放射能瓦礫受け入れ問題

放射能瓦礫受け入れ問題
宮島優一郎
1116622c
1.放射能汚染の基準
 2.受け入れに反対する自治体
 3.瓦礫の広域処理の利点
 4.瓦礫の広域処理の難点
 5.政策
 6.展望


シーベルト(Sv)・・・人が受けた放射線
影響の度合い(線量)を表す単位

ベクレル(Bq)・・・放射能の強さを表す
単位
1.放射能汚染の基準

クリアランス制度・・・H16年適用。原発か
らの廃棄物について
 放射能濃度が極めて低く人の健康への影響が無
視できるもの→普通の廃棄物として再生利用・
処分
 基準以上のもの→低レベル放射性廃棄物として
地中深くに隔離して埋めるなど

基準・・・0.01ミリシーベルト(mSv)/ 1年
 cf.日本の自然放射線レベル1,5mSv
(東京電力)
*IAEAやICRP(国際放射線防護委員会)の安全指針

物質ごとにクリアランスレベルのベクレルが
違う

セシウムでは0.1Bq/1g→100Bq/1kg
(http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100117a05j.pdf)
震災後の基準


放射性セシウム濃度が8,000Bq/kg以下である主灰や
不燃物は一般廃棄物最終処分場における埋立処分を
可能とする。
再利用について、利用する時点でクリアランスレベ
ルを超える場合であっても、被ばく線量を10μSv/年
以下に低くするための対策を講じつつ、管理された
状態で利用することは可能と考えられる。ここで管
理された状態での利用とは、公共用地において路盤
材など土木資材として活用する方法が考えられるが、
被ばく線量を抑制するため、覆土を行って地表に露
出しない方法での使用とすべきである。
(「福島県内の災害廃棄物処理の方針」H23/6/23環境省)
続き

8,000Bq/kg超え100,000Bq/kg以下の焼却灰・不燃物が、
条件付きではあるが、全国の一般廃棄物処理場で埋立て
ることが可能になった
*「100,000Bq/kg以下の廃棄物を一般廃棄物最終処分場で埋立
処分する場合、操業中は、居住地域等の敷地境界から適切な距
離をとれば、周辺住民の被ばく線量が年間1mSvを下回るとの試
算が得られている」
(「8,000Bq/kgを超え100,000Bq/kg以下の焼却灰等の処分方法に関する方針について」
H23/8/31環境省)
2.受け入れに反対する自治体

最終処分場候補地5つのうち
 栃木県矢板市
 茨城県高萩市
 環境省が事前に通告するとかえって混乱を招くとし
て、事前協議せず結果のみを通知

神奈川県横須賀市大楠地区
 県内限定とする持ち込み範囲、県と地元で協議する
という協定が反故にされる。説明会での説明不足。
3.瓦礫の広域処理の利点

災害復興が早く進む
 岩手・宮城では処理が済んだのはわずか6.8%。通常
の廃棄物の岩手は11年分、宮城は19年分が堆積し、
復興が進んでいない。
(http://garekikouiki-data.env.go.jp/)

地元産業を潤す
 がれき処理関係費として2012年度予算3440億円
 廃棄物処理施設の整備、検討段階の試験焼却な
どに要する費用も全額負担。
4.瓦礫の広域処理の難点

埋立地からの放射性物質の漏れ

基準超の廃棄物
 秋田県小坂町は首都圏から搬入された焼却灰から
8,000Bq/kg以上の放射性物質が検出されたため受
入れ中断

移動費用
 北九州市・・・船で一回約800t。最大で計
62500t受入れ。処理費は総額6億2200万円。国
が全額負担。
5.政策

基準を震災前に戻した後、処理を各自治体に
依頼。検査結果の公表の徹底。

基準を超えた廃棄物は福島県内の汚染地域
(帰宅困難地域)に廃棄

汚染地域の住民に対しては将来的に帰れると
言い続けるのではなく十分な金銭的補償
6.展望

放射性物質拡散ではないと明確な国際的基準
に基づいてアピールできる

比較的近い場所に処分することで効率よく低
費用で済む