EL 2-5-1

EL 2-5-1
特別養護老人ホームにおける作業療法士と介護職の「情報の共有化」に関する認識
Understanding of information sharing among occupational therapists and care
workers in special elderly nursing homes
○宇佐美好洋 (OT) 1),小川恵子 (OT) 2),西田裕介 (PT) 2)
1)
帝京平成大学健康メディカル学部 作業療法学科,2)聖隷クリストファー大学大学院リハビリテー
ション科学研究科
Key words: Inter-professional collaboration
【はじめに】
特別養護老人ホーム(以下,特養)では,作業療法士(以下,OT)と介護職(以下,CW)の連携が
重要である.そして,連携の最も中心となる要素は「情報の共有化」であると報告されている.
【目的】
本研究の目的は,特養におけるOTとCWの連携を促進する方法を明らかにすることである.
【方法】
特養で働いた経験のあるOT10名とCW7名に半構造化インタビューを行った.そして,OTとCWの
「情報の共有化」に関する認識を明らかにし,それぞれの認識を比較することで連携を促進する方法
を検討した.
【結果】
OTとCWの「共有したい情報」と,「情報の共有化の促進要因」が明らかになった.さらに,それぞ
れの「共有したい情報」と「情報の共有化の促進要因」の関係を検討することで,OTとCWそれぞれ
の「情報の共有化の促進要因の構造」が明らかになった.
【結論】
「情報の共有化」はOTとCWそれぞれの「情報の共有化の促進要因の構造」にそって行うことで,促
進されることが示唆された.また,特養におけるOTとCWの連携モデルには,一部階層性を認めた
interdisciplinary modelを用いることが望ましく,本研究で明らかになったOTとCWそれぞれの
「情報の共有化の促進要因の構造」をOTとCWがそれぞれ知ることで,連携によって起こる葛藤や対
立を未然に防ぎ,連携を円滑にすることが示唆された.