサポートが入り、中を経由して、ネクストパスなどを使いながら逆のFV
につないでいく理想的な形も数多く見られた。相手に合わせるのではなく、自分たちのサッ
カーを実践できたと思う。前半はほぼゲームを支配していたため、この時間に得点がほしかっ
た。逆に言うと、支配していたが、フィニッシュまでの崩しの工夫がまだ足りなかったということ
である。3人目、4人目の選手の関わり(逆のWTの中への詰め、SBの攻撃参加からのラスト
パス、シュートなど)やゴール前でのワンツーでの崩しの精度など、まだまだできていなかった
点が多かったと気づかされた。それでも先制点を奪い、残り5分を切ったところで選手交代で
試合を締めに行かせようとしていた際のワンプレイで同点に追いつかれ、つづく延長の5分ま
でに2失点と昨日とは逆に精神的なもろさが出てしまった。
【VS静岡】
村井
(①末永)
吉平
永松
山本
【VS石川】
末永
吉平
(②中島)
(③髙橋)
山本
(①村井)
日隈
(②中島)
神田遼
上原
戸高 永松
日隈
神田遼
小手川
広瀬
上原
戸高 小手川
広瀬
(③髙橋)
真木
真木
3.成果
○守備意識の高揚→課題でもある→本物ではない
○AK・FVの献身的な守備
○SBのカバーリング等
○DFラインの押し上げによるコンパクトな守備
※守備は教えればできる。DFライン全体や中盤も含めてチームとしてやることもあ
るが、基本的には個人戦術を磨いていかないと、レベルが上がってきたときに対応
はできない。
4.課題
●「トラップの質」~次を考えたトラップ・前を狙えるボールの置き所
●「キックの質」~狭いエリアからの展開・10~30mのパス・ワンタッチパス
●「サポートの質」~次の展開を考えたサポート・間に入る出るのタイミング、ポジショニング
●「バイタル(FM)を経由したポゼッション」「AKを起点にしたポゼッション」
△「戦術の理解力」
●「判断力」~振り直すのか、勝負にいくのか、誰が刺すのか
△「気持ち」~本当に苦しいときに力を出せる選手を作る
→トレーニングで本当に全力を出し切るように働きかけなければ・・・