平成26年度へ向けての取り組み(56頁)

4 平成 26 年度に向けての取組み(まとめ)
学位授与方針に基づく学習成果の明確化とカリキュラムの可視化(カリキュラム・マッ
プ、カリキュラム・ツリー)、カリキュラムとして構造化されている各授業科目の学習目標
と学位授与方針、学習成果との整合性の検証、学習成果のシラバス記載が完了し、それら
に基づき、平成 25 年度には、各授業科目の学習目標の達成度自己評価アンケート、および、
卒業時、修了時における学習成果の達成度自己評価アンケートが全学的な取組として、2 年
次、3 年次の学生、および卒業・修了予定者を対象として実施された。また、「既卒生(平
成 24 年 3 月卒業生)に対する学習成果の達成度に関するアンケート(既卒生アンケート)」
、
「卒業生・修了生の就職先企業等に対する学生及び大学評価アンケート(企業向けアンケ
ート)」も実施されている。
平成 26 年度においては、これらアンケートデータを大学教育開発・支援センターを中心
に教学 IR 的手法で分析し、カリキュラム・マップで特定の学習成果に紐付けされている授
業科目群について、成績評定と授業科目の学習目標の達成度の相関、授業科目群の学習目
標達成度と学習成果達成度の相関の有無を検証するとともに、既卒生アンケートや企業向
けアンケート結果との相関についても調査を行う。それらの結果を FD 委員会を通して各学
類に伝え、各学類では、学習成果を達成するためのカリキュラム、各授業科目の教育内容・
教育方法の再検証活動を行う。このようなデータに基づく教育改善活動を行うことが期待
される。
さらに、具体的な教育改善活動としては、各専門分野の教育内容に沿って問題発見力や
問題解決力など汎用的な学習成果を達成するために、例えばアクティブラーニング、反転
授業といった双方向授業の設計、「課題解決型学習(PBL:Project-Based Learning)」の導
入、演習、実験、チュートリアルの教育方法など、各部局ですでに検討し、実践されてい
る能動的学習を促す教育手法をより一層拡充することが期待される。このような拡充とと
もに、学習成果の明確化、学習成果の達成度の評価、その評価に基づく学習成果の達成の
ためのカリキュラムと授業科目の検証・改善を行う PDCA サイクルといった教育の内部質保
証のプロセスをさらに進め、金沢大学における教育質保証活動を継続していくことが必要
である。
また、YAMAZAKI プラン 20141 で謳われている教育の国際通用性向上につなげるため、各部
局においては、ナンバリングやチューニング導入、およびそれらに伴う国内外参照基準と
のマッチングによる「学習成果」の再整理に向けての検討を行い、国内外に向けて本学の
教育の質を保障することが今後の課題である。
上記国際的教育質保証につながる活動を支える FD 委員会としては、各部局における教育
の内部質保証のプロセスをこれまで以上に明確に把握するため、FD 活動報告回答用紙の内
容を根拠資料に基づき、定型的・定量的のみならず定性的な FD 活動が報告できる形に項目
や仕組みを改める必要がある。
1)YAMAZAKI プラン 2014
http://www.kanazawa-u.ac.jp/plan/index.html
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