13 山野草・コケの観察と放射能測定

森本晶子・染木泰子
大隅晶子・伊井一夫
サンプル採取地: A)佐須 滑 菅野宗夫氏宅周辺
B)佐須 滑 A氏宅周辺
C) 佐須 虎捕 山津見神社周辺
E)小宮 萱刈庭 F) 深谷 あいの沢 G)須萱
H)前田 豊栄 I)飯樋町
D) 佐須 牧草地
ユウガギク(B2)
オモト(A1)
フキノトウ(A1)
ミョウガ(A1)
ウド(A1)
2012/09/22
4,756Bq/kg
2012/09/23 葉 7,038Bq/kg
2013/09/18 葉 1,523Bq/kg
2013/09/18 実 2,693Bq/kg
2013/03/23
2013/08/31
根
812Bq/kg
葉茎 398Bq/kg
2013/06/09
0
ムラサキツユクサ(A1)
2012/09/23
9,090Bq/kg
954Bq/kg
2,000
4,000
6,000
8,000
0
10,000
ムラサキツユクサ A
フキノトウ A3
オモト A
オモトの実 A1
ユウガギク B
オモト A1
タラの芽 B1
ワラビ B
ウド A1
クローバー A
ヨモギ C
ヒマワリ B4
アキノウナギツカミ B
イチリンソウ B1
シドケ B
フキノトウ A1
ツルニチソウ A
ヨメナ A2
トラノオ C
フキノトウ A2
ミョウガ A
2012/09/22
ミョウガの根 A1
メジオン C
ヒメオドリコソウ A2
マツバギク A
フヨウ(赤) B4
ツユクサ C
2,160Bq/kg
1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000
コゴミ F
ネジリ草 B
タラの芽 B
イヌホオズキ(A2)
1,198Bq/kg
イヌホウズキ A2
イヌホウズキ A
ホウズキ A
2012年
山野草類の放射性Cs濃度
Bq/Kg(乾燥重量)
シドケ B
コンフリ B
スギナ C
2013年
山野草類の放射性Cs濃度
(Bq/Kg乾燥重量)
ツルニチニチソウ A1
行者ニンニク A1
ヤブカンゾウ A3
タニソバ B2
オオバコ A
カンゾウ A
クローバ C
タニソバ B
コケc(A1)
600,000
コケe1
A2
コケ(a,b,c,)
コケd
コケ
コケ
B3
コケC
コケB
コケ
2012年
コケ類の放射性Cs濃度
Bq/kg(乾燥重量)
コケ②
コケA
シダ類
ツル性植物
コケ①
コケの放射能は他の野草と比べ、
二ケタ高い値を示す
5,030
2,689
2013年
コケ類の放射性Cs濃度
Bq/kg(乾燥重量)
コケT
コケR
C1
コケD
コケS
コケU
コケZ
コケW
コケY
E1
菅野宗夫宅前
水路上の橋
コケF
コケd1
コケe
コケd(A2)
1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000
ゼニコケA
コケa
コケb
B3
0
800,000 1,000,000
A1
400,000
C2
609,000Bq/kg
A1
2012/11/04
200,000
コケc
A2
菅野宗夫宅裏古い側溝の側壁
0
コケX
コケB2
E2
2012/11/04
コケA2
104,000Bq/kg
コケO
コケN
A氏宅の裏山際の岩
2012/08/19
815,000Bq/kg
2013/09/21
3,758,000Bq/kg
B3の岩の様子(コケA,B,C,D採取地点
336,000Bq/kg
採取した中で最も
放射性 Cs 濃度が
高かった
コケP(木の幹)
コケM
尾瀬 H1 G1
コケD(B3)
2012/11/04
コケK
熊
野
古
道
菅野宗夫圃場脇道路
コケO(F1)
コケL
F1
コケe(A2)
コケQ
コケV
コケ
コケの土
コケ
1,711
818
120
検出限界以下
コケの IP 画像(Imaging Plate:放射線の吸収量に応じて発光する蛍光体を用いた可視化技術)
2012/04/20撮影)
東京大学大学院農学生命科学研究科放射性同位元素施設 放射線植物生理学研究室 小林奈通子助教の協力による
① 山野草の放射能汚染の度合いは、その種類や採取する場所により、異なるが、一年の経過で、おおむね半分以下に減少した。
② コケが示す放射性セシウム濃度は、山野草と比べると、桁違いに大きい。また、年数を経ても高い放射能値が維持されるようにみえる。これは、コケが、山野草のような地下に伸びる
根を持たず、付着した処(土、木の幹、石、コンクリート)で、周囲から養分を集め、保持する性質を持つからだと考えられる。放射能汚染を知る手段として、コケが使えるかも知れな
い。実際、尾瀬で採取されたコケは、1,700Bq/Kgで、飯舘村より非常に低いが、汚染が認められた。しかし、熊野古道で採取したコケは、検出限界(120Bq/Kg)以下であった。
③ 飯舘村は花が素敵な山野草の宝庫であり、これを飯舘村の再生に生かす活動も視野に入れたいと思う。