固体化学 小テスト No.2-6(H25.12.13)解答例 解答例

固体化学 小テスト No.2-6(H25.12.13)解答例
解答例
学籍番号_____氏名
氏名___________
6.仮想的化合物 CsF2(CaF2 型,a=5.471Å)を考える.
(1)Cs-F 距離を求めよ.(5 点)
点
N A MZ + Z − e 2
1
1.陽イオンが陰イオンの正四面体配位
面体配位と立方体八配
位の中心に位置している場合のイオン半径比
半径比の下限を
求めよ。
(1) 正四面体配位(5 点)
右図より,
r+
6
=
− 1 ≅ 0.255
r−
2
U=
a
(2)立方体八配位(5 点)
右図より,2r-=a,2(r+ + r-)= 3 a
2a 2
これらより,r+/r-= 3 -1=0.732
されている.蛍石
2.次の Shannon イオン半径(Å)が報告されている
構造をもつと予想される Ti4+ Y3+ Zr4+ Hf4+ La3+
酸化物は何か.ただし, 0.88 1.16 0.86 0.97 1.30
rO2-=1.24Å.5 点
であれば VIII 配位を
rM/rO(II)=0.732 より, rM=0.91 以上であれば
とる.
La は 3 価であるからダメ,従って HfO2.
3.右の Born-Mayer のポテンシャルを
を用いて格子エネ
ルギーの式を導け.必要な記号は各自定義
各自定義せよ.10 点
2
E total = E c + E r = −
0=
B=
N A MZ + Z − e
r
+ B exp(− )
ρ
4πε 0 r
∂E total
N MZ + Z − e 2 B
r
= A
− exp(− )
ρ
ρ
∂r
4πε 0 r 2
N A MZ + Z − e
2
4πε 0 r 2
∴ E ( re ) = −
r
N MZ + Z − e 2
N A MZ + Z − e 2
ρ
ρ
(1 − ), ∴U = − E ( re ) = A
(1 − )
re
4πε 0 re
re
4πε 0 re
4.つぎのデータに基にして下記の問に答えよ.
U(KCl)=701,∆Haq(K+)=-321,
∆Haq(Cl-)=-347(単位:kJmol-1)
ハーバーサイクルを示せ.
(1)KCl の溶解に関するボルン-ハーバーサイクルを
U(KCl)
(10 点)
+
-
6 .022 × 10 23 × 2.520 × 2 × 1 × (1.602 × 10 −19 ) 2
−12
4 × 3.14159 × 8.854 × 10
× 2.369 × 10
3
−1
= 2673 .7 × 10 = 2643 kJmol
−10
∆Haq(K+)
SCs + DF2
Cs(s) + F2(g)
∆Hf (CsF2)
CsF2(s)
Cs(g) + 2F (g)
ICs +22EAF
U
Cs2(g) + 2F-(g)
∆Hf (CsF2) =SCs+DF2+ICs+2EAF - U
= 79 + 155 + 2234 +(-328)x2 – 2674 = -831kJmol-1
不均化反応 2CsF → CsF2 + Cs ∆H
∆H = (-831) – 2x(-534)=255 kJmol-1
正の値であるから CsF が安定
7.Cu2O は立方晶系(a=4.267
4.267Å)の構造をもつ。
(1)右のデータを基に
座標
結晶構造を書け。
Cu
(3/4,1/4,1/4),(1/4,3/4,1/4)
z
(1/4,1/4,3/4),(3/4,3/4,3/4)
10 点
O
(0,0,0,)
(1/2,1/2,1/2)
y
x
K+(aq)) + H-(aq)
(2) KCl の溶解熱(エネルギー)を求めよ.
.(5 点)
(1)より,∆Hdis(KCl)=U(KCl)+∆Haq(K+)+∆
∆Haq(Cl-)
=701-321-347=33 kJmol-1
ではイオン半径に
5.理想的な ABX3 ペロブスカイト構造ではイオン
次の関係があることを図示しながら説明
説明せよ.5 点
(200)面と(100)面の下の図から rA + rX = 2 ( rB + rX )
2(rB+rX)=a,2(rA+rX)= 2 a
よって,a を消して
2 (rB + rX)
(200)面
(100)面
A イオン:青,B イオン:緑,X
イオン
イオン:茶
1
)
9 .5
SCs=79.0 , I(Cs → Cs2++2e-)=2234
2234 , DF2=155 , EAF=-328 ,
∆Hf0(CsF)=-543,ただし,単位は
は kJmol-1.
∆Haq(Cl-)
∆Hdis(KCl)
(1 −
存在せず,CsF だけが存在する
(3)この結晶は実際には存在
ことを下記のデータを使って説明
説明せよ.(10 点)
K (gg) + Cl (g)
KCl(s)
rA + rX =
=
 r
B exp  − 
 ρ
ρ exp( )
ρ
(1 − )
n
4πε 0 re
r = a 3 / 4 =2.369Å
2+
エネルギーを計算せよ.ただし,Cs とし,
(2)CsF2 の格子エネルギーを
反発項はボルン(ランデ)型
型を仮定.M(CaF2)=2.520.n
値-7(Ne 殻),9(Ar 殻) ,10((Kr 殻),12(Xe 殻),ただし,
Cs2+の n 値は Cs+として考えよ
えよ.(10 点)
Cs2+ : [Xe],F- : [Ar]なので,n
n=(12+7)/2=9.5
Z+=2,Z-=1 より,全ての数値
数値を U の式に入れる.
N A MZ + Z − e 2
1
(1 − )
U =
4πε 0 re
n
求めよ.5 点
(1)最近接した Cu-O 距離を求
Cu-O 距離 x = 3a 4 =1.85 Å
(2)Cu および O の配位数はいくつか
はいくつか。5 点
Cu:2
O:4
8.右図は正方晶系のある酸化物
酸化物の
結晶構造(中球:A 陽イオン
イオン,小球:B
陽イオン,大球:O2-)であり,
,A サイト
には 1/3 の確率で原子がある
がある.5 点
(1)組成式 AxByOz を求めよ.
.ただし,x,
y,z は整数値である.
A:1/3,B:2,O:3 つ,A1/3B2O4 で,
よって,組成式=AB6O12
配位数をそれ
(2)A と B 原子の原子の配位数
ぞれ求めよ.5 点
A:12 配位,B:6 配位