めざせ!道の駅“OKINO ”ショップ ・・・ 6次産業 化による地域創生 の 取り組み・・・ E2 島 貫 夢 奈 ほ か 8 名 《選 定 の 理 由 》 6次産業化・地産地消法は、農家が農産物の加工や販売分 野へ進出するとともに、地域農産物の利活用を進めることを 目 的 に 平 成 22 年 に 施 行 さ れ 、全 国 各 地 で 成 果 を 上 げ て き ま し た。本校でも、8年前の先輩たちが全国の高校 に先駆けて6 次産業化のプロジェクト学習を スタートさせ 、地産地消をテ ーマにした付加価値の高い加工分野への挑戦 が始まりました。 その代表的な例である3色大福「みつ福」や 冷やして食べる 大福「 百 恋 」、紅 大 豆 ワ ッ フ ル や マ ド ロ ー ム 紅 ダ リ の 特 産 品 開 発は 大 き な 話 題 と な り 、 2 年 前 に サ ン ト リ ー 地 域 文 化 賞 を 受 賞するきっかけになりました。また、 販売面での取り組みで は、羽前小松駅通りの活性化を目指した置農生のチャレンジ ショップが2年前に開店し、マスコミにも注目され るなど、 6次産業化に関する本校の活躍は 地域活性化の取り組みとし て も高 く 評 価 さ れ 、 「 置 農 ブ ラ ン ド 」と も 称 さ れ る よ う に な り ました。 しかし、環太平洋連携 協定、いわゆるTPP の締結や転作 政策の方向転換により、米価をはじめとする農産物価格の多 くは 下 落 し 、 円 安 に よ る 農 業 生 産 コ ス ト の 増 大 も 影 響 し て 、 稲作経営を中心にした川西町の農業や経済基盤は勢いをなく す事 態 と な っ て い ま す 。 そこで私たちは、 食料環境科2年生の課題研究と、3年生 の課題研究を連携したプロジェクト学習を立ち上げ 、6次産 業化について学習を深めながら、川西町の農業活性化に取り 組みたいと考え、このプロジェクト学習を開始しました。さ らに、川西町に初めて誕生する道の駅 、6 次産業拠点施設 の 出店計画を知り、この施設への置農ショップ開店も目指す学 習にも挑戦することにしました。 《到 達 目 標 》 Mission1 . 事前学習による 6 次産業化の理解と学習の方向性確立 Mission2 . 地産地消を取り入れた加工技術や商品開発力の向上 Mission3 . OKINO シ ョ ッ プ 開 店 に 向 け た 課 題 解 決 活動の目標は以上 3 点として、6 次産業化による地域活性化 に挑 戦 す る こ と に し ま し た 。 《実 施 計 画 》 ステージ1の研修からステージ4の開店プランの作成まで取 り組みます。この中で、ステージ2の特産品の製品化は3年 生 が中 心 に な っ て 取 り 組 む こ と に し ま し た 。 《学 習 内 容 》 ス テ ー ジ 1 、 事 前 学 習 。 先 輩 た ち の 学 習 内 容 を “ 振 り 返 り ”、 新しい取り組みに対する研修を実施しました。まず、 加工分 野で は 紅 大 豆 の 餡 子 作 り に 取 り 組 み 、 伝 統 野 菜 「紅 大 豆 」 の 新商品づくりに関する基礎的な技術習得を行いました。販売 分野では、羽前小松駅前での朝市や、先輩たちが開店したチ ャレンジショップぼ~の をリニューアル開店し 販売方法を研 修。 開 店 日 初 日 や 歩 行 者 天 国 当 日 に は 数 多 く の 住 民 が 来 店 し 大好 評 で し た 。 研 修 の 集 大 成 は 、 白 鷹 町 の 産 直 ど り い む 農 園 【紅大豆あんこ作り】 で の 現 場 学 習 で し た 。有 限 会 社 「 ど り い む 農 園 」 は 、平 成 17 年、白鷹町畔藤に開店した産地直売所で、出品する農家など の 数は 約 240 戸、 年 間 販 売 額 は 2 億 7 千 万 円 。経 営 陣 の 多 く は 本 校 の 先 輩 で 、 そ の 一 人 で も ある大滝さんは商品管理POSSシステムの 必要性や利用方 法について、詳しく教えてくださいました。そして「年間を した品揃えと独自性が大切であり、置農ブランドを最大限 【どりいむ農園研修】 に 活 か し て ほ し い 。」 と ア ド バイスをいただきました。 ha ステージ2は私たち 3 年 60 生が中心になって新製品の 50 開 発 に 取 り 組 み ま し た 。先 輩 40 たちが考えた紅大豆大福は、 30 1 個当たり米粉生地を60 20 g 、紅 大 豆 あ ん を 3 0 g 使 用 10 し ま す 。こ れ ま で 6年 間 で 1 0 川 西 町の 紅 大豆 栽 培面 積の 推 移 万 2 千個 を 販 売 し 、米 粉 生 地 7 2 0 k g 、紅 大 豆 あ ん 3 6 0kgを消費したことにな ります。しかし、これまで本校が取り組んだ紅大豆の商品 開発では、上のグラフで分かるように紅大豆の生産拡大に はつながっていないことが分かりました。私たちは、もっ と消費量を伸ばす方法はないかと考え、紅大豆のパンを3 段階で試作することにしました。 ス テ ッ プ 1 は 小 麦 粉 を 使 っ た パ ン 生 地 に 紅 大 豆 あ ん を 50 g使用したアンパンを製造。首都圏の方々との交流事業で パン作りワークショップを実施したところ「とってもおい 【紅大豆パン作り】 し い 。」 「 紅 大 豆 の食 感 が 残 っ た ア ー モ ン ド ク リ ー ム み た い 。」と 高 い 評 価 を い た だ き ま し た 。 ステップ 2 ではパン生地に煮豆紅大豆を練りこむ。 ステップ 3 では米粉生地の紅大豆あんパンを製造します。 私 た ちは こ の 紅 大 豆 パ ン に 「 紅 豆 き ん ち ゃ ん 」 と 命 名 。 川西町内のパンショップ「パリドール・サノ」の社長、 佐野元さんに製造販売をお願いしたところ、 「なかなか面 白 い パ ン と 名 前 だ 。是 非 販 売 ま で こ ぎ つ け て み よ う 。」と 言 っ て い た だ き ま し た 。11 月 中 旬 に は「 紅 豆 き ん ち ゃ ん 」 の市 販 化 が 実 現 し ま す 。 ステージ3は特産品セットの商品化です。伝統野菜紅 【紅豆きんちゃん】 大豆の商品化は大福とパンで見通しは立ったものの、チ ャレンジショップや道の駅で販売するにはアイテムが不 足 し ま す 。私 た ち は 、つ や 姫 と 紅 大 豆 を セ ッ ト に し た「 桜 ごはんセット」を考え、1 袋あたり2合、つまり つや姫 の白 米 300g に紅 大 豆 30gを 無 料 で サ ー ビ ス し 、 地 元N PO法人が開催する東京都杉並区のコミュニティマーケ ットで販売していただきました。評判は上々で 1 セット 300 円で 20 セ ッ ト が 完 売 し ま し た 。 こ の 単 価 は 、 1kg あ 【パリドールサノで市販化!?】 た り 1000 円 、60kg1 俵 当 た り 6 万 円 の 販 売 価 格 に な り ま す。売上からサービスに必要な紅大豆代や袋代、 人件費 等の コ ス ト を 差 し 引 い て も 、 つ や 姫 1 俵 あ た り 約 5 万円 と通 常 の 5 倍 近 い 販 売 価 格 と な り ま す 。 私 た ち は こ の 販 売 方 法 を 、 11 月 と 12 月 に 行 わ れ る 杉 並 マ ー ケ ッ ト と も う一度実施する予定です。 また、このアイデアをNHKの取材で来校した料理評 論家でもあるグッチ祐三さんに話したところ「ナイスア 【グッチ裕三さんからヒント】 イデ ア 」と 絶 賛 さ れ た ば か り で な く 、 「東京では雑穀がブ ー ム な の で そ の 商 品 開 発 を し た ら ど う か 。」と ア ド バ イ ス をいただきました。そこで、お米にキビやアワ、紅大豆 な ど 8 種 類 を ブ レ ン ド し た、 炊 く と 桜 色 に な る 雑 穀 米 を 考え、 「 さ く ら 八 穀 米 」と 名 付 け 、来 月 の 杉 並 産 直 で マ ー ケットリサーチを実施します。 ステージ4はOKINOショップの開店プラン作成で す。川西中学校の北側に予定されている 6 次産業拠点施 【6次産業拠点施設】 設は こ の イ メ ー ジ 図 の よ う に 、 川 西 町 6 次 産 業 化 の 切 り 札 と し て 平 成 28 年 3 月 に 開 店 の 予 定 で す 。私 た ち は こ の 一 角 に 「 OKINO シ ョ ッ プ 」 を 開 店 し た い と 考 え 、 川 西 町 役 場 産 業 振 興 課 6 次 産 業 推 進 室の 内 谷 室 長 を 訪 れ ま し た 。 室長はセンターのコンセプトなどを丁寧に説明してくだ さったあと「この施設の成功は置賜農業高校とのコラボ レ ー シ ョ ン が 鍵 を 握 っ て い る 。 頑 張 っ て く だ さ い 。」 と 励 【6次産業推進室】 ましてくださいました。私たちは自分た ちが考え出した加工品や特産品セットはもちろん、 新製品開発に努め、2 年後に開店予定の道の駅を成功に導きたいと考えています。 《ま と め と 考 察 》 1 .6 次 産 業 化 に 関 す る 学 習 や 研 修 に よ っ て 、 加 工 や 販 売 学 習 の 方 向 性 が 見 え て き ま し た 。 2.伝統野菜紅大豆や米粉を活用した新製品開発が進み、 商品化の見通しが立ちました。 3 .OKINO シ ョ ッ プ で の 商 品 ア イ テ ム を 増 や す 取 り 組 み が 進 み 、 特産品セットとして販売できる段階まで進みました。 以上の成果を向上させながら、具体的な出店プランを練り上げていきます。 《課 題 》 私たちのプロジェクト学習内容を原田川西町長さんにお話ししたところ、 「置農ブランド」 と の 連 携 が 川 西 町 の 6 次 産 業 や 拠 点 施 設 の 成 功 に は 欠 か せ な い 。 頑 張 っ て く だ さ い 。」 と 励 ましを受けました。今後は、新しい商品開発やイベント開催、ファン クラブ の創設 も含 め、 6 次産業化をキーワードとした地方創生のリーダーとなれるよう学習を続けます。 終わります。 プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ ー ( こ の 研 究 は 3 年 生 の 課 題 研 究 と の 合 同 研 究 で す 。) L3 長谷部 喬 ・ G3 伊藤 遙、小林かれん、高橋 E2 島貫夢奈、笹木樹奈、廣野夏鈴、伊藤優香、木村優花、 久坂部光璃、鈴木将大、安部暁生、加藤恭司 希
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