KDDI が日本初の CA(キャリア・アグリゲーション)で 150Mbps のデータ通信を全国展開 KDDI と 沖 縄 セ ル ラ ー は 、 2014 年 夏 モ デ ル か ら LTE の 次 世 代 高 速 通 信 規 格 LTE-Advanced の技術であるキャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)を 日本で初めて導入し、800MHz と 2.1GHz の周波数帯の各 10MHz(受信最大 75Mbps)を 同時使用することで、受信最大 150Mbps の通信速度を実現する方針を 4 月 21 日発表しま した。2020 年に向けて携帯データ通信の高速・高性能化が LTE-Advanced を軸に本格的に 展開する構想が明らかになりました。 KDDI の内田義昭技術統括本部長兼技術企画本部長は次のように説明しています。 ・今回 au が他社に先んじて 800MHzLTE と 2.1GHzLTE のキャリア・アグリゲーショ ンを導入できたのは、基地局を早く立ち上げ、サービスエリアを増やす au のエンジニアリ ング力が背景にある。 実人口カバー率は 14 年 3 月時点で 800MHzLTE が 99%、 2.1GHzLTE が 85%に達し、800MHzLTE は年度内に 100%、2.1GHzLTE は 90%超へ拡大を予定して いる。 ・次のステージとして LTE-Advanced を目指す。これは広帯域化、小セル化、多アンテ ナ化がある。 ・広帯域化はキャリア・アグリゲーション、小セル化は大きいエリアの基地局(マクロ セル)と小さいエリアの基地局(スモールセル)との干渉を抑制する“eICIC”あるいは、 複数基地局間が協調して同一周波数帯のデータを送受信することで基地局の狭間における 通信品質を上げていく“CoMP”、多アンテナ化は、送受信双方のアンテナを増やして同一 周波数帯のデータ量を増加させて通信速度を上げていく“MIMO”といわれる技術がある。 ・キャリア・アグリゲーションは、①仮想的な広帯域化による高速通信、②安定した高 速通信の実現、③無線ネットワーク全体の効率的利用という 3 つの特長がある。 ①仮想的な広帯域化は、複数の LTE 周波数帯を同時に用いて通信を行うことによって、 周波数ごとに受信したデータを足し合わせた通信速度を実現する。 ②通信安定化では、2 つの周波数のダイバーシティ効果で、両方の周波数のスループット が重ね合わされることで、スループットの変動幅の小さな安定した通信を実現する。 ③ネットワークの効率的利用でも、単一周波数だけの利用では、端末利用が多い周波数 と少ない周波数という偏りが出るが、複数周波数を束ねることによって空いているところ をダイナミックに割り当てる統計多重効果で、全体の周波数を効率的に使える。 ・キャリア・アグリゲーションは、今年の夏モデルに対して対応する。基地局はマクロ セルの 800MHz と 2.1GHz の無線装置を連携させてキャリア・アグリゲーション化を実現 し、高トラフィックのエリアに設置されているピコセルの無線装置についてもキャリア・ 1 アグリゲーション化を実施していく。 ・最大 150Mbps を提供する基地局は、トラフィックの少ない郊外で現在 2.1GHz の周波 数で 20MHz 化している 700 局があるが、今年の夏のキャリア・アグリゲーション開始時 に 2500 局、2014 年度末に 2 万局と全国展開を予定している。 ・2020 年は、あらゆるものがインターネットにつながる“Connectivity”、動画とバー チャルを兼ね合わせた高品質ビデオの時代“Ultra High Quality Video”、あらゆるセンサ ー情報が LTE に搭載され、そのデータを使ってオペレートされる“Senser Network”によ る世界最高水準の ICT 基盤の構築が目標となっている。それは超高速・低廉・強靭な通信 ネットワークと創造的な ICT 利活用によって実現される。 au の 2020 年に向けて今回の 14 年度 150Mbps をいち早く展開していきたい。 ・更なる高速化では、10MHz+20MHz、20MHz+20MHz といったアグリゲーションの 仕方もある。そのほか年度末に eICIC も実装していきたい。 なお 4K 伝送については吉田智将モバイル技術企画部長が次の見通しを述べています。 ・YouTube の HD 動画は 2.5Mbps の割り当てで視聴できる。4K 動画がその何倍になる かは圧縮率の兼ね合いになるが、すごいレートの伝送容量とまではいかない容量感で 2020 年に実現できると考えている。 当社の導入している周波数帯域に限界があるので、2020 年までに割り当てを要望するこ とも含め、キャリア・アグリゲーションで束ねていくことになる。アンテナ技術を用いた 大容量化などを組み合わせて 4K も伝送していくことになる。 以上 2
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