以上の三つの方法は,それぞれに特長を持っており,必 はじめに 要とする感度や実験の目的に応じて使い分けます。しかも アビジンは,卵白中に存在する分子量約 68 kDa の塩基 どのアビジン・ビオチンシステムも,蛍光または酵素をベー 性糖タンパク質で,低分子ビタミンであるビオチンに極め スとした検出法より高感度です。また,種々のマーカーを て強い親和性(親和定数:> 1015 M− 1)があります。ビ 簡単に交換したり,複数のマーカーを導入することができ オチンとアビジンの強い親和性と特異性を利用した,種々 るため,他のシステムでは測定困難な抗原の検出も行うこ のシステムが考案され, “アビジン・ビオチンシステム” とができます。 と名付けられました。このシステムは生体構造や機能の 様々な研究に利用されています。 タンパク質一分子には多数のビオチン分子が共有結合で きるので,ビオチン標識タンパク質は複数のアビジンと結 合することができます。また,ビオチン標識を温和な条件 で行えば,タンパク質の生理活性は損われません。ビオチ ン標識抗体,レクチン,核酸プローブを用いれば,それぞ れ抗原,糖複合体,核酸の検出に極めて有用です。 アビジン・ビオチンシステムを用いた,次の三つの基本 的な方法が開発されています。 アビジン・ビオチン システムの特長 アビジン・ビオチンシステムには,マーカー(標識物) を抗体や核酸プローブ,レクチンなどに直接結合させる方 法に比べて,次のような利点があります。 1. アビジンには四つのビオチン結合部位が存在するため, 検出感度の増幅が可能です。 2. アビジンとビオチンの親和性は非常に高いため,アビ ジン複合体とビオチン標識タンパク質の間に,安定な ● サンドイッチ法またはブリッジ法 “ ( Sandwich”or“Bridge”Technique) 用した方法です。まずビオチン標識一次抗体を加え,次に 識 EM(電子顕微鏡)マーカーを加えます。 ● 共有結合複合体法または標識アビジン法 ("Covalent Conjugate"or"Labeled Avidin" Procedure) 比(F / P 比)が高く,安定なアビジン複合体が得られ ます。また,蛍光色素で標識した抗体に比べて物質に 吸着しにくいため,組織と非特異的に吸着してバック グラウンド染色が高くなるといった問題がありません。 4. アビジン・ビオチン複合体を用いることにより,同一 2013 アビジンを加え,更にビオチン標識酵素またはビオチン標 3. 蛍光標識アビジン D * は蛍光色素とタンパク質の結合 免疫染色 アビジン一分子に四つのビオチン結合部位がある点を利 複合体が迅速に形成されます。 1 アビジン・ビオチン システムの原理とABCシステムの選択 1 アビジン・ビオチン システムの原理と ABC システムの選択 組織切片上の複数の抗原を,同一動物種の一次抗体を 複数用いて検出することができます(多重染色)。二つ の異なる酵素を用いる方法と,一つの酵素と,その酵 素によって異なった発色生成物を生じる二つの基質を 用いる方法があります。 ビオチン標識一次抗体または二次抗体を加えたのちに, 酵素,蛍光色素または EM マーカーと共有結合したアビジ ン複合体を加えます。 この方法は,細胞上の特異的エピトープの検出等に用い 5. 1種類の標識アビジンが手元にあれば,種々のビオチ ン標識抗体や核酸プローブなどと組み合わせて,用い ることができます。 *アビジン D については p.60 をご覧下さい。 られます。まず組織切片を,特異的エピトープを認識する モノクローナル一次抗体と反応させます。これにビオチン アビジン・ビオチン システムの応用例 標識二次抗体を加え,更にペルオキシダーゼ標識アビジン を加えます。最後に,ペルオキシダーゼ基質を加えて発色 ●免疫組織化学染色 させます。 ●組織の多重染色 ● RIA,EIA,蛍光免疫測定法 ● ABC (Avidin : Biotinylated Enzyme Complex) 法または Preformed Complex 法 ●抗体および抗原のアガロースへの固定 ●細胞表面抗原の精製 ●ホルモン結合部位の検出 1981 年に開発された,非常に感度の高い方法です(詳 ●膜小胞の立体化学的配置の研究 細は VECTASTAIN ABC 法とは?の項(p.14)をご覧下 ●フローサイトメトリー さい) 。この方法は,ビオチン標識一次抗体または二次抗 ●ニトロセルロースおよびナイロンメンブレン上のトラン 体を加えたのちに,あらかじめ調製したアビジンとビオチ ン標識酵素の複合体を加えます。 スファーブロットの検出 ● in situ ハイブリダイゼーション ●ニューロンの細胞内標識 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 13 ●遺伝子マッピング 1 VECTASTAIN ABC 法の使用法 ●ハイブリドーマのスクリーニング 1 .目的の抗原に対応する一次抗体を組織切片と反応させ アビジン・ビオチン システムの原理とABCシステムの選択 VECTASTAIN ABC 法とは? 組織学的に重要な抗原や,その他の目的分子の局在性を 確認する方法として,新しい免疫ペルオキシダーゼ法が, Su-Ming Hsu らにより開発されました。この方法は一次 抗体,ビオチン標識二次抗体,およびあらかじめ調製した アビジン - ビオチン標識酵素複合体(Avidin: Biotinylated Enzyme Complex)を用いるため, “ABC”法と 名付けられました。 アビジンとビオチンの極めて強い結合は実質上不可逆的 です。アビジンには四つのビオチン結合部位があり,一方, ます(例:腫瘍関連抗原に対するウサギ抗体)。 2 .ビオチン標識二次抗体(この例の場合:ビオチン標識 抗ウサギ IgG 抗体)を加えると,一次抗体・二次抗体・ ビオチンの結合体が形成されます。 3 .アビジン - ビオチン標識酵素の巨大分子複合体 ( ABC ) を加えてビオチン標識二次抗体と結合させます。 4 .最後に酵素基質溶液と反応させて,発色させることに より,組織切片上の抗原の存在部位を確認できます。 VECTASTAIN ABC キットの概略図 ∼免疫組織化学∼ 酵素を含むほとんどのタンパク質は,数分子のビオチンと 結合することができます。これらの特性によって,アビジ ンとビオチン標識酵素の間には,巨大分子複合体(ABC) が形成されます VECTOR 社ではこの原理を応用した試薬を,キット化 1. 内在性酵素活性を不活化する。 して提供しています。 4. ビオチン標識二次抗体を滴下する。 VECTOR 社の VECTASTAIN ABC キット は,アビジン DH * とビオチン標識酵素(ペルオキシダーゼ,アルカリ ホスファターゼ,またはグルコースオキシダーゼ)から成 り,免疫組織化学染色およびその他の用途に最適の複合体 を形成するよう,特別に調製されています。アビジン DH 免疫染色 - ビオチン標識酵素複合体の構造はまだ完全には解明され ていませんが,多くのビオチン標識酵素分子がアビジンを 2. 二次抗体を調製した動物種の正常 血清を滴下し,一次抗体の非特異 的結合をブロックする。 5. VECTASTAIN ABC 試 薬(ア ビ ジ ン - ビオチン標識酵素複合体)を滴 下する。 介してクロスリンクし,三次元的配列を形成していると考 2013 えられます。複合体は少なくとも1個のビオチン結合部位 を有しています。複合体はアビジン DH とビオチン標識酵 素をバッファー中で混合するだけで形成され,形成後は数 時間安定です。 *アビジン DH は VECTASTAIN ABC キット用に特別に 調製された製品です。単品では販売していません。 ̶参考文献̶ Hsu, S. M., Raine, L., Fanger, H., Am. J. Clin. Pathol ., 75, 734 - 738 (1981). 3. 一次抗体を滴下する。 =抗原 =内在性酵素活性除去剤 =ビオチン =正常血清 =抗体 =アビジン−ビオチン標識酵素複合体 ※詳細は,図解操作マニュアルをご覧下さい(p.5 参照)。 Hsu, S. M., Raine, L., Fanger, H., J. Histochem. Cytochem ., 29 , 577 - 580 (1981). 14 6. 酵素基質溶液を滴下する。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] VECTASTAIN ABC 法の特長 VECTASTAIN ABC 法の応用例 ●高感度 ●組織染色 元来 ABC 法は,ホルマリン固定し,パラフィン包埋し た 組 織 切 片 用 に 開 発 さ れ ま し た が,VECTASTAIN ABC れています。VECTA-STAIN ABC 法は,更に高感度 キットは,あらゆるタイプの組織標本に用いられています。 です(試料によって感度は多少異なります)。ABC 法では 本キットではビオチン標識二次抗体のほかに,種々のビオ 一次抗体を高い希釈率で希釈して用いますが,高濃度の抗 チン標識一次抗体も使用できます。ポリクローナルおよ 体を必要とする他の方法よりも高い染色強度を得ることが びモノクローナル抗体をビオチン標識し,VECTASTAIN できます。実際に他の方法では検出できない抗原が,ABC ABC 試薬と共に直接用いれば,組織切片,生細胞,固定 法で容易に観察された例が多数報告されています。 細胞中の少量の抗原を検出することができます。またホル ABC 法の感度が高いのは,複合体に含まれる活性酵素 モン,毒素,レクチン,DNA または RNA プローブ,薬物, 分子の形と数に起因しており,そのため複合体とビオチン 酵素阻害物質,酵素基質,血清タンパク質,ウイルスなど 標識二次抗体との反応は速やかで,不可逆的なものとなっ をビオチン標識すると,それぞれのレセプターや結合成分 ています。また,二次抗体と結合しているビオチンがリン の検出,局在部位の確認,定量などに有用な中間体となり クの働きをするので,ごく少量のビオチン標識二次抗体で ます。 高い感度を得ることができます。 ●トランスファーブロットの検出 VECTASTAIN ABC 法はゲルからトランスファーしたタ ●低バックグラウンド VECTASTAIN ABC 法では,高度に希釈した抗体,およ ンパク質,DNA および RNA の検出(ウエスタン,サザン, び特別に調製したアビジン DH とビオチン標識酵素を用い ノーザン法)にも使用できます。ビオチン標識レクチン ます。その結果,バックグラウンド染色を極めて低く抑え と VECTASTAIN ABC 試薬を用いれば,ウエスタンブロッ ることができます。 ティングにおいて特異的な糖タンパク質を検出することも できます。ニトロセルロース,ナイロン,PVDF や他のメ ●高効率 ンブレンフィルターを用いて,高感度・低バックグラウン VECTASTAIN ABC 法は,通常3時間以内で全操作が完 ドの検出が可能です。 ●酵素免疫測定法(EIA) ●試薬の安定性 出にも優れた試薬です。アビジンとビオチンの高い親和 VECTASTAIN ABC キットは,酵素免疫測定法での検 VECTASTAIN ABC キットに含まれる試薬は安定で,冷 性と特異性,ならびに ABC 試薬の高い感度と低いバッ 蔵で数年間保存できます。 クグラウンドを利用して,酵素免疫測定法での検出が大 ※保証期間は一年となります。 幅に改善されました。一例として,ハイブリドーマ培養 により産生されるモノクローナル抗体の検出があります。 ●幅広い用途 マニュアル操作および自動染色システムで使用でき,い ずれも質の高い染色結果を得られます。 VECTASTAIN ABC 法は高感度なので,スクリーニングに 必要な抗原と培養上清の量を減らすことができ,陽性ク ローンを早期に検出できます。また測定時間も大幅に短縮 できます。 ●再現性のある結果 VECTASTAIN ABC キットに含まれる試薬は,一貫した 信頼のおける結果が得られるように,全てのロットについ て注意深く調製・検定されています。また,一次抗体の力 価を何度も検討する手間が省けるよう,ロット間の差をコ ントロールしています。 ● in situ ハイブリダイゼーション 細 胞 や 組 織 切 片 中 の ウ イ ル ス ゲ ノ ム,mRNA, 染 色 体マーカー,その他の核酸ターゲットを,ラジオアイソ トープ標識ポリヌクレオチドプローブを用いずに検出 できます。ビオチン標識 DNA または RNA プローブと VECTASTAIN ABC キットを使用して,in situ ハイブリダ ●高い経済性 1キットで多数の切片を染色できます。また ABC 法は 感度が高く,ごく少量の一次抗体で抗原を検出できるため, 一次抗体にかかる費用を節約でき,切片当たりの試薬コス トを最大で 90 %も節約できます。更に反応時間を短縮す ることもできます。 イゼーションを行えば,顕微鏡下で直接検出できます。 ●電子顕微鏡 VECTASTAIN ABC 法は,電子顕微鏡用の最も感度の高 い酵素免疫法であると報告されています。VECTASTAIN ABC 試薬の利点として,使用する一次抗体の量が少なく て済むこと,反応時間が短いこと,染色性が優れているこ ●多くの使用例 VECTASTAIN ABC 法は,最も広く用いられている免疫 組織化学染色法です。数万点以上の論文にその使用例が掲 載されています。 2013 がある上に,染色強度も低い傾向にあります。 免疫染色 了します。他の方法では,一次抗体を一晩反応させる必要 アビジン・ビオチン システムの原理とABCシステムの選択 VECTASTAIN ABC ペルオキシダーゼ法は,他の免疫ペ ルオキシダーゼ法に比べて,40 倍も感度が高いと報告さ 1 とが挙げられています。 使用可能な基質は,DAB(#SK-4100),VECTOR VIP (#SK-4600),VECTOR SG(#SK-4700)です。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 15 キットと関連製品の種類 1 VECTASTAIN キット 酵 素 ABC ペルオキシダーゼ 染色枚数の目安 切片:1,000 ∼ 2,000 枚 アビジン・ビオチン システムの原理とABCシステムの選択 ニトロセルロースまたはナイロンメンブレン(100 cm2):50 枚 ABC 切片:500 ∼ 1,000 枚 ペルオキシダーゼ ニトロセルロースまたはナイロンメンブレン(100 cm2):25 枚 Universal ABC 切片:500 ∼ 1,000 枚 ペルオキシダーゼ ニトロセルロースまたはナイロンメンブレン(100 cm2):25 枚 R.T.U. Universal ABC 切片:500 ∼ 1,000 枚 ペルオキシダーゼ ニトロセルロースまたはナイロンメンブレン(100 cm2):25 枚 ABC-AP 切片:1,000 ∼ 2,000 枚 アルカリホスファターゼ ニトロセルロースまたはナイロンメンブレン(100 cm2):50 枚 Universal ABC - AP 切片:1,000 ∼ 2,000 枚 アルカリホスファターゼ ニトロセルロースまたはナイロンメンブレン(100 cm2):50 枚 ABC-GO 切片:1,000 ∼ 2,000 枚 グルコースオキシダーゼ Universal ペルオキシダーゼ 切片:500 枚 R.T.U. Universal ペルオキシダーゼ 切片:500 枚 ImmPRESS 切片:75 ∼ 150 枚(15 ml) ペルオキシダーゼ アルカリホスファターゼ 250 ∼ 500 枚(50 ml) 免疫染色 各検出系の比較 2013 検出系 酵素 感度 アッセイのコスト ImmPRESS HRP ●●●●● ●●● HRP ●●●●● ●● HRP ●●●●● ●● HRP ●●●● ●● HRP ●●●● ●● ABC R.T.U. Universal Universal ABC ABC R.T.U. Universal ABC ABC HRP ●●● ● ABC-AP AP ●●●● ● ABC-GO GO ● ● Mouse on Mouse (M.O.M.) HRP ●●● ●●● 酵素標識アビジン/ストレプトアビジン HRP または AP ●●● ● R.T.U. HRP 標識アビジン/ストレプトアビジン HRP ●●● ● 酵素標識二次抗体 HRP または AP ●● ● VECTASTAIN ABC キットの名称は,広義にはアビジ ン - ビオチン標識酵素またはストレプトアビジン - ビオチ ン標識酵素検出法による5種類の酵素検出キット(ABC, や,一次抗体が安価な場合などに有用です。 ABC(ペルオキシダーゼ)キット VECTASTAIN VECTASTAIN ABC(ペルオキシダーゼ)法を改良した )の もので,染色感度が 5 ∼ 10 倍高く,バックグラウンドが 総称として用い,狭義には,ABC ペルオキシダーゼキッ 低いという特長があります。キットに含まれるアビジン - ト(ABC-PO)を示します。 ビオチン標識ペルオキシダーゼ複合体は,サイズが小さく ABC,ABC - AP,ABC - GO,Universal 均一で活性が高いため,組織切片中によく拡散し,ビオチ ●各キットの特長 ン標識ターゲットと数多く結合します。抗原濃度が低い場 合や,厚い切片,神経組織,一次抗体が微量しか手に入ら VECTASTAIN ABC(ペルオキシダーゼ)キット ない場合などに有用です。また,染色時間も短縮できます。 最初に開発された製品で,最も広く使われています。抗 原の量がある程度以上あり,多数の切片を染色したい場合 16 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 特 長 キット内容 適する試料 多数の切片を染色する場合,一次抗体 が安価な場合 ●ブロッキング用血清 ・アビジンービオチン標識酵素複合体(ABC)を用いた検出法 ●ビオチン標識アフィニティ精製二次抗体 ・ABC キットを改良したもので,感度が高く(5∼ 10 倍),低バッ ●試薬 A ●試薬 B クグラウンドで,シグナルの増幅が大きい ・ABC キットよりも短時間で染色可能 抗原濃度が低い場合,厚い切片,神経 組織,一次抗体が微量の場合 ・ ABC キットと同性能を有し,更にマウスとウサギ由来の一 次抗体に共通に使用可能 ●ブロッキング用ウマ血清 ●ビオチン標識アフィニティ精製ユニバーサル二次抗体 ・Universal ABC キットとキット内容は同じだが,あらかじ ●試薬 A ●試薬 B め混合希釈/安定化済みの試薬キット ●ブロッキング用血清 ●ビオチン標識アフィニティ精製二次抗体 ●試薬 A ●試薬 B ・アビジンービオチン標識酵素複合体(ABC)を用いた検出法 ・染色密度はやや低いが,非常に高感度 ・バックグラウンドが低く,シグナルの増幅が大きい ・ABC-AP キットと同性能を有し,更にマウスとウサギ由来の一次 ●ブロッキング用血清 抗体に共通して使用可能 ●ビオチン標識アフィニティ精製ユニバーサル二次抗体 ●試薬 A ●試薬 B 細胞の形態的観察を行う場合(固定組 織では内在性のアルカリホスファター ゼの影響はない) ●ブロッキング用血清 ・アビジンービオチン標識酵素複合体(ABC)を用いた検出法 ・やや低感度だが,哺乳類に存在しない,グルコースオキシダーゼ ●ビオチン標識アフィニティ精製二次抗体 ●試薬 A ●試薬 B を利用しているため,バックグラウンドが低い 内在性のペルオキシダーゼやアルカリ ホスファターゼが問題となる場合 ・ストレプトアビジンとペルオキシダーゼの複合体をあらかじめ形 成させた検出法 ・他の検出法に比べ簡便・短時間で結果を得ることができる ●ブロッキング用血清(ウマ) ・複数の由来動物種の一次抗体を検出可能 ●ビオチン標識ユニバーサル二次抗体(ウマ) ・二次抗体はマウス・ラット・ヤギ・ヒツジ・ウシの IgG を認識可 ●ストレプトアビジンーペルオキシダーゼ複合体 能 ・Universal キットとキット内容は同じだが,あらかじめ混 合希釈/安定化済みの試薬キット ・酵素マイクロポリマーを用いた検出法 ・非特異的結合が低く抑えられる ● ImmPRESS Reagent ●ブロッキング用血清(ウマ) ● マウス組織に抗マウス 一次抗体を使用 Ready-to-use 免疫染色のステップ数 ● 1 2013 ポリマー系 免疫染色 ビオチン不含 1 アビジン・ビオチン システムの原理とABCシステムの選択 ・アビジンービオチン標識酵素複合体(ABC)を用いた検出法 ・低バックグラウンドで,シグナルの増幅が大きい 2 ● 2 2 ● 2 2 2 2 ● 2 2 ● 2 1 VECTASTAIN ABC-AP キット VECTASTAIN Universal キット 非常に高感度ですが,一般的に染色密度がペルオキシ 最新技術により,あらかじめストレプトアビジンとペル ダーゼ反応生成物よりも低いため,染色した細胞の形態的 オキシダーゼの複合体を形成してあるため,他の酵素検出 観察が重要な場合に適しています。内在性のアルカリホス システムに比べ,簡便に短時間で染色結果が得られます。 ファターゼは,通常の固定組織の場合は特に問題になりま ビオチン標識二次抗体は,マウス,ラット,ウサギ,ヤギ, せん。 ヒツジ,ウシの IgG を共通に認識できます。 VECTASTAIN ABC-GO キット ※ VECTASTAIN スタンダードキットには試薬Aと試薬B 感度はやや落ちますが,グルコースオキシダーゼは哺乳 類の組織には存在しないため,内在性のペルオキシダーゼ のみが含まれ,ブロッキング用血清とビオチン標識抗 体は含まれていません。 やアルカリホスファターゼが問題となる場合に有用です (両酵素の除去法については p.38 ∼ 39 をご覧下さい)。 また二重染色法における,第2の抗原の検出に有用です。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 17 ●キットの選択 1 ●基質キット(詳細は p.53 ∼参照) アビジン・ビオチン システムの原理とABCシステムの選択 用いる一次抗体を作製した動物種を基にして,ABC キッ ペルオキシダーゼ,アルカリホスファターゼおよびグル トの種類を選択して下さい。例えばウサギで作製した一 コースオキシダーゼシステムに使用する非常に高い感度と 次 抗 体 を 用 い る 場 合 は,VECTASTAIN ABC“ Rabbit 優れた染色性を示す各種基質キットがあります。各キット IgG ”キットを使用します。一次抗体の動物種に対応す には,便利な滴下瓶に入ったストック溶液と,使用説明書 る ABC キットがない場合,またはキットに含まれる抗体 が入っています。 の特異性が使用目的に適さない場合は,使用目的にあっ たビオチン標識アフィニティ精製抗体を別途ご用意の上, VECTASTAIN ABC スタンダードキットと組み合わせてお 使い下さい。例えば一次抗体(または抗原)がヒト IgA の 場合,ビオチン標識抗ヒト IgA 抗体と VECTASTAIN ABC スタンダードキットを組み合わせて用います。ブロッキン グ用血清も別売品があります。 染色する切片が一次抗体を作製した動物種と同じ場合 は,ビオチン標識二次抗体が組織に内在するイムノグロブ リンと結合し,バックグラウンドが高くなることがあり ます。このような場合には,一次抗体をビオチン標識し VECTASTAIN ABC スタンダードキットと組み合わせて用 います。またマウス組織の抗原をマウス由来の一次抗体を 用いて染色する場合には,Mouse on Mouse(M.O.M.) Immunodetection キット(p.44 参照)をご使用下さい。 VECTASTAIN ABC キットの選択 免疫染色 例 選択 ウサギで作製した一次抗体を用いる場合 VECTASTAIN ABC“Rabbit IgG ”キットを使用 2013 使用目的に合った 用いる一次抗体の動物種の ABC キットがない場合 ビオチン標識アフィニティ精製二次抗体(別売り) + 例:一次抗体の由来(または抗原)がヒト IgA の場合* 1 VECTASTAIN ABC スタンダードキット + キットに含まれるビオチン標識二次抗体の特異性が使用 目的に適さない場合 ブロッキング血清 (二次抗体の由来動物を選択:別売り) の組み合わせで使用 ※組み合わせ例については次ページ参照 一次抗体をビオチン標識する(別売り) + *2 染色する切片が一次抗体を作製した動物種と同じ場合 VECTASTAIN ABC スタンダードキット (p.20 参照 ) の組み合わせで使用 マウス組織の抗原をマウス由来の一次抗体を用いて染色 したい場合 Mouse on Mouse ( M. O. M. ) Immunodetection キット (p.44 参照)を使用 * 1 ビオチン標識抗ヒト IgA 抗体と VECTASTAIN ABC スタンダードキット(p.20 参照)を組み合わせて使用。 * 2 ビオチン標識二次抗体が組織に内在するイムノグロブリンと結合し,バックグラウンドが高くなる可能性があるため。 ※ブロッキング用血清の別売品有り(p.20 参照)。 18 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] カスタム ABC システムの構築例 1 目的の ABC Kit がない場合,スタンダードキット(p.20 キング用正常血清(p.20 参照)の別売品を組み合わせて, カスタムの ABC システムを構築することが可能です。 例 推奨される製品の組み合わせ VECTASTAIN ABC スタンダードキット (#PK-4000) + マウスの組織をラットモノクローナル抗体を用いて染 色する場合 ビオチン標識抗ラット IgG (H+L) 二次抗体 免疫動物:ウサギ (#BA-4001) + ブロッキング用ウサギ正常血清 (#S-5000) VECTASTAIN ABC スタンダードキット (#PK-4000) + ラットの組織をマウスモノクローナル抗体を用いて染 ビオチン標識抗マウス IgG (H+L) 二次抗体 免疫動物:ウマ (#BA-2001) 色する場合 + ブロッキング用ウマ正常血清 (#S-2000) VECTASTAIN ABC スタンダードキット (#PK-4000) + ヒトの組織をマウスモノクローナル抗体 ( IgM ) を用い て染色する場合 ビオチン標識抗マウス IgM ( μ ) 二次抗体 免疫動物:ヤギ (#BA-2020) + ブロッキング用ヤギ正常血清 (#S-1000) アビジン・ビオチン システムの原理とABCシステムの選択 参照)およびビオチン標識二次抗体(p.63 参照),ブロッ 免疫染色 2013 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 19 ● VECTASTAIN ABC キット 別売品 1 アビジン・ビオチン システムの原理とABCシステムの選択 酵素 VECTASTAIN ABC キット 品名 PO 免疫染色 2013 AP GO 別売品 ビオチン標識二次抗体* ABC 試薬 商品コード 商品コード 特異性 免疫動物 商品コード Standard Kit PK-4000 PK-4000 − − − − Goat IgG Kit PK-4005 PK-4000 Goat IgG(H+L) Rabbit BA-5000 S-5000 Guinea Pig IgG Kit PK-4007 PK-4000 Guinea Pig IgG(H+L) Goat BA-7000 S-1000 Human IgG Kit PK-4003 PK-4000 Human IgG(H+L) Goat BA-3000 S-1000 商品コード Mouse IgG Kit PK-4002 PK-4000 Mouse IgG(H+L) Horse BA-2000 S-2000 Mouse IgM Kit PK-4010 PK-4000 Mouse IgM(μ) Goat BA-2020 S-1000 Rabbit IgG Kit PK-4001 PK-4000 Rabbit IgG(H+L) Goat BA-1000 S-1000 Rat IgG Kit PK-4004 PK-4000 Rat IgG(H+L) Rabbit BA-4000 S-5000 Sheep IgG Kit PK-4006 PK-4000 Sheep IgG(H+L) Rabbit BA-6000 S-5000 Universal Quick Kit PK-8800 − Mouse/Rabbit/Goat IgG(H+L) Horse BA-1300 S-2000 R.T.U. Universal Quick Kit PK-7800 − − Horse − S-2000 Elite Standard Kit PK-6100 PK-6100 − − − − Elite R.T.U. Standard Kit PK-7100 PK-7100 − − − − Elite Goat IgG Kit PK-6105 PK-6100 Goat IgG(H+L) Rabbit BA-5000 S-5000 Elite Human IgG Kit PK-6103 PK-6100 Human IgG(H+L) Goat BA-3000 S-1000 Elite Mouse IgG Kit PK-6102 PK-6100 Mouse IgG(H+L) Horse BA-2000 S-2000 Elite Rabbit IgG Kit PK-6101 PK-6100 Rabbit IgG(H+L) Goat BA-1000 S-1000 Elite Rat IgG Kit PK-6104 PK-6100 Rat IgG(H+L) Rabbit BA-4000 S-5000 Elite Sheep IgG Kit PK-6106 PK-6100 Sheep IgG(H+L) Rabbit BA-6000 S-5000 Elite Universal Kit PK-6200 PK-6100 Mouse/Rabbit IgG(H+L) Horse BA-1400 S-2000 − R.T.U. Elite Universal Kit PK-7200 PK-7100 − − − Standard Kit AK-5000 AK-5000 − − − − Goat IgG Kit AK-5005 AK-5000 Goat IgG(H+L) Rabbit BA-5000 S-5000 Guinea Pig IgG Kit AK-5007 AK-5000 Guinea Pig IgG(H+L) Goat BA-7000 S-1000 Human IgG Kit AK-5003 AK-5000 Human IgG(H+L) Goat BA-3000 S-1000 Mouse IgG Kit AK-5002 AK-5000 Mouse IgG(H+L) Horse BA-2000 S-2000 Mouse IgM Kit AK-5010 AK-5000 Mouse IgM(μ) Goat BA-2020 S-1000 Rabbit IgG Kit AK-5001 AK-5000 Rabbit IgG(H+L) Goat BA-1000 S-1000 Rat IgG Kit AK-5004 AK-5000 Rat IgG(H+L) Rabbit BA-4000 S-5000 Sheep IgG Kit AK-5006 AK-5000 Sheep IgG(H+L) Rabbit BA-6000 S-5000 S-2000 Universal Kit AK-5200 AK-5000 Mouse/Rabbit IgG(H+L) Horse BA-1400 Standard Kit OK-3000 OK-3000 − − − − Mouse IgG Kit OK-3002 OK-3000 Mouse IgG(H+L) Horse BA-2000 S-2000 Rabbit IgG Kit OK-3001 OK-3000 Rabbit IgG(H+L) Goat BA-1000 S-1000 PO:ペルオキシダーゼ,AP:アルカリホスファターゼ,GO:グルコースオキシダーゼ *ビオチン標識二次抗体の詳細については,p.63 をご覧下さい。 20 正常血清 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 2 ABC システムを用いた組織染色法 VECTASTAIN ABC-PO(ペルオキシダーゼ) キット キットに含まれる試薬以外に必要な試薬 ・一次抗体 VECTASTAIN ABC - PO キットには,アビジン DH と ビオチン標識西洋ワサビペルオキシダーゼ H が含まれて ・バッファー ・ペルオキシダーゼ基質(p.54 参照) います。これらの試薬は,免疫ペルオキシダーゼ染色に最 適な複合体を形成するよう,特別に調製されています。使 反応溶液( Working solution)の調製法 用前に一定量のアビジン DH とビオチン標識ペルオキシ VECTASTAIN ABC-PO キットには,実験に使用する試 で複合体が形成されます。反応時間をそれ以上長くしても, 薬溶液を調製するのに便利な,混合用の瓶が入っています。 染色感度はあまり増大しません。複合体は形成後数時間は 混合瓶には最初,滴下用ディスペンサーが差し込んであり 安定です。1 キットで約 220 ml の希釈溶液を調製するこ ません。混合瓶にバッファーと試薬を加えたのち,ディス とができ,1,000 ∼ 2,000 枚の切片を染色できます。 ペンサーを,カチッと音がするまではめ込みます。ディス ペンサーを外す場合は,ディスペンサーの首の部分を横か 商品コード ら親指で押して外します。外したディスペンサーを他の試 Goat IgG Kit PK-4005 薬瓶に間違えてはめて,コンタミネーションを起こさない Guinea Pig IgG Kit PK-4007 よう注意して下さい(間違いを防ぐため,各々の混合瓶の Human IgG Kit PK-4003 ラベルの色を変えてあります)。液を滴下する際は,瓶の *1 PK-4002 口を垂直に下に向け,静かに押し出して下さい。使用しな Mouse IgM Kit * 2 PK-4010 い時には,蒸発を防ぐために,白色キャップをしっかり締 Rabbit IgG Kit PK-4001 めて下さい。 Rat IgG Kit * 3 PK-4004 Sheep IgG Kit PK-4006 Standard Kit PK-4000 Mouse IgG Kit *1マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。マウス組織の場合は M.O.M. Immunodetection キット(p.44 参照)をご使用下さい。ラット 組織の場合は別売りの吸収済みビオチン標識二次抗体(#BA-2001)と組み 合わせてご使用下さい。 *2マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。 *3マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。マウス組織の場合は別売 りの吸収済みビオチン標識二次抗体(#BA-4001)と組み合わせてご使用下 さい。 2013 VECTASTAIN ABC-PO Kit 免疫染色 ダーゼ H をバッファー中で混合し,30 分間静置するだけ 2 ABCシステムを用いた組織染色法 ※ VECTASTAIN ABC キットならびに試薬は,剖検例および動物組織等の免疫組織化学染色を目的とした研究 用です。生検試料等による疾病診断の目的には使用できませんので,十分ご注意下さい。 反応溶液の調製は,次の調製法に従って,同じ滴数比を 用いることをお勧めしますが,必要に応じて同じ容量比で 量を増やして下さい。 1)ブロッキング用血清(正常血清): 混合瓶(黄色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, ストック溶液(黄色ラベルの小瓶)を3滴加えます。 2)ビオチン標識二次抗体: 混合瓶(青色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, ストック溶液(青色ラベルの小瓶)を1滴加えます。 キットに含まれる試薬 3)VECTASTAIN ABC 試薬: 混合瓶(褐色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, ・ブロッキング用血清(正常血清) 黄色ラベルの小瓶:3 ml ・ビオチン標識アフィニティ精製二次抗体 青色ラベルの小瓶:1 ml * ・試薬 A(アビジン DH) 橙色ラベルの小瓶:2 ml ・試薬 B(ビオチン標識ペルオキシダーゼ H)* 褐色ラベルの小瓶:2 ml 試薬 A(橙色ラベルの小瓶)を正確に2滴加えます。 次に試薬 B(褐色ラベルの小瓶)を正確に2滴加え, 直ちに混和します。試薬の調製は使用する 30 分前に 行って下さい。 注:アジ化ナトリウムまたは他のペルオキシダーゼ阻害物 質を含む溶液で,ペルオキシダーゼ基質や ABC 試薬 を希釈しないで下さい。 * VECTASTAIN ABC スタンダードキット(#PK-4000) には,試薬AとBのみが含まれています。 ※キットに含まれるブロッキング用血清,ビオチン標識二 次抗体は,単品でも購入可能です。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 21 PBS バッファーの調製方法 15 .対比染色後,洗浄,封入します*。 *永久封入する場合は,脱水後に透徹・封入(非水溶性封 VECTASTAIN ABC 法には種々のバッファーを使用で 入剤を用いる)します。 き ま す が, 最 も 一 般 的 な の は PBS(10 mM sodium phosphate(pH 7.5)-0.9% saline)で,次のように調 2 凍結切片染色法 製します。 Na2HPO4(1.42 g)と NaCl(8.75 g)を蒸留水(950 ABCシステムを用いた組織染色法 ml)に溶解した後,リン酸で pH 7.5 に調整し,終量を この方法は,凍結切片,細胞塗抹標本,細胞遠心標本な どに適した一般的な方法です。 1,000 ml にします。 1 .切片を風乾します。 基 質 2 .染色直前に,アセトンまたは目的の抗原に適した固定 液を用いて切片を固定します。 ペルオキシダーゼ基質キットの詳細は p.54 をご覧下さ い。 3 .適当な大きさの容器に入れたバッファー中にスライド を直接入れます。 4 .内在性ペルオキシダーゼを除く必要がある場合には, 組織切片染色法 0.3%過酸化水素 - メタノール(または水)溶液に浸し, 30 分間反応させます*。過酸化水素の濃度を上げれば, 免疫染色 試薬は,スライド上の切片全体を覆うのに十分な量を滴 反応時間を短縮することができますが,場合によって 下して下さい。スライドは保湿チャンバーに入れて反応さ は過酸化水素処理により抗原が破壊されることがあり せます。染色は基質溶液を切片上に滴下するか,または基 ます。特にモノクローナル抗体を用いる時にはご注意 質溶液を入れた染色皿かカプリン瓶中で行います。 下さい。その場合は,ビオチン標識二次抗体と反応さ せた後に,内在性ペルオキシダーゼの除去操作を行っ パラフィン包埋切片染色法 て下さい。 2013 5 .パラフィン切片染色法のステップ 4 ∼ 15 に従って下 1 .組織切片をキシレンやその他の脱パラフィン試薬で脱 パラフィン化したのち,アルコール濃度を段階的に下 げて水和します。 さい。 *その他の内在性ペルオキシダーゼ除去法については, p.38 をご覧下さい。 2 .蒸留水で5分間洗浄します。 3 .内在性ペルオキシダーゼ活性を除去する必要がある場 注:一次および二次抗体を加えなくても,肥満細胞や他 合は,0.3%過酸化水素 - メタノール(または水)溶 の組織成分が染色されてしまう場合は,0.3 ∼ 0.5 M 液に浸し,30 分間反応させます*。過酸化水素の濃度 塩化ナトリウムを含むバッファーで ABC 試薬を調製 を上げれば,反応時間を短縮することができます。内 して下さい。非特異的なイオン反応を除くことができ 在性ペルオキシダーゼ活性が問題とならない場合は, ます。それでもバックグラウンドを除けない場合は, このステップは省略して下さい。 4 .バッファーで5分間洗浄します。 ス テ ッ プ 6 の 後 で,Avidin / Biotin Blocking Kit (#SP-2001)などを使用して下さい。 5 .調製済みブロッキング用正常血清(黄色ラベルの大瓶) を滴下し,20 分間反応させます。血清は二次抗体を 作製した動物と同じ動物種の血清を用います。バック グラウンドが問題とならない場合は,ステップ5 と6 は省略できます。 MEMO 内在性ビオチン等による非特異染色が問題とな る場合は,別売りの Avidin / Biotin Blocking Kit (#SP-2001)でブロックして下さい。 6 .余分な血清を吸い取ります。 7 .バッファーで希釈した一次抗体を滴下し,30 分間反 応させます。 8 .バッファーで5分間洗浄します。 9 .調製したビオチン標識二次抗体(青色ラベル大瓶)を 滴下し,30 分間反応させます。 MEMO 必 要 に 応 じ て VECTOR Antigen Unmasking Solution(#H-3300,#H-3301) な ど を 用 い, 抗 原を賦活化させて下さい(p.38 参照)。 10 .バッファーで5分間洗浄します。 11 .ABC 試薬(褐色ラベル大瓶)を滴下し,30 分間反応 させます。 12 .バッファーで5分間洗浄します。 13 .ペルオキシダーゼ基質溶液を滴下し,適切な染色強度 が得られるまで反応させます(用いる基質により反応 時間が異なります。詳細は p.54 をご覧下さい)。 14 .蒸留水で洗浄します。 22 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] VECTASTAIN ABC キット ABC キット VECTASTAIN Universal ABC R.T.U.VECTASTAIN Universal キット ABC および Universal れる試薬 ABC キットに含ま ・ブロッキング用血清(正常血清) 黄色ラベルの小瓶:3 ml ( ABC キットには,アビジン DH とビ オチン標識西洋ワサビペルオキシダーゼ H が含まれてい ABC キット) * ビオチン標識ユニバーサル二次抗体(ウマ) (Universal ABC キット) 青色ラベルの小瓶:1 ml ます。これらの試薬は,免疫ペルオキシダーゼ染色に最適 な複合体を形成するよう,特別に調製された試薬です。使 ・試薬 A(アビジン DH) 灰色ラベルの小瓶:2 ml 用前に一定量のアビジン DH とビオチン標識ペルオキシ ダーゼ H をバッファー中で混合し,30 分間静置するだけ ・試薬 B(ビオチン標識ペルオキシダーゼ H) 灰色ラベルの小瓶:2 ml で複合体が形成されます。染色感度は反応時間をそれ以上 長くしても,あまり増大しません。複合体は形成後数時間 *マウスとウサギの IgG を認識します。 は安定で,場合によっては数日間使用できますが,調製後 ※ VECTASTAIN なるべく早めにご使用いただくことをお勧めします。 VECTASTAIN ABC キットの最大の特長は,感度が 高く,しかもバックグラウンド染色が低いということです。 ABC ス タ ン ダ ー ド キ ッ ト (#PK-6100)には,試薬 A と B のみが含まれています。 ※キットに含まれるブロッキング用血清,ビオチン標識二 次抗体は,単品でも購入可能です。 キットを使用する場合と比べて,5∼ 10 倍に希釈した一 R.T.U. Universal ABC キットに含まれる試薬 次抗体を使用しても,同程度の染色強度を得ることができ ・正常ウマ血清 低濃度の抗原部位の確認,神経細胞の染色,また一次抗 体の量や費用に限りがある場合に特に有用です。また染色 時間も短縮でき,多重染色にも有用です。 ・ビオチン標識ユニバーサル二次抗体 ・ ABC キット, およびあらかじめ希釈調製済みの試薬から成る R.T.U. Universal ABC キットがあります。 Universal ABC キットは約 110 ml の反応溶液を調 ABC および :50 ml ABC 試薬 (希釈,調製,安定化済み) ABC キットのほかに,マウスとウサギ由来の一 次抗体に共通に使用できる Universal :50 ml * 2013 ます。 免疫染色 したがって,通常の VECTASTAIN ABC ペルオキシダーゼ ABCシステムを用いた組織染色法 VECTASTAIN 2 ・ビオチン標識アフィニティ精製二次抗体 図解操作マニュアル(p.5)参照 :50 ml *マウスとウサギの IgG を認識します。 ※すべての試薬はあらかじめ希釈,調製,安定化済みなの で,そのまますぐに使用できます。 ※1キットで約 500 枚の組織切片を染色することができ ます。 製でき,500 ∼ 1,000 枚の切片を染色できます。 キットに含まれる試薬以外に必要な試薬 VECTASTAIN ABC Kit Goat IgG Kit Human IgG Kit Mouse IgG Kit *1 Rabbit IgG Kit 商品コード PK-6105 ・一次抗体 PK-6103 ・バッファー PK-6102 ・ペルオキシダーゼ基質(p.54 参照) PK-6101 *2 PK-6104 Sheep IgG Kit PK-6106 Standard Kit PK-6100 Rat IgG Kit Universal Kit PK-6200 R.T.U. Universal Kit PK-7200 *1マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。マウス組織の場合は M.O.M. Immunodetection キット(p.44 参照)をご使用下さい。ラット 組織の場合は別売りの吸収済みビオチン標識二次抗体(#BA-2001)と組み 合わせてご使用下さい。 *2マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。マウス組織の場合は別売 りの吸収済みビオチン標識二次抗体(#BA-4001)と組み合わせてご使用下 さい。 反応溶液(Working solution)の調製法 VECTASTAIN ABC キットには,実験に使用する試 薬溶液を調製するのに便利な,混合用の瓶が入っています。 混合瓶には最初,滴下用ディスペンサーが差し込んであり ません。混合瓶にバッファーと試薬を加えたのち,ディス ペンサーを,カチッと音がするまではめ込みます。ディス ペンサーを外す場合は,ディスペンサーの首の部分を横か ら親指で押して外します。外したディスペンサーを他の試 薬瓶に間違えてはめて,コンタミネーションを起こさない よう注意して下さい(間違いを防ぐため,各々の混合瓶の ラベルの色を変えてあります)。液を滴下する際は,瓶の 口を垂直に下に向け,静かに押し出して下さい。使用しな い時には,蒸発を防ぐため,白色キャップをしっかりと締 めて下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 23 反応溶液の調製は,次の調製法に従って,同じ滴数比を 基 質 用いることをお勧めしますが,必要に応じて同じ容量比で 量を増やして下さい。 ペルオキシダーゼ基質キットの詳細は p.54 をご覧下さ い。 ABC キット 2 組織切片染色法 1) ブロッキング用血清(正常血清): ABCシステムを用いた組織染色法 混合瓶(黄色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, ストック溶液(黄色ラベルの小瓶)を3滴加えます。 試薬は,スライド上の切片全体を覆うのに十分な量を滴 下して下さい。スライドは保湿チャンバーに入れて反応さ 2) ビオチン標識二次抗体: せます。染色は切片上に基質溶液を滴下するか,または基 混合瓶(青色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, 質溶液を入れた染色皿かカプリン瓶中で行います。 ブロッキング用血清ストック溶液(黄色ラベルの小瓶) を3滴加え,次にビオチン標識二次抗体ストック溶液 パラフィン包埋切片染色法 (青色ラベルの小瓶)を1滴加えます。 ABC 試薬: 3) VECTASTAIN 1 .組織切片を,キシレンやその他の脱パラフィン試薬で 混合瓶(灰色ラベル)に 5 ml のバッファーを入れ, 試薬 A(灰色ラベルの小瓶)を正確に2滴加えます。 脱パラフィン化したのち,アルコール濃度を段階的に 下げて水和します。 次に試薬 B(灰色ラベルの小瓶)を正確に2滴加え, 2 .蒸留水で5分間洗浄します。 直ちに混和します。試薬の調製は使用する 30 分前に 3 .内在性ペルオキシダーゼ活性を除去する必要がある場 行って下さい。 合は,0.3%過酸化水素 - メタノール(または水)溶 免疫染色 液に浸し,30 分間反応させます* 1。過酸化水素の濃 Universal 度を上げれば,反応時間を短縮することができます。 ABC キット 内在性ペルオキシダーゼ活性が問題とならない場合 2013 1) ブロッキング用血清(正常ウマ血清): は,このステップは省略できます。 混合瓶(黄色ラベル)に 5 ml のバッファーを入れ, ストック溶液(黄色ラベルの小瓶)を 1 滴加えます。 4 .バッファーで5分間洗浄します。 5 .調製済みブロッキング用正常血清(黄色ラベルの大瓶) 2) ビオチン標識ユニバーサル抗体: を滴下し,20 分間反応させます。血清は二次抗体を 混合瓶(青色ラベル)に 5 ml のバッファーを入れ, 作製した動物と同じ動物種の血清を用います。バック 正常血清ストック溶液(黄色ラベルの小瓶)を2滴, グラウンドが問題とならない場合は,ステップ5 と6 次にビオチン標識ユニバーサル抗体ストック溶液(青 色ラベルの小瓶)を2滴加えます。 7 .バッファーで希釈した一次抗体を滴下し,30 分間反 ABC 試薬: 3) VECTASTAIN は省略できます。 6 .余分な血清を吸い取ります。 混合瓶(灰色ラベル)に 5 ml のバッファーを入れ, 応させます。 試薬 A(灰色ラベルの小瓶)を正確に2滴,次に試薬 8 .バッファーで5分間洗浄します。 B(灰色ラベルの小瓶)を正確に2滴加え,直ちに混 9 .調製したビオチン標識二次抗体( ABC キット) , 和します。試薬の調製は使用する 30 分前に行って下 またはユニバーサル二次抗体(Universal さい。 キット)(青色ラベルの大瓶)を滴下し,30 分間反応 注:アジ化ナトリウムまたは他のペルオキシダーゼ阻害物 質を含む溶液で,ペルオキシダーゼ基質や ABC 試薬を希釈しないで下さい。 させます。 10 .バッファーで5分間洗浄します。 11 .VECTASTAIN たは R.T.U. PBS バッファーの調製方法 ABC ABC 試薬(灰色ラベルの大瓶)ま ABC 試薬を滴下し,30 分間反応さ せます。 12 .バッファーで5分間洗浄します。 ABC 法には種々のバッファーを使用 13 .ペルオキシダーゼ基質溶液を滴下し,適切な染色強度 できますが,最も一般的なのは PBS(10 mM sodium が得られるまで反応させます(用いる基質により反応 VECTASTAIN phosphate(pH 7.5)-0.9% saline)で,次のように調 製します。 Na2HPO4(1.42 g)と NaCl(8.75 g)を蒸留水(950 ml)に溶解した後,リン酸で pH 7.5 に調整し,終量を 1,000 ml にします。 時間が異なります。詳細は p.54 をご覧下さい)。 14 .蒸留水で洗浄します。 15 .対比染色後,洗浄,封入します* 2。 * 1 その他の内在性ペルオキシダーゼ除去法については, p.38 をご覧下さい。 * 2 永久封入する場合は,脱水後に透徹・封入(非水溶 性封入剤を用いる)します。 24 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 注:一次および二次抗体を加えなくても,肥満細胞や他の 3 .内在性ペルオキシダーゼの除去が必要な場合には, 組織成分が染色される場合は,0.3 ∼ 0.5 M 塩化ナト リウムを含むバッファーで ABC 試薬を調製して下さ 3%過酸化水素水で3∼5分間処理します。 4 .洗浄瓶からバッファーを流しながら,穏やかに洗浄し ます。 い。非特異的なイオン反応を除くことができます。そ れでもバックグラウンドを除けない場合は,ステップ 5 .バックグラウンドが問題となる場合には,2 ∼ 10 % 6 の後で, Avidin / Biotin Blocking Kit(#SP-2001) の正常血清を含むバッファーで 5 ∼ 10 分間ブロッキ などで処理して下さい。 ング処理を行います。 7 .ステップ4 と同様に洗浄します。 凍結切片染色法 8 .希釈したビオチン標識二次抗体を滴下し,10 分間反 応させます。 この方法は,凍結切片,細胞塗抹標本,細胞遠心標本な 9 .ステップ4 と同様に洗浄します。 どに適した一般的な方法です。 10 .VECTASTAIN ABC 試薬を滴下し,5分間反応さ せます。 1 .切片を風乾します。 2 .染色直前に,アセトンまたは目的の抗原に適した固定 11 .ステップ4 と同様に洗浄します。 12 .ペルオキシダーゼの基質溶液を滴下し,適切な染色強 液を用いて切片を固定します。 度が得られるまで反応させます。 3 .適当な大きさの容器に入れたバッファー中に,スライ 13 .ステップ4 と同様に洗浄します。 ドを直接入れます。 4 .内在性ペルオキシダーゼを除去する必要がある場合, 抗原の破壊を防ぐために穏やかな方法を選択します。 14 .対比染色後,洗浄,封入します。 *一次抗体の濃度,染色時間,反応時間は試料に合わせて 素で5分間処理するか,またはパラフィン切片染色法 抗体の反応時間を短縮できます。例えば,ABC ペルオ のステップ3 に従って下さい。場合によっては過酸化 キシダーゼキットで用いる場合と同じ濃度の一次抗体を 水素処理によって抗原が破壊されることがあります。 用いると反応時間を半分以下に短縮できます。一次抗体 特にモノクローナル抗体を用いる時にはご注意下さ の濃度が高ければ,更に反応時間の短縮が可能です。 ABC キットは高感度なので一次 2013 調整して下さい。 免疫染色 0.3 %正常血清を含む PBS で希釈した 0.3%過酸化水 ABCシステムを用いた組織染色法 6 .一次抗体と反応させます*。 2 い。その場合は,ビオチン標識二次抗体と反応させた のちに,内在性ペルオキシダーゼの除去操作を行って * 下記の手順で更に迅速な染色法も可能です。 1)ビオチン標識二次抗体の希釈溶液はバッファー 2.5 ml 下さい 。 5 .パラフィン切片染色法のステップ4 ∼ 15(前ページ参 照)に従って下さい。 にビオチン標識二次抗体ストック溶液1滴を加える ( *その他の内在性ペルオキシダーゼ除去法については, p.38 をご覧下さい。 2) 迅速染色法 ABC キット)か,正常血清2滴とユニバーサル 二次抗体4滴を加えて(Universal 調製します。 ABC キット) ABC 試薬の調製法は迅速染色法の場合と同じで すが,あらかじめ 37 ℃に加温して使用します。 3)各試薬との反応時間は各2分間です。 ABC キットは高感度なため,下記の あらかじめ混合希釈済みの R.T.U. VECTASTAIN 方法に従って,感度や染色強度に影響を与えずに染色時間 ABC Reagent(#PK-7100)も販売しています。 VECTASTAIN を短縮することができます。 1 .パラフィン包埋切片または凍結切片を,前項に従って 試薬 B(ビオチン標識ペルオキシダーゼH)がま 調製します。 2 .VECTASTAIN MEMO ABC キットの試薬調製法を次のよ れに茶褐色に変色している場合がありますが,反応 性および感度に問題はありません。 うに一部変更します。 ・ビオチン標識二次抗体:1.5%正常血清を含む PBS 5 ml にビオチン標識二次抗体ストック溶液1滴を 加 え ま す( ABC キ ッ ト )。 ま た は,PBS 2.5 ml に正常血清2滴を加え,更にユニバーサル二次 抗体2滴を加えます(Universal ABC キット)。 もしバックグラウンドが高い場合には,正常血清の MEMO Universal タイプの ABC キットは,マウスおよび ラット由来の試料の場合,非特異的な反応を示す可 能性があります。 濃度を 10%まで上げて下さい。 ・VECTASTAIN ABC 試薬:2.5 ml のバッファー に試薬 A を2滴加えて混ぜ,次に試薬 B を2滴加 え混合します。 MEMO 内在性ビオチン等による非特異染色が問題とな る場合は,別売りの Avidin / Biotin Blocking Kit 試薬の調製は使用する5∼ 30 分前に行って下さい。 (#SP-2001)でブロックして下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 25 反応溶液(Working solution)の調製法 MEMO 必 要 に 応 じ て VECTOR Antigen Unmasking Solution(#H-3300,#H-3301) な ど を 用 い, 抗 各試薬は,便利な滴下瓶に入っています。試薬を滴下す る際は,瓶の口を垂直に下に向け,静かに押し出してくだ 原を賦活化させて下さい(p.38 参照)。 さい。反応溶液はガラス製の試験管内で調製します。 1)ブロッキング溶液: 2 2 ml の PBS にブロッキング血清ストック溶液(正常 ABCシステムを用いた組織染色法 VECTASTAIN Universal キット R. T. U. VECTASTAIN Universal キット VECTASTAIN Universal ウマ血清)1 滴を加えます。 2)ビオチン標識ユニバーサル二次抗体: 2 ml の PBS にブロッキング血清 ストック溶液 4 滴 キットは, 他の ABC キッ トと異なり,あらかじめ形成させたビオチン/ストレプト アビジン複合体を用います。また,マウス,ラット,ウサ ギ,ヤギ,ヒツジ,ウシの一次抗体を共通に認識するビオ チン標識二次抗体を使用しているため,種々の動物種に由 来する一次抗体を高い希釈率で使用することができ,迅速 に染色結果を得られます。 濃 縮 ス ト ッ ク 溶 液 か ら 成 る Universal キット (#PK-8800)と,あらかじめ希釈調製済みの試薬から成 る R.T.U. Universal キット (#PK-7800) があります。 と,ビオチン標識ユニバーサル二次抗体ストック溶液 2 滴を加えます。 3)ストレプトアビジン/ペルオキシダーゼ複合体: 2ml の PBS にストレプトアビジン/ペルオキシダー ゼ複合体ストック溶液 1 滴を加えます。 反応溶液は,希釈後すぐに使用できます。未使用の 希釈溶液は冷蔵保存することができ,5日間は感度の 著しい低下は見られません。 注:アジ化ナトリウムその他のペルオキシダーゼ阻害物質 免疫染色 を含む溶液を,ペルオキシダーゼ基質やストレプトア どちらのキットにも、約 500 枚の組織切片を染色する ビジン/ペルオキシダーゼ複合体試薬の希釈に用いな のに十分な量の試薬が含まれています。 2013 Universal いで下さい。 キットに含まれる試薬 PBS バッファーの調製方法 ・ブロッキング血清(正常ウマ血清): ・ビオチン標識ユニバーサル二次抗体 6 ml * (ウマ): き ま す が, 最 も 一 般 的 な の は PBS(10 mM sodium 2.2 ml ・ストレプトアビジン/ペルオキシダーゼ 調製済み複合体: VECTASTAIN ABC 法には種々のバッファーを使用で phosphate(pH 7.5)-0.9% saline)で,次のように調 製します。 1.2 ml Na2HPO4(1.42 g)と NaCl(8.75 g)を蒸留水(950 ※キットに含まれるブロッキング用血清,ビオチン標識二 ml)に溶解した後,リン酸で pH 7.5 に調整し,終量を 次抗体は,単品でも購入可能です。 R.T.U. Universal 1,000 ml にします。 キットに含まれる試薬 基 質 ・ブロッキング血清(正常ウマ血清): 50 ml * 50 ml い。 50 ml 組織切片染色法 ・ビオチン標識ユニバーサル二次抗体 : ペルオキシダーゼ基質キットの詳細は p.54 をご覧下さ ・ストレプトアビジン/ペルオキシダーゼ 調製済み複合体: *マウス,ラット,ウサギ,ヤギ,ヒツジ,ウシの IgG を共通に認識します。 ※試薬はすべて,あらかじめ希釈・調製済みなので,その まますぐに使用できます。 試薬は,スライド上の切片全体を覆うのに十分な量を滴 下して下さい。スライドは,保湿チャンバー内で反応させ ます。 キットに含まれる試薬以外に必要な試薬 ・一次抗体 ・バッファー ・ペルオキシダーゼ基質(p.54 参照) 26 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] パラフィン包埋切片染色法 凍結切片染色法 1 .組織切片をキシレンやその他の脱パラフィン試薬で脱 この方法は,凍結切片,細胞塗抹標本,細胞遠心標本な パラフィン化したのち,アルコール濃度を段階的に下 どに適した一般的な方法です。 げて水和します。 1 .アセトン固定,または目的の抗原に適した方法で固定 2 .蒸留水,次に PBS で短時間洗浄します。 3 .内在性ペルオキシダーゼの不活化が必要な場合は, した標本,あるいは未固定の標本を準備します。 2 .内在性ペルオキシダーゼを除く必要がある場合には, 抗原の破壊を抑えるために,温和な処理条件の 過酸化 水素ブロック処理を用いて下さい。例えば,0.3%正 内在性ペルオキシダーゼ活性が問題とならない場合 常ウマ血清を含む PBS で調製した 0.3%過酸化水素溶 は,このステップは省略して下さい。 液で 5 分間,または 0.3%過酸化水素 - メタノール溶 4 .調製したブロッキング血清を滴下し,10 分間反応さ せます。 液で 30 分間処理します。特にモノクローナル抗体を 用いる場合には,過酸化水素処理によって抗原が破壊 5 .余分な血清を吸い取ります。 されるおそれがあります。その場合には,ビオチン標 6 .1.5%ブロッキング血清を含むバッファーで希釈した 識ユニバーサル二次抗体と反応させたのちに,内在性 一次抗体を滴下します。反応時間は,一次抗体の濃度 に依存します。一般的には 15 ∼ 60 分間の反応時間 で最適の染色強度が得られるように,一次抗体の濃度 ペルオキシダーゼの除去操作を行って下さい*。 3 .パラフィン切片染色法のステップ4 ∼ 14 に従って下 さい。 を調節します。 7 .PBS で 5 分間洗浄します* 2。 *その他の内在性ペルキオシダーゼ除去法については p. 38 をご覧下さい。 し,10 分間反応させます。 MEMO 9 .PBS で 5 分間洗浄します* 2。 Universal タイプのキットはマウス,ラット,ウ 合体または R.T.U. ストレプトアビジン/ペルオキシ サギ,ヤギ,ヒツジ,ウシ由来の試料の場合,非特 ダーゼ複合体試薬を滴下し,5 分間反応させます。 異的な反応を引き起こす場合があります。 2013 10 .調製したストレプトアビジン/ペルオキシダーゼ複 免疫染色 8 .調製したビオチン標識ユニバーサル二次抗体を滴下 ABCシステムを用いた組織染色法 0.3%過酸化水素 - メタノール溶液で 30 分間,または 3%過酸化水素を含む蒸留水で 5 分間反応させます* 1。 2 *2 11 .PBS で 5 分間洗浄します 。 12 .ペルオキシダーゼ基質溶液を滴下し,適切な染色結果 が得られるまで反応させます。 用いる基質により反応時間が異なります。詳細につい ては p.54 をご覧下さい。 MEMO 内在性ビオチン等による非特異染色が問題とな る場合は,別売りの Avidin / Biotin Blocking Kit (#SP-2001)でブロックして下さい。 13 .蒸留水で洗浄します。 14 .対比染色後,洗浄,封入します* 3。 * 1 その他の内在性ペルオキシダーゼ除去法については, p.38 をご覧下さい。 MEMO 必 要 に 応 じ て VECTOR Antigen Unmasking * 2 洗浄時間は短縮可能です。 Solution(#H-3300,#H-3301) な ど を 用 い, 抗 * 3 永久封入する場合は,脱水後に透徹・封入(非水溶 原を賦活化させて下さい(p.38 参照)。 性封入剤を用いる)します。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 27 VECTASTAIN ABC-AP キット VECTASTAIN Universal ABC-AP キット キットに含まれる試薬 ・ブロッキング用血清(正常血清) 黄色ラベルの小瓶:3 ml 図解操作マニュアル(p.6)参照 ・ビオチン標識アフィニティ精製二次抗体 2 キットにはアビジン DH と,ビオチン標識アルカリホ ABCシステムを用いた組織染色法 スファターゼ H が含まれています。使用前に一定量のア ビジン DH とビオチン標識アルカリホスファターゼ H を バッファー中で混合するだけで,複合体が形成されます。 複合体は調製後約 24 時間安定です。 ABC-AP システムの感度は, ABC システムと同程 度です。少量の抗原でも検出でき,また使用する一次抗体 の量も少なくてすむため,感度の高い染色が必要な場合に 極めて有用です。一般的に染色密度が低いため,染色し た細胞の形態的観察が重要な場合に適しています。また ABC-AP システムは,組織切片中に高レベルの内在性ペル オキシダーゼが存在するために,ABC ペルオキシダーゼ システムが使用できない場合に有用です。なぜなら,ほと (ABC - AP キット)青色ラベルの小瓶:1 ml ・ビオチン標識ユニバーサル二次抗体(ウマ)* (Universal ABC - AP キット) 青色ラベルの小瓶:2.2 ml ・試薬 A(アビジン DH) 赤色ラベルの小瓶:2 ml ・試薬 B(ビオチン標識アルカリホスファターゼ H) 赤色ラベルの小瓶:2 ml *マウスとウサギの IgG を認識します。 ※ VECTASTAIN ABC-AP ス タ ン ダ ー ド キ ッ ト (#AK-5000)には,試薬 A と B のみが含まれています。 ※キットに含まれるブロッキング用血清,ビオチン標識二 次抗体は,単品でも購入可能です。 んどの内在性アルカリホスファターゼの除去は,ペルオキ 免疫染色 シダーゼの除去に比べ穏やかな処理で済むからです。また キットに含まれる試薬以外に必要な試薬 ABC-AP 法と他の ABC 法とを併用して,二重染色を行う ・一次抗体 こともできます。 2013 ABC-AP キットは1キットで約 220 ml の反応溶液を調 製でき,1,000 ∼ 2,000 枚の切片を染色できます。また, ・バッファー ・アルカリホスファターゼ基質(p.58 参照) Universal ABC-AP キットは,マウスとウサギの一次抗体 に共通に使用できます。1キットで約 100 ml の反応溶液 反応溶液(Working solution)の調製法 を調製でき,約 1,000 枚の切片を染色できます。 VECTASTAIN ABC-AP キットには,実験に使用する試 薬溶液を調製するのに便利な,混合用の瓶が入っています。 VECTASTAIN ABC-AP Kit 商品コード Goat IgG Kit AK-5005 Guinea Pig IgG Kit AK-5007 Human IgG Kit AK-5003 Mouse IgG Kit * 1 AK-5002 Mouse IgM Kit * 2 AK-5010 Rabbit IgG Kit AK-5001 Rat IgG Kit * 3 AK-5004 ルの色を変えてあります)。液を滴下する際は,瓶の口を Sheep IgG Kit AK-5006 垂直に下に向け,静かに押し出して下さい。使用しない時 Standard Kit AK-5000 は,蒸発を防ぐために,白色キャップをしっかり締めて下 Universal Kit AK-5200 さい。 *1マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。ラット組織の場合は別売 りの吸収済みビオチン標識二次抗体(#BA-2001)と組み合わせてご使用下 さい。 *2マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。 *3マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。マウス組織の場合は別売 りの吸収済みビオチン標識二次抗体(#BA-4001)と組み合わせてご使用下 さい。 混合瓶には最初,滴下用ディスペンサーが差し込んであり ません。混合瓶にバッファーと試薬を加えたのち,ディス ペンサーをカチッと音がするまではめ込みます。ディスペ ンサーを外す場合は,ディスペンサーの首の部分を横から 親指で押すと外れます。外したディスペンサーを他の試薬 瓶に間違えてはめ,コンタミネーションを起こさないよう 注意して下さい(間違いを防ぐため,各々の混合瓶のラベ 反応溶液の調製は,次の調製法に従って,同じ滴数比を 用いることをお勧めしますが,必要に応じて同じ容量比で 量を増やして下さい。 ABC-AP キット 1) ブロッキング用血清(正常血清): 混合瓶(黄色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, ストック溶液(黄色ラベルの小瓶)を3滴加えます。 2) ビオチン標識二次抗体: 混合瓶(青色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, ストック溶液(青色ラベルの小瓶)を1滴加えます。 28 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 3) VECTASTAIN ABC-AP 試薬: 注:パラフィン切片の内在性アルカリホスファターゼ活性 混合瓶(赤色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, は,一般に凍結切片に比べ弱く,抗原を賦活するため 試薬 A(赤色ラベルの小瓶)を正確に2滴加えます。 の高温処理を行うと完全に除去されます。内在性アル 次に試薬 B(赤色ラベルの小瓶)を正確に2滴加え, カリホスファターゼ活性が,腸型アイソザイム以外の 直ちに混和します。試薬の調製は,使用する 30 分前 場合は,基質溶液の調製に使用するバッファーに1 に行って下さい。 mM levamisole(#SP-5000)を加えることでブロッ クできます。腸型アイソザイムの場合は,染色前に切 2.3%過ヨウ素酸で5分間処理したのち,0.02%水素 1) ブロッキング用血清(正常ウマ血清): 混合瓶(黄色ラベル)に5ml のバッファーを入れ, ストック溶液(黄色ラベルの小瓶)を1 滴加えます。 2) ビオチン標識ユニバーサル抗体: 化ホウ素カリウムで2分間処理することでブロックで きます( J. Clin.Pathol .,34,1349( 1981).)。 その他の内在性アルカリホスファターゼ除去法につい ては p.39 をご覧下さい。 混合瓶(青色ラベル)に5ml のバッファーを入れ, 正常血清ストック溶液(黄色ラベル小瓶)を 2 滴, 組織切片染色法 次にビオチン標識ユニバーサル抗体ストック溶液(青 色ラベル小瓶)を 2 滴加えます。 試薬は,スライド上の切片全体を覆うのに十分な量を滴 下して下さい。スライドは保湿チャンバーに入れて反応さ 3) ABC-AP 試薬: 混合瓶(赤ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, せて下さい。染色は切片上に基質溶液を滴下するか,また 試薬 A を正確に2滴,次に試薬 B を正確に 2 滴加え, は基質溶液を入れた染色皿かカプリン瓶中で行います。 に行って下さい。 パラフィン包埋切片染色法 1 .組織切片をキシレンやその他の脱パラフィン試薬で脱 パラフィン化したのち,アルコール濃度を段階的に下 VECTASTAIN ABC-AP 法には種々の バッファーを使用 2013 PBS バッファーの調製方法 免疫染色 直ちに混和します。試薬の調製は,使用する 30 分前 ABCシステムを用いた組織染色法 片を 20%酢酸で 4℃,15 秒間処理するか,または Universal ABC - AP キット 2 げて水和します。 できますが,最も一般的なのは PBS(10 mM sodium 2 .蒸留水で5分間洗浄します。 phosphate(pH 7.5)-0.9% saline)で,次のように調 3 .バッファーで5分間洗浄します。 製します。 4 .調製済みブロッキング用正常血清(黄色ラベルの大瓶) Na2HPO4(1.42 g)と NaCl(8.75 g)を蒸留水(950 を滴下し,20 分間反応させます。血清は二次抗体を ml)に溶解した後,リン酸で pH7.5 に調製し,終量を 作製した動物と同じ動物種の血清を用います。バック 1,000 ml にします。 グラウンドが問題にならない場合は,ステップ4 と5 は省略して下さい。 5 .余分な血清を吸い取ります。 基 質 6 .バッファーで希釈した一次抗体を滴下し,30 分間反 アルカリホスファターゼは,アルカリ性領域でリン酸モ 応させます。 ノエステル結合の加水分解を触媒します。免疫組織化学 7 .バッファーで5分間洗浄します。 染色に用いる場合には,加水分解の過程で生じる可溶性 8 .調製したビオチン標識二次抗体(ABC-AP キット) , 生成物を捕捉試薬(capture reagent)とカップリングさ ま た は ユ ニ バ ー サ ル 二 次 抗 体(Universal ABC-AP せ,着色不溶性沈殿を生じさせることによって,アルカ キット) (青色ラベルの大瓶)を滴下し,30 分間反応 リホスファターゼ活性を検出します。ABC-AP キット用 させます。 基 質 と し て Kit Ƌ(VECTOR Red:#SK-5100),Kit ƌ (VECTOR Black:#SK-5200),Kit ƍ(VECTOR Blue: #SK-5300)Kit Ǝ(BCIP / NBT:#SK-5400)の4種類 9 .バッファーで5分間洗浄します。 10 .ABC-AP 試薬(赤色ラベルの大瓶)を滴下し,30 分 間反応させます。 の基質キットを販売しています。詳細は p.58 をご覧下さ 11 .バッファーで 5 分間洗浄します。 い。 12 .アルカリホスファターゼ基質溶液を滴下し,20 ∼ 30 分間反応させます。 13 .蒸留水で洗浄します。 14 .対比染色後,洗浄,封入します*。 *永久封入する場合は,脱水後に透徹・封入(非水溶性封 入剤を用いる)します。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 29 凍結切片染色法 下記の手順で更に迅速な染色法も可能です。 1)ビオチン標識二次抗体の希釈溶液はバッファー 2.5 ml この方法は,凍結切片,細胞塗抹標本,細胞遠心標本な どに適した一般的な方法です。 にビオチン標識二次抗体ストック溶液1滴(ABC-AP キ ッ ト ), ま た は 4 滴(Universal ABC-AP キ ッ ト ) を加えて調製します。 2 1 .切片を風乾します。 2 .染色直前に,アセトンまたは目的の抗原に適した固定 ABCシステムを用いた組織染色法 液を用いて切片を固定します。 2)ABC-AP 試薬の調製法は前記の迅速染色法の場合と同 じですが,37℃に加温して使用します。 3)各試薬との反応時間は各2分間です。 3 .適当な大きさの容器に入れたバッファー中に,スライ ドを直接入れます。 4 .パラフィン切片染色法のステップ4 ∼ 14 に従って下 さい。 MEMO Universal タイプの ABC キットは,マウスおよび ラット由来の試料の場合,非特異的な反応を示す可 能性があります。 迅速染色法 VECTASTAIN ABC-AP 法は高感度なため,下記の方法 に従えば,感度や染色強度に影響を与えずに染色時間を短 縮できます。 1 .パラフィン包埋または凍結切片を前項に従って調製し MEMO 内在性ビオチン等による非特異染色が問題とな る場合は,別売りの Avidin / Biotin Blocking Kit (#SP-2001)でブロックして下さい。 ます。 免疫染色 2 .試薬溶液の調製法を次のように変更します。 MEMO 2013 ・ビオチン標識二次抗体:1.5%正常血清を含む PBS 5 必 要 に 応 じ て VECTOR Antigen Unmasking ml にビオチン標識二次抗体ストック溶液を1滴加え Solution(#H-3300,#H-3301) な ど を 用 い, 抗 ます(ABC-AP キット)。PBS 2.5 ml に正常血清ストッ 原を賦活化させて下さい(p.38 参照)。 ク溶液2滴を加え,更にユニバーサル二次抗体ストッ ク溶液を1滴加えます ( Universal ABC - AP キット) 。 バックグラウンドが高い場合は,正常血清の濃度を 10%まで上げて下さい。 ・VECTASTAIN ABC - AP 試薬:5.0 ml の PBS に試薬 A を2滴加えて混和し,次に試薬 B を2滴加えて混和 します。 試薬の調製は,使用する 5 ∼ 30 分前に行って下さい。 3 .バックグラウンドが問題になる場合は,切片を2∼ 10%の正常血清を含むバッファー中で,5 ∼ 10 分間 反応させます。 4 .一次抗体を滴下します。一次抗体の濃度,反応時間, 反応温度は,用いる一次抗体によって異なります。 5 .洗浄瓶からバッファーを流しながら洗浄します。 6 .調製したビオチン標識二次抗体またはユニバーサル二 次抗体を滴下し,10 分間反応させます。 7 .ステップ5 と同様に洗浄します。 8 .VECTASTAIN ABC-AP 試薬を滴下し,5分間反応さ せます。 9 .ステップ5 と同様に洗浄します。 10 .基質溶液を滴下し,適切な染色強度が得られるまで反 応させます。 11 .ステップ5 と同様に洗浄します。 12 .対比染色後,洗浄,封入します。 30 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] VECTASTAIN ABC - GO キット キットにはアビジン DH と,ビオチン標識グルコースオ 反応溶液(Working solution)の調製法 VECTASTAIN ABC-GO キットには,実験に使用する試 薬溶液を調製するのに便利な,混合用の瓶が入っています。 ビジン DH とビオチン標識グルコースオキシダーゼ H を 混合瓶には最初,滴下用ディスペンサーが差し込んであり バッファー中で混合するだけで,複合体が形成されます。 ません。混合瓶に,バッファーと試薬を加えたのち,ディ 複合体は調製後数時間安定で,場合によっては数日間使用 スペンサーをカチッと音がするまではめ込みます。ディス できます。 ペンサーを外す場合は,ディスペンサーの首の部分を横か ABC - GO システムには,ペルオキシダーゼやアルカリ ら親指で押すと外れます。外したディスペンサーを他の試 ホスファターゼを用いる免疫組織化学法と比べて,次のよ 薬瓶に間違えてはめ,コンタミネーションを起こさないよ うな利点があります。それは,哺乳類の組織には,内在性 う注意して下さい(間違いを防ぐため,各々の混合瓶のラ のグルコースオキシダーゼが存在しないという点です。し ベルの色を変えてあります)。液を滴下する際は,瓶の口 たがって,ABC-GO キットでは,過酸化水素 - メタノール を垂直に下に向け,静かに押し出して下さい。使用しない を用いた内在性のペルオキシダーゼの除去や,アルカリホ 時には,蒸発を防ぐために,白色キャップをしっかりと締 スファターゼの不活化が必要ありません。過酸化水素 - メ めて下さい。 タノール処理は細胞の形態に悪影響を与え,組織中の抗原 反応溶液の調製は,次の調製法に従って,同じ滴数比あ を破壊するおそれがあるので,過酸化水素 - メタノール処 るいは容量比を用いることをお勧めしますが,必要に応じ 理をしなくて済むことは大きな利点となります。 て量を増やして下さい。 また ABC-GO システムと ABC ペルオキシダーゼシス テムを併用して,二重染色をすることもできます。 1) ブロッキング用血清(正常血清): 混合瓶(黄色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, ストック溶液(黄色ラベルの小瓶)を3滴加えます。 2,000 枚の切片を染色できます。 2) ビオチン標識二次抗体: Mouse IgG * 商品コード 混合瓶(青色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, OK-3002 ストック溶液(青色ラベルの小瓶)を1滴加えます。 Rabbit IgG OK-3001 Standard OK-3000 *マウス/ラットの組織での使用はお勧めしません。ラット組織の場合は別売り の吸収済みビオチン標識二次抗体(#BA - 2001)と組み合わせてご使用下さい。 2013 VECTASTAIN ABC-GO Kit 免疫染色 1キットで約 220 ml の反応溶液を調製でき,1,000 ∼ 2 ABCシステムを用いた組織染色法 キシダーゼ H が含まれています。使用前に,一定量のア 3) VECTASTAIN ABC-GO 試薬: 混合瓶(褐色ラベル)に 10 ml のバッファーを入れ, 試薬 A(橙色ラベルの小瓶)を正確に2滴加えます。 次に試薬 B(褐色ラベルの小瓶)を正確に2滴加え, 直ちに混和します。試薬の調製は,使用する 30 分前 キットに含まれる試薬 に行って下さい。 ・ブロッキング用血清(正常血清) 黄色ラベルの小瓶:3 ml ・ビオチン標識アフィニティ精製二次抗体 青色ラベルの小瓶:1 ml ・試薬 A(アビジン DH) PBS バッファーの調製方法 VECTASTAIN ABC 法には種々のバッファーを使用で き ま す が, 最 も 一 般 的 な の は PBS(10 mM sodium phosphate(pH 7.5)-0.9% saline)で,次のように調 橙色ラベルの小瓶:2 ml ・試薬 B(ビオチン標識グルコースオキシダーゼ H) 褐色ラベルの小瓶:2 ml ※ VECTASTAIN ABC-GO ス タ ン ダ ー ド キ ッ ト 製します。 Na2HPO4(1.42 g)と NaCl(8.75 g)を蒸留水(950 ml)に溶解した後,リン酸で pH 7.5 に調整し,終量を 1,000 ml にします。 (#OK-3000)には,試薬 A と B のみが含まれています。 ※キットに含まれるブロッキング用血清,ビオチン標識二 基 質 次抗体は,単品でも購入可能です。 グルコースオキシダーゼは,β -D- グルコースの酸化を キットに含まれる試薬以外に必要な試薬 触媒して,過酸化水素とグルコン酸を生成します。この反 応を適当な電子運搬体の存在下で行わせると,ある種の有 ・一次抗体 機化合物は還元されて着色生成物を生じます。その一例と ・バッファー してテトラゾリウム塩が挙げられます。グルコースオキシ ・グルコースオキシダーゼ基質(p.59 参照) ダーゼを検出するには,基質としてβ -D- グルコース,中 間電子運搬体として phenazine methosulfate(PMS), および還元によって着色不溶性ホルマザンを生成するテト ラゾリウム塩の3つの試薬を必要とします。 ABC GO キット用基質の詳細は p.59 をご覧下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 31 注:ABC-GO と基質との反応が早過ぎたり,または時間 MEMO をかけ過ぎると,切片上に非特異的沈殿が生じること 内在性ビオチン等による非特異染色が問題となる があります。このような場合,またはその他の反応性 場合は,別売りの Avidin / Biotin Blocking Kit(#SP を変えたい場合には,基質成分の混合比を変えて下さ - 2001)でブロックして下さい。 い。 2 組織切片染色法 MEMO ABCシステムを用いた組織染色法 必 要 に 応 じ て VECTOR Antigen Unmasking 試薬は,スライド上の切片全体を覆うのに十分な量を滴 下して下さい。スライドは保湿チャンバーに入れて反応さ Solution(#H-3300,#H-3301) な ど を 用 い, 抗 原を賦活化させて下さい(p.38 参照)。 せて下さい。染色は切片上に基質溶液を滴下するか,また は基質溶液を入れた染色皿かカプリン瓶中で行います。 パラフィン切片染色法 1 .組織切片を,キシレンやその他の脱パラフィン試薬で 脱パラフィン化したのち,アルコール濃度を段階的に 下げて水和します。 2 .蒸留水で5分間洗浄します。 3 .バッファーで 20 分間洗浄します。 免疫染色 4 .調製済みブロッキング用正常血清(黄色ラベルの大瓶) を滴下し,20 分間反応させます。 血清は二次抗体を作製した動物と同じ動物種の血清を 2013 用います。バックグラウンドが問題にならない場合は, ステップ4 と5 は省略できます。 5 .余分な血清を吸い取ります。 6 .バッファーで希釈した一次抗体を滴下し,30 分間反 応させます。 7 .バッファーで 10 分間洗浄します。 8 .調製したビオチン標識二次抗体(青色ラベルの大瓶) を滴下し,30 分間反応させます。 9 .バッファーで 10 分間洗浄します。 10 .VECTASTAIN ABC-GO 試薬(褐色ラベルの大瓶)を 滴下し,30 ∼ 60 分間反応させます。 11 .バッファーで 10 分間洗浄します。 12 .グルコースオキシダーゼ基質溶液を滴下し,暗所で 15 ∼ 30 分間反応させます。 13 .蒸留水で5分間洗浄します。 14 .対比染色後,洗浄,封入します*。 *永久封入する場合は,脱水後に透徹・封入(非水溶性封 入剤を用いる)します。 凍結切片染色法 この方法は,凍結切片,細胞塗抹標本,細胞遠心標本な どに適した一般的な方法です。 1 .切片を風乾します。 2 .染色直前に,アセトンまたは目的の抗原に適した固定 液を用いて切片を固定します。 3 .適当な大きさの容器に入れたバッファー中に,スライ ドを直接入れます。 4 .パラフィン包埋切片染色法のステップ 4 ∼ 14 に従っ て下さい。 32 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 第2の抗原検出 ABC システムを用いた二重染色法 同一組織切片中の複数の抗原を,ABC 法を用いて免疫 組織化学的に検出する二重染色法には,二つの方法があり 1.ブロッキング操作* 第2の ABC キットに含まれる5%正常血清を含む PBS を切片上に滴下し,20 分間反応させます。 ます。 2.一次抗体 1 .同一酵素と,それに対応する複数の基質の組み合わせ ABC キット+ DAB, AEC, TMB などの基質) 。 ( 例: ABC キ ッ ト + DAB ,ABC-AP キ ッ ト + VECTOR Red )。 2 . 5%正常血清を含む PBS で希釈した第2の一次抗 体を滴下します。抗体濃度と反応時間の最適条件は 事前に検討する必要があります。 3 .PBS で3分間ずつ2回洗浄します。 3.二次抗体* ※ p.66 をあわせてご覧下さい。 1 . 5%正常血清を含む PBS で希釈した第2のビオチ ン標識二次抗体を滴下し,30 分間反応させます。 組織切片の前処理方法 2 .PBS で3分間ずつ2回洗浄します。 以下のプロトコルは,ホルマリンで固定し,パラフィ ン包埋した組織切片中の複数の抗原を, ABC または ABC - AP キットを用いて,同じ動物種で作製した複数の 一次抗体で検出するための基本的な方法ですが,異なった 動物種で作製した一次抗体を用いた場合にも応用できま 1 .キットの使用説明書に従って調製した第2の ABC 試薬を滴下し,30 分間反応させます。 2 .PBS で3分間ずつ2回洗浄します。 5.基質 1 .第1の抗原検出とは異なる基質溶液を滴下し,適切 な染色結果が得られるまで反応させます(基質キッ 1 .組織切片を脱パラフィン化した後,アルコール濃度を トの使用説明書に書いてある反応時間を参考にして 2 .PBS で3分間ずつ2回洗浄します。 3 .切片中の内在性のペルオキシダーゼまたはアルカリホ スファターゼ活性が存在し,それが問題となる場合は, 2013 下さい)。 段階的に下げて水和します。 2 .蒸留水で5分間洗浄します。 免疫染色 す。反応は特に記載のない限り,すべて室温で行います。 4.ABC 試薬** 2 ABCシステムを用いた組織染色法 (例: 2 .複数の酵素と,各酵素に対応する基質の組み合わせ 1 .切片から余分なブロッキング溶液を吸い取ります。 3 .蒸留水で5分間洗浄します。 6.封入(場合により,対比染色後に封入します) 適当な方法で不活性化します(p.38 ∼ 39 参照)。 4 .バッファー(PBS または TBS を推奨)で3分間ずつ *第1と第2の一次抗体が同じ動物種で作製されている場 合(例えば2種類のマウスモノクローナル抗体を用いた 2回洗浄します。 場合)は,同じ正常血清とビオチン標識二次抗体を第1・ 第2の抗原検出に共通に使用できます。 第1の抗原検出 (例)一次抗体 第1抗体→マウス由来 1.ブロッキング操作 第2抗体→マウス由来 第1の ABC キットに含まれる5%正常血清を含む PBS を切片上に滴下し,20 分間反応させます。 二次抗体 Anti - Mouse IgG(#BA - 2000) 2.一次抗体 1 .切片から余分なブロッキング溶液を吸い取ります。 2 . 5%正常血清を含む PBS で希釈した第1の一次抗体 を滴下します。抗体濃度と反応時間の最適条件は適宜 **同じ酵素を用いて異なる抗原を検出する場合は,同じ ABC 試薬を第1・第2抗原検出に共通に使用できま す。 (例)第1抗体→ ABC- 検討して下さい。 → DAB 基質(褐色) 3 .PBS で3分間ずつ2回洗浄します。 第2抗体→ ABC- 3.二次抗体 試薬 → TMB 基質(青色) 1 . 5%正常血清を含む PBS で希釈した第1のビオチン 標識二次抗体を滴下し,30 分間反応させます。 試薬 ※三重染色を行う場合,第3の抗原の検出も,第3の一次 2 .PBS で3分間ずつ2回洗浄します。 抗体を用いて,前述と同じプロトコルで行うことができ 4.ABC 試薬 ます。 1 .キットの使用説明書に従って調製した第1の ABC 試 薬を滴下し,30 分間反応させます。 2 .PBS で3分間ずつ2回洗浄します。 ※上記のプロトコルは基本的なもので,それぞれの場合に 応じて,実験条件を検討する必要があります。 ※必ずコントロール染色を行って下さい。 5.基質 1 .基質溶液を滴下し,適切な染色結果が得られるまで反 応させます(基質キットの使用説明書に書いてある反 応時間を参考にして下さい)。 2 .PBS で3分間ずつ2回洗浄します。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 33 迅速染色法 二重染色法を行う場合の注意事項 前述した「第1の抗原検出」および「第2の抗原検出」 の操作を以下のように変更すれば,二重染色を短時間で行 用いる酵素と基質により,異なった特徴を持つ染色像が 生じます。 うことができます。 2 1.酵素と基質の選択 1 .ペルオキシダーゼ 1 .ブロッキング操作法 シャープで高密度な沈殿物を生じるため,輪郭のはっ ABCシステムを用いた組織染色法 正常血清を 10%含む PBS を用い,5∼ 10 分間反応 きりした染色像を得ることができます。 2 .アルカリホスファターゼ させます。 2 . 一次抗体 比較的染色密度が低く,半透明な沈殿物を生じるため, 一次抗体の濃度を高くすると,反応時間を短縮できま 細胞の形態的特徴を観察するのに適しています。 3 .グルコースオキシダーゼ す。 3 . 二次抗体 ペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼより低感 2倍濃度のビオチン標識二次抗体および正常血清を含 度ですが,高濃度の一次抗体を用いれば,第2の抗原 む反応液を用い,10 分間反応させます。 の検出に用いることができます。また,哺乳類にはグ 4 .ABC 試薬 ルコースオキシダーゼが存在しないため,内在性のペ 2倍濃度の ABC 試薬を用いれば,反応時間を5∼ 10 ルオキシダーゼやアルカリホスファターゼの除去が困 分間に短縮できます。 難な場合に適しています。 Add First Primary Antibody Add Second Primary Antibody 2.2種類の抗原の検出順序 免疫染色 抗原の検出順序は,染色の質とパターンに大きく影響し ます。 1 .二つの検出システムを選択した場合,二つの抗原をそ 2013 れぞれの抗原に対応する一次抗体を用いて,別々に染 色して下さい(一重染色)。 5 1 Add Biotinylated Secondary Antibody 2 . 一重染色法により最適反応条件を決めます。例えば, Add Second Biotinylated Secondary Antibody 高温処理による抗原の賦活化やタンパク質分解酵素処 理などの前処理,抗体力価,反応濃度や反応時間を決 定します。これらの予備実験は,抗原の最適な染色に 不可欠です。反応条件を決定した後,その条件で二重 染色を行います。 3 .最適条件下で一重染色した切片をコントロールとし, 6 2 Add ABC Add ABC 二重染色法で染色した抗原の染色パターンの比較を行 います。 4 .第1の抗原の検出システムが第2の抗原の検出に影響 を及ぼさないかどうかを確認するために,最初に用い る一次抗体と2番目に用いる一次抗体の使用順序を変 えて二重染色を行い,それぞれのパターンを比較しま 7 3 Add Enzyme Substrate Ƌ す。 Add Enzyme Substrate ƌ ※酵素/基質の選択は良い染色結果を得るために重要で す。染色法の選択と色の組み合わせについては p.66 を ご参照下さい。 3.染色強度 4 8 最良の染色結果を得るには,二つの基質の着色沈殿物の 発色強度のバランスが重要な要因となります。 1 .顕微鏡下で発色度を観察しながら染色を行うと,良い 結果が得られます(特に第2の抗原の染色の場合)。 2 .各 ABC キットと基質キットは検出感度が異なります。 したがって,一次抗体濃度は用いるキットの感度に合 わせて調製する必要があります。 ABC キットと ABC-AP キットの感度は,ABC-GO キットの約5倍 です。 34 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 3 .酵素を用いた同一細胞内における2種類の抗原の検出 は,抗原が別々の細胞画分に存在する場合に限り可能 6.染色操作を中断する場合 多重染色法では,抗原の反応に必要な時間を延長するこ です。着色沈殿物による抗原部位のブロッキングが起 とができます。 こる場合,特に2種類の抗原が同一細胞の同一画分に 1 .染色操作は必要に応じて染色プロトコル中に中断でき 存在する場合(2種類とも核に存在する場合など)は, ます。通常は,第1の抗原の染色後に中断するのが良 蛍光法を用いる方がよいでしょう。 いでしょう。切片は染色操作を再開するまで,PBS 中 4 .複数の抗原を染色する場合,対比染色は必要ないこと で4℃に保存します。 2 .操作中に一時中断したい場合は,切片を湿度のある場 と比較し,用いた検出システムに適合する対比染色剤 所で,抗原を保持できるような条件下で保管して下さ を選びます。p.66 をご参照下さい。 い。 4.バックグラウンド 多重染色の場合,一般的にバックグラウンドが高くなり ます。これを避けるために,下記の方法を試して下さい。 1 .ブロッキング溶液や抗体溶液中の正常血清濃度を上げ る,免疫組織化学用の BSA(#SP-5050)を用いる, または Tween 20 を 0.2 %になるように加える等の 操作を行ってて下さい。 2 .第2(または第3)の抗原の検出に用いるビオチン標 識二次抗体が,第1の抗原検出ステップで用いた正常 ウンドが高くなります。この場合,第2のビオチン標 識二次抗体を,2∼5%の第1の正常血清を含むバッ す。また二次抗体で認識されない他の動物種のブロッ 2013 ファーで希釈すると,バックグラウンドを低減できま 免疫染色 血清中のイムノグロブリンと結合すると,バックグラ ABCシステムを用いた組織染色法 もあります。対比染色を行う場合は,着色沈殿物の色 2 キング血清や,免疫組織染色用 BSA(#SP-5050)な どのブロッキング剤で代用できます。 5.コントロール切片 二重染色法で得られた結果を正しく解釈するためには, コントロール切片が非常に重要です。 1 .切片に内在性酵素が存在する(基質を加えただけで発 色する)場合は,内在性酵素の不活性化処理が必要で す(p.38 ∼ 39 参照)。 2 .同じ動物種の二つの一次抗体で二重染色を行う場合は, 一重染色で用いられる通常のコントロールに加え,第 2の一次抗体を目的の抗原とは反応しない抗体に替え て同じ濃度範囲で使用し,染色が第2の一次抗体と第 1の二次抗体の結合によるものかを判断することがで きます。 3 .第1の染色で発色した反応物質は,第2の染色段階で 抗体や ABC 試薬が第1の染色に使用した試薬と結合 するのを阻害します。これにより,同じ動物種で免疫 した抗体や同じ VECTASTAIN ABC Kit を用いて多重 染色が可能となります。 4 .染色の前または第1の染色と第2の染色間に Avidin / Biotin Blocking Kit(#SP-2001)などを用いて内 在性ビオチンのブロッキングが必要になることがあり ます。染色操作中に行う場合は,第1の基質で染色し た後で第2の一次抗体を滴下する前にブロッキングを 行って下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 35 VECTASTAIN ABC キット 使用上の注意 10)ごく少量の希釈溶液を調製する場合は,ストック溶液 1 滴を小さな円錐形プラスチックチューブに滴下し, 1) 切片は十分注意して調製して下さい。固定(通常,4 2 そこから必要量を採って下さい。汚染を避けるため, %ホルムアルデヒドを超えない濃度のホルマリンバッ ストック溶液の入った瓶のディスペンサーは外さない ファーを使用)は,染色操作中に,切片の状態を完全 で下さい。 に保つために,十分でなくてはなりませんが,目的の 11)正常血清,脱脂粉乳,培養液などビオチンを含む可能 抗原が損なわれないように注意して下さい。染色操作 性のあるものを ABC 試薬に入れないで下さい。感度 ABCシステムを用いた組織染色法 中に切片を乾燥させないで下さい。反応は保湿チャン バー内で行って下さい。 が下がることがあります。 12)用時調製した バッファー を使用して下さい。バクテ 場 合 に よ り,Antigen Unmasking Solution(# リアが繁殖したバッファーを使用すると,染色に影響 H-3300 ,#H-3301)を用いて高温処理すると,固定 します。脱イオン水には(電気伝導度が低くても)ペ による抗原の損失を補うことができます(p.38 参照)。 ルオキシダーゼの阻害物質が含まれていることがあ 2) 組織標本を 60℃以上に熱したパラフィンに包埋しな り,ペルオキシダーゼ染色の感度が低下することがあ いで下さい。温度を上げ過ぎると抗原が破壊される恐 ります。ABC 試薬と基質溶液は,容器を用い蒸留水 れがあります。 で調製して下さい。 3) パラフィン包埋組織ブロックは,密閉容器中で冷蔵保 存して下さい。 4) スライドガラスから組織切片がはがれるのを防ぐに は,スライドを非タンパク質性の組織切片用接着剤, VECTABOND(#SP-1800)で処理して下さい。卵白 免疫染色 アルブミンでコートしたスライドは使用しないで下さ い。卵白に含まれる微量のアビジンが,染色結果に影 響することがあります。 2013 5) ハンドローション等はスライドから切片がはがれる原 因となったり,試薬の浸透を妨げる原因となります。 13)切片中の抗原濃度が高い場合は,一次抗体,ビオチン 標識二次抗体,ABC 試薬との反応時間を短縮できま す。また反応温度を上げて反応時間を短縮することが 可能です。 14)神経組織切片または厚い切片を染色する場合や抗原濃 度が低い場合は,反応時間を延長する必要があります。 15)染色終了後,使用した希釈試薬溶液は捨て,容器を蒸 留水で洗い,キットの箱にストック試薬と一緒に納め, 冷蔵保存して下さい。 16)VECTASTAIN ABC キットの各ストック試薬,R.T.U. 油の付着した手で洗浄容器に触れないで下さい。 試薬および基質キットの各ストック試薬は冷蔵保存 6) 切片から完全にパラフィンを除去することが重要で し,キットの箱の裏に記してある日付までにご使用下 す。脱パラフィン剤およびアルコール溶液の濃度は, さい。キット中の試薬 A と試薬 B は,適切な染色結 正確なものを使用して下さい。すべての脱パラフィン 果が得られるように管理されたロットの組み合わせに 操作は,切片からパラフィンを完全に除去するのに必 なっています。異なるロットの試薬 A と試薬 B を一 要な時間を十分取って下さい。 緒に使用しないで下さい。試薬は購入時の箱に保存し 7) 封入後,パラフィン切片は 50 ∼ 56℃のエアオーブ ておくことをお勧めします。試薬を箱から取り出す場 ン中で乾燥して下さい。スライド加熱器には局所的に 合は,箱の底の日付を試薬瓶に書いて,試薬のロット 高温になる“ホットスポット”が存在する場合があり, 組織を過熱するおそれがあるため,避けた方が良いで しょう。 8) 試 薬 は す べ て, 至 適 濃 度 で 使 用 し て 下 さ い。 が分かるようにしておいて下さい。 17)VECTASTAIN ABC キットに含まれるアフィニティ 精製ビオチン標識二次抗体と正常血清は,別途販売 していますが,アビジン DH とビオチン標識ペルオ VECTASTAIN ABC 法は,非常に感度が高いため,通 キシダーゼ H,ビオチン標識アルカリホスファター 常一次抗体を高度に希釈して使用しますが,希釈溶液 ゼ H,ビオチン標識グルコースオキシダーゼ H は, を調製するためのプラスチックまたはガラス容器に VECTASTAIN ABC キット用に特別に調製された試薬 抗体が吸着するのを防ぐため,一次抗体の希釈には です。単品では販売していません。これらの試薬と 0.1%免疫組織染色用のウシ血清アルブミン(BSA: Avidin D(#A-2000),Biotinylated Horseradish #SP-5050)を含むバッファー,またはキットに含ま Peroxidase(#B-2004),Biotinylated Alkaline れるブロッキング用血清を希釈した溶液(10 ml の Phosphatase(#B-2005)を混同しないようご注意 バッファーにストック溶液2滴を加える)を用いて下 下さい。必ず各々の VECTASTAIN ABC キットに含 さい。 まれる ABC 試薬をご使用下さい。ABC スタンダード 9) ビオチン標識二次抗体および ABC 試薬を更に薄めて キットには,アビジン DH と,各キットごとにビオチ 使用する場合は,まず使用説明書に従って試薬を希釈 ン標識ペルオキシダーゼ H,ビオチン標識アルカリホ したのち,0.1%免疫組織染色用血清アルブミン(BSA: スファターゼ H,ビオチン標識グルコースオキシダー #SP-5050)を含むバッファーで適宜希釈して下さい。 ゼ H のみが含まれています。ビオチン標識二次抗体 免疫組織染色用以外の BSA は,不純物が混在してい と正常血清は,別途購入して下さい。別売りのビオチ るおそれがあります。場合により,試薬の希釈度を上 ン標識二次抗体は,凍結乾燥粉末として販売していま げる,反応時間を長くする,または反応温度を上げる す。規定量の蒸留水を加えてご使用下さい。 ことが必要になる場合があります。 36 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 18)内 在 性 ビ オ チ ン 等 に よ る 非 特 異 的 染 色 が 問 題 と な トラブルシューティングガイド る 場 合 は, 別 売 り の Avidin / Biotin Blocking Kit (#SP-2001)でブロックして下さい。 19)DAB 基質キットに含まれる DAB と塩化ニッケルには VECTASTAIN ABC キットを構成するそれぞれの試薬 は,常に最適な染色結果が得られるように,細心の注意を 発がん性の疑いがあります。またその他のペルオキシ 払い製造されています。キットに含まれるすべての試薬は, ダーゼ,アルカリホスファターゼ,およびグルコース 種々の品質試験を実施しており,また,長期間の保存につ オキシダーゼの基質成分の発がん性,毒性については, いてもその品質を保持することを確認しています。 しかし,製品の品質以外の原因で問題が生じることがあ 際は,手袋,防護用衣服,防護メガネ等を着用し,十 ります。例えば,組織染色の際バックグラウンドが非常に 分注意を払って下さい。また使用済み溶液の廃棄は所 高い,また組織切片上で非特異的染色が生じてしまう可能 定の廃棄法に従って下さい。 性もあります。また,予想していた染色が非常に薄く,検 出されないなどのケースもあり得ます。 予想したものと異なる染色結果が得られた場合,すべて の原因を特定することは難しく,また,問題解決には多大 な時間と操作が必要になります。次ページからのトラブル シューティングガイドは,ペルオキシダーゼまたはアルカ リホスファターゼを使用した VECTASTAIN ABC キットを 用い,免疫組織化学染色を行う際に生じる問題に,よく見 られる共通の原因とその解決方法を解説しています。 また,事例2の注には,免疫組織化学染色の操作を最適 ・Antigen Unmasking Solution を用いた抗原賦活化法 2013 p.38 免疫染色 化するための一般的な注意事項が書かれています。 ABCシステムを用いた組織染色法 ほとんど分かっていません。これらの試薬を取り扱う 2 ・内在性ペルオキシダーゼ活性のブロッキング法 p.38 ・内在性アルカリホスファターゼ活性のブロッキング法 p.39 ・非特異的な染色が生じた場合 ・バックグラウンドの染色が生じた場合 事例 1 (p.40 ∼ 41) ・染色が薄い場合 ・まったく染色されない場合 事例 2 (p.42 ∼ 43) お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 37 2 Antigen Unmasking Solution を 用 い た 抗原賦活化法 内在性ペルオキシダーゼ活性のブロッキン グ法 1 . 切片をスライドに接着します。スライドはあらかじめ 方法 1:1 ∼ 2 滴の BLOXALL(#SP-6000)を免疫操作 VECTABOND Reagent(#SP-1800)で処理してお の前に切片試料に添加し,室温で 10 分間処理す きます。 2 . 脱パラフィン後,蒸留水で水和します。 ABCシステムを用いた組織染色法 3 . ステンレス製の圧力鍋(4 リットル以上)に 1,500 る。 内在性ペルオキシダーゼ活性とアルカリホスファターゼ 活性の両者を一度に阻害できます。 ∼ 1,600 ml の蒸留水を注ぎます。 4 . 開封前によく振った Antigen Unmasking Solution 方法2:3%過酸化水素溶液で5分間反応させ,水で2∼ (#H-3300 または #H-3301)を 15 ml 加えます。 5 . 圧力鍋の蓋をして(ロックはしない) ,沸騰するまで 加熱します。 6 . 金属製のラックにスライドを置きます。複数枚ある場 合は離して置いて下さい。圧力鍋の蓋を開け,スライ 3分間洗浄する 最も迅速で簡便なブロッキング法ですが,操作中に発生 する気泡により,凍結切片や,内在性ペルオキシダーゼ活 性が高い標本(塗抹血液標本等)に,損傷を及ぼす可能性 があります。 ドが Antigen Unmasking Solution に浸るように入 れます。 方法3:0.3%過酸化水素/メタノール溶液で 20 ∼ 30 7 . 圧力鍋の蓋をして, ロックします。安全ロックピン(圧 力鍋により名称が異なります)が上がるまで加熱しま す。 分間反応させ,水で2∼3分間洗浄する 内在性ペルオキシダーゼ活性が高い切片や凍結切片に適 しています(例:塗抹血液標本や細胞遠心標本)。 免疫染色 2013 8 . 蒸気が上がった時点をスタート時間とし(通常,5 分 試料に合わせ過酸化水素の濃度を上げたり,反応時間を 程度かかります),1 分(または一次抗体のデータシー 短くすることもできます。メタノールはヘムの破壊を促進 ト等で指定されている時間)後に火を止めます。圧力 するため,低い過酸化水素濃度で長時間の反応処理が必要 鍋をシンク等に移し(高温注意) ,蓋に冷水をかけて です。この方法は細胞表面マーカーの場合を除き,一般的 急冷します。 に使用される優れた方法です。 9 . 安全ロックピンが下がったことを確認し,ロックを外 して蓋を開けます(高温注意)。 方法 4:180 mg β -D( + ) グ ル コ ー ス, 10 .スライドを取り出し(高温注意) ,切片が乾燥しな 5 mg グ ル コ ー ス オ キ シ ダ ー ゼ, いように速やかに蒸留水に浸します。必要に応じて 6.5 mg アジ化ナトリウム /50 ml PBS で 37℃, ImmEdge - Pen(#H-4000)を用い,スライドの周 1 時間反応させ,PBS で5分間の洗浄を3回繰り 囲を疎水性バリアで囲って下さい。 返す 11 .スライドを PBS バッファー(pH 7.5)または TBS バッ ファー(pH 7.4)で 5 分間洗浄します。 12 .通常の組織染色プロトコル(正常血清によるブロッキ ング操作のステップ)へ進んで下さい。 グルコースオキシダーゼの酵素反応により,非常にゆっ くり,かつ持続的に低濃度の過酸化水素を生成します。ペ ルオキシダーゼ活性が持続的に完全に阻害されるので,あ らかじめ過酸化水素を加える方法よりも優れた方法とされ ています。 参考文献:Andrew S. M., Jasani, B., Histochem J . 19 : 426-430(1987) . 方法 5:0.3% 過酸化水素/ 40% メタノール(PBS 溶液) で一晩反応させる 造血組織の膜マーカーを保存する場合に優れた方法で す。 方法 6:100%エタノールで固定後,0.75%塩酸(0.2 ml 濃塩酸 / 100 ml エタノール)で,15 分間 室温で反応させる 方法 7:0.01% 過ヨウ素酸で 10 分間反応させ,続いて 生成するアルデヒドを低減するため,水素化ホウ 素ナトリウム水溶液(0.1 mg/ml)で2分間処 理する 38 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 方法 8:0.05%アジ化ナトリウム(DAB /過酸化水素溶 液に混合)で処理する 方法 9:0.1%フェニルヒドラジンで 37℃,60 分間処理 する 内在性アルカリホスファターゼ活性のブ ロッキング法 方法 1:1 ∼ 2 滴の BLOXALL(#SP-6000)を免疫操作 の前に切片試料に添加し,室温で 10 分間処理す る。 方法 10:1%ニトロフェリシアン酸ナトリウム(酢酸/ 活性の両者を一度に阻害できます。 方法 2:1 滴 の Levamisole(#SP-5000) を 5ml の 基 質溶液に加える ただし,この処理は腎臓,肝臓,胎盤,骨,B細胞由来 の試料には適していますが,腸(管)由来の試料には適用 できません。腸(管)由来の試料の場合は,方法 7 または 方法 8 をご覧下さい。 方法 3:染色前に 20%酢酸で 4℃,15 分間処理する。 方法 4:脱パラフィン化の過程で,95%アルコール処理 時に5%塩酸を加える 2013 方法 6:Bouin's 溶液で5分間処理する 免疫染色 方法 5:15%氷酢酸で5分間室温で処理する 2 ABCシステムを用いた組織染色法 純エタノール混合)で処理する。 内在性ペルオキシダーゼ活性とアルカリホスファターゼ 方法 1 ∼5の参考文献: Elias, J. M., Immunohistopathology, A Pracrical Approach to Diagnosis. ASCP Press(1990) . 方法 7:6%過酸化水素で 10 分間処理後,2.28% 過ヨウ 素酸で5分間処理し,更に 0.02% 水素化ホウ素 カリウムで2分間処理する 内在性ペルオキシダーゼ活性を抑えることもでき,腸 (管)由来の試料に適用できます。 方法 8:20% 酢酸で4℃,15 秒間処理,2.3% 過ヨウ素 酸で5分間処理し更に,0.02% 水素化ホウ素カ リウムで2分間処理する 染色前に行います。腸(管)由来の試料に有効です。 参考文献: Bulman AS and Heyderman E, J. Clin. Pathol .,34, 1349-1351(1981). お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 39 事例 1:コントロール切片で高いバックグラウンドまたは非特異的な染色が生じた場合 A ∼ D の条件でコントロール実験を行い,問題点を検討して下さい。 A 2 ●基質のみ を使用した (染色される場合) B ●ブロッキング血清 ABCシステムを用いた組織染色法 (染色されない場合) B へ 内在性酵素による,発色反応が引き起こされる可能性 があります。 ● ABC 試薬 ●基 質 を使用した (染色される場合) (染色されない場合) C へ ①コントロールは必ず実際の試料と同じ条件で発色反 応を実施して下さい。染色時間が長くなると,バッ ABC 試薬が,主に以下の三つの原因により,組織間 クグラウンドが高くなる可能性があります。 に結合している可能性があります。それぞれの原因に 対して,以下の対策がとれます。 ②全体的にバックグラウンドが高い場合は,組織切片 を作製する際,内在性酵素により汚染されている可 能性があります。 内在性の酵素を適切な方法であらかじめブロッキ ①ビオチンと結合している内在性タンパク質の存在 アビジン/ビオチンのブロッキングを行って下さ い(#SP-2001)。 ングして下さい。 免疫染色 内在性酵素活性のブロッキングに関する詳細は p.38 ∼ 39 をご覧下さい。 ②内在性レクチンの存在 ABC 試 薬 希 釈 液 に 0.2 M α - methylmannoside を加えて下さい。 2013 ③イオン間相互作用 0.5 M 塩化ナトリウムを含むバッファーで ABC 試薬を調製して下さい。 また,正常血清によるブロッキング操作の後に,ア ビジン/ビオチンブロッキング操作を実施することに より,ABC 試薬と上記①∼③の原因による結合を除 去することができます。ただし,ブロッキングに BSA を使用する場合には,グレードによってはバックグラ ウンドを引き起こす不純物(ウシ IgG ,脂肪等)を含 んでいるおそれがありますので,免疫組織染色用 BSA (#SP-5050)をお使い下さい。 40 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] C D ●ブロッキング血清 ●ビオチン標識二次抗体 ●一次抗体 ● ABC 試薬 ●ビオチン標識二次抗体 ● 基 質 を使用した (染色される場合) ● ABC 試薬 (染色されない場合) D へ ●基 質 を使用した場合 ①ビオチン標識二次抗体と内在性イムノグロブリンま ①一次抗体が過剰であるおそれがあります。一次抗体 たは他の組織タンパク質の間で,交差反応が生じて の濃度は,バックグラウンドが低く,鮮明で特異的 いる可能性があります。使用する動物組織と一次抗 な染色結果が得られる濃度にとどめて下さい。 体の免疫動物が同じ,または近縁の場合に起こりま 一次抗体の濃度を下げて下さい。 す。 ②一次抗体が目的抗原以外のエピトープと交差反応し またはそれ以上になるようにビオチン標識二次抗 ている可能性や,非特異的に結合している可能性が 体の希釈液に加えて下さい。または,ビオチン標 あります。 識二次抗体の濃度を下げて下さい。 正常血清,BSA ,脱脂粉乳,ゼラチン,または ②ビオチン標識二次抗体が非特異的に組織に結合して 一次抗体の由来や動物種を変えて下さい。 2013 界面活性剤を一次抗体の希釈液へ加えて下さい。 免疫染色 組織切片と同じ動物種から得た正常血清を 2 % 2 ABCシステムを用いた組織染色法 ●ブロッキング血清 いる可能性があります。 2% 免疫組織染色用 BSA(#SP-5050),脱脂粉 乳,ゼラチン,または 0.1% 界面活性剤等を含 んだブロッキング試薬を使用して下さい。 ③一次抗体の希釈液に,塩化ナトリウムが含まれてい ない,または濃度が低い可能性があります。 非特異的な結合をブロックするため,一次抗体 の希釈液には十分なナトリウム塩が含まれるよ ③異なった動物種のブロッキング血清を使用している うにして下さい。一般的には希釈液に,0.15 M (0.9%)∼ 0.6 M の 塩化ナトリウムを加えます。 おそれがあります。 ビオチン標識二次抗体を作製した動物と同じ動物 種から得た血清を使用して下さい。 ④組織切片に小さな,無定形の点のような染色が生じ た際は,一次抗体が変性しイムノグロブリンの沈殿 注:卵白タンパク質は使用しないで下さい。 卵白や卵白由来の製品を,スライドのコーティング, 物が生じている可能性があります。 一次抗体を遠心分離し,上清を使用して下さい。 バッファーの希釈,組織のブロッキング等の用途で 使用した場合,少量のアビジンが存在していると, ⑤操作中に組織切片を乾燥させた可能性があります。 ビオチン標識二次抗体がアビジンと結合し,非特異 操作中のすべてのステップで,組織切片を湿った 的な染色を引き起こす可能性があります。 状態に維持して下さい。 VECTABOND reagent(#SP-1800)を使用して 下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 41 事例 2:染色が弱いまたはまったく染色されない場合 A:酵素/基質 2 ●ペルオキシダーゼ基質を使用している場合 B:一次抗体 ①一次抗体が適切な濃度であり,力価が低下していな ABCシステムを用いた組織染色法 1 ∼ 2 滴 の ABC 試 薬 を 1 ml の DAB,VECTOR いことを確認して下さい。保存期間が長く,抗体力 VIP,VECTOR NovaRED ,または VECTOR SG 基質 価が落ちている場合には,適切な染色を得るために 溶液に加えて下さい。溶液の色は,5秒以内に変わる 一次抗体の濃度を高くする必要があります。抗体の はずです。 凍結/融解の繰り返し等の操作は,力価の低下また は失活を引き起こします(特にモノクローナル抗体 ●ペルオキシダーゼ以外の基質を使用している場合 に関しては影響大) 。一方,抗体濃度が高い場合も ニトロセルロースの小片に ABC 試薬を1滴加え,直 染色強度の低下を引き起こす可能性があります。 ちにこのニトロセルロース片を基質溶液に浸して下さ これまでの実験で染色された組織切片(ポジティ い。ABC 試薬を滴下した箇所に,発色スポットが現 ブコントロール)を用いることで,抗体の活性を れるはずです。 テストすることができます。ポジティブコント ロールが染色されたにもかかわらず,今回の組 発色しなかった 発色した B へ 織切片が染色されなかった場合は,次ページの 注意事項 をご参照下さい。 ①使用した水にペルオキシダーゼの阻害物質が含まれ 免疫染色 ている可能性があります。使用する水の電気伝導度 が低い場合でも,ペルオキシダーゼ反応は鋭敏に影 響を受けます。 ②一次抗体の希釈液の pH が適切でない場合は,抗原 抗体反応が弱まる可能性があります。 希釈液の pH を確認して下さい。一般的には, 2013 基質溶液の調製には,脱イオン水ではなく蒸留水 pH 7.0 ∼ 8.2 の TBS または PBS が用いられま を使用して下さい。 す。 ②基質バッファーの pH をチェックして下さい。基質 ③一次抗体が認識する抗原が溶液中にも存在する場 ごとに至適 pH は異なります。また,基質溶液の調 合,一次抗体が組織切片でなく,溶液中の抗原を優 製には,使用直前に希釈した過酸化水素を使用して 先して認識する可能性があります。一般的に使用さ 下さい。過酸化水素の最終濃度は約 0.01 %にして れる添加物(正常血清,FBS(ウシ胎児血清) ,脱 下さい。なお,基質の調製は,よく洗浄されたガラ 脂粉乳)には,一次抗体と結合しうる抗原濃度を有 ス器具を使用して下さい。塩素や洗浄剤等の残留物 している可能性があります。 により,ペルオキシダーゼ反応が阻害される可能性 抗体を希釈する際には,抗原が混入しないように があります。 注意して下さい。 基質は用時調製して下さい。 ①から③のチェックを行っても染色されない C へ 42 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] C:ビオチン標識二次抗体 注意事項 ①ビオチン標識二次抗体を過度に希釈した場合は,染 免疫組織化学染色の操作を最適化するための注意事項 色強度が低下する可能性があります。 最適な染色をもたらします。 ①同量の試薬 A と試薬 B を,規定量のバッファーに 加えて下さい。試薬 A と試薬 B を混合した後の希 釈はしないで下さい。不活性体を生じるおそれがあ ②二次抗体の希釈溶液中に少しでも中和抗体が含まれ ります。 ると,染色強度の低下を引き起こします。例えば, ビオチン標識した抗マウス IgG をマウス血清で希釈 ②ビオチンを含むおそれがある物質を ABC 試薬の希 しないで下さい。マウス血清中のイムノグロブリン 釈液に加えないで下さい。血清,脱脂粉乳,培養液は, がビオチン標識抗マウス抗体に結合し,二次抗体と 一般にビオチンを含んでいると考えられます。 一次抗体の結合を妨げます。 混入した中和抗体を反応系から除去して下さい。 ③ BSA はグレードによって,アビジン/ビオチン間 相互作用を阻害する場合があります。フラクション V グレードの BSA は使用しないで下さい。BSA を されません。ビオチン標識抗体は,一次抗体を作製 加える場合には,免疫組織染色用(#SP-5050)を した動物種イムノグロブリンに特異的である必要が 使用して下さい。 あります。 ●ブロッキングのチェック ブロッキング血清を採取した動物の個体の中には, 免疫動物がウサギの一次抗体の場合に使用しま 目的の抗原に対する抗体を産生している可能性を持つ す。 ものがあります。この抗体が存在する場合には,目的 2013 適切なビオチン標識抗体を使用して下さい。例え ば,ビオチン標識抗ウサギ IgG(二次抗体)は, 免疫染色 ③ビオチン標識抗体の特異性が正しくない場合,染色 2 ABCシステムを用いた組織染色法 一般的には,1:200 から1:500 の希釈比が ●操作法のチェック 抗原と結合して本来の一次抗体の結合を阻害するおそ ①∼③上記を行っても染色されない れがあります。 注意事項 へ キット構成品以外のブロッキング血清を使用する 場合は免疫組織染色用 BSA(#SP-5050),ゼラ チン,FBS(ウシ胎児血清) ,脱脂粉乳,ブロッ キングタンパク質や1% 界面活性剤等を使用し て下さい。 ●固定のチェック 同じ検出試薬を使用したにも関わらず,ある組織切 片が染色されず,他の組織切片が染色される場合に は,固定や包埋操作中に抗原が破壊されている可能性 があります。抗原が保持され,また検出試薬と反応 できるよう,切片の調製が適切であったか確認して 下さい。固定により損傷を受けた抗原を回復させるた め,加熱やプロテアーゼ消化,Antigen Unmasking Solution(#H-3300,#H-3301)などを用いて,抗 原の賦活処理を行って下さい(p.38 参照)。 ●対比染色剤/封入剤 酵素反応生成物の中には,通常,封入剤に使用され る非水溶性溶媒(アルコール,キシレン,その他有機 溶媒等)に溶解するものがあります。酵素反応生成物 が,使用する対比染色や封入用溶媒に適用しているか どうか確認し適切な試薬を用いるようにして下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 43 3 M.O.M. Immunodetection キット マウス組織での抗原をマウス一次モノクローナルまたは ポリクローナル抗体を用いて特異的に検出するためのキッ ペルオキシダーゼ検出法 (#PK-2200) トです。マウス組織の抗原をマウス一次抗体を用いて免疫 組織化学的に検出する場合,抗マウス二次抗体が内在性の 3 キットに含まれる試薬 マウスイムノグロブリンも認識するために,高いバックグ キット M.O.M. Immunodetection ラウンドが生じ,染色像が不鮮明になってしまいます。本 ・M.O.M. タンパク質濃縮液*: キットは特殊なブロッキング試薬を用いることで,マウス ・M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬*: 組織をマウスモノクローナル抗体を用いて,ABC 法また 6 ml 1 ml * ・M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 試薬 : はアビジン/ビオチン蛍光法による免疫組織染色ができま す。 0.1 ml ・VECTASTAIN M.O.M. キ ッ ト に は 検 出 法 の 違 い に よ り ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ を 用 い た 染 色 キ ッ ト(#PK-2200, 検 出 試 薬: VECTASTAIN ABC reagent)とフルオレセイン標識 アビジンを用いた染色キット(#FMK-2201,検出試薬: Fluorescein avidin DCS)の二種類があります。更に検 出試薬を含まず,検出方法を自由に選択して使用できる Basic Kit(#BMK-2202)もあります。 ABC 試薬 試薬 A(アビジン DH): 1 ml 試薬 B(ビオチン標識ペルオキシダーゼ H): 1 ml ※1キットで約 25 ml の反応溶液を調製することができ, 約 250 枚の組織切片を染色できます。 ※* 印 製 品 は,VECTOR M.O.M. Immunodetection Basic Kit(#BMK-2202)として販売しています。また, M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬は単品でも購入可 既に述べた様にマウス組織上で抗マウス二次抗体を用 免疫染色 い,マウス一次抗体の局在を検出する際には,内在性のマ ウスイムノグロブリンがバックグラウンドの原因となりま す。内在性マウスイムノグロブリンの存在は,これまで紹 2013 介した VECTASTAIN ABC キットシリーズを用いて,2 種 類のコントロールスライドの染色パターンを比較すること によって確認できます(下表参照)。 能です(#MKB-2213)が,Basic Kit の使用により,最 適な結果が得られます。 反応溶液(Working solution)の調製法 1)M.O.M. 希釈溶液: PBS または TBS 7.5 ml *にタンパク質濃縮ストック溶 液 600 μ l を加えます。 2)M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬: チェック項目 スライドA スライド B 内在性酵素活性のブロッキング (必要に応じて) Yes Yes PBS または TBS 2.5 ml に,ストック溶液 2 滴を加え ます。 3)M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 試薬: アビジン/ビオチン 上記 調 製 M.O.M. 希 釈 溶 液 2.5 ml に ス ト ッ ク 溶 液 ブロッキング操作 Yes Yes マウス一次抗体 No No PBS または TBS 2.5ml に試薬 A を2滴加えて混合し, 抗マウス IgG 二次抗体 No Yes 次いで試薬Bを2滴加え,混合します。 検出システム(酵素 / 蛍光) Yes Yes VECTASTAIN 酵素基質(必要に応じて) Yes Yes 製して下さい。 (必要に応じて) 10 μ l を加えます。 4)VECTASTAIN 非特異染色がコントロールスライド B のみに認められる または 非特異染色がコントロールスライド A より B に高く認められる ABC 試薬: ABC 試薬は使用する 30 分前に調 ※1滴は約 45 μ l です。 ※ PBS:10 mM sodium phosphate, 0.15 M NaCl,pH 7.4 ∼ 7.8 ※ TBS:50 mM Tris-0.15 M NaCl, このような結果の場合には二次抗体が組織中の内在性 pH 7.5 ∼ 7.8 マウスイムノグロブリンに結合していると思われます。 バックグラウンドを防ぐためには,マウス組織をマウス一 次抗体を用いて染色する,VECTOR Mouse on Mouse * M.O.M. 反応液 7.5 ml は,組織切片染色法のステップ 9 ,10 と 12 で使用するのに十分な量です。 (M.O.M.)キットをご使用下さい。 44 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 基 質 蛍光検出法(#FMK-2201) ペルオキシダーゼ基質キットの詳細は p.54 をご覧下さ キットに含まれる試薬 い。 組織切片染色法 パラフィン包埋切片及び凍結切片のどちらも簡単に効率 ・M.O.M. タンパク質濃縮液*: 6 ml ・M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬*: 1 ml ・M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 試薬*: 0.1 ml ・フルオレセイン標識アビジン DCS: 0.4 ml よく染色できます。 1 .パラフィン切片の場合,組織切片をキシレンやその他 の脱パラフィン剤で処理したのち,アルコール濃度を 段階的に下げて水和します。 ※1キットで約 25 ml の反応溶液を調製することができ, Basic Kit(#BMK-2202)として販売しています。ま 3 .必 要 に 応 じ て,VECTOR Antigen Unmasking Solution(#H-3300 ,#H-3301)などを用い,抗原 を賦活化します。 た,M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬は単品でも購 入可能です(#MKB-2213)が,Basic Kit の使用により, 最適な結果が得られます。 4 .内在性ペルオキシダーゼの不活化が必要な場合は,3% 過酸化水素水で5分間(パラフィン切片の場合) ,ま たは 0.3%正常ウマ血清を含む PBS で調製した 0.3% 過酸化水素溶液で5分間(凍結切片の場合)反応させ ます。内在性ペルオキシダーゼ活性が問題とならない 場合は,このステップは省略して下さい。 5 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 6 .内在性ビオチン活性を除く必要がある場合は,Avidin / Biotin Blocking Kit(#SP-2001) な ど を 使 っ て, 題とならない場合はこのステップは省略して下さい。 し1時間反応させます。 8 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 9 .M.O.M. 希釈液を滴下し5分間反応させます。 10 .切片を傾けて余分な M.O.M. 希釈液を除去します。 M.O.M. 希釈液で適当な濃度に希釈した一次抗体を滴 下し,30 分間反応させます。 11 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 12 .M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 抗体を滴下し, 10 分間反応させます。 13 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 14 .VECTASTAIN ABC 試薬を滴下し,5分間反応さ せます。 15 .PBS または TBS で切片を5分間ずつ2回洗浄します。 16 .ペルオキシダーゼ基質溶液を滴下し,適切な染色強度 が得られるまで反応させます。用いる基質により反応 時間が異なります。詳細は p.54 をご覧下さい。 PBS または TBS 2.5 ml に,ストック溶液 2 滴を加え ます。 2)M.O.M. 希釈溶液: PBS または TBS 7.5 ml *にタンパク質濃縮ストック液 600 μ l を加えます。 3)M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 試薬: 上記調製 M.O.M. 希釈溶液 2.5 ml にストック溶液 10 μ l を加えます。 4)フルオレセイン標識アビジン DCS: 2013 7 .調製した M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬を滴下 1)M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬: 免疫染色 ブロッキングを行います。内在するこれらの活性が問 反応溶液( Working solutions )の調製法 キット M.O.M. Immunodetection ※* 印 製 品 は,VECTOR M.O.M. Immunodetection 2 .蒸留水で5分間洗浄します。 3 約 250 枚の組織切片を染色できます。 PBS または TBS 2.5 ml にストック溶液 40 μ l を加 えます。 * M.O.M. 反応液(7.5 ml)は,下記の凍結切片染色法 8 と 10 で使用するのに十分な量です。 ステップ7 , 凍結切片染色法 1 .アセトンまたは目的の抗原に適した固定液で組織切片 を固定します。 2 .切片を風乾します。 3 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 4 .内在性ビオチン活性を除く必要がある場合は,Avidin / Biotin Blocking Kit(#SP-2001)な ど を 使 っ て, ブロッキングを行います。内在するこれらの活性が問 題とならない場合は,このステップは省略して下さい。 MEMO 染色操作のステップ8 ∼ 12 では,反応時間を正確 に守ることが大切です。反応時間が長いと,高いバッ クグラウンドが生じる可能性があります。 5 .調製した M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬を滴下 し,1時間反応させます。 6 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 7 .M.O.M. 希釈液を滴下し,5分間反応させます。 8 .切片を傾けて過剰な M.O.M. 希釈液を除去します。 M.O.M. 希釈液で適当に希釈した一次抗体を滴下し 30 分間反応させます。 9 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 45 10 .調製した M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 抗体を 11 .VECTASHIELD Mounting Medium(#H-1000)な 滴下し,10 分間反応させます。 どの封入剤で封入します。 11 .PBS または TBS で切片を2分間ずつ2回洗浄します。 12 .調製したフルオレセイン標識アビジン DCS を滴下し, *蛍光二重染色を行う際には,キットに含まれるフルオレ 5分間反応させます。 セイン標識アビジン DCS と異なる蛍光試薬で標識され 13 .PBS または TBS で5分間ずつ2回洗浄します。 14 .VECTASHIELD Mounting Medium(#H-1000)な たアビジン DCS(例:Texas Red 標識アビジン DCS (#A-2016)など)が必要です。 どの蛍光染色用封入剤で封入します。 Add Second Primary Antibody Add First Primary Antibody 3 蛍光二重染色法 第 1 の抗原検出 キット M.O.M. Immunodetection 1 .マウス凍結切片を適切な方法で固定します。 2 .切片を風乾します。 3 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 5 1 Add Biotinylated Secondary Antibody Add Biotinylated Secondary Antibody 4 .内 在 性 ビ オ チ ン 活 性 を 除 去 し て 下 さ い。Avidin / Biotin Blocking Kit(#SP-2001)などを使って,ブ ロッキングを行います。 5 .調製した M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬を滴下 し,1時間反応させます。 6 2 6 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 Add Texas Red Avidin DCS Add Fluorescein Avidin DCS 7 .調製した M.O.M. 希釈液を滴下し,5分間反応させま す。 8 .切片を傾けて過剰な M.O.M. 希釈液を除去し, M.O.M. 免疫染色 希釈液で希釈した第1の一次抗体(マウスモノクロー ナル抗体)を滴下し,30 分間反応させます。 2013 9 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 7 3 10 .調製した M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 抗体を Mount and Observe Add Avidin/Blotin Block 滴下し,10 分間反応させます。 11 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 12 .蛍光標識アビジン DCS *を滴下し,5分間反応させま す。 13 .PBS または TBS で5分間ずつ2回洗浄します。 4 第 2 の抗原検出 1 .内在性ビオチン活性を除去して下さい。第1の抗原検 出のステップ4 に従って下さい。 2 .調製した M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬を滴下 し,1時間反応させます。 3 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 4 .調製した M.O.M. 希釈液を滴下し,5分間反応させま す。 5 .切片から過剰な M.O.M. 希釈液を除去し,M.O.M. 希 釈液で希釈した第2の一次抗体(マウスモノクローナ ル抗体)を滴下し,30 分間反応させます。 6 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 7 .調製した M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 抗体を 滴下し,10 分間反応させます。 8 .PBS または TBS で2分間ずつ2回洗浄します。 9 .第1の抗原検出とは異なる蛍光標識アビジン DCS *を 滴下し,5分間反応させます。 10 .PBS または TBS で5分間ずつ2回洗浄します。 46 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 8 蛍光検出キット使用上の注意 M.O.M. キット使用上の注意 1 .ホルマリンなどのアルデヒドで固定した組織は自家蛍 光を持つ傾向があり,特異的な蛍光シグナルとの区別 VECTASTAIN ABC キット使用上の注意(p.36 ∼)も あわせてご覧下さい。 が難しくなる可能性があります。 2 .検 出 感 度 は, ビ オ チ ン 標 識 抗 ア ビ ジ ン D 抗 体 1 .内在性イムノグロブリン量は,組織の種類,固定法 (#BA-0300) お よ び フ ル オ レ セ イ ン 標 識 ア ビ ジ ン などのさまざまな要因によって異なるため,試料に DCS を用いることによって,更に高めることができ 応じて操作法を最適化する必要があります。例えば ます。 M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 試薬の濃度を下げ る,M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬の濃度を変 り)を使用することも可能です。ローダミン標識アビ える,マウス Ig ブロッキング試薬との反応時間を延 ジン DCS(#A-2012)または Texas Red 標識アビジ 長するなどの処理により,良好な結果が得られること ン DCS(#A-2016)があります。AMCA 標識アビジ があります(p.48 参照)。 ン D(#A-2008)も使用できます。 2 .バックグラウンドの原因が,必ずしも組織切片に存在 する内在性マウスイムノグロブリンによるものとは限 MEMO りません。他の要因によるバックグラウンドの可能性 染色操作のステップのうち,一次抗体反応∼二次 抗体反応では,時間を正確に守ることが大切です。 反応時間を長くすると,バックグラウンドが高くな を除外するために,適当なネガティブコントロール切 片を同時に染色して処理して下さい。 3 .すべてのマウスモノクローナル抗体やポリクローナル る場合があります。反応時間を延長する場合には, 抗体が,マウス由来の抗原を認識できるわけではあり M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬の効果を確認す ません。マウス以外の動物種の切片で染色を行うこと るために,適当なネガティブコントロール切片を同 で,一次抗体の信頼性を確認できます。 時に染色して下さい。 2013 バックグラウンドの原因が,内在性マウスイムノグ ロブリンではない場合 免疫染色 M.O.M. キット トラブルシューティングガイド 3 キット M.O.M. Immunodetection 3 .フルオレセイン以外の蛍光標識アビジン DCS(別売 場合によっては内在性マウスイムノグロブリン以外の要 因によっても非特異染色は起こります。どの試薬がバック グラウンドに影響しているかを検討するために適切なコン トロール染色が必要です。コントロールの染色結果に基づ いて,次の操作が必要になる場合があります。 ① Avidin / Biotin Blocking Kit(#SP-2001)な ど を 用 いて内在性ビオチンブロッキングを行って下さい。 ②酵素検出法を用いた際には内在性酵素活性のブロッキン グを行って下さい(p.38 参照)。 内在性ペルオキシダーゼ活性のブロッキング ・パラフィン切片の場合:VECTOR M.O.M. キットを用い る前に,3% 過酸化水素水と5分間反応させます。 ・凍結切片の場合:VECTOR M.O.M. キットを用いる前に, PBS または TBS バッファー中に正常ウマ血清と過酸化 水素が各 0.3%になるように加え,5分間反応させて下 さい。 もし一次抗体を加えただけでバックグラウンドが見られ る場合,一次抗体の特異性または 反応液に問題があると 考えられます。新しいアプリケーションや組織を用いる際 には,プロトコルのチェックと最適化を行う必要がありま す。詳細はトラブルシューティングガイド(p.37 ∼)を ご参照下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 47 M.O.M. キット 使用条件を変更する必要がある場合 M.O.M. 希釈液 M.O.M. は,非特異的タンパク質相互作用により生じる バックグラウンド染色を最小限にするために特別に調製さ れていますが,それでも非特異的な染色像を生じた場合に は,タンパク質濃縮液に 0.1% 界面活性剤(Tween 20, Triton X-100 など)を加えると,結果が改善される場合 があります。 3 ほとんどのマウス組織では,VECTOR M.O.M. プロト コルに記載された希釈率と反応時間が,内在性マウス Ig によるバックグラウンドの減少に有効です。それでもバッ キット M.O.M. Immunodetection クグラウンドが検出される場合には,M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬または M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 試薬の使用条件を検討して下さい。 M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬 試薬の濃度および反応時間を変更した方が良いケース もあります。場合によっては,少量の試薬を用いた方が効 果的な場合もあります。例えば試薬2滴をバッファー 2.5 ml で希釈する代わりに,試薬2滴をバッファー 5 ml で 希釈するように変えた方が,バックグラウンド染色を抑え る場合があります。 一方,Ig ブロッキング試薬の濃度を高くする(2.5 ml のバッファーに3または4滴)ことがより効果的な場合も 免疫染色 あります。またはブロッキング時間を延長してみて下さい。 1:10(2.5 ml のバッファーに5滴)に希釈して4℃で 2013 一晩反応させ,その後室温で 30 分間反応させる方法も効 果的です。 M.O.M. ビオチン標識抗マウス IgG 試薬 7.0 μ l を 2.5 ml のバッファーに加えて希釈溶液を調 製します。切片によっては,濃度を下げて特異的な染色強 度をわずかに低くするだけで,バックグラウンド染色を抑 えることができます。 注:ここで推奨した一次抗体やビオチン標識抗マウス Ig との反応時間や洗浄時間は,M.O.M. を最適化するた めのものです。反応/洗浄時間を延長する場合には, 適切なネガティブコントロールを用いて M.O.M. Ig ブロッキング試薬の有効性が低下していないかを確認 して下さい。 注:2 章 p.36 の「VECTASTAIN ABC キット使用上の注意」 もご参照下さい。 48 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 4 ImmPRESS Reagent を用いた組織染色法 ImmPRESS Reagent ペルオキシダーゼ検出法 ImmPRESS Reagent を用いた染色法 図解操作マニュアル(p.7)参照 ImmPRESS Reagent は,ABC シ ス テ ム と は 異 な る VECTOR 社独自の酵素マイクロポリマーで,ペルオキシ ダーゼまたはアルカリホスファターゼと二次抗体を結合さ せた新しい免疫組織染色システムです。わずか2ステップ で,高感度かつ低バックグラウンドの免疫組織染色が行え ます。巨大デキストランや高分子ポリマーを酵素ポリマー Reagent は標的となる一次抗体に容易に結合するため非 特異的結合が低く抑えられます。 二次抗体の種類が異なる製品があり,マウスおよびウサ ギいずれの一次抗体にも対応できるユニバーサルタイプの 製品もあります。いずれの抗体もアフィニティ精製済みで す。滴下瓶に入っており,調製済みのため希釈する必要は ありません。50 ml で約 500 枚の切片を染色できます。 1 .組織切片をキシレンその他の脱パラフィン試薬で脱パ ラフィン化したのち,アルコール濃度を段階的に下げ て水和します。 3 .内在性ペルオキシダーゼ活性を除去する必要がある場 合は,0.3%過酸化水素 - メタノール(または水)溶 液に浸し,30 分間反応させます。過酸化水素の濃度 を上げれば,反応時間を短縮することができます。内 在性ペルオキシダーゼ活性が問題とならない場合は, このステップは省略して下さい。 注:パラフィン切片の内在性アルカリホスファターゼ活性 は,一般に凍結切片に比べ弱く,抗原を賦活するため の高温処理を行うと完全に除去されます。効果的かつ 簡便な不活性化の試薬として,BLOXALL Blocking ペルオキシダーゼ用 二次抗体の種類 商品コード Anti-Goat Ig MP-7405 Anti-Mouse Ig MP-7402 Solution (#SP-6000) で 10 分間処理することをお勧 めします。その他の内在性アルカリホスファターゼ除 去法については p.39 をご覧下さい。 4 .バッファー(PBS または TBS を推奨)で5分間洗浄 MP-7422 Anti-Mouse / Rabbit Ig MP-7500 5 .調製済みブロッキング用正常血清またはブロッキング Anti-Rabbit Ig MP-7401 試薬を滴下し,20 分間反応させます。バックグラウ Anti-Rat Ig(マウス吸収処理済) MP-7444 ンドが問題とならない場合は,このステップは省略で します。 二次抗体の種類 商品コード Anti-Mouse Ig MP-5402 7 .バッファーで5分間洗浄します。 Anti-Rabbit Ig MP-5401 8 .ImmPRESS Reagent を滴下し,30 分間反応させま 2013 きます。 6 .適切なバッファーで希釈した一次抗体を滴下し,反応 免疫染色 Anti-Mouse Ig(ラット吸収処理済) アルカリホスファターゼ用 4 2 .蒸留水で5分間洗浄します。 を用いた組織染色法 ImmPRESS Reagent 骨格として用いた従来のシステムに比べ,ImmPRESS パラフィン包埋切片染色法 させます。 す。 9 .バッファーで5分間洗浄します。 製品に含まれる試薬 10 .基質溶液を滴下し,適切な染色強度が得られるまで反 ・ImmPRESS Reagent : 50 ml ・ブロッキング用 2.5 % 正常ウマ血清: 50 ml 応させます(用いる基質により反応時間が異なります。 詳細は p.53 ∼をご覧下さい)。 11 .蒸留水で洗浄します。 12 .対比染色後,洗浄,封入します*。 製品以外に必要な試薬 *永久封入する場合は,脱水後に透徹・封入(非水溶性封 ・一次抗体 入剤を用いる)します。 ・バッファー ・ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ / ア ル カ リ ホ ス フ ァ タ ー ゼ 基 質 (p.53 ∼参照) 基 質 検出用基質の詳細は p.53 ∼をご覧下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 49 凍結切片染色法 MEMO 1 .切片を風乾します。 2 .染色直前に,アセトンまたは目的の抗原に適した固定 必 要 に 応 じ て VECTOR Antigen Unmasking Solution(#H-3300,#H-3301) な ど を 用 い, 抗 原を賦活化させて下さい(p.38 参照)。 液を用いて切片を固定します。 3 .適当な大きさの容器に入れたバッファー中にスライド を直接入れます。 4 .内因性ペルオキシダーゼ活性を除去する必要がある場 合,抗原の破壊を防ぐために穏やかな方法を選択しま す。0.3%正常血清を含む PBS で希釈した 0.3%過酸 化水素で 5 分間処理するか,またはパラフィン切片染 色法のステップ3 ,または論文の方法* に従って下さ い。 4 ImmPRESS Reagent を用いた二重染色法 パラフィン包埋切片の前処理方法 1 .組織切片をキシレンその他の脱パラフィン試薬で脱パ ラフィン化したのち,アルコール濃度を段階的に下げ て水和します。 注:パラフィン切片の内在性アルカリホスファターゼ活性 は,一般に凍結切片に比べ弱く,抗原を賦活するため 2 .蒸留水で5分間洗浄します。 3 .内在性ペルオキシダーゼ活性を除去する必要がある場 を用いた組織染色法 ImmPRESS Reagent の高温処理を行うと完全に除去されます。内在性アル 合は,適切な方法で不活性化します(前ページ参照) 。 カリホスファターゼ活性が,腸型アイソザイム以外の 内在性ペルオキシダーゼ活性が問題とならない場合 場合は,基質溶液の調製に使用するバッファーに1 mM levamisole(#SP-5000)を加えることでブロッ クできます。腸型アイソザイムの場合は,染色前に切 は,このステップは省略して下さい。 4 .バッファー(PBS または TBS を推奨)で3分間ずつ 2回洗浄します。 片を 20% 酢酸で 4℃,15 秒間処理するか,または 2.3% 過ヨウ素酸で5分間処理したのち,0.02%水素 化ホウ素カリウムで2分間処理することでブロックで きます( J. Clin.Pathol .,34,1349 (1981 ).)。 第 1 の抗原検出 1 .調製済みブロッキング用正常血清を滴下し,20 分間 その他の内在性アルカリホスファターゼ除去法につい ては p.39 をご覧下さい。 反応させます。 2 .適 切 な バ ッ フ ァ ー(2.5 % 正 常 血 清 ま た は 0.1 % 5 .パラフィン切片染色法のステップ4 ∼ 12 に従って下 さい。 BSA * 1 を含む)で希釈した第1の一次抗体を滴下し, 反応させます。 3 .バッファーで5分間洗浄します。 * 180 mg β -D(+)- グルコース , 5mg グルコースオ キシダーゼ , 6.5 mg アジ化ナトリウム/ 50 ml PBS 免疫染色 で 37℃ , 1時間反応させ,PBS で5分間の洗浄を3回 繰り返す。 (グルコースオキシダーゼの酵素反応により, 非常にゆっくり,かつ持続的に低濃度の過酸化水素を 2013 生成します。ペルオキシダーゼ活性が持続的に完全に 4 .ImmPRESS Reagent を滴下し, 30 分間反応させます。 5 .バッファーで5分間洗浄します。 6 .基質溶液を滴下し,適切な染色強度が得られるまで反 応させます(用いる基質により反応時間が異なりま す)。 7 .蒸留水で洗浄します。 阻害されるので,あらかじめ過酸化水素を加える方法 よりも優れた方法とされています。) Add First Primary Antibody 1 Add ImmPRESS Reagent 2 Add Second Primary Antibody 4 Add Enzyme Substrate Ƌ 3 Add ImmPRESS Reagent 5 Add Enzyme Substrate ƌ 6 二重染色概略図 50 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 第 2 の抗原検出 1 .調製済みブロッキング用正常血清を滴下し,20 分間 反応させます。 2 .適 切 な バ ッ フ ァ ー(2.5 % 正 常 血 清 ま た は 0.1 % BSA * 1 を含む)で希釈した第2の一次抗体を滴下し, 反応させます。 3 .バッファーで5分間洗浄します。 4 .ImmPRESS Reagent を滴下し, 30 分間反応させます。 5 .バッファーで5分間洗浄します。 6 .第1の抗原検出とは異なる基質溶液を滴下し,適切な 染色強度が得られるまで反応させます(用いる基質に より反応時間が異なります)。 7 .バッファーで5分間洗浄します。 8 .対比染色後,洗浄,封入します* 2。 ご使用下さい。 * 2 永久封入する場合は,脱水後に透徹・封入(非水溶 性封入剤を用いる)します。 MEMO 必 要 に 応 じ て VECTOR Antigen Unmasking Solution(#H-3300 ,#H-3301)などを用い,抗 原を賦活化させて下さい(p.38 参照)。 を用いた組織染色法 ImmPRESS Reagent * 1 BSA は免疫組織染色グレードの製品(#SP-5050)を 4 免疫染色 2013 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 51 5 M.O.M. ImmPRESS Peroxidase Polymer キット M.O.M. キットの ImmPRESS Reagent で検出するキットです。 (M.O.M. キットの詳細は p.44 をご覧下さい) ペルオキシダーゼ検出法(#MP-2400) 8 .調製済みブロッキング用正常血清を滴下し,5 分間反 応させます。 9 .適切なバッファーで希釈した一次抗体を滴下し,30 キットに含まれる試薬 分間反応させます。 * ・M.O.M. タンパク質濃縮液 :6 ml 10 .PBS または TBS で 2 分間ずつ 2 回洗浄します。 ・ブロッキング用 2.5% 正常ウマ血清:30 ml 11 .M.O.M. ImmPRESS Reagent を滴下し,10 分間反 ・M.O.M. ImmPRESS Anti-Mouse Ig Reagent:15 ml ※ 1 キットで約 75 ∼ 150 枚のマウス組織切片を染色で きます。 ※*印製品は,単品でも購入可能です (#MKB-2213)。 5 応させます。 12 .PBS または TBS で 5 分間ずつ 2 回洗浄します。 13 .ペルオキシダーゼ基質溶液を滴下し,適切な染色強度 が得られるまで反応させます。用いる基質により反応 時間が異なります。詳細は p.54 をご覧下さい。 キット以外に必要な試薬 キット M.O.M. ImmPRESS Peroxidase Polymer MEMO ・一次抗体 染色操作のステップ 7 ∼ 11 では,反応時間を正確 ・バッファー に守ることが大切です。反応時間が長いと,高いバッ ・ペルオキシダーゼ基質(p.54 参照) クグラウンドが生じる可能性があります。 反応溶液(Working solution)の調製法 凍結切片染色法 1)M.O.M. Mouse Ig Blocking Reagent:PBS または TBS 2.5 ml にタンパク質濃縮ストック溶液を 2 滴加 えます。 ※1滴は約 45 μ l です。 ※ PBS:10 mM sodium phosphate, 0.15 M NaCl, pH7.4 ∼ 7.8 ※ TBS:50 mM Tris-0.15 M NaCl, pH5.5 ∼ 7.8 1 .アセトンまたは目的の抗原に適した固定液で組織切片 を固定します。 2 .切片を風乾します。 3 .PBS または TBS で 2 分間ずつ 2 回洗浄します。 4 .パラフィン切片染色法のステップ 4 ∼ 13 に従って下 さい。 ImmPRESS Reagent を用いた染色法 パラフィン包埋切片染色法 免疫染色 1 .パラフィン切片の場合,組織切片をキシレンやその他 の脱パラフィン剤で処理したのち,アルコール濃度を 2013 段階的に下げて水和します。 2 .蒸留水で 5 分間洗浄します。 3 .必 要 に 応 じ て,VECTOR Antigen Unmasking Solution (#H-3300,#H-3301) などを用い,抗原を 賦活化します。 4 .内在性ペルオキシダーゼの不活化が必要な場合は, BLOXALL Blocking Solution (#SP-6000) で 10 分 間処理します。(その他の内在性ペルオキシダーゼ除 去法については p.38 をご覧下さい) 5 .PBS または TBS で 2 分間ずつ 2 回洗浄します。 6 .調製した M.O.M. マウス Ig ブロッキング試薬を滴下 し 1 時間反応させます。 7 .PBS または TBS で 2 分間ずつ 2 回洗浄します。 52 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] ▲ 高感度 ▲ 低感度 免疫染色用基質キット 6 6 免疫染色用基質キット ペルオキシダーゼ(HRP) 免疫染色 (ImmPRESS Polymer Detection Reagent 使用) 2013 アルカリホスファターゼ (AP) (VECTASTAIN ABC-AP Kit 使用) *インキュベートの時間を長くすることで,感度が上昇します。 **反応産物の沈着が目立たず,色調にばらつきが見られることがあります。 顕微鏡 基質 色 商品コード DAB Brown SK-4100 ● ● ● ● DAB-Ni Gray-Black SK-4100 ● ● ● ● ImmPACT DAB Brown SK-4105 ● ● ● ● VECTOR VIP ImmPACT VIP Purple Purple SK-4600 SK-4605 ● ● ● ● ● ● ● ● VECTOR SG Blue-Gray SK-4700 ● ● ● ● ImmPACT SG Blue-Gray SK-4705 ● ● ● ● SK-4800 SK-4805 SK-4200 SK-4205 SK-4285 SK-4400 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 明視野顕微鏡 暗視野顕微鏡 電子顕微鏡 蛍光顕微鏡 スペクトル 画像解析 封入剤 色素を有した 組織でのコン トラスト 多重染色 熱耐性 ● ● ペルオキシダーゼ基質 Red VECTOR NovaRED Red ImmPACT NovaRED AEC Red ImmPACT AEC Red ImmPACT AMEC Red TMB Blue アルカリホスファターゼ基質 VECTOR Red Magenta SK-5100 ● ● ● VECTOR Blue Blue SK-5300 ● ● ● VECTOR Black BrownBlack SK-5200 ● BCIP / NBT Indigo SK-5400 ● 非水溶性/ 水溶性 非水溶性 非水溶性/ 水溶性 非水溶性 非水溶性 非水溶性/ 水溶性 非水溶性/ 水溶性 非水溶性 非水溶性 水溶性 水溶性 水溶性 非水溶性 非水溶性/ 水溶性 非水溶性/ 水溶性 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 非水溶性 ● 非水溶性/ 水溶性 グルコースオキシダーゼ基質 Ƌ (NBT) Indigo SK-3100 ● ƌ (TNBT) Black SK-3200 ● 非水溶性/ 水溶性 非水溶性 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 53 ペルオキシダーゼ基質キット 6 免疫染色用基質キット Kit 呈色 用途 封入剤 商品コード ImmPACT DAB EqV Brown 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性/水溶性 SK-4103 ImmPACT DAB Brown 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性/水溶性 SK-4105 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性 SK-4100 DAB Brown * Red 組織切片,メンブレン,ISH 水溶性 SK-4285 ImmPACT AEC Red 組織切片,メンブレン,ISH 水溶性 SK-4205 AEC Red 組織切片,ISH 水溶性 SK-4200 ImmPACT AMEC 免疫染色 2013 TMB Blue 組織切片,メンブレン,EIA,ISH 非水溶性 SK-4400 ImmPACT VIP Purple 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性 SK-4605 VECTOR VIP Purple 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性 SK-4600 ImmPACT SG Blue-Gray 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性/水溶性 SK-4705 VECTOR SG Blue / Gray 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性/水溶性 SK-4700 ImmPACT NovaRED Red 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性 SK-4805 VECTOR NovaRED Brick-Red 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性 SK-4800 DAB:3, 3'-Diaminobenzidine TMB:3, 3’, 5, 5'-Tetramethylbenzidine AEC:3-Amino-9-ethylcarbazole ABTS:2, 2’- Azino-bis ( 3-ethylbenzothiazolin-6-sulfonic acid ) 4-CN:4-Chloro-1-naphthol *キットに含まれる塩化ニッケル溶液添加時には Gray-Black 免疫組織化学染色やニトロセルロース,ナイロンその他 メンブレンを用いたブロッティング,EIA などに使用でき る 13 種の基質キットがあります。各キットに含まれる試 薬は,濃縮ストック溶液として便利な滴下瓶に入っていま す。試薬を滴下する際は,瓶の口を垂直に下に向け,静か に押し出して下さい。滴下瓶から直接ピペットで試薬を取 り出すことは,絶対に避けて下さい。各試薬の溶媒により, 1滴の容量が異なります。直接滴下瓶を用いて基質溶液を 調製することによって,正しい基質濃度が得られます。使 用しない時は,蒸発を防ぐために,白色キャップをしっか りと締めて下さい。 1 キットで 300 ml の基質溶液を調製でき,1,000 ∼ 3,000 枚の組織切片を染色できます(#SK-4103 は 400 ml,#SK-4105 は 120 ml の基質溶液)。 ImmPACT DAB 基質キット 1 .ImmPACT DAB diluent 1 ml に ImmPACT DAB chromogen concentrate を 1 滴 加えてよく混ぜます(必要に応じて調製する溶液量を 増やして下さい)。 2 .組織切片に基質溶液を滴下し,室温で2∼ 10 分間 反応させます。蒸留水で5分間洗浄し,必要があれ ば 対 比 染 色 を 行 い, 水 溶 性 封 入 剤(VectaMount AQ:#H-5501) ま た は 脱 水 後 に 非 水 溶 性 封 入 剤 (VectaMount : #H-5000)で封入します。 ※別売りの DAB Enhancing Solution(#H-2200)によ り染色強度が増大します。 MEMO 使用法 ImmPACT DAB は,従来の DAB 基質よりも感度 が良く(約 3 ∼ 5 倍),速やかに強い発色を示します。 図解操作マニュアル(p.10)参照 基質溶液調製後の安定性にも優れています(調製後, 室温で 5 日間,冷蔵で2週間安定)。 ImmPACT DAB EqV 基質キット 1 .ImmPACT DAB EqV reagent 1 と ImmPACT DAB EqV reagent 2 を等量混合します。 2 .組 織 切 片 に 基 質 溶 液 を 添 加 し, 室 温 で 2 ∼ 10 分 間 反 応 さ せ ま す。 蒸 留 水 で 5 分 間 洗 浄 し, 必 要 が あ れ ば 対 比 染 色 を 行 い, 脱 水 後 に 非 水 溶 性 封 入 剤 (VectaMount:#H-5000)で封入します。 ※ 別 売 り の DAB Enhancing Solution (#H-2200) に よ り染色強度が増大します。 DAB(3, 3'-Diaminobenzidine)基質キット 1 .蒸留水 5.0 ml に Buffer stock solution を2滴加え てよく混ぜます。次に DAB stock solution を4滴加 えてよく混ぜ,最後に過酸化水素を2滴加えてよく混 ぜます。黒灰色に染色したい場合は,更にニッケル溶 液を2滴加えてよく混ぜます。ニッケル溶液を加える と色調が変わるだけでなく,染色感度も上がります。 2 .組織切片に基質溶液を滴下し,室温で 2 ∼ 10 分間反 応させます。蒸留水で5分間洗浄し,対比染色後に脱 水し,非水溶性の封入剤(VectaMount:#H-5000) などで封入します。 54 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] ※ DAB Enhancing Solution(#H-2200)により染色強 度が増大します。ただしニッケル溶液との併用はできま せん。 TMB(3, 3', 5, 5'- Tetramethylbenzidine)基質キット 6 てよく混ぜます。次に,TMB stock solution を 3 滴, MEMO DAB stock solution が保存中に黒ずんでくること がありますが,染色の質・強度に影響はありません。 Stabilizing solution を 2 滴加えてよく混ぜ,最後に 過酸化水素を2滴加えてよく混ぜます。 2 .組織切片に基質溶液を滴下し,室温で 10 ∼ 30 分間 反応させます。バッファーで2∼3分間洗浄し軽く蒸 ImmPACT AMEC 1.ImmPACT AMEC 性封入剤(VectaMount:#H-5000)で封入します。 diluent(5 ml)に,ImmPACT reagent 1 を 3 滴,ImmPACT AMEC reagent 2 を 2 滴加えて混合します。 注意下さい。 ImmPACT VIP 基質キット 2013 2 .組織切片に基質溶液を添加し,室温で 10 ∼ 30 分間 注:洗い過ぎると染色度が低下することがありますのでご 反応させます。蒸留水で 5 分間洗浄し,必要があれば 対比染色を行い,水溶性封入剤(VectaMount AQ: 免疫染色 AMEC 留水ですすいだのち対比染色を行い,脱水後,非水溶 基質キット 免疫染色用基質キット 1 .蒸留水 5.0 ml に Buffer stock solution を2滴加え 1 .ImmPACT VIP diluent(5 ml)に,ImmPACT VIP reagent 1 を 3 滴,ImmPACT VIP reagent 2 を 3 滴, #H-5501)で封入します。 ImmPACT VIP reagent 3 を 3 滴,ImmPACT VIP reagent 4 を 3 滴加えて混合します。 ImmPACT AEC 基質キット 2 .組織切片に基質溶液を添加し,室温で 2 ∼ 15 分間反 1 .ImmPACT AEC diluent(5 ml)に,ImmPACT AEC reagent 1 を 2 滴,ImmPACT AEC reagent 2 を 3 滴,ImmPACT AEC reagent 3 を 2 滴加えて混合し ます。 2 .組織切片に基質溶液を添加し,室温で 10 ∼ 30 分間 反応させます。蒸留水で 5 分間洗浄し,必要があれば 応させます。蒸留水で 5 分間洗浄し,必要があれば 対比染色を行い,水溶性封入剤(VectaMount AQ: #H-5501)で封入します。 ※メチルグリーンを用いた対比染色には適していません。 VECTOR VIP 基質キット 対比染色を行い,水溶性封入剤(VectaMount AQ: 1 .PBS(10 mM sodium phosphate(pH 7.5)-0.9 #H-5501)で封入します。 % saline)5 ml に,よく混ぜながら順次,試薬1, AEC(3-Amino-9-ethylcarbazole)基質キット 1 .蒸留水 5.0 ml に Buffer stock solution を2滴加え てよく混ぜます。次に AEC stock solution を3滴加 えてよく混ぜ,最後に過酸化水素を2 滴加えてよく混 ぜます。 2 .組織切片に基質溶液を滴下し,室温で 10 ∼ 30 分間 反応させます。バッファーで5分間洗浄し蒸留水で軽 くすすいだのち,対比染色後,水溶性封入剤で封入し ます。 試薬2,試薬3を各3滴加えます。最後に過酸化水素 3滴を加えてよく混ぜます。 2 .組織切片に基質溶液を滴下し,室温で 2 ∼ 15 分間 反応させます。蒸留水で5分間洗浄したのち対比染 色を行い,脱水後,非水溶性封入剤(VectaMount: #H-5000)で封入します。 ※色のコントラストがはっきりしているため,二重染色を 行うのに適しています。 ※ DAB との二重染色は電子顕微鏡による観察にも適して います。 MEMO 注:AEC による呈色は,アルコールや,組織の脱水に用 いる溶媒によりある程度変色します。水溶性の封入剤 (VectaMount AQ:#H-5501)をご使用下さい。 ストック溶液が保存中に黒ずんでくることがあり ますが,染色の質や強度に影響はありません。 アルコール中で長く反応させたり,アルコールを ベースにした bluing 溶液や differentiating 溶液を 用いると,感度が下がることがあります。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 55 ImmPACT SG 基質キット 6 免疫染色用基質キット 1 .ImmPACT SG diluent(5 ml) に,ImmPACT SG reagent 1 を 3 滴,ImmPACT SG reagent 2 を 3 滴加えて混合します。 2 .組 織 切 片 に 基 質 溶 液 を 添 加 し, 室 温 で 2 ∼ 15 分 間 反 応 さ せ ま す。 蒸 留 水 で 5 分 間 洗 浄 し, 必 要 が あ れ ば 対 比 染 色 を 行 い, 脱 水 後 に 非 水 溶 性 封 入 剤 (VectaMount:#H-5000)などで封入します。 ※ペルオキシダーゼ基質 DAB / Ni,VECTOR SG および アルカリホスファターゼ基質 VECTOR Blue,BCIP / NBT とコントラストの高い呈色を示します。 MEMO ※ストック溶液が保存中に黒ずむことがありますが, 染色の質や強度に影響はありません。 ※アルコール中での反応が長すぎたり,アルコール をベースにした differentiating 溶液を用いると, 感度が低下することがあります。 VECTOR SG 基質キット 免疫染色 1 .PBS(10 mM sodium phosphate(pH 7.5) ペルオキシダーゼ基質キット 使用上の注意 2013 -0.9% saline)5 ml に SG 試薬を3滴加え,よく混 ぜます。次に過酸化水素3滴を加えてよく混ぜます。 ● 各基質溶液は,使用直前に調製して下さい。 2 .組織切片に基質溶液を滴下し,室温で2∼ 10 分間 ● 脱イオン水には,ペルオキシダーゼ反応の阻害物質が含 反応させます。バッファーで5分間洗浄して軽く蒸 まれていることがあるため,基質溶液は,蒸留水で調製 留水ですすいだのち,対比染色を行い,水溶性封入 して下さい。 剤,または脱水後に非水溶性封入剤(VectaMount: #H-5000)で封入します。 ※ VECTOR NovaRED 基質キットと組み合わせて二重染色 法に用いる場合は,VECTOR SG 基質キットを後に用い て下さい。 ● メンブレンの染色にはペルオキシダーゼを使用したこと のない容器を用いて下さい。 ● 試薬は 4℃で遮光保存して下さい。 ● DAB と塩化ニッケルには発がん性の疑いがあります。 また各キットに含まれる,その他の成分の毒性および発 ※暗視野や電子顕微鏡による観察に適しています。 がん性については,ほとんど分かっていません。これら ※ DAB Enhancing Solution(#H-2200)により染色強 の試薬を取り扱う際は,手袋,防護用衣服,防護メガネ 度が増大します。 等を着用し,十分注意を払って下さい。 ● DAB,AEC,4-CN,TMB,ABTS 基質溶液は,蒸留水 MEMO SG 試薬が保存中に黒ずむことがありますが,染色 の質や強度に影響はありません。 または脱イオン水で調製した 3%過マンガン酸カリウム と 2%炭酸ナトリウムを同量含む溶液中に廃棄して下さ い。廃液は,所定の廃棄法に従って廃棄して下さい。 ペルオキシダーゼ基質キット選択および感度ガイド ImmPACT NovaRED 基質キット 1 .ImmPACT NovaRED diluent(5 ml)に,ImmPACT (p.53 参照) それぞれ > の順でお勧めします。 NovaRED reagent 1 を 3 滴,ImmPACT NovaRED reagent 2 を 2 滴,ImmPACT NovaRED reagent 3 ●組織化学染色/免疫組織染色/ in situ を 2 滴,ImmPACT NovaRED reagent 4 を 2 滴加え ハイブリダイゼーション て混合します。 ImmPACT DAB >(DAB = VECTOR VIP = 2 .組 織 切 片 に 基 質 溶 液 を 添 加 し, 室 温 で 2 ∼ 15 分 VECCTOR SG)> AEC 間 反 応 さ せ ま す。 蒸 留 水 で 5 分 間 洗 浄 し, 必 要 が あ れ ば 対 比 染 色 を 行 い, 脱 水 後 に 非 水 溶 性 封 入 剤 (VectaMount:#H-5000)で封入します。 VECTOR NovaRED 基質キット 1 .蒸留水 5 ml に試薬1を3滴,次に試薬 2,試薬 3,過 酸化水素各2滴を順次よく混ぜながら加えます。 2 .組織切片に基質溶液を滴下し,室温で 5 ∼ 15 分間ま たは適度な染色強度が得られるまで反応させます。蒸 留水で5分間洗浄したのち,対比染色し,脱水後,非 水溶性封入剤(VectaMount:#H-5000)で封入し ます。 56 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] ペルオキシダーゼ基質を使用した場合の永久封入方法 適用基質:ImmPACT DAB, DAB, TMB, VECTOR ●脱水方法 1 . 95 % エタノール:1 分× 2 回 2 . 100 % エタノール:1 分× 2 回 ※薄い切片または厚みのある切片の場合は,15 秒∼ 3 分の間で調節可能です。 ※ VECTOR NovaRED (#SK-4800) を 使 用 す る ●透徹方法 ※ 3 ∼ 5 分の間で調節可能です。 2013 キシレンまたはキシレン代替品:3 分× 3 回 免疫染色 場合は各 2 分× 2 回で行って下さい。 免疫染色用基質キット VIP, VECTOR SG, VECTOR NovaRED 6 ※ VECTOR NovaRED (#SK-4800) を 使 用 す る 場合は 2 分× 2 回で行って下さい。 ●封入方法 非 水 溶 性 封 入 剤(VectaMount:#H-5000) で 封入します。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 57 アルカリホスファターゼ基質キット 6 免疫染色用基質キット Kit 呈色 使用 用途 封入剤 商品コード 8.2 ∼ 8.5 * 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性/水溶性 SK-5100 ƌ (VECTOR Black) Brown / Black 9.5 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性 SK-5200 ƍ (VECTOR Blue) Blue 8.2 組織切片 水溶性 SK-5300 Blue / Violet 9.5 組織切片,メンブレン,ISH 非水溶性/水溶性 SK-5400 Ƌ (VECTOR Red) Ǝ (BCIP / NBT) Red バッファー pH BCIP:5-Bromo-4-chloro-indolyl phosphate NBT:Nitroblue tetrazolium *使用バッファーの濃度は 100 ∼ 200 mM に調製して下さい。 免疫染色 各基質キットには,滴下瓶に入った3種のストック溶液 5) キットƋ,ƍ,Ǝで染色した切片は,水溶性,非水溶 と基質溶液を調製するのに便利な,混合用の瓶が入ってい 性いずれの溶媒でも脱水,封入できます。キットƍ ます。 による染色は,キシレンに部分的に溶解するため,キ 2013 試薬を滴下する際は,瓶の口を垂直に下に向け,静かに シレンの代わりに Histo-Clear * 1,Clear-Rite 3 * 1, 押し出して下さい。滴下瓶から直接ピペットで試薬を取り またはその他のキシレン代替剤 * 2 を用いて透徹し, 出すことは絶対に避けて下さい。各試薬の性質により1滴 キシレンを含まない封入剤で封入して下さい。キット の量が異なります。滴下瓶から直接滴下することによって ƍ で染色後,水溶性封入剤を用いる場合は,封入前 正しい基質濃度が得られます。 に 100 %アルコールで短時間(約 30 秒間)洗浄す 使用しない時は,蒸発を防ぐために,白色キャップをしっ かりと締めて下さい。 ると,明瞭な染色が得られます。 6) 各キットとも神経組織の染色には適していません。 染色が終了したら希釈基質溶液を捨て,容器を蒸留水で 7) 組 織 化 学 染 色 の 場 合, 基 質 溶 液 に Tween 20 を 洗浄し,ストック溶液と一緒にキットの箱に保管します。 0.1%になるように加えると発色が鮮明になり,染色 1キットで約 200 ml の基質溶液を調製できます。 感度も上がります。メンブレンを染色する場合には, Tween 20 は使用しないで下さい。 使用法(Kit Ƌ∼Ǝ) 8) 組織切片に内在性のアルカリホスファターゼ活性が 存在する場合は,基質溶液の調製に用いるバッファー 1 .基質溶液の調製:使用直前に,100 mM Tris-HCl pH に 1 mM levamisole(#SP-5000)を加えることに 8.2 ∼ 10.0(注:pH は基質により異なります)5 ml に, より,活性を抑えることができます。腸型のアイソザ 試薬1を2滴加えてよく混ぜます。次に試薬2を2滴 イムの場合は,染色前に切片を 20%酢酸で 4℃,15 加えてよく混ぜ,最後に試薬3を2滴加えてよく混ぜ 秒間処理するか,または 2.3%過ヨウ素酸で5分間処 ます。 理したのち,0.02% 水素化ホウ酸カリウムで 2 分間 2 .組織切片またはメンブレンと基質溶液を 20 ∼ 30 分間, 室温で反応させます(反応時間を長くすると感度が増 大しますが,バックグラウンドも高くなる傾向があり ます)。染色を暗所で行うと,良い結果が得られるこ とがあります。 3 .バッファーで5分間洗浄し蒸留水ですすぎます。 4 .組織切片染色の場合,必要に応じて対比染色後,封入 します(封入剤は各基質に適したものを使用して下さ い)。 アルカリホスファターゼ基質キット 使用上の注意 処理することにより同様の効果が期待できます。 * 1 Histo-Clear は National Diagnostics,Clear-Rite 3 は Thermo Fisher Scientific の製品です。 * 2 Clear Advantage (Polyscience 社:#24770),ティ シュー・テックティシュークリア(サクラファイン テックジャパン(株):#1474)などがあります。 MEMO VECTOR Red 反応生成物は強い赤色蛍光を示すの で,ローダミンまたは Texas Red の励起フィルター システムで鮮赤色の蛍光沈殿物を観察できます。特 に,脱水後永久封入した切片は,ローダミンフィル ターシステムで鮮やかに見えます。 1) 基質溶液の調製に使用するバッファーにアジ化ナト リウムを加えないで下さい。染色が阻害されます。 2) 試薬は 4℃で遮光保存して下さい。 3) 長期保存により,試薬に沈殿が生じることがあります が,染色の質,強度に影響はありません。 MEMO 発色がうまく起こらない場合は,使用バッファーの pH や濃度が原因になっていることがあります。バッ ファーの条件をよくご確認下さい。 4) 各キットのストック試薬および希釈基質溶液を加熱 しないで下さい。染色感度が低下します。 58 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] アルカリホスファターゼ基質キット選択および感度 グルコースオキシダーゼ基質キット 6 ガイド(p.53 参照) Kit Ƌ (NBT) (VECTOR Red = VECTOR Blue)> BCIP / NBT > VECTOR Black 商品コード Purple / Blue 非水溶性/水溶性 SK-3100 非水溶性/水溶性 SK-3200 ƌ (TNBT) ●組織化学染色/免疫組織染色 封入剤 Black NBT :Nitroblue tetrazolium TNBT:Tetranitroblue tetrazolium 組織化学染色用として 2 種類の基質キットがあります。 ●蛍光染色 各基質キットには,滴下瓶に入った3種のストック溶液と VECTOR Red 基質溶液を調製するのに便利な,混合用の瓶が入っていま 試薬を滴下する際は,瓶の口を垂直に下に向け,静かに BCIP / NBT 押し出して下さい。各試薬の溶媒の性質により,1 滴の量 アルカリホスファターゼ基質を使用した場合の永久 い基質濃度が得られます。 2013 が異なります。滴下瓶から直接滴下することによって正し 免疫染色 す。 ● in situ ハイブリダイゼーション 免疫染色用基質キット それぞれ > の順でお勧めします。 呈色 使用しない時は,蒸発を防ぐために,白色キャップをしっ 封入方法 かりと締めておいて下さい。 適用基質:V E C T O R R e d , V E C T O R B l a c k , VECTOR Blue, BCIP/NBT ●脱水方法 染色が終わったら希釈基質溶液を捨て,容器を蒸留水で 洗浄し,ストック溶液と一緒にキットボックスに保管しま す。 1 . 95% エタノール:1 分× 2 回 1キットで 300 ml の基質溶液を調製することができ, 2 . 100% エタノール:1 分× 2 回 1,000 ∼ 3,000 枚の組織切片を染色できます。 ※薄い切片または厚みのある切片の場合は,15 秒∼ 3 分の間で調節可能です。 ●透徹方法 使用法 1 .基質溶液の調製:使用直前に,混合瓶に 50 mM Tris- キシレンまたはキシレン代替品:3 分× 3 回 ※ 3 ∼ 5 分の間で調節可能です。 ※ Vector Blue にはキシレンは使用できません。 キシレン代替品をご使用下さい。 HCl(pH 9.5)5 ml を加え,試薬 1,2,3をそれぞ れ2滴ずつ加え,よく混ぜます。 2 .組織切片に基質溶液を滴下し,暗所,室温で 10 ∼ 30 分間(基質キットƌの場合は 10 ∼ 20 分間) ,ま たは良い染色強度が得られるまで反応させます。 ●封入方法 3 .切片を水で5分間洗浄します。 非水溶性封入剤:(VectaMount:#H-5000) で 封入します。 4 .対比染色後,封入*します。 *永久封入する場合は,脱水後に透徹・封入(非水溶性封 入剤を用いる)します。 グルコースオキシダーゼ基質キット 使用上の注意 1) バッファーは,蒸留水で調製して下さい。 2) 反応温度を 37℃に上げると染色時間を短縮すること ができ,一次抗体の希釈度を上げることもできます。 キットƌの場合は染色時間が長すぎたり,一次抗体が 高濃度である場合には,非特異的沈殿が生じることが あります。 3) キットƋおよびƌで染色した切片は,水溶性,非水溶 性いずれの封入剤でも封入できます。非水溶性封入剤 を用いる場合は,速やかに脱水を行って下さい。 4) 試薬は 4℃で遮光保存して下さい(特に試薬2は光に 不安定です)。 ※グルコースオキシダーゼ基質キットの感度は 2 種とも同 程度です。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 59 7 7 アビジンおよび標識アビジン アビジン D の性質 AMCA Avidin D(#A-2008) アビジンおよび標識アビジン VECTOR 社がアビジン・ビオチンシステムの開発を始 アビジン D を,蛍光色素 7-amino-4-methylcoumarin- めた時,まず市販されているすべての卵白アビジンの分 3-acetic acid(AMCA)で標識したものです。励起波長 析を試みました。その結果,調べた製品はすべて,分子量 が 350 nm,蛍光波長が 450 nm にあり,強い青色蛍光 12 kDa の非特異的結合性が高い夾雑物を含んでいること を発します。この条件では,ほとんどのパラフィン包埋切 が明らかになりました。 片は自家蛍光を示しません。この点がフルオレセインやそ これら市販のアビジンは OD 280 nm / 260 nm 比が約 0.8 で, の他の色素標識複合体と比べ,優れた特長で,凍結切片, 核酸が含まれていることを示唆していました。VECTOR パラフィン包埋切片のいずれにも使用できます。また他の 社では卵白アビジンを精製するためのアフィニティシス 蛍光標識アビジン D と組み合わせて,多重染色を行うこ テ ム を 開 発 し,SDS-PAGE で 均 一 な ア ビ ジ ン を 精 製 し ともできます。 ま し た。 こ の ア ビ ジ ン の OD 280 nm / 260 nm 比 は 1.6 ∼ 1.9 免疫染色 で,非常に低い非特異的結合性を示します。このアビジ Fluorescein Avidin D(#A-2001) ン製品は,他の市販品とは明らかに異なっていたため, “アビジン D ” (Avidin Distinct)と名付けられました。 2013 更に,種々の方法を用いてアビジンの精製が試みられ, 高純度アビジン D を,特殊な方法でフルオレセイン 標識したものです。励起波長が 495 nm,蛍光波長が約 その結果異なったタイプのアビジンがあることが分かりま 515 nm にあり,タンパク質に対する蛍光色素の割合が した。それぞれのタイプは用途に対する性能が異なります。 高く,通常の免疫蛍光法に用いるのに適しています。通常 そこで VECTOR 社は,アビジン D の各タイプに,使用目 の一次および二次蛍光標識法に比べ,はるかに高い感度と 的に関連する頭文字を付けました。例えばアビジン DN は 低いバックグラウンドを示します(より高い感度を必要 ビオチン標識核酸用に,アビジン DH * は“ABC”法に用 とする特殊な場合には,次項のフルオレセインアビジン います。良い実験結果を得るには,アビジン・ビオチンシ DCS をご使用下さい)。 ステムの使用目的に合わせて,アビジンの型を選ぶ必要が あります。 * Avidin DH は VECTASTAIN ABC キット用に特別に調 Fluorescein Avidin DCS(#A-2011) セルソーター用に開発された製品です。新しいフルオレ 製された製品です。Avidin D とは異なり,単品では販 セイン標識法の開発により,アビジンの性質を変えずに, 売していません。 より多くの蛍光色素をアビジンに結合させてあります。フ ルオレセインアビジン DCS は F / P 比が高いだけではな Avidin D(#A-2000) く,蛍光効率も増加しています。標識方法を改良した上に, 更に精製を行っているので,細胞選別の分解能の妨げとな 特別なアフィニティシステムによって卵白から精製した る非特異的結合が少ない製品です。セルソーター用に調製 もので,非特異的結合性の極めて低い均一な高純度品です。 された製品ですが,高い感度と低いバックグラウンド染色 固相法や,種々の免疫組織化学法におけるサンドイッチ法 が必要な場合の蛍光顕微鏡用としても用いられます。 に用いられます。 Fluorescent Avidin Kit(#A-1100) Horseradish Peroxidase Avidin D (#A-2004) (R.T.U.:#A-2704) Fluorescein Avidin DCS, Texas Red Avidin D, AMCA Avidin D の3種の蛍光標識アビジン各 500 μ g から成るキットです。Fluorescein Avidin DCS は黄緑 西洋ワサビペルオキシダーゼとアビジン D を結合させ 色(励起波長:495 nm,蛍光波長:515 nm),Texas たもので,ペルオキシダーゼの高い活性が保たれています。 Red Avidin D は濃赤色(励起波長:595 nm,蛍光波長: ビオチン標識一次抗体,または二次抗体とペルオキシダー 615 nm),AMCA Avidin D は 青 色( 励 起 波 長:350 ゼアビジン D を用いて,組織切片や塗抹標本中の抗原部 nm,蛍光波長:450 nm)の蛍光を発するので,三重標 位を確認することができます。マイクロタイタープレート 識を行うことができます。1キットで 250 ∼ 500 の切片, やニトロセルロースメンブレンを用いる固相法のための, または細胞懸濁液を標識することができます。 高感度検出システムが開発されています。 60 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] Rhodamine Avidin D(#A-2002) Rhodamine Avidin DCS(#A-2012) Texas Red Avidin D(#A-2006) Texas Red Avidin DCS(#A-2016) アビジン D と sulforhodamine 101 との蛍光性複合 体です。励起波長は約 595 nm,蛍光極大は約 615 nm nm に吸収極大を,575 nm に蛍光極大を有し,赤色蛍 にあります。励起,蛍光極大共にフルオレセインとは完全 光を発します。通常の免疫蛍光染色法で使用するのに適し に分離しているので,フルオレセインアビジン D または ています。ローダミンはフルオレセインに次ぐ第2の標識 他のフルオレセイン複合体と共に使用して,同一組織切 物質として,また組織中の内在性蛍光と関連した問題を避 片中の2種類の抗原部位を同時に検出できます。またフ けたい場合に,特に有用です。ローダミンの量子収量はフ ローサイトメトリーに最適です。セルソーター用の Texas ルオレセインに比べて低いですが,光退色率が低いことで Red Avidin DCS(#A-2016)もあり,高い感度と低いバッ 補われています。 クグラウンド染色が必要な場合の蛍光顕微鏡用としても用 Rhodamine Avidin DCS(#A-2012)は,セルソーター いられます。 用ですが,高い感度と低いバックグラウンド染色が必要な 場合の蛍光顕微鏡用としても用いられます。 Rhodamine600 Avidin D(#A-2005) 7 アビジンおよび標識アビジン 高 純 度 ア ビ ジ ン D を tetramethylrhodamine isothiocyanate(TRITC)で標識したものです。約 550 免疫染色 高 純 度 ア ビ ジ ン D を,XRITC(rhodamine isothiocyanate の 置 換 体 ) で 標 識 し た も の で す。 2013 Rhodamine600 Avidin D も 赤 色 蛍 光 を 発 し ま す が, TRITC 標識アビジン D と比べて,吸収および蛍光極大 がいずれも約 25 nm 長波長側にあるので,フルオレセ インを二次標識試薬として二重標識法を行うのに適して い ま す。 な ぜ な ら フ ル オ レ セ イ ン と Rhodamine600 の スペクトルの重複が少なく,したがってエネルギー転 移 効 果 が 少 な い か ら で す。 ま た Rhodamine600 Avidin D は,クリプトンレーザーセルソーティングにも使用 で き ま す。Rhodamine600 の 量 子 収 量 と 光 退 色 特 性 は, tetramethylrhodamine とほぼ同じです。 蛍光標識アビジン D の波長特性 励起波長 蛍光波長 色 AMCA 350 nm 450 nm 青色 Fluorescein 495 nm 515 nm 黄緑色 Rhodamine 550 nm 575 nm 赤色 Rhodamine600 575 nm 600 nm 赤色 Texas Red 595 nm 615 nm 濃赤色 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 61 蛍光標識アビジンを用いた蛍光二重染色プ ロトコル 14 .5%ブロッキング用正常血清を滴下し,20 分間反応さ せます。 15 .切片から余分なブロッキング用正常血清を吸い取りま す。 1 . 組織切片を適切な方法で固定します。 16 .5%正常血清を含む PBS で希釈した第 2 の一次抗体を 2 . 切片を風乾します。 7 滴下し,反応させます。 3 . バッファー(PBS または TBS を推奨)で 2 分間ずつ 17 .バッファーで 5 分間洗浄します。 2 回洗浄します。 アビジンおよび標識アビジン 18 .5%正常血清を含む PBS で希釈した第 2 のビオチン標 識二次抗体を滴下し,30 分間反応させます。 第 1 の抗原検出 19 .バッファーで 5 分間洗浄します。 4 . 内因性ビオチンをブロッキングする必要がある場合 20 .ステップ 11 とは異なる蛍光標識アビジン DCS(p.60 参照)を滴下し,5 ∼ 10 分間反応させます。 は,Avidin / Biotin Blocking Kit(#SP-2001) を 使用して下さい。まず切片を Avidin 溶液で 15 分間 21 .バッファーで 5 分間洗浄します。 インキュベートします。バッファーで軽く洗浄した後, 22 .VECTASHIELD Mounting Medium(#H-1000)な どの封入剤で封入します。 Biotin 溶液で 15 分間インキュベートします。最後に バッファーで 2 分間ずつ 2 回洗浄します。内因性ビ MEMO オチンが問題とならない場合は,このステップは省略 Biotinylated Anti-Avidin(#BA-0300) を 用 い して下さい。 免疫染色 た蛍光の増幅方法 5 . 5%ブロッキング用正常血清を滴下し,20 分間反応さ 1. 細胞または組織中の目的抗原を,ビオチン標識抗 せます。 体*で標識します。 2013 6 . 切片から余分なブロッキング用正常血清を吸い取りま 2. Fluorescein Avidin DCS(#A-2011)を反応さ す。 せます。 7 . 5%正常血清を含む PBS で希釈した第 1 の一次抗体を 3. 次に Biotinylated Anti-Avidin(#BA-0300)を 滴下し,反応させます。 反応させます。 8 . バッファーで 5 分間洗浄します。 4. も う 一 度 Fluorescein Avidin DCS(#A-2011) 9 . 5%正常血清を含む PBS で希釈した第 1 のビオチン標 を反応させます。 識二次抗体を滴下し,30 分間反応させます。 10 .バッファーで 5 分間洗浄します。 5. 増幅された蛍光を観察します。 11 .蛍光標識アビジン DCS(p.60 参照)を滴下し,5 ∼ *非標識一次抗体+ビオチン標識二次抗体またはビ オチン標識一次抗体をご使用下さい。 10 分間反応させます。 ※こ 12 .バッファーで 5 分間洗浄します。 の 方 法 は Biotinylated Anti-Avidin (#BA-0300)のデータシートに記載されています。 ※細胞・組織の蛍光染色:Immunofluorescence, 第 2 の抗原検出 FISH, Flow Cytometry に応用可能です。 ※蛍光色素を用いて Avidin-Biotin Complex を形成 13 .内因性ビオチンのブロッキングを行います。ステップ させることはできません。 4 に従って下さい。 Add First Primary Antibody 1 2 Add Second Primary Antibody 5 62 Add Biotinylated Secondary Antibody Add Fluorescein Avidin DCS 3 Add Biotinylated Secondary Antibody 6 Add Avidin/Blotin Block 4 Add Texas Red Avidin DCS 7 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] Mount and Observe 8 8 ビオチン標識二次抗体 Biotinylated Anti - lmmunoglobulin (ビオチン標識二次抗体:#BA-9000 他) 抗体は最適な状態にビオチン標識されているので,非特 異的結合性の高い不溶性物質や抗体は含まれていません。 特異的標識を妨害する交差反応物質は,固相吸着法により VECTOR 社のビオチン標識抗イムノグロブリン抗体は, 除去してあります。製品は,免疫拡散法,固相酵素免疫測 定法,ゲル電気泳動法,固相結合法などの試験により,厳 製された製品です。高アフィニティ抗体を特異的に産生す しい品質管理を行っています。 るように動物を免疫しています。また,特別なアフィニティ 精製法により低アフィニティ抗体を除いてあります。 VECTASTAIN ABC Kit に使用されているビオチン標識二次抗体,またはカスタムで ABC システムを構築する際に使用可能なビオチン標識二次抗体 です。交差性については各製品のデータシートをご確認下さい。 包装 品名 BA-9000 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Cat, Goat-Poly, Biotin BA-9010 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Chicken, Goat-Poly, Biotin BA-9500 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Goat, Horse-Poly, Biotin BA-5000 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Goat, Rabbit-Poly, Biotin * 1 BA-1300 2.2 ml Anti-IgG(H + L), Goat/Mouse/Rabbit, Horse-Poly, Biotin * 2 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Guinea Pig, Goat-Poly, Biotin BA-9100 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Hamster, Goat-Poly, Biotin BA-8000 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Horse, Goat-Poly, Biotin BA-3000 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Human, Goat-Poly, Biotin * 1 BA-9200 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Mouse, Goat-Poly, Biotin BA-2000 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Mouse, Horse-Poly, Biotin BA-2001 0.5 mg Anti-IgG(H + L), Mouse, Horse-Poly, Biotin, Rat Adsorbed BA-1400 2.1 mg Anti-IgG(H + L), Mouse/Rabbit, Horse-Poly, Biotin * 3 BA-2020 0.5 mg Anti-IgM(μ), Mouse, Goat-Poly, Biotin * 1 BA-1000 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Rabbit, Goat-Poly, Biotin * 1 BA-9400 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Rat, Goat-Poly, Biotin BA-4000 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Rat, Rabbit-Poly, Biotin * 1 BA-4001 0.5 mg Anti-IgG(H + L), Rat, Rabbit-Poly, Biotin, Rat Adsorbed BA-6000 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Sheep, Rabbit-Poly, Biotin * 1 BA-9020 1.5 mg Anti-IgG(H + L), Swine, Goat-Poly, Biotin 2013 BA-7000 免疫染色 商品コード 8 ビオチン標識二次抗体 固相法,セルソーティング,免疫組織化学染色用に特に調 * 1 VECTASTAIN ABC Kit に含まれる。 * 2 VECTASTAIN Universal Quick ABC Kit(#PK-8800)に含まれるが,VECTASTAIN Universal Elite ABC Kit には使用不可。 * 3 VECTASTAIN Universal Elite ABC Kit(#PK-6200)に含まれるが,VECTASTAIN Universal Quick ABC Kit には使用不可。 ※ #BA-9000 は Dog IgG と 25%の交差性があります。→ 一次抗体が Dog IgG の場合に使用されることがあります。 ※ #BA-5000 は Sheep IgG と 50%の交差性があり,Bovine IgG と 25%の交差性があります。→ 一次抗体が Bovine IgG の場合に使用される ことがあります。 ※ #BA-1300 は Mouse/Rabbit/Goat 以外に,Rat/Sheep/Bovine IgG も認識します。マウスまたはラット組織の染色には不向きです。 ※ #BA-2000 は Rat IgG と 3%の交差性があります。→ ラット組織の染色にはなるべく #BA-2001 を使用して下さい。 ※ #BA-2001:Rat adsorbed → ラット組織の染色用。 ※ #BA-1400 は Mouse/Rabbit IgG を認識します。マウスまたはラット組織の染色には不向きです。 ※ #BA-4000 は Mouse IgM と 3%の交差性があり,Mouse IgG と 1%の交差性があります。→ マウス組織の染色にはなるべく #BA-4001 を使 用して下さい。 ※ #BA-4001:Mouse adsorbed → マウス組織の染色用。 ※ #BA-6000 は Goat IgG と 50%の交差性があり,Bovine IgG と 25%の交差性があります。→ 一次抗体が Bovine IgG の場合に使用されるこ とがあります。 ※掲載品以外のビオチン標識二次抗体もあります。詳細は当社テクニカルサポート(試薬担当)までお問い合わせ下さい。 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 63 Biotinylated Anti-Human Immunoglobulins(#BA-3030 他) VECTOR 社のヒトイムノグロブリン特異的抗体は,す べてアフィニティ精製後,ネガティブ固相吸着法で処理し, 他のクラスに反応する抗体を除去しています。各抗体は適 度にビオチン標識されており,バックグラウンドが非常に 低く,アビジン複合体または VECTASTAIN ABC 試薬と十 分に反応します。免疫動物はすべてヤギです。 8 蛍光または酵素標識アビジンと組み合わせれば,ヒトイ ムノグロブリンの特異的染色を行うことができます。組織 ビオチン標識二次抗体 や塗抹標本中のイムノグロブリン含有細胞の染色や,ヒト 免疫染色 VECTASTAIN ABC キットに含まれるビオチン標識抗 モノクローナル抗体の H 鎖,L 鎖のクラスを決めることが でき,またマイクロタイタープレート分析,トランスファー またはドットブロッティング,免疫組織化学にも有用です。 MEMO ビオチン標識抗イムノグロブリン製品の形状が凍 結乾燥品の場合は,VECTASTAIN ABC キットに用 いる際に,規定量の蒸留水を加えて溶解して下さい。 体と同じ組成・濃度になります。 2013 64 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 9 Appendix 各試薬の最適濃度とバッファー VECTOR 社製の種々の試薬について,各用途に最適な濃度,希釈率やバッファーを示します。表中の空欄部分は,該当 の用途に試薬が使用されないことを示します(ここで推奨する試薬以外を使用した場合でも,同様な試験結果を得ることは 可能です)。 Reagent A A Blot ELISA Cell Sorting E E E E A A A F G A A E E E A A A E E A A A F G H G C C C F G E G A B B A A A C C C E E E E E E E E E E A A A A C C A A A E E E E E E A A E F G F G E E E E A A A F E A A A D. 50 mM Tris, pH 7.5, 0.15 M NaCl E. D + 0.1% Tween 20 F. B + 0.1% Tween 20 A A B B B A A 9 2013 Buffers A. 10 mM Phosphate, pH 7.8, 0.15 M NaCl B. 10 mM HEPES, pH 7.5, 0.15 M NaCl C. 0.1 M Sodium Bicarbonate, pH 8.5, 0.15 M NaCl Tissue Staining 免疫染色 Appendix Unlabeled Antibodies Biotinylated Antibodies Biotinylated Antibodies(chain specific) Alkaline Phosphatase Antibodies Peroxidase Antibodies Fluorochrome Antibodies Biotinylated Protein A Unlabeled Lectins Biotinylated Lectins Fluorochrome Lectins Anti-Lectins Biotinylated Anti-Lectins Biotinylated IgG Biotinylated Alkaline Phosphatase Biotinylated β - Galactosidase Biotinylated Glucose Oxidase Biotinylated Peroxidase Avidin D Avidin DN Avidin DX Alkaline Phosphatase Avidin D β -Galactosidase Avidin D Glucose Oxidase Avidin D Peroxidase Avidin D Phycoerythrin Avidin D Fluorescein Avidin DCS Fluorescein Avidin DN Fluorochrome Avidin D Anti-Avidin D Biotinylated Anti-Avidin D Peroxidase Anti-Avidin D Alkaline Phosphatase Anti-Avidin D Streptavidin Alkaline Phosphatase Streptavidin Peroxidase Streptavidin Fluorochrome Streptavidin Anti-Streptavidin Biotinylated Anti-Streptavidin Anti-Biotin Alkaline Phosphatase Anti-Biotin Peroxidase Anti-Biotin Concentration or Dilution 5 ∼ 20 μ g / ml 2 ∼ 10 μ g / ml 2 ∼ 5 μ g / ml 1:500 ∼ 1:1,000 1 ∼ 5 μ g / ml 20 μ g / ml 2 ∼ 5 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 5 ∼ 20 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 5 ∼ 20 μ g / ml 5 ∼ 20 μ g / ml 5 ∼ 20 μ g / ml 0.2 units / ml 0.2 units / ml 5 μ g / ml 5 ∼ 10 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 0.2 units / ml 0.2 units / ml 5 μ g / ml 2 ∼ 5 μ g / ml 20 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 2 ∼ 5 μ g / ml 2 ∼ 5 μ g / ml 1 ∼ 5 μ g / ml 1:500 ∼ 1:1,000 10 ∼ 20 μ g / ml 1:500 ∼ 1:1,000 2 ∼ 5 μ g / ml 10 ∼ 20 μ g / ml 2 ∼ 5 μ g / ml 2 ∼ 5 μ g / ml 2 ∼ 5 μ g / ml 1:500 ∼ 1:1,000 1 ∼ 5 μ g / ml A A A A G. A + 0.1% Tween 20 H. 0.1 M Sodium Acetate, pH 4.5 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected] 65 推奨される二重染色の組み合わせ例 2 番目の抗原検出に使用する基質 VECTOR Red (Red) #SK-5100 免疫染色 Appendix 1 番目の抗原検出に使用する基質 DAB-Ni (gray-black) #SK-4100 NovaRED / ImmPACT NovaRED (red) #SK-4805, #SK-4800 SG / ImmPACT SG (blue-gray) #SK-4705, #SK-4700 AEC / ImmPACT AEC (red) #SK-4205, #SK-4200 ImmPACT AMEC (red) #SK-4285 BVIP / NBT (indigo) #SK-5400 − − − + + − + − − − + + + + + + + + + + + + + + + + − + − − − − + + + + − − − + − − + + VECTOR Red (Red) #SK-5100 9 DAB / ImmPACT DAB (brown) #SK-4105, #SK-4100 VECTOR Blue (blue) #SK-5300 VIP / ImmPACT VIP (purple) #SK-4605, #SK-4600 2013 VECTOR Blue (blue) #SK-5300 + BVIP / NBT (indigo) #SK-5400 + − VIP / ImmPACT VIP (purple) #SK-4605, #SK-4600 − + − DAB / ImmPACT DAB (brown) #SK-4105, #SK-4100 + + + + DAB-Ni (gray-black) #SK-4100 + − − + + NovaRED / ImmPACT NovaRED (red) #SK-4805, #SK-4800 − + + − + + SG / ImmPACT SG (blue-gray) #SK-4705, #SK-4700 + − − + + − − AEC / ImmPACT AEC (red) #SK-4205, #SK-4200 − − − − + − − + − − − − + − − + − ImmPACT AMEC (red) #SK-4285 − 基質; :Alkaline Phosphatase, :Peroxidase, 結果;+:良い対比が得られます , −:推奨していません。 ※この表は VECTOR 社の染色経験に基づいて作成されたものです。推奨されていない順序でも染色できる場合があります。 対比染色液と基質の組み合わせ 基質 ImmPACT DAB(brown) DAB(brown) DAB-Ni(gray-brack) ImmPACT AEC(red) ImmPACT AMEC (red) AEC(red) TMB(blue) ImmPACT VIP(purple) VECTOR VIP(purple) ImmPACT SG(blue-gray) VECTOR SG(blue-gray) ImmPACT NovaRED (red) VECTOR NovaRED (red) VECTOR RED(magenta) VECTOR BLACK(black) VECTOR BLUE(blue) BCIP / NBT(indigo) Glucose Oxidase NBT(indigo) Glucose Oxidase TNBT(black) 商品コード SK-4105 SK-4100 SK-4100 SK-4205 SK-4285 SK-4200 SK-4400 SK-4605 SK-4600 SK-4705 SK-4700 SK-4805 SK-4800 SK-5100 SK-5200 SK-5300 SK-5400 SK-3100 SK-3200 VECTOR Hematoxylin & Hematoxylin QS VECTOR Methyl Green VECTOR Nuclear Fast Red (商品コード:#H-3401, #H-3404) (商品コード:#H-3402) (商品コード:#H-3403) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ × ○ ○ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎ × × × ◎ ◎ ◎ ○ 2) × 3) × 3) × 3) × ◎ ◎ ○ ○ ◎ 4) ◎ 4) ◎ ◎ 2) ○ ◎ 2) ◎ ◎ ○ ○ ○ × × × ◎ △ △ ◎ ◎ × × × ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎:Excellent Contrast , ○:Good / Fair Contrast , △:Poor Contrast , ×:Color / Counterstain Incompatibility 1)キットに添付されているニッケル溶液を添加することにより呈色させます。 2)メチルグリーン染色後に感度がやや低下しますが , 熱処理およびアセトン処理の時間を短くすることで改善できます。 3)アセトンに溶解します。 4)メチルグリーン染色後に VECTOR NovaRED の染色がわずかに変化する可能性があります。 ※対比染色の操作は , 組織の種類 , 抗原の賦活処理 , 必要とされる免疫染色強度などに応じて , 最適化する必要があります。 66 お問い合わせ先 試薬担当 Tel.03-5684-1620 Fax 03-5684-1775 e-mail:[email protected]
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