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安心して暮らせる社会・選択肢の多い社会を目指して
2014 年 3 月 31 日
ベトナムの通関の電子化・近代化を日本が支援
VNACCS が稼動
2014 年 4 月 1 日、日本の近代的な貿易手続き、通関システムを基に、ベトナム用にカスタマイズされ
た電子通関システム VNACCS および VCIS が稼動いたします。
VNACCS および VCIS のソフトウェア開発、ソフトウェアの稼動に必要な資機材および試験運転、税
関職員を対象としたシステム操作研修などは、日本の無償資金協力事業「税関近代化のための通関電子
化及びナショナル・シングルウィンドウ導入計画」(2012 年~2014 年 3 月)を通じて行われました。
ベトナムは 2007 年の WTO 加盟以降、外国直接投資が急増し、輸出入申告件数も 2002 年の 116 万件
から 2010 年には 416 万件へと急増しました。これに伴い、税関職員の業務負担も増大していることから、
IT を活用した輸出入・通関手続きの効率化がベトナム税関総局にとって喫緊の課題でした。さらに、
「2020 年までの税関開発戦略」において、ベトナムは 2015 年までの全輸出入申告件数の 60%の通関電
子化および輸出入許可・承認数の 50%のナショナル・シングルウィンドウ化を目標としていました。
このような背景から、ベトナム税関総局は、日本の通関システム「輸出入・港湾関連情報システム」
(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System(NACCS))および「通関情報総合判定シ
ステム」
(Customs Intelligence Data Base System (CIS))の技術を活用した新しい電子通関システム構
築への協力を日本へ要請いたしました。
VNACCS および VCIS の導入は、貿易手続きの所要時間短縮や貿易コストの縮減などによるビジネス
環境改善、IT 化による行政コスト削減といった効果が見込まれるとともに、ベトナムの貿易と経済の成
長、さらには、ASEAN 各国のシングルウィンドウと連携させ、域内での貿易手続きの効率性を高め、
世界経済との連結強化にも貢献するものです。また、ベトナムの経済発展に資するだけでなく、日本の
民間企業のベトナム進出を後押しし、日本の経済成長、新成長戦略への取り組み(インフラ海外展開の
基盤整備支援)にも寄与することが期待されます。
今後、国際協力機構(JICA)は同時並行で実施中の技術協力プロジェクト「通関電子化促進プロジェ
クト」
(2012 年~2015 年)を通じ、VNACCS/VCIS を活用した通関審査におけるリスク管理、ナショナ
ル・シングルウィンドウ化に向けた他省庁との連携、法的・制度的枠組の策定などを引き続き支援して
いきます。
*シングルウィンドウ:検疫、出入国管理、港湾管理など、関係行政機関に対する輸出入・港湾関連手続を、一回の入
力・送信で済むようにするもの
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