2014 年度 第 1 回 FD 研修会実施報告 タイトル:「アクティブラーニングの概要と最近の動向」 発表者:経営学部 杉田 一真 准教授 開催日時:2014 年 6 月 20 日(金)16:10~16:45 場所:自由が丘キャンパス 1 号館 5 階大会議室 参加教職員数:73 名 アクティブラーニング(AL)とは、「教員による一方的な講義形式 とは異なり、学生の能動的な学習を取り入れた教授・学習法の総称」 をいう。具体的には、双方向講義、ディスカッションやピア・インストラクションなどの共同学習、PBL などの課題解決学習がある。 AL の形式的な導入は多くの大学で進んでおり、現在は AL の「質」が問われる時代になっている。AL の最近の動向として、以下の 3 点について紹介する。 (1)高次のアクティブラーニング 知識の活用力を含めた学びの質保証が求められる昨今、専門知識の活用を目的とした AL(高次の AL) の重要性が高まっている。高次の AL は、失敗すると一定の達成感や仲間は得られても、学びが深まる ことがない。高次の AL が成功するためには、専門知識の活用を促すために知識の修得と活用の機会を 接近して配置するカリキュラムの編成、形式的な科目間連動を超えて実質的な科目間連動を図るための 教員の協働、PBL の課題提示・講評などに協力いただく学外者の存在などが重要となる。 (2)組織教育力 AL を有効に機能させるためには、綿密な授業設計やワークシートなどの教材準備、授業内にとどま らない指導などが必要となる。その結果、教員には大きな負担がかかる。そこで、教材開発などを教育 支援センターが支援するなど、教職員が一体となり、組織的に AL の質向上に努めることが重要となる。 また、AL によって授業内の演習時間が増加すると、知識修得の場を授業外に設ける必要が生じてくる。 そこで、ラーニグコモンズの設置や学習支援センターによる事前・事後学習の支援など、授業外学習を サポートする組織的取り組みも重要となる。 (3)ファシリテーション AL においては、教員が学生の発言や参加を促し、学生にどれだけ深く考えさせることができたかが、 学びの深さ(ディープラーニング)に関係してくる。この教員のファシリテーション力を向上するには、 入念な授業設計と事前準備に加えて、研修などを通じて教員間にファシリテーションに関する共通認識 を醸成することが重要である。これにより、複数教員による授業運営などの際に、講義や教材の内容の みならず、ファシリテーションについても介入内容等につい ても協働による検討が可能となる。 以上、大学教育の変化について参加者は熱心に耳を傾け、 最後に参加者全員が各担当科目においてどのように AL を導 入していくか、どのように高度化していくか、また、AL 導 入が困難な科目とその要因について具体的に分析し、今後の 授業改善の方向性について検討を試みた。 - 産業能率大学 教育開発研究所 Education Development Research Center 2014 -
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