発行責任者 医療・福祉環境・システム開発グル-プ ✐ 今 月 の 一 言 2014 年 4 月 号 呉自社商品開発推進研究会 私達は、自社商品の開発から事業化まで異業種交流で夢を実現する企業集団です。 Kure Innovation Team 21stcentury 3Dプリンターの概要 最近の3Dプリンターの動向をまとめた。 (講演会資料及びインターネットによる) 一般に高価な方式、装置ほど高精度なものが作れるが、汎用品では0.6mm程度 までの薄さや穴までつくることができる。たとえば、モンキースパナの模型ではサイズ 調節用ネジ部分など、動かすパーツ(可動部分)まで正確に製造できる。 これまで多額の費用のかかる金型や大型装置ナシではできなかったモノの製造を、 小型の3Dプリンター1つで比較的簡単に作成できる。 また、コンピュータのデータを変えるだけで、いくつものパターンで製造できる。 外注に頼る試作品づくりも、金型ナシで精巧なモノをつくることができる3Dプリンター を導入すれば、自社製造が可能であり、製作時間もコストも大幅に縮小できる。 基本的な動作の原理は、1回に1μ m~数μ mの断面形状を形成し、 これを積み上げていくことで少しずつ立体を造形する。 素材は樹脂(樹脂の種類は問わない)が中心。金属対応の機種もある。 主な製造方法としては、 低価格の3Dプリンターで主流となっている「熱溶解積層方式」「インクジェット方式」 及び高級機種を中心に採用されている「光造形方式」がある。 特徴・利点 少量のものが早く安く出来る。 作りたいものの形状自由度が高い プレゼンテーション(情報伝達・設計検証・機能検証など)素早く出来る。 3次元形状データ(CAD,CG,3Dscan,CT画像3D化などから、直接ものが出来る。 広島県で取り扱っている主な研究機関 広島大学大学院医歯・薬保健学研究院 近畿大学次世代基盤技術研究所(近畿大学広島キャンパス)ー金層粉体3Dプリンタ 呉工業高等専門学校 広島県西部工業技術センター生産技術アカデミー(東広島市広島テクノプラザ内) Sample画像 Sample画像 090-3176-2940 2525 (ペンネ-ム) 今月はお休みいたします。 福 祉 Gr 通 信 呉工業高等専門学校の3Dプリンターの取り組み 呉高専では教育や研究、更には地域貢献のために3D プリンタの導入を進めています。 教育用としては、機械系の授業で3D-CADを用いた 設計を行い、それを造形して物の形や組合せを模型で 確認するような教育を実施しつつあります。更に専門 性の高い授業などでは、構造解析(FEM)を行い、強度 を保ちながら軽量化を図る機構部品の設計と造形によ る検証なども実施しています。造形コンテストにも応募 して良い成績を獲得しています(右図参照)。また、昨 年末に3Dプリンタ応用開発研究室を発足させ、機械系 だけでなく様々な分野で3Dプリンタを応用する研究活 動に着手しています。 地域貢献用としては、下記の表に示します3Dプリンタ の活用を考えています。世の中の樹脂・粉末系の代表 的な装置であり、それぞれのプリンタの特徴を生かした 造形を行うことができます。いずれも最先端のプリンタ であり、高精度でかつ大型の造形にも対応できます。 例えばストラタシス社のプリンタでは、高精度な造形制 御ソフト(マシニングセンターなどでいうCAMに相当)が昨年度に学生活動として三次元 装備されています。普及型では指定できないような、造造形コンテストで優秀な成績を収 形幅の設定や詳細な塗りつぶしの制御、更には造形 めたビークル。金属球の位置エ 開始地点の設定などが可能となり、より高精度な造形 ネルギーを動力として用い、障害 が可能となっています。こういった機能は実際に使って物も乗り越えることのできる柔軟 みていただき初めてそのメリットなどがわかる仕様だと な車輪を実現しています。 考えています。まだこういった造形の経験は多くなく、ノ ウハウをすべてご提供できるレベルではありませんが、 皆様からのご相談や造形の依頼に対応してノウハウを 蓄積してゆきたいと考えています。 藤原吉光 http://fujihara.bz/ URL http://fujihara.bz [email protected] 呉工業高等専門学校 3Dプリンタ応用開発研究室 山脇正雄 email:[email protected] しかし、3Dプリンタを実際の仕事に使おうと思いますと、いくつか乗り 越えなければなければならない課題があります。経済産業省の「新も のづくり研究会」(詳細は下記URLを参照)でも議論されていますが、ま ずCADの三次元化が必要になります。すでに2DCADの普及率は高い のですが、3DCADはその導入費用がまだ高価でありその普及を妨げ ている原因と言えますし、操作性も新しい概念になりますのですぐには 導入が進まない原因にもなっています。呉高専ではSolidWorksを用い 公開講座などでその使い方の講習会を実施する予定です。また、すで に3DCADを利用しておられる方には、3Dプリンタの近くにCAD/CAM室 を設置しました。データを持ち込んでいただき、造形の形状を確認しな がら最終的な形に仕上げていただくことが可能です。2DCADのデータ を3DCADに変換する事業を行っている会社もありますので、ご紹介は 可能です。 一方で、3DCADも最近は無償版がダウンロードできる状況になって いますが、まだプロフェッショナル用途には機能が不足しているという 状況のようです。しかし、無償版の利用は3DCADを事前使用する上で 貴重なツールとなりますので、本校としてもサポートする価値があるも のを見つけてゆきたいと考えています。現状での無償版3DCADの状況 は下記のURLがわかりやすくまとまっていると思います。 もうひとつの3Dプリンタなどを活用するために必要な項目として、3D スキャナによる三次元データを入力することが重要になっています。リ バースエンジニアリングとは、実物のデータを3Dスキャナで取り込み、 点群データを3DCADデータに変換して、変形や修正を行う手法のこと で、三次元設計の大きな流れになりつつあります。呉高専にはまだ高 精度なスキャナはありませんが、写真のような3Dスキャナを導入して 使い始めています。これも前述のCAD/CAM室に設置してありますので、 ご利用いただくことは可能です。 導入した3Dスキャナ 分解能0.1mm(13cmエリア) 0.4mm(50cmエリア) 自動で回転ステージのチルト 機能付き、スキャンで得られ た点群データをCADデータに 変換するSWも導入済。 詳細仕様は次のURLを参照 http://www.nextengine.jp/ ■新ものづくり研究会の詳細 http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/new_mono/re port01.html ■無償3DCAD情報 http://demo.server-queen.jp/osusume/cad/3d/02kikai.htm http://demo.server-queen.jp/osusume/cad/3d/02kikai.htm 山脇正雄 プリンタを実際の仕事に使おうと思いますと、いくつか乗り 越えなければなければならない課題があります。経済産業省の「新も を参照)でも議論されていますが、ま の普及率は高い はその導入費用がまだ高価でありその普及を妨げ ている原因と言えますし、操作性も新しい概念になりますのですぐには を用い 公開講座などでその使い方の講習会を実施する予定です。また、すで CAD/CAM室 を設置しました。データを持ち込んでいただき、造形の形状を確認しな のデータ に変換する事業を行っている会社もありますので、ご紹介は も最近は無償版がダウンロードできる状況になって いますが、まだプロフェッショナル用途には機能が不足しているという を事前使用する上で 貴重なツールとなりますので、本校としてもサポートする価値があるも の状況 プリンタなどを活用するために必要な項目として、3D スキャナによる三次元データを入力することが重要になっています。リ スキャナで取り込み、 データに変換して、変形や修正を行う手法のこと で、三次元設計の大きな流れになりつつあります。呉高専にはまだ高 スキャナを導入して 室に設置してありますので、 http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/new_mono/re
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