Ca拮抗剤 - 田辺三菱製薬株式会社

** 2013年
* 2011年
9 月改訂(第11版) D7
1 月改訂
日本標準商品分類番号
872171
貯
法:室温保存
使 用 期 限:外箱、容器に使用期限を表示
規 制 区 分:劇薬、処方せん医薬品(注意−医師等の処方せんに
より使用すること)
注射用10
Ca拮抗剤
注射用50
承認番号
20100AMZ00343 20100AMZ00344
薬価収載
2009年11月
販売開始
1989年 9 月
効能追加
1998年12月
再審査結果
2000年 6 月
(ジルチアゼム塩酸塩製剤)
点滴静注の場合:通常、成人には1分間に体重kg当たりジ
ルチアゼム塩酸塩として5∼15μgを点滴
静注する。目標値まで血圧を下げ、以後
血圧をモニターしながら点滴速度を調節
する。
○高血圧性緊急症
通常、成人には1分間に体重kg当たりジルチアゼム塩酸塩
として5∼15μgを点滴静注する。目標値まで血圧を下げ、
以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
○不安定狭心症
通常、成人には1分間に体重kg当たりジルチアゼム塩酸塩
として1∼5μgを点滴静注する。投与量は低用量から開始
し、患者の病態に応じて適宜増減するが、最高用量は1分
間に体重kg当たり5μgまでとする。
【禁忌】
(次の患者には投与しないこと)
1)重篤な低血圧あるいは心原性ショックのある患者〔症状を
悪化させるおそれがある。〕
2)2度以上の房室ブロック、洞不全症候群(持続性の洞性徐脈
(50拍/分未満)
、洞停止、洞房ブロック等)のある患者
〔本
剤の心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわ
れるおそれがある。〕
3)重篤なうっ血性心不全の患者〔心不全症状を悪化させるお
それがある。〕
4)重篤な心筋症のある患者〔心不全症状を悪化させるおそれ
がある。〕
5)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
6)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授
乳婦等への投与」の項参照〕
【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1)うっ血性心不全の患者
〔心不全症状を悪化させるおそれ
がある。〕
2)心筋症のある患者〔心不全症状を悪化させるおそれがあ
る。〕
3)急性心筋梗塞のある患者
〔心不全症状を悪化させるおそ
れがある。〕
4)徐脈、1度の房室ブロックのある患者〔本剤の心刺激生
成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそ
れがある。〕
5)低血圧のある患者
〔血圧を更に低下させるおそれがあ
る。〕
6)WPW、LGL症候群を伴う心房細動、心房粗動のある患
者〔低血圧を伴う心拍数増加、心室細動を来すおそれが
ある。〕
7)β遮断剤の投与を受けている患者〔徐脈、心伝導抑制作
用が過度にあらわれるおそれがある。〕
8)重篤な肝・腎機能障害のある患者〔薬物の代謝、排泄が
遅延し、作用が増強するおそれがある。〕
2.重要な基本的注意
1)心電図と血圧を連続的に監視すること。
2)本剤の投与により完全房室ブロック、高度徐脈、更に
心停止に至る場合があるので、次の点に十分注意する
こと〔「副作用」の項参照〕。
①治療上必要最小限の用量、また、点滴静注の場合は
必要最小限の投与時間にとどめること。
②投与中および投与後は患者の状態の観察を十分に行
い、これらの症状の早期発見に留意すること。
③投与に際してはこれらの症状に対処できる十分な準
備を行い、異常が認められた場合には、直ちに投与
を中止し、適切な処置を行うこと。
3)他の抗不整脈薬(リン酸ジソピラミド)でテルフェナジ
ンとの併用によりQT延長、心室性不整脈を起こしたと
の報告がある。
4)狭心症発作が15分以上持続するなど重度の発作に対し
ては、必要に応じて他の治療法(PTCA、CABG等)も検
討すること。
【組成・性状】
凍結乾燥品。用時生理食塩液又はブドウ糖注射液に溶解して
用いる注射剤である。
販
売
名
ヘルベッサー注射用10
添
加
容
ヘルベッサー注射用50
日局 ジルチアゼム塩酸塩
成分・含量
(1瓶中)
10mg
50mg
マンニトール
D‐
物
70mg
器
75mg
バイアル
製剤の外観
白色の塊又は多孔性の固体
本品1瓶を注射用水5mLに溶かした液の性状
外観
無色澄明の液
pH
5.5
5.1
浸透圧比
(生理食塩液
に対する比)
0.30
0.44
【効能・効果】
○頻脈性不整脈(上室性)
○手術時の異常高血圧の救急処置
○高血圧性緊急症
○不安定狭心症
【用法・用量】
本剤
(ジルチアゼム塩酸塩として10mg又は50mg)は、5mL以
上の生理食塩液又はブドウ糖注射液に用時溶解し、次のごと
く投与する。
○頻脈性不整脈(上室性)
通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1回10mgを約3
分間で緩徐に静注する。なお、年齢、症状により適宜増減
する。
○手術時の異常高血圧の救急処置
1回静注の場合:通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩とし
て1回10mgを約1分間で緩徐に静注する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
─1─
3.相互作用
本剤は主として代謝酵素チトクロームP450 3A4
(CYP3A4)
で代謝される。
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
降圧作用を有す 降圧作用が増強することが
る薬剤(降圧剤、 ある。
硝酸剤等)
血圧を測定し、用量を調節
する。
相加的に作用(降
圧作用)を増強さ
せると考えられ
る。
β遮 断 剤( ビ ソ
プロロールフマ
ル酸塩、プロプ
ラノロール塩酸
塩、アテノロー
ル等)
相加的に作用(心
刺 激 生 成・ 伝 導
抑 制 作 用、 陰 性
変 力 作 用、 降 圧
作用)を増強させ
ると考えられる。
特にジギタリス
製剤との3剤併用
時には注意を要
する。
徐脈、房室ブロック、洞房
ブロック等があらわれるこ
とがある。
心電図をモニターし、異常
が認められた場合には減量
若しくは投与を中止する。
ラウオルフィア
製 剤( レ セ ル ピ
ン等)
**
トリアゾラム
ミダゾラム
ジ ギ タ リ ス 製 徐脈、房室ブロック等があ 相加的に作用(心
剤
(ジゴキシン、 らわれることがある。
刺 激 生 成・ 伝 導
メチルジゴキシ また、これらの不整脈を含 抑制作用)を増強
ン)
めジギタリス製剤の血中濃 さ せ る と 考 え ら
度上昇による中毒症状
(悪 れ る。 特 に β 遮
心・嘔吐、頭痛、めまい、 断剤との3剤併用
視覚異常等)があらわれる 時 に は 注 意 を 要
する。
ことがある。
心電図をモニターし、また、 ま た、 本 剤 は ジ
定期的にジギタリス中毒の ギ タ リ ス 製 剤 の
有無を観察し、必要に応じ 血 中 濃 度 を 上 昇
てジギタリス製剤の血中濃 さ せ る と 考 え ら
度を測定する。異常が認め れる。
られた場合には減量若しく
は投与を中止する。
抗 不 整 脈 薬(ア
ミオダロン塩酸
塩、メキシレチ
ン塩酸塩等)
**
徐脈、房室ブロック、洞停
止等があらわれることがあ
る。
心電図をモニターし、異常
が認められた場合には減量
若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の
代謝酵素(チトク
ロームP450)を阻
害することによ
り、 こ れ ら の 薬
剤の血中濃度を
上昇させると考
トリアゾラムの血中濃度上 えられる。
昇による症状
(睡眠時間の
延長等)があらわれること
がある。
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には減量若しくは投与を中
止する。
ミダゾラムの血中濃度上昇
による症状(鎮静・睡眠作
用の増強等)があらわれる
ことがある。
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には減量若しくは投与を中
止する。
カルバマゼピン カルバマゼピンの血中濃度
上昇による症状
(眠気、悪
心・嘔吐、眩暈等)があら
われることがある。
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には減量若しくは投与を中
止する。
セレギリン塩酸 セレギリン塩酸塩の作用、
塩
毒性が増強することがある。
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には減量若しくは投与を中
止する。
相加的に作用(心
刺 激 生 成・ 伝 導
抑制作用)を増強
させると考えら
れる。
テオフィリン
フィンゴリモド フィンゴリモド塩酸塩の投 共 に 徐 脈 や 心 ブ
塩酸塩
与開始時に併用すると重度 ロ ッ ク を 引 き 起
の徐脈や心ブロックが認め こ す お そ れ が あ
られることがある。
る。
アプリンジン塩 両剤の血中濃度上昇による 共 通 の 代 謝 酵 素
酸塩
症状(徐脈、房室ブロック、( チ ト ク ロ ー ム
洞停止、振戦、めまい、ふ P450)に影響を及
らつき等)があらわれるこ ぼ し 合 い、 両 剤
とがある。
の血中濃度を上
心 電 図 を モ ニ タ ー し、 ま 昇 さ せ る と 考 え
た、定期的に臨床症状を観 られる。
察し、異常が認められた場
合には減量若しくは投与を
中止する。
ジヒドロピリジ ジ ヒ ド ロ ピ リ ジ ン 系Ca拮
ン 系Ca拮 抗 剤 抗剤の血中濃度上昇による
(ニフェジピン、 症状(降圧作用の増強等)が
アムロジピンベ あらわれることがある。
シル酸塩等)
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には減量若しくは投与を中
止する。
シンバスタチン シンバスタチンの血中濃度
上昇による横紋筋融解症や
ミオパシーが発現すること
がある。
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には投与を中止する。
テオフィリンの血中濃度上
昇による症状
(悪心・嘔吐、
頭痛、不眠等)があらわれ
ることがある。
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には減量若しくは投与を中
止する。
シロスタゾール シロスタゾールの作用が増
強することがある。
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には減量若しくは投与を中
止する。
ビノレルビン酒 ビノレルビン酒石酸塩の作
石酸塩
用が増強することがある。
定期的に臨床症状を観察
し、異常が認められた場合
には減量若しくは投与を中
止する。
これらの薬剤の
代謝酵素(チトク
ロームP450)を阻
害することによ
り、 こ れ ら の 薬
剤の血中濃度を
上昇させると考
えられる。
シクロスポリン シクロスポリンの血中濃度
上昇による症状(腎障害等)
があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察
し、また、シクロスポリン
の血中濃度を測定し、異常
が認められた場合には減量
若しくは投与を中止する。
─2─
完全房室ブロック、高度徐脈:アトロピン硫酸塩水
和物、イソプレナリン等の投与や必要に応じて心臓
ペーシング等の適切な処置を行うこと。
心停止:心マッサージ、アドレナリン等のカテコー
ルアミンの投与等蘇生処置を行うこと。
2)まれにうっ血性心不全があらわれることがあるので、
このような症状があらわれた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
(2)その他の副作用
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切
な処置を行うこと。
タクロリムス水 タクロリムスの血中濃度上 こ れ ら の 薬 剤 の
和物
昇による症状(腎障害等)が 代謝酵素(チトク
ロームP450)を阻
あらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察 害することによ
し、また、タクロリムスの り、 こ れ ら の 薬
血中濃度を測定し、異常が 剤 の 血 中 濃 度 を
認められた場合には減量若 上 昇 さ せ る と 考
えられる。
しくは投与を中止する。
フェニトイン
シメチジン
HIVプロテアー
ゼ 阻 害 剤( リ ト
ナビル、サキナ
ビルメシル酸塩
等)
フェニトインの血中濃度 フェニトインの
上昇による症状(運動失調、 代謝酵素(チトク
めまい、眼振等)があらわ ロームP450)を阻
れることがある。
害することによ
定 期 的 に 臨 床 症 状 を 観 察 り、 フ ェ ニ ト イ
し、異常が認められた場合 ン の 血 中 濃 度 を
には減量若しくは投与を中 上 昇 さ せ る と 考
止する。
えられる。また、
また、本剤の作用が低下す フ ェ ニ ト イ ン が
ることがある。
本剤の代謝を促
進することによ
り、 本 剤 の 血 中
濃度を低下させ
ると考えられる。
頻度
種類
循環器
*
相加的に作用(心
刺 激 生 成・ 伝 導
抑制作用)を増強
させると考えら
れる。
筋 弛 緩 剤( パ ン
クロニウム臭化
物、ベクロニウ
ム臭化物等)
筋弛緩剤の作用が増強する
ことがある。
筋弛緩作用に注意し、異常
が認められた場合には減量
若しくは投与を中止する。
本剤が神経筋接
合 部 に お い て、
シナプス前から
のアセチルコリ
ン放出を抑制さ
せると考えられ
る。
肝
臓
腎
臓
0.1%未満
徐 脈、 房 室 ブ ロ 洞房ブロック、脚ブ
ック、血圧低下、 ロック、動悸、めま
房室接合部調律、 い、一過性の頻脈
期 外 収 縮、 洞 停
止、顔面潮紅
頭痛、嘔気、嘔吐
AST(GOT)、
ALT(GPT)、
LDHの上昇
Aℓ−Pの上昇
尿量減少、血清クレ
アチニン、BUNの上
昇
過敏症 光線過敏症※
発疹、そう痒
その他 静脈炎
注射部位の局所発赤
※:内服剤による症例報告
リファンピシン 本剤の作用が低下すること リ フ ァ ン ピ シ ン
がある。
が本剤の代謝酵
定 期 的 に 臨 床 症 状 を 観 察 素(チトクローム
し、また、可能であれば本 P450)を誘導する
剤の血中濃度を測定し、異 こ と に よ り、 本
常が認められた場合には、 剤 の 血 中 濃 度 を
他剤への変更あるいは本剤 低 下 さ せ る と 考
を増量するなどの適切な処 えられる。
置を行う。
徐脈、房室ブロック、洞停
止等があらわれることがあ
る。
心電図をモニターし、異常
が認められた場合には減量
若しくは投与を中止する。
0.1∼5%未満
精神
神経系
本剤の血中濃度上昇による こ れ ら の 薬 剤 が
症状
(降圧作用の増強、徐 本 剤 の 代 謝 酵 素
脈等)があらわれることが ( チ ト ク ロ ー ム
ある。
P450)を阻害する
血圧を測定し、また、心電 こ と に よ り、 本
図をモニターし、異常が認 剤 の 血 中 濃 度 を
められた場合には減量若し 上 昇 さ せ る と 考
くは投与を中止する。
えられる。
麻 酔 剤( イ ソ フ
ルラン、エンフ
ルラン、ハロタ
ン等)
頻度不明
5.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、高齢者
に使用する場合は、低用量から投与を開始するなど患者
の状態を十分観察しながら慎重に投与すること。
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しな
いこと。
〔動物実験で催奇形作用
(マウス、ラット、ウ
サギ:骨格異常、外形異常)及び胎児毒性(マウス、ラッ
ト、ウサギ:致死)が報告されている。〕
2)授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、や
むを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。〔母
乳中へ移行することが報告されている。〕
7.小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。
8.過量投与
症状:
過量投与により、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低
血圧等があらわれることがある。しかし、このような症
状は副作用としても報告されている。
処置:
過量投与の場合は、本剤の投与を中止し、下記等の適切
な処置を行うこと。
1)徐脈、完全房室ブロック:
アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン等の投与や
心臓ペーシングを適用すること。
2)心不全、低血圧:
強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用する
こと。
9.適用上の注意
調製時:
他剤との配合によりpHが8を超える場合には、ジルチア
ゼムが析出することがあるので注意すること。
4.副作用
調査総数6,543例中、副作用が報告されたのは266例(4.1%)
で、主な副作用は、徐脈(1.1 %)、血圧低下(0.7 % )、1度
房室ブロック
(0.4 %)
、2度房室ブロック(0.3 %)、房室接
合部調律(0.3%)等であった。(再審査結果時)
(1)重大な副作用(ときに:0.1∼5%未満、まれに:0.1%未満)
1)ときに完全房室ブロック、高度徐脈(初期症状:徐脈、
めまい、ふらつき等)等があらわれることがあり、心停
止に至る場合もあるので、これらに対処できる十分な
準備を行い、投与する。また、このような異常が認め
られた場合には、直ちに投与を中止し、下記等の適切
な処置を行うこと。
─3─
【薬 物 動 態】
血漿中濃度
1回静注時の半減期
(消失相)は約1.9時間である。また、点滴静
注の場合は投与開始後5∼6時間で定常状態となる。
1)
【有効成分に関する理化学的知見】
○一般名:ジルチアゼム塩酸塩(Diltiazem Hydrochloride)
(JAN)
○化学名:(2 S , 3 S )
-5-[2-(Dimethylamino)ethyl]-2(4-methoxyphenyl)
-4-oxo-2, 3, 4, 5-tetrahydro-1, 5benzothiazepin-3-ylacetate monohydrochloride
2)
1回静注
心疾患患者8例
ジ ル チ ア ゼ ム塩 酸 塩10mgを1分 間
で静注
点滴静注
非開心術中の患者5例にジルチ
アゼム塩酸塩5、10、15μg/kg/
分点滴静注したときの実測値
より算出したシミュレーション
カーブ
CH3
O
(ng /mL)
(ng /mL)
500
15μg / kg /分
S
10μg / kg /分
血
漿
中
ジ
ル
チ
ア
ゼ
ム
濃
度
血
漿
中
ジ
ル
チ
ア
ゼ
ム
濃
度
100
10
120
時
間
180(min)
CH3
O
H
800
N
・HCl
O
O
600
400
N
H3C
200
0
60
H
5μg / kg /分
0
2
4
6
CH3
C22H26N2O4S・HCl:450.98
8 10 12 14 16 18 20 22 24 26
注入開始後時間 (hours)
○性状:
・白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
・ギ酸に極めて溶けやすく、水、メタノール又はクロロホ
ルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、
無水酢酸又はエタノール(99.5)に溶けにくく、ジエチル
エーテルにほとんど溶けない。
**・旋光度
°
0.2g, 水, 20mL,
〔α〕20
D :+115∼+120(乾燥後,
100mm)
・融点:210∼215℃(分解)
【臨 床 成 績】
1.頻脈性不整脈(上室性)
プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験 3)を含む臨床試験
の結果、発作性上室性頻拍、頻拍性心房細動、頻拍性心房
粗動に対する本剤の有用性が認められた。有効率
(有効以上)
は発作性上室性頻拍に対して86.4 %(184/213)、頻拍性心房
細動・粗動に対して87.2 %(130/149)であった。
2.手術時の異常高血圧の救急処置
ニトログリセリン
(注射液)を対照薬とした単純盲検比較試
4)
験 を含む臨床試験の結果、手術時の異常高血圧の救急処置
に対する本剤の有用性が認められた。有効率
(有効以上)は
94.0%(315/335)であった。
3.高血圧性緊急症
悪性高血圧、高血圧性脳症、解離性大動脈瘤、急性左心不
全等の高血圧性緊急症に対する有効率
(有効以上)は100.0 %
(28/28)であった。5)
4.不安定狭心症
6)
無作為単純盲検比較試験 の結果、不安定狭心症に対する本
剤の有用性が認められた。有効率
(中等度改善以上)は80.0 %
(32/40)であった。
【包
装】
ヘルベッサー注射用10:10mg×10瓶
ヘルベッサー注射用50:50mg×10瓶,
50mg×50瓶
【主 要 文 献】
:3082-3088
1)江藤 晃 他:基礎と臨床 1980;14(10)
2)溝辺雅一 他:基礎と臨床 1987;21
(11)
:4623-4628
3)橋場邦武 他:Progress in Medicine 1987;(
7 6)
:1155-1177
4)山村秀夫 他:薬理と治療 1987;15(7)
:2941-2960
5)尾前照雄 他:臨牀と研究 1987;64(10)
:3221-3236
6)木之下正彦 他:医学のあゆみ 1997;181
(2)
:173-198
7)佐藤匡徳 他:日本薬理学雑誌 1979;75:99-106
8)Takata, Y. et al. :Clin. Exp. Hypertens. 1983;A5
( 6)
:
827-847
9)山口 勲 他:日本薬理学雑誌 1979;75:191-199
10)長尾 拓 他:日本薬理学雑誌 1981;77:195-203
11)Murata, S. et al. :Jpn. J. Pharmacol. 1982;32:1033-1040
12)Sato, M. et al.:Arzneimittelforschung 1971;21( 9)
:
1338-1343
13)中谷晴昭 他:日本薬理学雑誌 1980;76:697-707
14)安谷屋 均 他:呼吸と循環 1987;35(5)
:561-567
15)Nagao, T. et al. :Jpn. J. Pharmacol. 1977;27:330-332
16)Nagao, T. et al. :J. Mol. Cell. Cardiol. 1980;12:29-43
17)Nagao, T. et al. :Jpn. J. Pharmacol. 1975;25:281-288
18)Shimokawa, H. et al.:Science 1983;221:560-562
19)Yasue, H. et al.:Circulation 1978;58(1)
:56-62
20)Kinoshita, M. et al.:Jpn. Circ. J. 1985;49:179-189
21)Bush, L. R. et al. :J. Pharmacol. Exp. Ther. 1981;218
(3)
:
653-661
【薬 効 薬 理】
末梢血管、冠血管等の血管平滑筋及び房室結節において、細
2+
胞内へのCa 流入を抑制することにより、血管拡張作用及び
房室結節伝導時間の延長作用を示し、高血圧、不整脈、狭心
症に効果を示す。
1.血圧に対する作用
1)麻酔下及び無麻酔下で高い血圧を下げるが、麻酔下での
方が無麻酔下よりも強く7)、また、正常血圧よりも高い血
圧に対して強い降圧作用を示す(ラット)。8, 9)
2)血圧の低下とともに末梢血管抵抗及び心筋酸素消費量を
減少させ、心拍出量を増加させる(イヌ)。10)
3)脳、冠、腎の血流量を減少させず、血圧を低下させる。また、
ナトリウム利尿作用も示す(イヌ、サル)。10∼12)
2.不整脈に対する作用
1)房室結節の伝導時間、有効不応期、並びに機能的不応期
を延長させ、上室性の頻脈性不整脈に対し効果をあらわ
13)
す(イヌ)。
2)心房の電気刺激によって誘発される上室性の頻脈性不整
脈を抑制する(ウサギ)。14)
3.心筋虚血に対する作用
1)心筋の酸素需要供給バランス改善作用
①太い冠血管及び副血行路を拡張し、心筋虚血部への血
流を増加させる(イヌ)。12,15∼17)
②冠動脈スパスムを抑制する(ブタ、ヒト)。18, 19)
2)心筋保護作用
2+
心筋虚血時、細胞内へのCa 過剰流入を抑制することに
より、心機能・心筋エネルギー代謝を保持し梗塞巣の広
がりを縮小する(イヌ、ネコ)。20, 21)
【文献請求先】
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区北浜2-6-18
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