I am ∼ . You are

1
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
I am ∼ . You are ∼ .
1 I am ∼ .
主語 板 書 例 You are ∼ . の文
◆指導ページ P2∼5◆
指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 I am ∼ .
You are ∼ . の文
動詞 補語
am,are,(is)などを be 動詞と呼び,be 動詞が主語によって変化
(…は) (です) (∼)
することを説明し定着をはかる。この際,I → am,You → are,
I am a student.(私は学生です。
)
He → is,She → is,It → is,This → is など口頭で反復させ定
You are Ms.Green.
(あなたはグリーン先生です。)
着をはかるのも一考である。
* am, are などを be 動詞と呼び,be 動詞は主語
これが定着できたらbe動詞の後には名詞(形容詞)が来ること
によって,変化する。 I → am / You → are
を説明する。この構文の場合,名詞(形容詞)は,be 動詞を補っ
be 動詞の後には名詞(形容詞)が来る。
て文を完全にする働きをするので補語と呼ばれることも説明する。
be 動詞を補って文を完全にする働きをするの
ただし,この補語という概念は理解しづらいので,
「私は∼で で補語と呼ばれる。
す。
」
「あなたは∼です。
」では完全な文にはならないので∼の部分
に名詞(学生,先生など)が必要なことを日本語を使って説明す
ると理解しやすい。そして,名詞が来ることが理解できたら,発
2 否定文の作り方
I am a teacher.
展として名詞の代わりに形容詞(幸せ−happy,かわいい−pretty
(私は先生です。
)
など)も補語になれることを説明してもよい。
I am not a teacher.(私は先生ではありません。
)
また,これらの説明の後に人や土地,国の名前は固有名詞と呼
You are a nurse.(あなたは看護婦です。
)
ばれ常に大文字で書き始めること,I は常に大文字で書かれるこ
You are not a nurse.
(あなたは看護婦ではありません。)
と,youは文頭ではYouのように大文字で書き始めることを補足す
ることを忘れないようにする。
* am, areの後にnotをつけて否定文をつくる。
短縮形 am not →なし
2 否定文の作り方
are not → aren’
t
be 動詞を用いた文の否定文の作り方では単純に be 動詞の後に
You are not a student.
not をおけば否定文になることを強調し説明をする。
= You aren’
t a student.
否定文の作り方は単純であるが,
短縮形との関連で理解できな
→ You’
re not a student.
くなる場合があるので短縮形の指導の前に十分に例文を提示し,
I am not a student.
定着をはかる必要がある。その後会話では短縮形がよく使われる
= I’
m not a student.
ことを説明し短縮形を提示すること。ここでは,am not の短縮形
が無いので I’
m not と I am に短縮形が使われることを十分に理
解させること。
3 疑問文の作り方と答え方。
I am your student.(私はあなたの生徒です。)
3 疑問文の作り方と答え方。
Am I your student?(私はあなたの生徒ですか。
)
be動詞の疑問文の作り方では単純に主語と動詞を入れ 替え,
be
− Yes, you are. / No, you are not.
動詞を文頭に出してピリオドを?に変えて疑問文 を作ること,
文
(= No, you aren’
t.)
尾を上げ調子で発音することを指導すればよいのであるが,一般
You are a teacher.(あなたは先生です。)
動詞の疑問文を作る際にもただ単に動詞を文頭に出す学習者も見
Are you a teacher?(あなたは先生ですか。
)
受けられるのでbe動詞の場合であることを強調する必要がある。
− Yes,I am. / No,I am not.(= No, I’
m not.)
また,その答え方の指導には注意を要する。
* am, are を文頭に出して疑問文をつくる。
すなわちダイアログとしてのシュチエーションが理解できずに
答え方では Am I ∼?は Yes(No),you are(aren’
t).
Am I ∼?− Yes(No), You are(are not).
Are you ∼?は Yes(No),I am(am not). になる
Are you ∼?− Yes(No),I am(am not).
ことに注意。
の人称の対応の図式が理解できない場合がある。これを理解させ
るためには実際に学習者を使って(私は)
,
(あなたは)はあなた
にとっては誰かというように対応関係を日本語で理解させていく
のが早道である。
2
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
This[That]is ∼ .Is this[that]
∼? ◆指導ページ P6∼9◆
this[that]∼
板 書 例 1 This [That]is ∼ .
の文
指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 This [That]is ∼ .
の文
This is a book.(これは本です。)
is も am,are 同様に be 動詞と呼ばれ,主語によって変化するこ
That is an orange.(あれはオレンジでです。
)
とを説明し定着をはかる。この指導は1課のam,areの発展である
This is Kumi.(こちらは久美です)
ので復習を兼ねてis, am, areと主語の対応関係を例示し定着を
* is も am,are 同様に主語に応じて,変化する。
はかることを導入とするとよい。
I→am / You→are /This[That]→is これが定着できたら be 動詞の後には補語として名詞(形容詞)
this →「これは」
(近くのもの)
がくることを1課の復習を兼ねて再度確認する。
that →「あれは」
(遠くのもの)
そして,この課では this と that の距離感覚を定着させること
This is ∼ . は「こちらは∼です。」と人を紹
が重要である。this は「近くにあるもの」
,that は「離れている
介する時にも使われる。
もの」を指すのが原則であるが,thatは日本語の「そこ」から「あ
そこ」までの中間点から,それ以上の比較的広範囲を指すことも
説明に加えたい。
2 否定文の作り方
また,this は人をさして「こちらは∼です。
」という表現に使
This is my teacher. (こちらは私の先生です。
)
われるが,時間的に余裕があれば,実際に何人かに友人を紹介さ
→ This is not my teacher.
せて定着をはかるのも一考である。
(こちらは私の先生ではありません。
)
そして,ここで復習として,不定冠詞の用法も確認したい。one
That is a pen.(あれはペンです。
)
が変化してできたa,anであるが現在ではoneの意味をきわめて弱
→ That is not a pen.
く表現してるにすぎないので「一つの」といちいち日本語に訳す
(あれはペンではありません。)
必要がないこと,名詞が母音で始まる時(綴り字ではない)こと
* is の後に not をつけて否定文をつくる。
はここで再度定着しておきたい。
短縮形 is not → isn’
t.
That is not a pen. = That isn’
t a pen.
2 否定文の作り方
(= That’
s not a pen.)
be動詞isを用いた文の否定文の作り方では単純にisの後にnot
をおけば否定文になることを強調し説明すればよい。
しかし,否定文の作り方は単純であるが,1課の復習も兼ねて,
3 疑問文の作り方と答え方
後に学習する一般動詞の否定文と区別させるためにもひとまとめ
This is an apple,too.(これもリンゴです。)
にしてbe動詞の後にnotをおいて否定文を作ることとしてis,am,are
* is を文頭に出して疑問文をつくる。
をまとめて be 動詞として指導していきたい。
Is this an apple,too?(これもリンゴですか。
)
また,さらに説明を加える際には This[That] is ∼ . ではな
− Yes, it is. /
くて It is[It’s]∼で表現することも説明に加えること。
No, it is not.
(= No, it isn’
t.)
3 疑問文の作り方と答え方
be 動詞 is の疑問文の作り方では1課同様に単純に主語と動詞
を入れ替え,be動詞を文頭に出してピリオドを?に変えて疑問文
を作ること,文尾を上げ調子で発音することを指導すればよいの
であるが,ここでも後に学習する一般動詞の疑問文と区別するた
めに is,am,are をまとめて be 動詞として指導するのがよい。
また,その答え方として,this[that]ではなくてYes(No),it is
(isn’t). というように it を用いて答えることは強調すること。
3
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
What is ∼? ∼ or
…?
or…
板 書 例 ◆指導ページ P 10 ∼ 13 ◆
指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 What is ∼?
1 What is ∼?
This is a computer.(これはコンピュータです。
)
what is ∼?の疑問文のかたちを理解させる。
↓(疑問文に)
1,2課ではbe動詞を用いたいわゆる第2文型と呼ばれる構文
Is this a computer?
の疑問文の作り方を指導してきたが,ここではそれを土台として
↓(下線部を尋ねる文に)
)
What is this?(これは何ですか。
疑問文の形
疑問詞を用いた疑問文の作り方を指導する。
この形の疑問文の強調すべき点は疑問詞の後がbe動詞+主語の
型になることである。1,2課でこの型は学習済みであるので疑
− It is a computer.(= It’s a computer.)
問詞の後は疑問文の型として指導すればよい。
(Whoを主語とした
型は今回は除外して考える。
)
(それはコンピュータです。
)
* What は「何?」という意味で疑問詞と呼ばれ
例文として,板書例のように平叙文を提示し,段階を追って普
文頭に置かれ“What(疑問詞)+疑問文の形”の
通の疑問文,下線部を尋ねる疑問文というように指導していけば
形で「∼はなんですか?」という疑問文を作る。
学習者は理解しやすいと思う。
*答え方は,Yes,Noを使わずIt is ∼(It’s ∼). ある程度定着できた時点で平叙文の下線部を直接whatを用いた
で答える。
疑問文にさせ,この時点で語順の間違えがあれば,再度疑問文の
*疑問詞で始まる疑問文は文尾を下げ調子で読む
型であることを強調し定着をはかればよい。
ことが多い。
またこの疑問文の答え方は Yes, / No, を使わず It is ∼で答
えることも強調して指導する必要がある。外国人に話しかけられ
2 Is this[that]A or B ?
ると何でもYesかNoで答える日本人が多いことからもこの点は特
)
Is this a dog?(これは犬ですか。
に強調して指導したい。
(A)
)
Is this a cat?(これは猫ですか。
(B)
2 Is this[that]A or B ?
∼ or ...?の疑問文のかたちを理解させる。
↓ or で結ぶ
ここでは等位接続詞orを用いて二つの語のどちらか一方を答え
Is this a dog or a cat?
させる疑問文を作ることが目的であるが指導の要点は次の3点で
(A)
ある。
(B)
(これは犬ですか,それとも猫ですか。)
まず,板書例のように普通の疑問文の中で並列の語を単純にor
− It’s a dog.(それは犬です。)
で結びつけることによって「AかBか」の疑問文ができることを理
解させることである。
* or は[AかBか]というようにどちらか一
次に並列に並べられた語はorの前では上げ調子に,文尾では下
方をきく場合に用いられ,
二つの言葉を結ぶ
げ調子に発音されることである。ここで,普通の疑問文,疑問詞
働きをもち接続詞と呼ばれる。
がある疑問文,orで並列の語が並べられた疑問文の発音の仕方を
* or を使った疑問文では or の前で上げ調子,
文尾では下げ調子で発音するのが普通であ
る。
まとめて再度定着をはかると効果的である。 そして,疑問詞で始まる疑問文の項でも述べたが,Yes, /No,
で答えるのではなく It is ∼ . で答える答え方である。特にこの
*答え方は Yes, / No, で答えるのではなく
点は強調して指導する必要がある。
It is(It’s)∼ . で答える。
もし,生徒がなかなか理解できないようであれば同じ内容の疑
問文を日本語で問い直し,
「はい」
,
「いいえ」で答えると不自然で
あることを理解させると良い。前述の What ∼?疑問文に関しての
この方法は効果的である。
4
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
He[She]is ∼ . Who is ∼?
板 書 例 ◆指導ページ P 14 ∼ 17 ◆
指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 He [She]is ∼ .
の文
1 He [She]is ∼ .
の文
① He [She]is ∼ .
の文
この課では既習のbe動詞と主語との対応関係を更に学習を進め He is a doctor.(かれは医者です。)
る。ここで対応関係を一覧にし,まとめて定着をはかると良い。
Mike
また,ここで一人称,二人称,三人称の概念を理解させ一般型と
is
an American.
(マイクはアメリカ人です。)
↓
He is a doctor.(彼は医者です。
)
* He[She]はすでに話題に上った人について言う。
男性なら Mike → He 女性なら Kimiko → She
物なら this book → It
して be 動詞 is が三人称単数の場合に用いられることを指導する。
I 一人称 am You 二人称 are This[That]
It 三人称 is
He[She]
This man
一人称:自分(私)
二人称:相手(あなた)
三人称:
(一人称・2人称以外)
を使う。
②否定文の作り方
②否定文の作り方
She is my friend.(彼女は私の友達です。
)
be動詞を用いた文の否定文の作り方も既習の内容であるので,単
She is not my friend.
純にbe動詞の後にnotをおけば否定文になることを強調し説明をす
(彼女は私の友達ではありません。
)
ればよい。
短縮形 is not → isn’t
She is not my friend.
③疑問文の作り方と答え方
= She isn’t my friend.
be動詞の疑問文の作り方も既習の内容であるので,単純に主語と
動詞を入れ替え,be動詞を文頭に出してピリオドを?に変えて疑問
③疑問文の作り方と答え方
文を作ること,
文尾を上げ調子で発音することを復習させればよい。
She is your sister.(彼女はあなたの妹です。)
この段階で一人称単数,二人称単数,三人称単数のそれぞれが主
Is she your sister?(彼女はあなたの妹ですか。
)
語となっている文に対してのbe動詞の対応,否定文,疑問文への書
− Yes,she is. / No,she is not.
き換えを主眼にした問題を学習者にさせ一般型の定着をはかると効
(= No,she isn’t.)
果的である。
2 Who is ∼?
2 Who is ∼?
He is Tom.(彼はトムです。
)
3課では疑問詞を用いた疑問文の作り方は学習済みであるがここ
↓(疑問文に)
Tom?
Is
he
↓(下線部を尋ねる文に)
) Who is he?(彼は誰ですか。
(疑問文の形)
ではその発展として疑問詞 Who を用いた疑問文の型を学習させる。
この形の疑問文の強調すべき点は疑問詞Whatと同様に疑問詞の後
が be 動詞+主語の型になることである(Who を主語とした型は今回
は除外して考える。
)。
疑問詞Whatの場合と同様に平叙文を提示し段階を追って普通の疑
− He is Tom.(= He’s Tom.)
問文、下線部を尋ねる疑問文というふうに指導していけば学習者は
(彼はトムです。)
理解しやすいと思うが,ある程度定着できた時点で平叙文の下線部
を直接 who を用いた疑問文にさせ,この時点で語順の間違えがあれ
* Who は「誰?」という意味で What と同様に疑 ば再度疑問文の型であることを強調し定着をはかればよい。
問詞と呼ばれ文頭に置かれ“Who(疑問詞)+疑 また,この疑問文でも答え方は Yes,/No, を使わず He[She]is ∼ .
問文の形”で「∼は誰ですか?」という疑問文 で答えることも再度強調して指導する必要がある。
を作る。
また,3課ではふれなかったが,Who is that woman?と What is
* 答え方は,Yes,No を使わず He[She]is ∼
that woman?の違いを理解させ,Who が人の名前や家族・友人関係を
(He’s[She’s]∼). で答える。
たずね What が職業を尋ねることを指導する。
Who is that woman?− She is Mary.
/
She is my aunt.
What is that woman?− She is a teacher.
5
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
I play ∼ .Do you play ∼? ◆指導ページ P 18 ∼ 21 ◆
板 書 例 指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 I play ∼ .
1 I play ∼ .
I play tennis.(私はテニスをします。)
この課で初めて一般動詞を含んだ文の型を学習する。
You play the piano.(あなたはピアノをひきます。
)
* be動詞(am,is,areなど)以外の動詞を一般 ここでは,まずbe動詞と一般動詞の区別,英語と日本語の語順
の違いを中心に指導することが大切である。
動詞(play,speak,like など)と呼ぶ。
* 日本語の(∼を)にあたる語を目的語と呼ぶ。
一般動詞は日本語の「∼する。
」に相当する動詞で,既習の be
* 日本語 「私は テニスを する。
」
動詞が「∼である。
」であったのと対比させて指導することから始
めるとよい。また,be 動詞の現在形は am, is, are の3つしか
(主語)
(目的語) (動詞)
ないのでhave,hasを含み,be動詞以外の動詞として一般動詞を理
↓
英語 I
play
the tennis.
(主語)(動詞)
(目的語)
解させるのも無理のない方法である。
次の,英語と日本語の語順の違いの指導では,板書例のように
日本語と英語を提示し日本語は S + O + V(∼は…を−する。
)の
2 Do you play ∼?
語順をとるが英語は S + V + O(∼は−する…を)の語順で既習の
You like music.(あなたは音楽が好きです。
)
be 動詞を用いた S + V + C 構文も例示し,常に S + V の関係が骨
文頭に Do を付ける
組みとなっていることを理解させることが肝要である。
Do you like music?
(あなたは音楽が好きですか。
)
この指導は英語の入門期以降の英作文指導だけではなく,英文
文頭ではないので小文字で始める
− Yes,I do.
/
No,I do not(don’t).
読解指導に際しても重要な意味を持つようになるので十分に習知
させる必要がある。
また,この段階で主格補語と目的語の区別を理解させることも
* 一般動詞の疑問文「あなたは∼しますか」は
重要である。主格補語はS=Cの関係にあること注目させれば比
Do you +動詞 ∼?の型
較的理解させやすいが,目的語は動詞の対象物(∼を…する。
)で
* 答え方は Yes,I do. / No,I do not(don’t).
あることを説明してもなかなか理解しづらい。そこで単に「∼を」
* be 動詞を使った文では,主語と動詞を入れ
が目的語であること,Sとは=にならないことを説明し理解を促
替えて疑問文を作ったが,
一般動詞の文では文
すのが比較的容易な方法である。
頭に助動詞 Do を持ってくるので主語動詞の語
順は変わらない。
2 Do you play ∼?
* Do you∼?の疑問文は文尾を上げ調子で発音
ここでは一般動詞を含んだ文の疑問文の作り方を指導する。be
する。
動詞を含んだ文とは異なり,動詞と主語を入れ替えて疑問文を作
るのではなく,助動詞 Do を文頭において文尾に「?」を付けるだ
けで疑問文がつくれるわけであるから単純といえば単純である。
しかし初学者の中には Is you play tennis ?のように be 動詞
の疑問文の作り方と混同してしまうものもいる。そこで一般動詞
の理解を徹底的に行い,
一般動詞を含んだ文では主語がyouならば
Doyou+動詞?になることをいくつもの例文で確認させることと,
時間的に余裕があれば Do you ∼?とその答え方である Yes[No],I
do[don’
t].が口癖になるぐらい口答練習を反復させることが必要
である。
また,
答え方では短い答え方と長い答え方の両方を指導してお
くと次課の否定文の作り方にも発展できるので展開としては効果
的である。
(答え方の例)
Do you like music?
短い答え方− Yes, I do. / No, I do not (don’
t).
長い答え方− Yes, I like music.
/ No, I do not(don’
t)like music.
6
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
I
don
’
t ∼ .What do you ∼? ◆指導ページ P 22 ∼ 25 ◆
don’
板 書 例 指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 I don’
t ∼.
1 I don’
t ∼.
I like baseball.(私は野球が好きです。
)
ここでは一般動詞を含んだ文の否定文の作り方を指導する。一般
動詞の前に do not(don’t)を付けるだけで否定文がつくれるわけで
↓
I do not(don’t) like baseball.
あるから単純といえば単純であるが,初学者の中にはbe動詞の否定
(私は野球が好きではありません。)
文の作り方と混同してしまうものもいる。
そこで,一般動詞を含んだ文の疑問文・否定文では助動詞doの助
You have a camera.
けが必要なことを徹底したい。前課の疑問文の作り方と併せて,平
(あなたはカメラを持っています。
)
叙文から疑問文・否定文への変換を繰り返し練習させ定着をはかる
指導が必要である。
↓
You do not(don’t) have a camera.
(あなたはカメラを持っていません。
)
2 What do you ∼?
* 一般動詞の文は一般動詞の前にdo not(don’
t)
ここで What do you ∼?の疑問文のかたちを理解させる。
を置いて否定文を作る。
5課で一般動詞の疑問文の作り方を指導してきたが,ここではそ
れを土台として疑問詞を用いた疑問文の作り方を指導する。
2 What do you ∼?
この形の疑問文の強調すべき点は疑問詞の後がdo you∼?の疑問
You want a bike. (あなたは自転車が欲しい。
)
文の型になることである。例文として,板書例のように平叙文を提
↓ (疑問文に)
示し段階を追って普通の疑問文,下線部を尋ねる疑問文というふう
Do
に指導していけば学習者は理解しやすいと思うがある程度定着でき
you
↓
want
a bike?
(下線部を尋ねる文に)
(あなたは何が欲しいですか。
)
What do you want?
疑問文の形
た時点で平叙文の下線部を直接whatを用いた疑問文にさせ,この時
点で語順の間違えがあれば、再度疑問文の型であることを強調し定
着をはかればよい。
− I want a bike.(a bike を強く発音する。
)
またこの疑問文の答え方は Yes, / No, を使わず what(何)にあ
* What(疑問詞)+ 疑問文の形で「∼はなにを
たる内容で答えることも強調して指導する必要がある。
…ですか?」という疑問文を作る。
* 答え方は,Yes,No を使わず what(何)にあ
3 Do you ∼ A or B ?
たる内容で答える。
次に Do you ∼ A or B?の疑問文のかたちを理解させる。
ここでは等位接続詞orを用いて二つの語のどちらか一方を答えさ
3 Do you ∼ A or B ?
せる疑問文を作ることが目的であるが指導の要点は次の3点である。
(あなたはテニスをしますか。
)
Do you play tennis?
まず,板書例のように普通の疑問文の中で並列の語を単純にorで
結びつけることによって「AかBか」の疑問文ができることを理解さ
(A)
(あなたはサッカーをしますか。
)
Do you play soccer?
(B)
↓ or で結ぶ
せることである。
次に並列に並べられた語はorの前では上げ調子に,文尾では下げ
調子に発音されることである。 Do you play tennis or soccer?
ここで,普通の疑問文,疑問詞がある疑問文,or で並列の語が並
(A) (B)
べられた疑問文の発音の仕方をまとめて再度定着をはかると効果的
(あなたはテニスをしますか,それともサッカー
である。そして,疑問詞で始まる疑問文でも述べたが,Yes, /No,
をしますか。)
で答えるのではなくI play∼.のように答える答え方を徹底する必
− I play tennis.(私はテニスをします。)
要がある。 * 「A か B か」のどちらかを選択する疑問文は
もし,生徒がなかなか理解できないようであれば,be 動詞を用い
Do you ∼ A or B?の型である。
た並列の疑問文の答え方でも述べたが,同じ内容の疑問文を日本語
* or を使った疑問文では or の前で上げ調子,
で問い直し,
「はい」
,
「いいえ」で答えると不自然であることを理解
文尾では下げ調子で発音するのが普通である。
させると良い。前述の What do you ∼?疑問文に関してもこの方法
* 答え方は Yes, /No, で答えるのではなく,
は効果的である。
what(何)にあたる内容で答える。
7
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
I have two books.some と any ◆指導ページ P 26 ∼ 29 ◆
板 書 例 指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 名詞の複数形
1 名詞の複数形
I have a book.
(私は1冊の本を持っています。
)
ここではじめて名詞の複数という概念がでてくる。
I have two books.
(私は2冊の本を持っています。
)
日本語では名詞を複数で言い表さないことも多いので, わかっ
* 数えられる名詞は単数の時はa(またはan)を
ていると思っても実際のものを使って短時間でもよいので「単 付ける。
数」
,「複数」の概念の説明から始めること。
* 2以上を表すときは複数形にする。
それが定着したら以下の説明を実際の単語を使って説明し,理
* 単数形:
「1つ」を表す名詞の型。− a,an を
解させる。これはこれからの学習でたびたび必要となるので十分
付ける
に時間をかける必要がある。特に「子音字+ -y」
,-f, -fe,不規
例)
a potato, a lily, an apple
則変化,複数形の発音の指導は丁寧に指導する必要がある。
(母音で始まる単語には an)
*名詞の複数形の作り方
複数形:
「2つ以上」を表す名詞の形。−複数形
①普通は単数形に -s を付ける。:
にする。
pen − pens ,
例)
apples, potatoes, lilies
boy − boys
②語尾が -s, -ss, -sh, -ch, -x の時は -es を付ける。:
glass−glasses,dish−dishes,watch−watches,box−boxes
2 some と any
lily − lilies, dictionary − dictionaries
I have two books.
)
(私は2冊の本を持っています。
④語尾が -f, -fe なら -ves にする。:
leaf − leaves,
I have some books. :肯定文
)
(私は何冊か本を持っています。
I don’t have any books.
③語尾が「子音字+ -y」の時は -y を -i に換えて -es:
knife − knives
⑤語尾が「子音字 +-o」の時は -es を付ける:
hero − heroes,potato − potatoes (例外)pianos,photos
:否定文
)
(私は1冊も本を持っていません。
⑥語尾が「母音 +-o」の時は -s を付ける:
Do you have any books ? :疑問文
bamboo − bamboos,
)
(あなたは(何冊であれ)本を持っていますか。
⑦不規則変化
cuckoo − cuckoos
(1)単数形と複数形が同形のもの:sheep, fish, deer
*1つ,2つとはっきり数のわかる場合:
(2)母音が変わるもの:man − men,foot − feet,tooth − teeth
one,two, three など
(3)-en, -ren をつけるもの:ox − oxen,child − children
いくつか,はっきり数がわからない場合: *複数形の発音:[s],[z],[iz]の音を名詞の後に付ける。
some,any
①[s]:語尾の発音が[p],[t],[k]のとき。
*肯定文ではsome,否定文と疑問文ではanyを用
いる。
* not ∼ any +複数名詞で「1つも∼ない」の意
味になる。
* some,any は日本語に訳さないことが多い。
caps[k¢ps],
cats[k¢ts], book[buks],
②[iz]:語尾の発音が[s],[z],[∫],[t∫]のとき
glasses[gl¢siz], dishes[dÌ ∫iz]
③[z]:上の①,②以外の発音で終わるとき
dogs[d§(:)gz], potatoes[pßtÈitouz]
3 How many ∼?
2 some と any
You have two books.
名詞の複数形の説明がある程度終わったら,some と any の説明に
↓(疑問文に)
移る。要点は some は肯定文に,any は否定文と疑問文に使われるこ
Do you have two books?
と,not ∼ any+ 複数名詞で「1つも∼ない」の意味になることであ
↓(個数をたずねる疑問文に)
るが,この段階で不定冠詞の a,an,数詞も含めて名詞の前にはふつ
How many books do you have?
う何かが付くことを強調したい。
(あなたは何冊本を持っていますか。)
− I have two(books).
3 How many ∼?
How many ∼?は前課までにでてきた「疑問詞+疑問文の形?」の発
* 「いくつ∼ですか」と相手に個数をたずねる
展形である。疑問詞の後には疑問文の形がくることを再度確認させ
疑問文は How many 複数名詞+疑問文(do you
ることが重要であるが,疑問詞 How(どれくらい)は後には「どれく
have)?の形で表す。
らい∼にあたる語(ここでは「本が多いのか」
)」がつくことを強調
* How(どれくらい)も,What や Who と同様に疑
して指導すること。また,Yes,/No, で答えるのではなく「個数で」
問詞である。
答えることも徹底したい。
* 答え方では複数名詞は繰り返しになるので言
わなくてもよい。
8A
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
We[You,They]are ∼ .
We[You,They]play ∼ .
We[You,They]play
板 書 例 ◆指導ページ P 30 ∼ 33 ◆
指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 3 We[You, They]are ∼ . の文
この課は代名詞の複数形を除いてほとんどが既習事項の確認を指導
(単数形) I am a student.(私は学生です。
)
内容の中心とすればよい課である。
(複数形) We are students.
(私たちは学生です。
)
単数形 複数形
I(私は)
we You(あなたは) you *単数も複数も同形
he(彼は)
(彼らは)
she(彼女は)
they (彼女らは)
it(それは)
(それらは) * 複数形の主語に対応するbe動詞はare である。
1 3 We[You, They]are ∼ . の文
)
You are nurses.(*あなた方は看護師です。
た数人」を表していること。
They are your friends.(彼らはあなたの友達です。
)
* he, she, it の複数形が一括してtheyであること,そしてthey
Taro and Jiro(= They) are brothers.
は he, she, it の複数形であるので(彼ら,彼女ら,それら)と
(太郎と次郎は兄弟です。
)
内容によっては意味が変わること。
}
* youは単複同形なので後に来る名詞が単数か複
この課ではじめて指示代名詞の複数形が登場する。しかし,内容
的には既習のS+V+C構文であり,単数形の you と be 動詞(are)
対応関係は変わらないので比較的学習者は理解しやすい。以下の点
を重点として指導すればよい。
* I の複数形である we は「私」が沢山いるのではなく「私を含め
た数人」の意味であること。you の複数形の you も「あなたを含め
* you は単数形も複数形も形が同じなので,後にくる名詞が単数
数かに注目する。
か複数かに注目して「私」
,
「私たち」のどちらかか考えればよい
* 短縮形
こと。
* Taro and Jiro などのように名前が and で並列で繋げられてい
We are = We’
re You are = You’
re
They are = They’
re
るときも複数扱いであり,be 動詞は are を使うこと。
We are brothers. = We’
re brothers.
You are nurses. = You’
re nurses.
こと。
They are your friends. = They’
re friends.
また,ここで現在形のbe動詞と主語との対応関係がほとんどそ
後の名詞に引きずられて Taro and Jiro is ∼ . とはならない
ろったので主語との対応関係を再度,復習をしても良い。
2 We[You, They]are ∼ . の否定文・疑問文
(肯定文)You are students.
2 We[You, They]are ∼ . の否定文・疑問文
(あなた方は学生です。)
ここも,内容的には既習のbe動詞の文の否定文,疑問文の復習で
(否定文)You are not(aren’t)students.
あるので,単に否定文は be 動詞の後に not を付けること,疑問文は
(あなた方は学生ではありません。)
be動詞を文頭に出し文尾に?を付けること確認させればよい。ただ
(疑問文)Are you students?
し,疑問文に対応する代名詞は直感的には分かりづらいので,実際
(あなた方は学生ですか。)
に例文を使い学習者に疑問文中で言う(あなた方)は答えの文では
− Yes(No), we are(aren’t).
* 否定文は be 動詞(are)の後に not を付ける。
(私たち),
(私たち)は(あなた方)に対応することを確認させ定着
させる必要がある。
* 疑問文はbe動詞(are)を文頭に出し,文尾 に?を付ける。
4 We[You,They]+一般動詞∼の文
ここも,内容的には既習の一般動詞の肯定文,否定文,疑問文の
4 We[You,They]+一般動詞∼の文
復習であるので,単に既習のS+V+Cの構文を再度確認させると
(肯定文)They play tennis.
ともに,
「一般動詞の前にdo not(don’t)を置いて否定文を作る」こ
(否定文)They do not(don’t)play tennis.
と,
「一般動詞の疑問文は Do you(we ,they)+動詞 ∼?の型」であ
(疑問文)Do they play tennis?
ること「Do you(we ,they)∼?の疑問文は文尾を上げ調子で発音す
− Yes(No), they do(don’t).
る」ことなどの復習を中心に指導を行えばよい。ただし,もし時間
* 一般動詞の文は一般動詞の前にdo not(don’
t)
的に余裕があればこの段階以降の学習を考慮に入れて,否定文のdo
を置いて否定文を作る。
not(don’
t)の後や疑問文で使われている一般動詞の形は現在形では
* 一般動詞の疑問文は Do we(you, they)+動
なく原型であることを付加して説明できればより理想的である。
詞 ∼?の型
* 答え方は Yes, ∼ do. / No, ∼ do not(don’t).
* Do you∼?の疑問文は文尾を上げ調子で発音
する。
8B
標準新演習 夏期テキスト 中1 英語
形容詞
・ 副詞
・ 冠詞
形容詞・
副詞・
板 書 例 ◆指導ページ P 34 ∼ 37 ◆
指導内容・指導のポイント・留意事項など
1 形容詞の働き
この課ではじめて形容詞,副詞の用法がでてくる。形容詞,副詞
①名詞を修飾
の用法は今後の学習においても頻出事項であるので指導には注意を
(形容詞) (名詞)
(形容詞)
要する。特に,副詞の用法は学習者にとっては理解しづらいので時
(名詞)
大きな 家)
This is a big house.(大きな
間をかけて指導する必要がある。
(名詞)
That
That woman is my mother.(あの
あの 女性)
1 形容詞の働き
(名詞)
形容詞の用法は日本語の文法指導の中でも多く出てくる事項であ
るので,名詞を修飾することは学習者にとって容易に理解できる事
②主語を説明
(主語)
This
項である。そこで,ここでは既習の指示代名詞 this,that の形容詞
(形容詞)
house
is
(主語)
(形容詞)
big
大きい
big. :(この家は大きい
大きい)
long pencil など)に焦点をあて指導するとよい。また,主格補語に
は名詞も来ることや,形容詞が単独で補語になる場合には冠詞が付
2 副詞の働き
かないこと,副詞の用法との関連で形容詞の前にveryをつけ形容詞
①動詞を修飾
(動詞)
用法,主格補語としての形容詞の用法,冠詞と形容詞の位置関係(a
を強めること,冠詞との関連で a dog → an old dog, an apple → a
(副詞)
(副詞)
(動詞)
You play the piano well
well.(上手に 弾く
弾く)
big apple のように割り込む形容詞の発音によって冠詞が変わるこ
とも指導しておきたい。
②形容詞を修飾
(副詞) (形容詞)
(副詞)
(形容詞)
This book is very interesting.(とても 面白い)
2 副詞の働き
副詞の用法は学習者にとってはなかなか理解しづらい事項であ
る。特に,動詞の状態を説明する用法は理解しづらいので日本語を
③他の副詞を修飾
(副詞) (副詞) (副詞) (副詞)
You work very hard.(大変 熱心に)
補って説明し,矢印などで修飾関係を明らかにするとよい。板書例
にあるように,very hard がさらに動詞の work を修飾するような場
合は,修飾関係が2重になるので順序立てて説明することが必要で
ある。また,副詞の位置を説明する際には頻度を示す副詞(always,
(頻度を表す副詞の位置)
usually, sometimesなど)の位置と併せて一般的な程度や状態を示
* be 動詞のあと
す副詞(well, slowlyなど)の位置も説明に加えるとよい。時間的に
余裕があれば,-ly で終わる語が副詞であることが多いことも付加
(be 動詞)
(副詞)
He is always busy. するとよい。
*一般動詞の前
3 冠詞
(副詞) (一般動詞)
I sometimes play the piano.
3 冠詞
I have a dictionary.
(私は(1冊の)辞書を持っています。)
I use the dictionary every day.
(私はその辞書を毎日使います。)
* a,an は単数の普通名詞の前に付き,
「1つ の」を意味を表す。
* 次にくる語が子音で始まるときにはaを付 け,母音で始まるときには an を付ける。
* the はすでに話題になった語の前に付き, 「その」を意味する。
* the は普通は[´ß]と発音し,次にくる語が母
音で始まるときには[´i],
特に強めるときには
[´iÆ]と発音する。
冠詞の指導は中学段階では,初めて話題にする語にはa,anを,す
でに話題になった語には the を付けるという指導で構わないが,実
際には日本語には冠詞というものがないので,訳して理解するのが
難しいという事実も手伝って非常に理解には困難を要する事項であ
る。
例えば,I go to school. は何故 I go to the school. とか I go
to a school. とは言わないのかという問題である。これは建物が
本来の目的を示しているので冠詞を付けないのであるが,
(go to school 学校に行く→勉強にいく,go to bed ベッドにいく→寝に行
くなど)
,上記の「初めて」
,
「前出」では説明できない。学習者から
同様の質問が出たときにはいちいち理由を説明するのもよいが,混
乱を避けるためには慣用句として押さえさせるのが無難かもしれな
い。
また,学習が進めば特に冠詞を付ける場合,省略するのが普通で
ある場合をまとめて説明するのも方法である。また,この課では冠
詞の発音指導にも力を入れたい。the の発音の違いだけではなく an
apple(アナプル),an orage(アノレンヂ)など,普通,語が連結され1語と
して発音されることも指導内容に加えるとよい。