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Quantel delivers 4K 60p post
at the 2014 FIFA World Cup™
Pablo Rio と GE2 のリアルタイム高解像度ポスト
プロダクションが世界初の4K 大イベントに貢献
Quantel delivers 4K 60p post
Quantel delivers 4K 60p post
Quantel delivers 4K
60p post at the 2014
FIFA World Cup™
Pablo Rio と GE2のリアルタイム高解像度ポス
トプロダクションが世界初の4K大イベントに貢献
2014 FIFA World Cup ™ は、Sony と FIFA とのパートナーシッ
プにより、
「新たな視聴次元とスポーツ放送における新時代
の幕開け」を期待させる大規模な 4K 収録が行われた初の大
イベントとなった。結果を目にした人々の反応は一様だった
ようだ。つまり、4K でのスポーツ撮影は素晴らしく、4K で視
聴されたワールドカップはまったく新しい体験だった、と。
クォン テ ル は、4K 60p ポ スト プ ロ ダ ク ション 向 け に
Pablo Rio カ ラ ー & フィニッシング シ ス テ ムと Genetic
Engineering 2 共有ストレージを提供することによって、こ
の体験を届ける主要な役割を担った。ワールドカップの 11
試合から 2 分間のプロモーション作品 11 本を仕上げると
いう内容だが、これは編集、カラーコレクション、フィニッ
シングを経て、翌日には世界中の 30,000 もの Sony スト
アで Sony 製新 4K テレビのプロモーションとしての視聴用
に、一晩で納品することが必要とされた。また、これらは
リオデジャネイロ周辺のファンパークに設置された巨大ス
クリーンでも上映された。Sony と HBS が 4 試合を 4K 60p
で撮影し、NHK が 8K スーパーハイビジョンで 8 試合を試
験カメラで撮影した。8K フッテージは 4K 60p へダウンコ
ンバートされ、プロモーションビデオの編集に使用された。
決勝戦は 4K と 8K の両方で撮影された。
さらに、2014 FIFA World Cup ™のオフィシャル 4K フィルム
のプロモーショントレーラー作成と、オフィシャル 4K フィ
ルムの素材となる 11 試合からシーンを選択した 30 分作品
の制作も必要とされた。結果的に、どんな規格よりも大仕
事となる 4K 60p での作業となると、自然と選択は絞られ
ることになった。
ぴったりのシステム選択
Sony のワールドカップ 2014 プログラムマネージャーであ
る Mark Grinyer は、フリーランスカラリストおよびワーク
フローコンサルタントの Richard Hingley を雇い、リアルタ
イム 4K 60p という要件に対応できる適切なポストプロダ
クションシステムに関する調査と提言を依頼し、それから
リオデジャネイロへ行き、4K のエディトリアル・スーパー
バイザーとして 4K ポストの現場を務めることを依頼した。
「4K 60p を扱えると主張するシステムはたくさんありまし
たが、われわれが注視すべき点は、ターンアラウンドのス
ピードでした。」と Hingley は振り返る。
「決め手はクォンテルの Pablo Rio と Genetic Engineering
2 システム特有の、4K 60p をライブで取り込むことができ
る能力でした。これにより、素材がシステムに収録され次
第編集を開始できることになります。」Hingley は続ける。
「クォンテルだけが、実行可能なソリューションをもってい
たのです。」
Hingley が指定したシステムは、2 台の Pablo Rio 4KO シ
ステムが接続された約 60TB の GenePool 共有ストレージ
だった。一方の Pablo Rio ではリアルタイム収録とビュー
イングを、もう一方の Pablo Rio ではこれと同時にショット
選択、編集、カラーコレクション、そしてフィニッシングが
行われた。また、システムは Sony のサーバーやディスク
から XAVC ファイルをソフトマウントすることを必要とされ
た。というのも、ライブの試合はクォンテルのシステムと
共に、XAVC サーバー上にも収録されることになっていた
ためだ。
「このような方法をとる必要がありました、そうす
ればバックアップが常にあることになりますからね。それ
に、XAVC 収録は FIFA からアーカイブ用として要求されていました。」
と、Hingley は説明している。
リオデジャネイロへ
Pablo Rio と GE2 システムは、まずクォンテルの英国ニューベリー本
社で組み立てられ、十分なテスト後にブラジルに空輸され、4K で試
合撮影が行われるマラカナンスタジアムから 25 キロに位置する国
際放送センターの特別なエリアに設置された。4K で撮影された試
合は、6 月 28 日のラウンド 16・コロンビア対ウルグアイ、7 月 4 日の
準々決勝・フランス対ドイツ、そして 7 月 13 日の決勝・ドイツ対アル
ゼンチン。さらに、各試合の 4K プロモーションの編集用に、ライブ
の試合場面に加えて、移動クルーにより追加の 4K フッテージが 3 日
間に渡ってリオ周辺で撮影された。
プロモーション作品は 2 つの段階を経て制作された。まず最初に、
4K プロダクション OBトラックからのライブフィードから、あるいは
NHK の 8K フィードをダウンコンバートしたものから、Hingley が各試
合につき 30 分程度のショットを選択した。これらのショットは、2014
年の後半に編集されてクリスマス時期にリリース予定の 2014 FIFA
World Cup ™ のオフィシャル 4K フィルムのベースになるものだ。そ
れから Hingley はこれらのショット選択を 2 分間のプロモーションビデ
オに編集した。
「4K 60p を再生することは容易ではありません。われ
われがクォンテルを選んだ本当の理由は、4K 60p をライブで取り込
めることと、XAVC ファイルをソフトマウントできること、そしてメディ
アをライブで取り込んでいる時にプロモーションビデオの編集を開
始できることでした。」と Hingley は語る。
一揃いのツール
「言うまでもなく、プロモーションビデオの制作には Pablo Rio の編
集ツールセットを多用しましたが、カラーのツールセットも思ってい
たよりたくさん使いました。例えば、NHK のスーパーハイビジョンカ
メラは開発モデルでしたので時折色がマッチしないことがありまし
た。よって、プロモーションビデオにカラーコレクションを行って、8K
撮影のフッテージ間での色の一貫性をもたせると同時に、F55 で撮
影された 4K フッテージとも調和させる必要がありました。実際に、
Quantel delivers 4K 60p post
Quantel delivers 4K 60p post
ショット選択、編集、フィニッシング、カラーコレクション、オーディオ
調整、そしてタイトル入れのすべての工程が、クォンテルシステム上
で完結しました。本当に、必要なツールがすべて揃った、完全なカ
ラーとフィニッシングの環境ですよ。」と Hingley は話す。
を横断するように動き出して…拡大して見てみると、なんと旗の上を
這いまわるハエだったのです!なので、Pablo Rio にビルトインされて
いるペイントとレタッチツールを使って、マスクを作成し、トラッキン
グし、ペイント処理しました。とても簡単でしたよ。」
仮想化による時間の節約
すべてはディテールに
各プロモーションビデオが完成すると、GenePool Gateway を介した 「つまり、4K ってこういうことなんですね。びっくりするほど細かいと
ファイル仮想化を利用して、GenePool から直接エンコードされた。こ
ころまで見えますから。これまで 4K を見たことがなかった人たちの、
れは 1 つの作品につき少なくとも 1 時間の節約につながった。エン
スクリーンまで歩いて来たときの反応はすごかったですよ。HD では
コードが完了すると、プロモーションビデオは配信のために Sony の
スクリーンに近づくほど見えるディテールは少なくなる。4K だとこれ
「節約できた時間
が全く逆なのです。観衆の中のすべての顔が見える。近づくほど、よ
Ci メディアクラウドサービスへアップロードされた。
には本当に救われました。というのも、HBS から決勝戦後の正午に
り多くのディテールが見える。これは本当にすごい体験です。」
国際放送センターの電源を切るというアナウンスがあったのです。」
「全体を振り返ると、Sony はただクォンテルのシステムを起動し、収
「これに間に合うように、すべての素材を DPX
と Hingley は振り返る。
録、編集、そして出力できるということを知りたかったのです。これは
ファイルに出力する時間はないと思っていました。しかし、Sony が
まさに行った内容そのものですが。実際に、細かいことは置いておく
GE2 の中を見て、プロモーションビデオを(仮想化された)DPX ファ
と、Pablo Rio と GE2 の構成では、HD と 4K の作業で認識できる違い
イルとして見ることができたので、そこからダイレクトにエンコード作
はありません。つまり、それほど速くてレスポンスが良いということで
業を開始できました。そうしてなんとか、電源を落とす時間に間に合
す。」と Hingley は言う。
いました。」
「新しくていつもと違うこと、今まで誰もやったことがないことに参加
邪魔ものは…
できるのは、とてもワクワクしました。2010 年に南アフリカで開催さ
トーナメントの期間中に試合の合間で使用された背景映像は、FIFA
れたワールドカップでステレオ 3D の作品に取り組んだ経験はとても
が撮影した、風に穏やかにはためく旗の 4K クローズアップショット
素晴らしかったので、これに適うものはないだろうと思っていました
だった。
「これはライブ中継で試合の合間に頻繁に使用されたので、 が、今回のワールドカップで 4K 映像が視聴者に及ぼす効果はたいへ
ん大きなものでした。そしてもちろん、クォンテルのシステムは終始
われわれもこれを 4K プロモーションビデオに加えたいと考えまし
「でも、Pablo Rio 上で 4K で見ると、旗の
た。」と Hingley は振り返る。
完璧に動作してくれました。過酷な期間だったにもかかわらず、おか
上に小さな黒い染みのようなものが見えたのです。そして、それは旗
げで作業は本当に楽しかった !」と Hingley は結んだ。
上: Pablo Rio フィニッシ
ン グ シ ス テ ム。Richard
Hingley にとって の 神 経
中 枢 だ。HBS 国 際 放 送
センターはリオデジャネ
イロの郊外にあるリオセ
ントロ展示場に設営され
たため、機器の組み立て
だけでなく、個別のオペ
レーションを収容するた
めの 仮 設 部 屋も建 設す
る必要があった。よって、
壁は合板でできている。
左:ラック実装された GE2
システム。リアルタイム
4K 60p の準備は万端。
概要
クォンテルは、2014 FIFA World Cup™で4K 60pプロモーションビデオ制作用に、2台の
Pablo Rio 4KOで構成されるGenetic Engineering 2システムを提供した
これは4K 60pで撮影される初の大きなイベントとなった
「Sony はただクォンテルのシステ
ムを起動し、収録、編集、そして出
力できるということを知りたかった
のです。これはまさに行った内容
そのものですが。」
ワールドカップ期間中、2分間のプロモーションビデオが11本制作され、その翌日に
30,000ものSonyストアおよびファンパークで公開するために世界中に配信された
ショット選択、編集、カラーコレクション、フィニッシング、そしてタイトル入れを含
むポストプロダクション全体がPablo Rioで行われた
「クォンテルのシステムは終始完璧に動作してくれたので、作業が本当に楽しかった」
と、4Kエディトリアル・スーパーバイザーのRichard Hingleyは話している
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Quantel delivers 4K 60p post
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