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2014 年
2 月 3 日(月)
No.3753
音響ハウス
4K 対応編集室「Edit-4」を稼働
Pablo Rio 4K HFR + Neo Nano パネル導入、Corvid Ultra で 4K/60p にリアルタイム対応
リニア編集とのハイブリッドで 4K カラー&フィニッシング
Pablo Rio を導入した 4K 対応「Edit-4」の全
景(左)とクライアントスペース
㈱音響ハウスは、映像ビル 4F にある「Edit-4」(第 4 編集室)の機材を更新し、 4K 対応編集室
として 2 月 3 日から営業を開始した。メインシステムには、クォンテル㈱のハイエンド カラー&
フィニッシングシステム「Pablo Rio 4K HFR」を導入 ( 操作パネルには新しい Neo Nano パネル
を採用 ) し、4K/60p 編集にも対応するほか、従来から好評を得ているリニア編集との 4K ハイブ
リッド・フィニッシングスルームとしての位置づけも継続して運用していく。広いスペースにはゆ
ったりしたクライアントスペースを設けているほか、65 インチの大型 4K モニターも設置している。
システム設計・施工は㈱テクノハウス、内装デザインは ASX ㈱が担当した。
従来通りの操作性で 4K 対応を
Edit-4 はこれまで、Quantel eQ +リニア編集機のハイブリッド編集室として稼働してきた。
同社では〈eQ でサブマスターを作成し、VTR エミュレ
ーションを使って Deko でテロップ入れをしながらテープ
に落とすようなワークフローが、非常にスムーズにできる
編集室としてご好評を得ていましたが、eQ の導入から既
に 10 年が経過し、大幅なバージョンアップが必要となり
ました。このタイミングで機材更新をするにあたっては、
4K 編集 への対応を考慮した機材選定となりましたが、
「Edit-4」の編集卓
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同じクォンテル社の Pablo Rio 4K であれば、
従来と変わらない操作性で 4K に対応できることから、
導入を決定しました〉とする。
また、既に国内だけでも 10 台以上が稼働しているシステムという実績も、機材選定の要素の
1 つとなったという。
広範囲なデータフォーマットに対応
Pablo Rio 4K は、国内ではターンキーシステムとして提
供されている。同社のシステムでは nVIDIA Tesla K20 ×
2 枚と Quadro K600 を組み込んでおり、4K 出力ボードは
AJA Corvid Ultra を採用している。Corvid Ultra を用いるこ
とで、DCI 4K や QFHD 素材に対しても安定した 60p のハ
イフレームレート再生を実現しているという。
同社では〈Pablo Rio の最大の特徴は、他のシステムを併
用することなく編集、コンポジット、カラーグレーディング
といった作業に対応できること。そのためのツールセットが
用意されており、生産性の高いワークフローを提供できます。 Pablo Rio 4K HFR のターンキーシステム
OpenEXR、RED HDRx、ARRI、Canon、Sony F65/XAVC、Phantom、GoPro といった広範囲に
わたるデータフォーマットに対応し、これら全てを容易に扱うことができます〉としている。
また、カラーグレーディングのみであれば、4K まで対応するシステムも数種類あるが、多くの
ファイルフォーマットに対応しながら編集やコンポジットまで柔軟に対応できるシステムは限定
されてしまう。さらに、4K に対応した VTR は存在しないため、4K 編集はファイルベースによる
作業となるが、その際、Pablo Rio のオープンな接続性も重要となる。同社の導入システムでは、
10Gb Ethernet カードと、USB3.0 + eSATA カードを実装しており、社内の NAS サーバーである
CLASTOR2100-LX(48TB)と 10G Ethernet の光ファイバーケーブルで結び、他の編集室や外部
とのやり取りに活用する。編集室に持ち込まれる素材に対しては、USB3.0 や eSATA 接続で対応
するという。
1 月 31 日には新編集室完成の記者発表会を開催。取締役 スタジオ事業部門 管掌の尾崎紀身氏
は〈昨今は 4K/8K と高精細映像に対する大きな波を感じており、今年は真の 4K 元年。その初頭
(左から)Pablo Rio 4K によるカラー&フィニッシングスペース、リニア編集スペース、NeoNano パネル
Edit-4 機材リスト
▽ Nonlinear Editing System:Quantel Pablo Rio 4K
(Supermicro SuperServer 7047GR-TRF-FC465PC)/ NeoNano Panel
/ Storage 36TB = 4K/24p 換 算 で 約 12 時 間 )
▽ Plug-in:Continuum Complete(Boris)、Sapphire、Monsters
GT、Particle Illusion(以上 GenArts )
、Primatte(IMAGICA)、FX(RE:Vision) ▽ 4K Monitor:PVM-X300(SONY)、
65Z8X(TOSHIBA)
▽ 4K Recorder:HyperDeck Studio Pro(Blackmagic Design)
【Linear Editing System】
▽ Editor:Axial3000(Accom)
▽ Switcher:HVS-1000 HANABI( 朋 栄 ) ▽ Character
Generator:Deko3000Hybrid(Avid)
▽ Mixer:GPS D/ESAM-400
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に 4K 対応編集室をオープンできることに、大き
な期待を感じている。4K 制作の拡大が予想され
る中、ポストプロダクションに課せられた課題は
膨大なファイルデータの処理であり、データマネ
ジメントが今後のポイントになってくる。4K 対
応の開始によって蓄積できるノウハウを、ユーザ
ーの皆さまに積極的にフィードバックしていきた
い〉とあいさつした。
また、執行役員 スタジオ事業部門 技術統括部
長の織田泰光氏が、Pablo Rio の導入など新編集
左から織田泰光氏、尾崎紀身氏、上本英史氏
室のコンセプトについて解説。〈制作者の皆さんが 4K に接する機会が少ない現状で、4K レコーダ
ー(HyperDeck Studio Pro)も設置したことで、積極的に 4K をアピールできればと考えている〉
とした。さらに、執行役員 スタジオ事業部門 営業統括部長の上本英史氏は〈DaVinci Resolve を
設置した EDIT-5 とあわせ、カラーグレーディングが可能な部屋は 2 部屋となる。これまでの eQ
から継続する番組等の編集業務だけでなく、多様なファイルベース収録に対応した CM 作品のグ
レーディング、フィニッシングにも積極的な営業を行っていく〉としている。
今回の Edit-4 更新により、同社のポストプロダクション体制は、
「Edit-1」(Autodesk Inferno)、
「Edit- 2 」(Flame)、「Edit- 3 」(Avid Symphony Nitris DX)、「Edit- 4 」(Quantel Pablo Rio
4K)、「Eidt-5」(DaVinci Resolve + Smoke + FCP)、「Ingest Room」(FCP)、「1MA」(SSL +
「2MA」
(SSL + ProTools HD3)、
「st3」
(ICON D-Control + Pro Tools HD)、
「st4」
ProTools HDX)、
(SSL + ProTools HDX)および「BD/DVD AUTHORING」となった。
MA スタッフ拡充、来期には MA スタジオを改修
一方、2009 年から同社がマネージメントを行ってきたフリーランスエ
ンジニアの山田克之氏(←写真)が、2014 年 2 月から同社 MA エンジ
ニアとして従事することになった。同氏は、2003 年からフリーランスエ
ンジニアとして CM を中心に PV、VP、DVD/BD 作品等の MIX、録音、
効果音作成等を手掛けている、。
同社では、〈経験豊富なエンジニアをスタッフの一員に加えることによ
り、MA、録音業務のさらなる拡充を図っていきたい〉としており、2014 年度には第 1MA ルー
ムの全面改修も予定しているという。
◇㈱音響ハウス http://www.onkio.co.jp/
東京都中央区銀座 1-23-8 TEL03-3564-4181 /ポストプロ TEL03-3567-4161
(左から)Autodesk 編集室の Edit-1、同 Edit-2、DaVinci Resolve + Smoke + FCP の Edit-5
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