実戦的組み込み型ソフトウェア設計手法 概要: ソフトウェアの設計は体系的設計手法を学ぶ機会が少なく、ソフトウェアの講義というと C 言語のコーディングと いうような講義、パソコン等で簡単なソフトウェアを組んでみて、答え合わせ的なものが多いと思います。 この講義では企業において、試作機を開発する場合を想定して、実習用ボードを動かしながら、アプリケーショ ンを想定して、仕様の考え方、リスクマネージメント、ソフトウェアの設計方法、コーディング手法、デバッグ手法等 を講義と実習を織り交ぜて、チームで開発するソフトウェア開発手法を学ぶことができる講義です。 対象 ソフトウェアの設計手法を体系的に学習したことがない人。 組み込み型ソフトウェアをこれから設計していきたい人 期待される成果と目標 期待される成果:ソフトウェアの設計方法、コーディング手法、デバッグ手法等は体系的に学ぶことで、人に見 せられる(公開)ようになり、個人の開発からチーム開発ができるようになる。 目標: 1)ターゲットボードとして、TI 製 MSP430マイコン若しくは ARM 系マイコンを使った心電図検出ボードを開発す る。 2)チーム間でボードの消費電力をどこまで抑えられるかを競うことで、低消費電力化のノウハウを身につける。 3)医療用機器を開発する上で重要なリスクマネージメントの考え方を身につける。 講義内容 1)心電図検出原理、2)仕様検討、3)マイコンの機能検討、4)ハードウェアの検討、5)状態図、リスクマネージメ ント、6)ソフトウェア設計、7)デバッグ、8)仕様検証、評価、9)チーム開発報告 資料 すぐわかる 組み込み技術教科書 CQ 出版社 組み込みソフトウェアの設計&検証 CQ 出版社 組み込みソフトウェア開発技術 CQ 出版社 ページ 1 講義内容(詳細): 本講義ではチーム単位でマイコンボード(市販マイコンボード+カスタマイズ)を利用して、組み込みソフトウェア の開発手法を講義します。 生体における心拍信号の発生原理、生体心電図の検出原理を講義し、心電図+α検出可能なものを企画し、 要求仕様を作成します。各チームで発表し、他チームからの意見、評価を行います。 今後の研究生活、就職後のことを考え、回路図 CAD、メカ CAD(全部で 4 コマ、外部講師)が受講者全員使え るようにします。(できれば、回路シミュレーション(Spice モデル)もできるように講義する。講師選定中) また、医療機器設計時、今後、必須で要求されるリスクマネージメントの概要を説明し、リスクマネージメントを 行ってもらいます。できれば、最新のソフト開発ガイドラインに従い、リスクマネージメント、ソフトを検討してもらう。 (ソフト開発ガイドラインは8月1日に制定されたばかりですが、リスクマネージメントは標準に従うというところが 決まったばかり) チームごとにマイコンボードの開発環境内でソフトを作成し、+αとなった部分のソフトを組んでいきます。 (時間の関係で心電図検出ソフトのたたき台は用意したいと思います) 意地悪試験を行いながら、デバッグを行い、不具合がないか、心電図+αの機能が実現できたかなど検証(仕様) を行います。 評価のポイントは心電図検出を如何に低消費電力でできるようにソフトウェアを工夫できたかを競います。 (今後の医療機器等では低消費化技術は必須。ECO システムの実現) メカ CAD については3D-CAD の使い方を講義します。全員の PC に無償 CAD をインストールし、3D-CAD による設計手法を習得してもらいます。これは今後、企画書作成時、特許出願時など、役に立つと思います。 (外部講師に依頼、手配できなければ、私が指導。) 最後に出来たボードをケース(3D 光造形品)に入れ、心電図を検出し、どのようなリスクが潜んでいるか再度、 リスクマネージメントを行い、評価を実施して、チームごとに発表会を行います。 レポートは各講義での作成資料、リスクマネージメント表等が報告書になり、発表会でチームごとに優越が決まり、 評価点に反映されます。 期待する効果: ・医療における機器開発手法を一通り体験する。 ・組み込みソフトウェアはその医療機器の生命線で信頼性、安全性の根本をになうことを認識し、その手法を実績 的に体験する。また、人に見せられるソウトウェア設計手法を身につけ、チーム開発に役立つ。 ・11月27日から薬事法が変わり、医薬品、医療機器等法となった。単体ソフトの扱いも同じ考え方で検討する必 要があり、その一助になる。 ・設計開発で必要となる回路図 CAD,基板 CAD,メカ CAD(3D)、マイコン開発ツールが使えるようになる。 ・医療機器開発では今後必須となるリスクマネージメントの手法を理解する。 ページ 2 講義計画: 回数 日程 内容 第1回 10 月 10 日 導入、チーム分け、心電図とは 第2回 10 月 17 日 他社、他機種調査(心電図モニター)、企画案作成 10 月 24 日 (予備) 10 月 31 日 休講 11 月 7 日 要求仕様検討 第3回 第4回、第 5 回 11 月 14 日 回路図 CAD (PC に CAD をインストールして、回路図作成) 第6回、第7回 11 月 21 日 回路構成検討(できれば、回路シミュレータ Spice モデル) (マイコン機能、仕様達成方法の検討、割り込み処理説明) 第8回、第 9 回 11 月 28 日 リスクマネージメント マイコン状態図検討 第 10 回 12 月 5 日 外装設計 (PC にメカ CAD をインストールして、外装設計、3D 光 造形で外装試作) 12 月12日 (予備) 第 11 回 12 月 19 日 コーディング1(開発環境、tool) 第 12 回 12 月 19 日 コーディング2(C 言語) 12月26日 (予備) 細 13 回 1 月 16 日 評価(要求事項検証) 第 14 回 1 月 23 日 装置評価 第 15 回 1 月 23 日 発表会 (全員で採点) 注) 少々講義時間が足らないと思っており、進行状況によりますが、前半もしくは後半で(予備)としている 部分か 1 コマのみの日を 2 コマ利用して、講義になるかもしれません。 15 コマ以上になる可能性が大きいです。 以上 ページ 3
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