専攻名 科目群 情報アーキテクチャ専攻 必修・選択 科目名 IT 系科目群 (英文表記) 選択 単位 2 データベースシステム特論 学期 教員名 Database Systems 2Q 慎 祥揆 インターネットの普及をトリガーにして、コンピューティングセントリックからデータセントリックへと IT 基 盤のパラダイムシフトが進⾏しつつあるが、これに伴い爆発的に増⼤するデータ/コンテンツを構造化・管理して、 各種の要求に適合した情報を素早く提供可能な DBS(データベースシステム)の役割が益々重要になりつつある。 概要 このような状況下では、データベース技術者やそのマネージャに対して、データベースの運⽤・管理・セキュリテ ィに関するより深い知識と⾼度なスキルが従来にも増して要求されている。本講義と演習はこのような要求に答え るものであり、DBS の基本技術の知識修得と、運⽤技術の実践的な体得を目的とする。 本講義はサーバを⽤いたグループワークであることを⼗分に認識して講義に臨んでほしい。 本講義と演習では、代表的な DBS 系資格(ORACLE, PostgreSQL-CE, MongoDB) に対応可能なレベルの知識とスキ ルの獲得を目指し、講義と演習を通じて以下の知識や・能⼒を習得できる。 オープンソースや商⽤のデータベース管理システムを実際に動作させて、ある程度の⼤きさと複雑さを持っ 1. たベンチマーク⽤のデータを対象にして、データベースを構築するまでのプロセスの理解。 そのデータベースの運⽤と管理を⾏うのに必要なログ管理⽅法、バックアップとリストアの⽅法と運⽤計 2. 画、パフォーマンスチューニング等の技術に関する知識の習得。 更に、オープンソース系の分散 DB 管理⽅式等の各種専門知識を学習し、広い視野を持って各業務に適合したデー 目的・狙い タベースシステムの構成が判断可能な能⼒を習得する。 修得できる知識単位: (A1) K-03-09-01 データベース⽅式(レベル3) データベースの種類と特徴、データベースのモデル (A1) データベース設計(レベル4) データ分析、データベースの論理設計、データの正規化、デー K-03-09-02 タベースのパフォーマンス設計、データベースの物理設計 (A1) K-03-09-03 データ操作(レベル4) (A1) トランザクション処理(レベル4)排他制御、リカバリ処理、トランザクション管理、データベ K-03-09-04 データベースの操作、データベースを操作するための言語 ースの性能向上、データ制御 (A1) K-03-09-05 前提知識 (履修条件) データベース応⽤(レベル3)分散データベース、ビッグデータ 1Q に開講するデータベース特論で説明するような、データベース及び管理システムに関する基礎知識を持ってい ること。具体的には、ER モデルを⽤いたスキーマ設計や SQL を⽤いた検索処理を実⾏することができ、DB トランザ クションで処理される内容が分かっていること。データベース特論に連続した受講が望ましい。 上位到達目標 DBS 系資格試験中級レベル相当 到達目標 • DBA 専門技術者としての DB 運⽤のための専門知識とスキルを習得できる。 • PostgreSQL-CE Silver、 ORACLE Master Silver、IPA テクニカルエンジニア(データベース) 相当レベル。 最低到達目標 DBS 系資格試験初級レベル相当 • DBA(Database Administrator)として必要な DB 管理のための基礎知識とスキルを習得できる。 • ORACLE Master Bronze、 IPA テクニカルエンジニア(データベース):一次 相当レベル。 形態 実施 特徴・留意点 録画・対面混合授業 授業の形態 対 面 授 業 講義(双⽅向) 実習・演習(個人) 実習・演習(グループ) ◎ サーバを共有したグループ構成による演習 サテライト開講授業 その他 授業外の学習 • • • オープンソース系の分散 DB の特徴や構築について学習する。 運営可能な実践的なデータベースを設計する。 演習報告レポート:各講義の後に⾏う演習で、実施した内容や発⽣した内容、およびその対処⽅法などに関す るレポートをまとめ提出する。原則、次回の講義の前までに提出する。 授業の内容 毎回配布する資料に基づき、DBS の技術内容と演習のポイントの講義を⾏った後、それに連続して実機サーバによる実⾏ 確認とそのまとめを⾏う演習の形式とする。 授業計画は以下の通りである.ただし、学⽣の理解度に応じて内容の深浅やシステム構築の内容等の関係により、各回 の内容を入れ替え、適宜調整する可能性がある。 31 回数 内容 サテライ 対面 ト開講 録画 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 無 対面 DBMS イントロダクション:最近のデータ処理分野における技術トレンドの状況か 第1回 ら、DBMS(データベース管理システム)の位置づけと DBA の役割についての説明 を⾏い、グループ学習のための準備を⾏う。 第2回 第3回 第4回 DBMS インストールと基本動作(演習):主に、データベースアーキテクチャを中 心にした導⼊的な概要説明を⾏う。 DBMS 基本運用操作:スキーマ制約定義、並列実⾏ロッキング、トランザクション 等の基本運⽤操作に関する説明と演習。 DBMS 基本運用操作(演習):検証⽤の例題データベースの構築を例題として、ス キーマ制約・ロッキング・トランザクション等の基本運⽤操作の演習。 バックアップとリストア(1):マスタデータベースの更新やトランザクション等を 第5回 運⽤する場合の信頼性を⾼めるために、データベースのバックアップを定期的にと る必要があるが、どの範囲までのバックアップを⾏うかの指針について学習する。 バックアップとリストア(2):データベース更新が進⾏するにつれデータブロック 第6回 の空きや不要なログデータが蓄積されるため、定期的なバッキュム処理が必要とな り、このスケジューリング根拠となる分析⽅式について学習する。 第7回 授業の計画 第8回 バックアップとリストア(演習):例題データベースを⽤いて、バックアップ・リ ストア機能の実⾏演習。 DBMS アーキテクチャと運用ツール:商⽤データベース管理システムのアーキテク チャ、及びその動作の概要を学習する。 DBMS アーキテクチャと運用ツール(演習):ユーザアカウント管理やテーブル定 第9回 義管理、及びチューニング状況をモニタリングする各種の運⽤機能を実際に実⾏す る演習。 第 10 回 ストレージ領域の監視とパフォーマンス管理(1):管理対象とするデータレコードの特 性から、ディスク上の物理的なテーブル領域の容量⾒積⽅法や、更新に伴うデータ領域の 消費状況の監視⽅法について学習する。 第 11 回 のパフォーマンスは、初期の DB スキーマの設計や条件参照経路の影響を深く受け ストレージ領域の監視とパフォーマンス管理(2):条件検索や更新などの DB 処理 ることが多い。その設計変更の指針とシステムの特性への適合⽅法について演習。 第 12 回 ストレージ領域の監視とパフォーマンス管理(演習):商⽤ DBMS のユーティリテ ィーを⽤いたストレージ領域の監視とパフォーマンス管理の演習 NoSQL(演習 1):データクラウドで必要な NoSQL 形式の DBMS についての動向説 第 13 回 明と、その中で特に最近注目されている KVS(Key Value Store)の技術内容について学 習する。 第 14 回 NoSQL(演習 2):MongoDB の基本的な操作演習を⾏う。 無 対面 第 15 回 NoSQL(演習 3):MongoDB を⽤いた検索性能を測定するような演習を⾏う。 無 対面 — 対面 試験 成績評価 教科書・教材 レベル) 次の3つのポイントで評価する(合計 100 点満点) 各習後のレポート:40 点(提出 6 回)、研究課題レポート(最終レポート):50 点、期末試験:10 点 特になし。LMS で配布するので、各自授業前にダウンロードすること。 • 参考図書 データベースの基礎的な知識に関する試験を⾏う。(情報処理技術者試験午前問題 OSS や商⽤ DBMS 各社(PostgreSQL, ORACLE, Altibase, Entier 等)から公開されているホワイトペーパーやマニュ アル類 • 石井達夫著、『PostgreSQL 完全攻略ガイド • Kristina Chodorow、Michael Dirolf、『MongoDB: The Definitive Guide』(O'Reilly Media、2010 年) 獲得可能なコンピテンシー メ タ コ ア コミュニケーション能⼒ 改訂第5版』(技術評論社、2006 年) 獲得可能度合 (◎ ○ △ -) - 継続的学修と研究の能⼒ - チーム活動 - システム提案・ネゴシエーション・説得 - ドキュメンテーション - ⾰新的概念・発想 - ニーズ・社会的・マーケット的視点 - 問題解決 - リーダーシップ・マネジメント - ファシリテーション・調整 - 32 獲得可能な内容
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