,か 3:1 - jamstec

のための地球 の維持 とい う観点 か らは.議 論 の 余
地がない よ うに思 える。ただ.人 間 とい う極度に
わが ままで近視 Hlt的 な動物が これを本気で実行す
るか とい うと、疑間をもたざるを得ない。 これは
自分のことを考えただけで も、すでに明瞭だ。ポ
1
0-www.dietauschboerse.de
1 1
-www.foodsharing.de
12-www.airbnb.de
1
3-http://stadtacker. neVSitePages/Homepage.aspx
1
4-http://mundraub.org/
1
5-hito://www.containern.de/contenV
16-"Spiegel" Nr. 1, 2014
ス ト成長エ コ ノミー を実現するには.個 人のモ ラ
ルに頼るだけでは足 りず ,社 会の システム.世 界
全体 の システムが大転換 をしなければならない だ
ろう〔
それで も,こ れ までに ドイツで実現 した環境政
策.い まや 陛界の 各所 でみ られる政策 の 多 くも最
初は個人や市民 グループの草 の根運動か ら始 まっ
たことを考えれば,た とえリバ ウン ド効果は伴 う
デル タ (δ )の 話
大河内直彦・ =う ,7‐ 二
海洋研究開発機構
にせ よ。そ してた とえ個人の行動が い くつ もの矛
物質が もつ 天然 レベ ルの安定同位体 の組成比 を
盾を抱 えて い るとして も.じ わ じわ と実行 してい
知 るとい う方法論は,過 去半世紀以上 にわたって
くことが.い つ しか大 きな転換 につ ながるのか も
地球科学 の 分野 で大 き く花 開 いた ヽ その きっか
しれない とも思 える。ポス ト成長エ コ ノ ミー とか
け として忘れてはな らないのが,海 の 中でつ くら
消費か らの転 向 といった 言葉が浮上 し.広 がって
れる炭酸 カルシウムの酸素同位体比が古水温計 に
きた ことだ けで も,大 きな進歩だ とみなす こと も
なる ことの 強烈 な イ ンパ ク トであるも この星 に
で きるだろう。
生 命が生 まれて以降,い つ の時代にお いて も海底
に大量 に沈殿 して きた このベー ジュ色の鉱物 の酸
文献
`Wirtschaft ohne Wachstum'・ :nsitut fOr ForstOkono‐
た とえ ば・
1-―
mie universitat Freibur9 201 2
http:〃
wachstumswende/woynowski―
boris‐ et‐
wvvw ife uni― freiburg de/
al-2012‐ wirtschaft― ohne
―
wachstum― notwendigkeit― und― ansatze― einer‐ wachstumswende
pdf
2-― “
Grundztge
einer Postwachstums6konomie', Nlko Paech
http:〃 postwachstumsoekonomie
org/htnll/paech_grundzuge_ein
er_postwach html
3-―
.・
Befreiung vom Uberfluss・・, Niko Paech,oekom Ver:ag
Manchen 2012
¨
4-― Splegel'Nr 14.2014
献するだけでな く,多 くの地球科学者 を安定同位
体 の世界へ い ざなう呼び水 となって きた。
同位体 の組成比 を用 いる方法論が地球科学 で発
展 した理 由 は,も う 1つ あ る。 断片 的 な観測結
果か ら全体像 を理解す ることがで きるとい うこの
方法論 の長所が .複 雑 な地球 を理解す るのに大 い
に役立つ か らである。
地球 を巡る炭素サ イクルの一面 を例に とって考
5-http:〃 www zet‐ statt‐ zeug de/1prolect
6-― `.Absolventenstudie
素同位体比 は,地 球史の謎 を紐解 くのに大 きく貢
201 2-2013''Ernest&Young,http://www
ey com/Publication/vwLUAssets/EY Absolventenbefragung
_2013/SFILE/EY‐ Absolventenbefragung-2013‐ Studie pdf
7-― Gttnes Wachstum・ 'gibl es nicht SOddeutsche Zeitung電 子
えてみ よ う。火山か ら噴 き出す 二酸化炭素 は,か
つ てプ レー トとともに地球内部へ と沈み込んだ海
底堆積物が,地 下深部 で熱せ られて二酸化炭素 に
.・
版 , 2014年 10月 17日
http:〃 vvww
sueddeutsche de/wissen/oekonomie―
und‐ oekologie
―
gruenes‐ wachstum‐ glbt‐ es― nicht-1 1865075
8-こ の調査 につ い ての解 説
‐
Sharing ecomomey― ― Deutschland
・ http://ww leuphana
teilt・
de/news/publikationen/leuphana‐ maga2in/tite:stories/2013/shar
ing―
economy html
9-― www
kleiderkreisel de
0816 IKAGAKUI Au9 2014 Vo184 No 8
化学変化 した もので ある。海底 にたまってい る炭
酸 カル シウムの炭 素 同位 体比 は約 0パ ー ミルで
-25パ ー ミルだ か ら,平 均 す る と
-8パ ー ミルの火 山 ガス とは両者がお よそ 3:1
の割合 で混合 した もので ある ことが,ざ っと推定
有 機 物 は約
で きる。同位体組成 か ら得 られた こ うい った情報
は,炭 素循環 の描像 をあぶ り出 して きたのである。
水 素 ,炭 素 ,窒 素 ,酸 素 ,硫 黄 な ど多 くの元 素
の理 由 は,お そ ら く上述 した独特 の 表 記法 にあ る
の 同位 体 組 成 は,以 下 の 示 す デ ル タ(δ )値 で 表 示
と私 はみ る。 大学 で地 球科 学 を専 攻 す れ ば.い や
され る慣 習 とな って お り,IAEAに よって も推 奨
で も δ値 に慣 れ させ られ る。 しか しそ うで は な い
■て い るち
さオ
他 の 分野 の研 究者 に とってみ れ ば.き っ と秘密結
δ
=R試
社 の 合言 葉 に しか 聞 こえない に違 い な い。
料/F疇 準物 貧 -1
この 式 で Rと は,(13C/12c)ゃ (15N/14N)な どと
もちろ ん.δ 値 で 表 示 す る メ リ ッ トが な い わ け
い った 2種 の 同位体 の 存在比 の こ とで あ る。ふ
で は な い。特 に,環 境 中 に分 布 す る軽 元素 の 同位
つ う分数 の分母 には主要 な同位体種 を.分子 には
体比 の違 い は速 度論 的 に決 まる こ とが 多 く。 そ の
希少な同位体種 をとる。 自然界におけ る同位体比
の変動が小 さい うえ,ふ つ う試料 と標 準物質 との
速 度定数 の比 と直接 的 に関係 づ け られ るか らだ。
物 理化 学 的 な定 数 と直結 す る こ とに よって ,測 定
間 にわずかな違 い しかない ため,右 辺第一項 は き
値 は物理 的 に解釈可 能 とな る。 ただ研 究 が広 が り
わめ て 1に 近 い 数字 とな り.そ れ ゆ え δ値 は 1
を見せ るに したが って ,こ の こ とが あ ま り意 味 を
よ り数桁小 さな小数 となる。 しか し頭 にゼロをい
もた な い ケ ー スが増 えて い る。 た とえば,麻 薬 の
くつ も並 べ る表記 は面 倒 とい う こ とで,δ 値 を
1000倍 してパー ミル (‰ )を 単位 とす る「千分率」
犯罪捜 査 や 産地偽装判 別 とい った ケ ー スで は,同
として表現す ることが.長 らく慣習 として定着 し
位 体 比 をマ ー カー と して用 い るだけで ,物 理 化学
う
的 な裏 づ け は必 ず しも必 要 で は な い 。
で は ど うす れ ば い い だ ろ う ?
1つ の 可 能性 が
試 料 中 に含 まれ る同位体 のモ ル分率 .平 た く言 う
て きた。
この一風変わった表記法 は,同 位体比 を預1定 す
.
15Nの
る際に,複 数 の検 出器 をもつ特殊な磁場型質量分
と濃 度 と して示 す こ とで あ る。 た とえば
析計が用 い られて きた ことと決 して無縁 ではない。
自然界 で生 じるわずかな安定同位体比 の違 い を正
在量 は
確 に定量す るために,測 定試料 と標準物質 を交互
に測定 して,電 圧 など微妙 な測定環境 の変動 を相
とす る こ とだ .メ リ ッ トは もちろん.直 感 でそ の
存
,
[15N](%)=100。
[15N]/([1“ N〕
+[15N])
殺す る とい う昔 肉 の 策が編 み 出 されたわけ であ
数字 の 意 味 が つ か め る こ とだ。 これ まで報告 され
た δ値 か らモ ル分率 へ の換 算 は・ 標準物 質 の正 確
る`。 どの試料 に対 して も同 じ標準試料 と比 較す
なモ ル分率 さえわかれ ば簡単 な算術計 算 のみ だ。
ることによって,相 対的な違 い として記述 しよう
決 して 人気 の あ る研 究 で はな い が .標 準物 質 のモ
13c
ル分率 を知 る研 究 は細 々 と続 け られ て きた。 窒素
とい うわけだ。か くして,試 料中 に含 まれる
15Nと い った同位体の割 は
合 ,「 標準物 質 に対
ゃ
す る標準偏 差」 とい う直感的 にきわめて捉 えに く
い数値 として表示 される ことになったのである。
ご く限 られた研究 グループだ けがデー タを生み
同位体 比 の 場 合 ,標 準 試 料 で あ る大 気 中 の N2の
14N/1`
N比 を 272と す る と IAEAが 定 め て い る°
(図
.
限 られたテーマ にだけ応用 される時代は、それで
もよか った。 しか し同位体比分析 の黎明期 か ら半
世紀以上が経 ち, もはやそ こここの研究室 で 日々
大量 のデー タが生み出される時代にな った。 さら
にその 目的 も年 々多様性 が増す ようにな り,こ の
表記法 が足かせ にな り始 めて い る。安定同位体比
は工学や医学 な どに も広 く応用可能 な手法 である
はずだが,現 実 はそ ういつた分野へ の応用はきわ
めて限 られて いる。 この方法論 が広が らない最大
,。
これ は モ ル分率 に換 算す る とお よそ 03663
96に な る。
標 準 試料 のモ ル分率 が もつ 不 lE確 さは もち ろん
,
測 定試 料 のモ ル分率 の 計 算値 に も伝搬 して しまう.
しか し.ち ょっ と想 像 して な る といい 。 同様 の こ
とは この世 に存 在 す るあ らゆ る「測 定値 」 につ き
ま とう問題 な の だ.私 た ちは,何 か の長 さを測 る
と きに,定 規 や メジ ャー を 日々何 の 気 な しに使 っ
て いる。そ ういつた「測器」に は,ご く些細 とは
い え誤差が つ きものである。で も幸 いに して。そ
のことが原 因で困 つたため しは私 の人生でただの
喝酪1絆 い″
15Nの 」
い
.・
14N/1`
岬
比 一∠鞠イ」堅蟹ト
型
15N/14N Jし
二
型
.■
聰
L
一
O∞
慟
…
"
図―窒素同位体 (・ N)の 存在度 を表す 4つ の指標 とその関係
15N比
上か ら順に δ値 (■ 。).1・ Nノ
.l.N/"N比 ,1'Nモ ル分率 (%).δ 値 と他の 3つ の指標 を関係づ
けるには 標準物 質 (窒 素 の場 合は標準大気 )の 窒素同位体比 を知 る必要がある。 ここでは IAEA
によつて定め られた関係を用いた。詳 しくは本文参11。
一 度 もない。あえて言 うな ら,毎 年 の健康診断で
私 の 身長が 1∼ 2mm伸 びた り縮 んだ りす る程度
の話である。私が推測す るllltり
,同 位体比 だって
格納容器冠水計画 の危険性
困る ことはほとん どない。
ふ と思いつい て,私 の机 の引 き出 しの中に入 っ
ていた 3本 の 30 cm物 差 しを比 べ てみ た。予 想
いてつ=う
筒丼哲郎 つつ
プラン ト技術者の会
の 中 の 1本 は JIS規 格 を満 た して いるので,そ の
現行 の政府 。東電 が計画 してい る福 島第一 原発
事故炉 の「後始末」 に関す る「中長期 ロー ドマ ッ
定規 を「標 準」 と して δ値 で 表 す と,短 い 方 は
プ」 では,1,2,3号 機 のメル トダウ ン した燃料デ
-0.33%。 で,長 い方 は +1.3%。 となる。やは りこ
れでは何の ことや らよ くわか らない。短 い定規 は
ブ リを取 り出すために,格 納容器 の破損部分を補
′
修 し,冠 水状態 にす る, としてい る (図 )。
29.99 cm.長 い 方 は 30.04 cmと 表現 す べ きな の
これはス リーマ イル ア イラ ン ドの事故炉 (TMI―
通 りそれ らは,ご くわずか だが違 いがあった。そ
2)に お いて なされた処置 を参考 に して いるよ うで
である。
そ もそ も私 た ちは,あ らゆ る事 象 が 0か 1に
あ るが,決 定的 に違 う作業条件 は,TMI-2で は
丸め られるデ ジタル化 された社会に暮 らしてい る。
原子炉圧力容器 の破損が な くて,冠 水範囲 は原子
安定同位体 の業界 も,厳 密性 とい う縛 りの 中か ら
勇気あ る一 歩 を踏な出す時期がすでに訪れ てい る
炉圧力容器内に限定す る ことがで きた, とい う点
,
のでは ないだろ うか。
である。
燃料デ ブリを取 り出す に際 しては,冠 水後に内
部状態 の検査 ,デ ブリの破砕 ,デ ブ リの取 り出 し
とい う難作業 をシリア ル に実施 しなければならず
文献
,
1-酒 井 均・ 松 久 幸 敬 :安 定 同 位 体 地 球 化 学 ,東 京 大 学 出版 会
(1996)
2-H C Urey etal:Bu‖ GeoL Soc Am,62,399(1951)
3-T B COplen: Rapid Commun Mass Spectrom,25,2538
(2011)
4-― C
R McKinney etal: Rev Sci lnstrum,21,724(1950)
5-一 Y
Suzuki et al: Food Chenlistry,109,470(2008)
6-T B COplen:Pure AppL Chem,64、 907(1992)
その期 間を通 じて冠水状態 を保たなけれ ばならな
い。つ ま り,空 洞状態 の荷重条件 で設計 した格納
容器 ドライウ ェルを数年間にわたつて冠水状態で
保 つ ことになる。結果 として,地 震に遭遇す る確
率 が 高 くな る。 この リス クはた とえば,現 在 4
号機 で作業中の使用済 み燃料 プールか ら燃料キャ
スクを取 り下 ろす際 にク レー ンで 吊 り上げて移動
中に地震 に遭遇す るリスクと桁違 いの高確率 であ
る。
0818 1KAGAKUIAu9 2014ヽ /o184 No8