2014 生命物理化学 問題解説7章

生命物理化学
問題解説
7章
7-8 標準起電力 E o は標準ギブズエネルギー変化 Δ r G o および平衡定数 K と次の
関係にある.
o
Δ r G o = −ν FE o および K = eν FE RT
各反応の標準起電力は表 7-1 にある半反応の標準還元電位を適当に組み合わ
せて求めることができる.
7-18 表 7-2 にあるアセトアルデヒドと NAD+ の標準還元電位の値から,反応の
標準起電力は E°́= 0.123 V である.平衡定数 K と反応の標準起電力は E°́の
関係は上の問題 7-8 と同様である.
7-22 リンゴ酸からオキサロ酢酸への NAD+ による酸化反応の標準起電力は,表
7-2 にある半反応の標準還元電位の値から,E°́= − 0.154 V と計算される. ΔrG°́の値と平衡定数 K は上の問題 7-8 と同様に計算される.K = 6.17 x10-6.
7-24 FAD の還元の半反応 FAD + 2H+ + 2e- → FADH2 について還元電位は
Nernst の式によって次のように書ける.
RT
E = E o '−
ln Q! E°́= − 0.219 V
νF
ここで,Q´は(生化学的)反応比であって,水素イオンの標準状態は 1 x10-7 M
である.したがって,反応比は Q´= {[FADH2] /([FAD]x[H+]2/(10-7)2)} である.
pH 7 で酸化体が 85 % を占めるとき,Q´= [FADH2] /([FAD] = 0.15 / 0.85 = 0.176
となる.また,酸化体が 15 % を占めるときは Q´= [FADH2] /([FAD] = 0.85 / 0.15
= 5.67
7-28 溶液β側の電位をゼロとすると,膜を隔てた平衡時の電位は
EK+,eq = - 0.0257 ln ([K+]α / [K+]β) = - 0.018 V.したがって,溶液 α 側が負の電位
をもつ.