(2x − 3y2)dx + (5y4 − 6xy)dy = 0

微分方程式 第 4 回演習 (訂正版)
第 4 回演習問題:次の例題の解答例に従って,テキスト p.73 演習 2.1(1)(2)(3) のうち二つを行い,得ら
れた一般解が与えられた微分方程式の解である事を確認せよ.
例題. 関数 y = y(x) についての次の微分方程式が完全微分形である事を確かめ,解け (一般解を求めよ).
(2x − 3y 2 )dx + (5y 4 − 6xy)dy = 0 · · · °
1
また,得られた一般解が与えられた微分方程式の解である事を確認せよ.
(解答例) P (x, y) = 2x − 3y 2 ,Q(x, y) = 5y 4 − 6xy とおくと
∂P
= −6y,
∂y
∂Q
= −6y
∂x
∴
∂P
∂Q
=
∂y
∂x
よって °
1 は完全微分形であり, ポテンシャル U = U (x, y) が存在する.
次にポテンシャル U = U (x, y) を求める.
∂U
= P ··· °
2
∂x
°
2 より
∫
U=
∂U
dx =
∂x
∫
(2x − 3y 2 ) dx = 2(
∂U
= Q··· °
3
∂y
x2
) − 3y 2 x + K(y) = x2 − 3xy 2 + K(y) · · · °
4
2
ここで,K(y) は y の関数.°
4 より
∂U
= −6xy + K 0 (y) · · · °
5
∂y
°
3°
5 より −6xy + K 0 (y) = Q.よって
− 6xy + K 0 (y) = 5y 4 − 6xy,
∴ K 0 (y) = 5y 4 ,
∫
y5
∴ K(y) = 5y 4 dy = 5( ) + C0 = y 5 + C0 · · · °
6 (C0 :任意定数)
5
°
4に°
6 を代入して, U = x2 − 3xy 2 + y 5 + C0 .°
1 の一般解は, U = C
(C :任意定数) より
x2 − 3xy 2 + y 5 + C0 = C.
ここで,C − C0 を改めて C とおいて
x2 − 3xy 2 + y 5 = C
(C :任意定数).
(確認法 1) 上の関係式 x2 − 3xy 2 + y 5 = C は x2 − 3xy 2 + y 5 − C = 0 より f (x, y) = x2 − 3xy 2 + y 5 − C
とおくと (微積 で学んだ) 陰関数 y = y(x) の微分法より
dy
fx (x, y)
2x − 3y 2
=−
=−
dx
fy (x, y)
−6xy + 5y 4
この両辺に (5y 4 − 6xy)dx を掛けて両辺の分母を払うと
(5y 4 − 6xy)dy = −(2x − 3y 2 )dx
∴ (2x − 3y 2 )dx + (5y 4 − 6xy)dy = 0 · · · °
1.
(確認法 2) 上の関係式 x2 − 3xy 2 + y 5 = C より定まる陰関数を y = y(x) とすると
x2 − 3x{y(x)}2 + {y(x)}5 = C
両辺 x で微分すると
2x − 3{1 · {y(x)}2 + x · 2y(x)y 0 (x)} + 5{y(x)}4 y 0 (x) = 0.
y = y(x), y 0 = y 0 (x) と簡略し整理すると
2x − 3y 2 + (5y 4 − 6xy)y 0 = 0,
∴ 2x − 3y 2 + (5y 4 − 6xy)
dy
= 0,
dx
∴ (2x − 3y 2 )dx + (5y 4 − 6xy)dy = 0 · · · °
1.
次ページへ続く (p.73 演習 2.1(2)(3) へのヒントがあります)
1
∫
テキスト p.73 演習 2.1(2) を求める際,x 偏不定積分
√
(y − x x2 + y 2 ) dx の計算が必要となるが,
y を定数と考えて x について不定積分すればよい.但し,積分定数に相当する物は y の任意関数 K(y)
dt
dt
となる.t = x2 + y 2 と置くと, dx
= 2x より dx = 2x
となるから
∫
∫
∫
√
√ dt
1 √
2
2
(y − x x + y ) dx = yx − x t ·
+ K(y) = yx −
t dt + K(y) = · · ·
2x
2
∫
テキスト p.73 演習 2.1(3) を求める際,x 偏不定積分 (1 + xy)exy dx の計算が必要となるが, y を定
数と考えて x について不定積分すればよい.部分積分法で求められる.但し,積分定数に相当する物は
∫
2x
y の任意関数 K(y).ヒント.次の様な計算をすればよい. e2x dx = e2 + C より
∫
∫
2x
(1 + 2x)e
dx =
e2x 0
e2x
(1 + 2x)(
) dx = (1 + 2x)(
)−
2
2
2
∫
(1 + 2x)0 (
e2x
)dx = · · ·
2