ウ イ グ ノレ 訳 ア ビ ダ ノレ マ 論 書 論 師 ・ 論 書 名 百 問 題 の所 在 [uig.]語 濟 の 梵 康 に 見 え る 義 現 在 ま で に ア ビ ダ ル マ 論 書 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た uigur 資 料 の 所 在 と そ の 特 徴 に つ い て, 筆 者 は す で に 別 稿 〔「ウ ィ グノ レ訳 『阿 毘 達 磨 順 正 理 論 』 抄 本 」 『仏 教 学 研 究 』38(1982)p.1-27〕 ら のuig.訳 で 中 間 報 告 を 行 な っ た。 こ れ ア ビ ダ ル マ 論 書 は す べ て 中 国 語 本 か ら の 翻 訳 で あ る が, は Sanskrit[Skt.]か そ の訳 文 に ら の 借 用 語 が 数 多 く用 い ら れ て お り, そ れ は 各 種 術 語 な ど の 普 通 名 詞 の ほ か に, 仏 弟 子 ・論 師 ・経 典 ・論 書 な ど の 個 有 名 詞 に 及 ん で い る。 本 稿 は, 文の こ れ ら のSkt.個 有 名 詞 の う ち特 に 論 師(部 「有 余 師 説 」 な ど に 註 記 さ れ た もの 派 を含 む)1 そ の 多 くは 原 と論 書 に 関 す る 名 称 を 摘 出 し, もっ て 資 料 提 供 す る こ と を 目的 とす る。 筆 者 の 当 初 の 意 図 は, 下 記 のuig.語 に, そ のSkt.名 形 に 言 語 学 的 ・文 献 学 的 検 討 を 加 え た 後 の 信 愚 性 を 論 じ よ う と す る も の で あ っ た。 しか し な が ら 紙 数 制 限 の た め 詳 し い 論 証 は 望 め な い の で, 以 下 結 論 を 略 記 す る に 止 め る。(1)論 7, 9-34と 大 半 の 論 書 のSkt.名 vyutpattiな るSkt.名 ど のSkt.資 は, 倶 舎 論Sphutartha, 料 に 見 え る も の, Tattvasarpgraha, Maha- あ る い は そ の 中 国 名 か ら推 定 され て い と 合 致 し, 容 認 され る で あ ろ う。 た だ し論 師11, ら れ るSkt.とuig.間 師2- 12, 27, 34, 論 書8に 見 の 母 音 量 の 相 違 は, 仲 介 言 語 形 と し て トカ ラ 語 を 介 在 さ せ る こ と で 理 解 さ れ る。 例, Skt.vibhasa(or vaibhasya)∼Tokh.vaibhasa-Uig. vaibas(2)論 師1のAryadasaはTib.訳 名 Hphags pahi hbansか 原 〔松濤 泰 雄 「タ ッ トヴ ァー ル タ に お け る 衆 賢 説 」 『印 仏 研 』30-2(1982)P.866〕 致 し, そ の 漢 訳 名 は 「聖 奴 」 で あ る。(3)阿 のSkt.名 は, Dharmasriと で あ ろ う。(4)論 書11倶 らの復 と一 毘 曇 心 論 の 著 者 「法 勝 」(論 師8) 推 定 さ れ て い た が, Uig.の 舎 論 の(2)Kosavrttiの 示 す と お りDharmavijaya 由来 に つ い て は 充 分 な 説 明 が で き な い。 以 下, 実義疏 使 用 す るuig.語 資 料 は, 倶 舎 論 〔TA; 前 掲 拙 稿 ・資 料(4)a], 〔AK;前 掲 拙 稿 ・資 料(1)a-1〕, 入 阿 毘 達 磨 論 ・註 -374- 〔AAc; 倶舎論 前 掲 拙 稿 ・資 料(5) (113) ウ イ グ ル 訳 ア ビ ダ ル マ 論 書 に 見 え る論 師 ・論 書 の 梵 名(百 a-d〕, 順 正 理 論 uig.写 ・抄 本 〔AN; 前 掲 拙 稿 〕 で あ る。 各 項 本 に 引 用 の 中 国 語 名, A. 論 師 1.聖 [ry, 奴(安 Aryadasa; 2. 迦 多延 3. 迦 多 衛 尼 子 TA A 104a18, 語 形, 出 典 の1頂 で 示 す。 b6, た ち の 下 僕')。 uig.aryadasi 8, 134a3. hatyayani-Skt. (発 智 論 の 著 者)。uig. Katyayana; TA A 71a4. hatyanaputri∼Skt.Katyayanipntra; TA 71b3. 具 摩 擁 羅 地(sic!; maralata; Skt. tozunlar quli聖 (施 設 論 の 著 者)。Uig. 70b13, 4. 語 形, 原 典 所 載 あ る い は 当 該 資 料 に 見 え る 説 明 を 付 す。) 慧 の 対 論 者。Uig.訳: d'zy]∼Skt. A67b13, uig. (中 国 語 名 の 後 に, 目 は, 濟) AK 経・ 部 の 師)。uig.knmaralati, 22-2b11, 5. 徳 慧(安 6. 提 婆 設 摩(識 kumaralaarti(!)∼Skt. Ku- 39. 慧 の 師)。Uig.gunamati∼Skt. Gunamati; 身 足 論 の三 著 者)。Uig.divasarmi∼Skt. TA A 1a13, 110a15. Devasarmn; TA A 71a1. 7. 法 救(雑 TAA71b4, 心 論 の 著 者)。Uig.darmzatorati∼Skt. 8. 15, 法 勝(阿 Dharmatrata;AK 7-1a43, 72a4. 毘 曇 心 論 の 著 者)。Uig.darmavicayi∼Skt. Dhrmavijaya; TA A 94a9. 9. 富 楼那 10.大 11. 12.大 23-6a64; 15. 16. A 世 友(品 1a12, 71a2, 4. 阿 毘 達 磨 論 の 註 釈 者)。Uig.mitiragzpi∼Skt. b6, 7b13 vasubmdu∼Skt.Vasubandhu; Mitragu- AK 22-3a32, etc. 類 足 論 と 界 身 足 論 の 著 者)。Uig. vasmitri∼Skt.Vasumitra; AK 71a6. 舎 利 子(集 TA A 11. TAA70b14, Sariputra; 17. TA (倶 舎 論 の 著 者)。Uig. TA 71a7. 82a11. 慈 足 論 の 著 者。 異 説 と し て:施 設 論 の 著 者)。uig.mxamodgalaya- No.21v3, 世 親 A A 71a9. ミ ト ラ グ プ タ 〕(入 AAc TA TA 説 と し て 集 異 門 足 論 の 著 者)。Uig.mxakostili∼Skt.Maha- Mahamaudgalyayana; 13.〔 14. A 目 乾 連(法 ni∼Skt. 1a38; TA Purna; 部 の 論 師)。Uig.mxakasipi∼Skt.Mahakasyapa; 摩 詞 倶 編 羅(異 kausthila; pta; (異 説 と し て 界 身 足 論 の 著 者)。Uig.purni-Skt. 迦 葉(有 異 門 足 論 の著 者。 異 説 と して 法纏 足 論 の著 者)。uig.Saripuri∼Skt. A 室 利 羅 多(経 71a3, 8. 部 の 師)。Uig.Sirilati∼Skt.Srlata;AK -373- 22-2b48, -3a28; 7- ウ イ グ ル 訳 ア ビ ダ ル マ 論 書 に 見 え る論 師 ・論 書 の 梵 名(百 TA B 67b10; 18. 衆 賢 bhadra; 8-3b8; 塞 建 地 羅 v4, 6, 8 20. TA 60b12, 悉 地 羅 末 提 smggabadiri-Skt. 74al Samgha- etc. sikmdili∼Skt. (実 義 疏 の 著 者。Uig. stiramati, 対 法 諸 師。Uig. Skmdhila; AAc No. 訳: maγliγ bilga istiramati∼Skt. Sthiramati; abidarmiki-ltγ algu biliglig TA bmsilar A 安 定 した la5, Abhidharmika 6, etc. の諸 の 師 た 22-2b50, -3a15. 22. 阿 毘 達 磨 諸 大 論 師。Uig. ‘Abhidharmika abidarmiki-lir の 諸 の 大 な るsastrakara師 23. 迦 湿 弥 羅 国。Uig. 24. 迦 湿 弥 羅 国 毘 婆 沙 師。Uig. 国 の Vaibhasika 25. 26. AK kasmir illig B uluγsastirakari baxstlar B Kasmira国 mg bmsilar 47b2. の 師 た ち'AK vaibasiki-ltγbmstlar 8-3a20. ‘Kasmira 37a5. masmggiki 8-2b32, algu た ち'TA kasmir の 師 た ち'TA 大 衆 部。Uig. 師 た ち A 68a5, (入 阿 毘 達 磨 論 の 著 者)。Uig. 智 慧 あ る 者')。Uig., ち'AK A smggabadri, etc. 安 慧, 21. (114) Bv9. (順 正 理 論 の 著 者)。Uig. AK 19. 21 AN 濟) nikay-liγ bmsolar Mahasamgika Nikayaの 23-6b64. 積 子 部。Uig. vatsiputro ni'kay-liγlar Vatsiputra Nikaya の 者 た ち'9 TA 87a6. 27. 毘 奈 耶 毘 婆 沙 師。Uig. 師 た ち'AK 28. 師 た ち'AK vibacivadi 毘 婆 沙 師。Uig. 13-6a14, 14-4a25一; 師 た ち'AK TA A 32.〔 33. A 83a10, 72all Vibhajyavadin bmsilar Vaibhasika Nikaya の 師 た ち'AK の 8-3b7, etc. smtanasabagik-liγbmstlar 数:論 〕。Uig. sam-astivad 84b11, smki 102a15 Sarptana-sabhagika の ni'kay Sarvastivada Nikaya'AK 30-7a etc. ni,kay 素 迦 阿 波 囎 底(=撲 の 師 た ち'AK 34. bmstlar 7-1b10. 説 一 切 有 部。Uig. TA ni'kay-ltr vaibasiki-li7 唯 執 同 類 相 続 者。Uig. 18; の 7-1b56. 29. 31. Vinaya-vibhasika 14-3b34. 分 別 説 部。Uig. 30. vinaya-vaibasiki-lirbmstlar Sarpkhya 無 楽 者)。Uig. Nikaya, suka'apavadi-lt7 TA A 74a11. baxcstlar Sukhapavadin 経 部。Uig. 22-2b1, -3b27. suturmtiki ni'kay-ltγ1ar -372- Sautrantika Nikayaの 者 た ち'AK (115) ウ イ グ ル 訳 ア ビ ダ ル マ 論 書 に 見 え る論 師 ・論 書 の 梵 名(百 14-4a53; TA B. A 論 書(大 1. 70a16, 131a10 etc. 正 大 蔵 経 番 号 を 付 す) 集 異 門 足 論(T.No.1536)。Uig. pad) sastr-Skt. 2.法 3. smggitapi7yayipad(or Samgitiparyayapada 萢 足 論(T.No.1537)。 ndhapada sastra; AK 8-3a5; AK 4. darmasikmdapad TA A 71a1, Uig. 8-3a2;TA A 71a3, sastra;TA 5. A TA 6. A 7. sastr∼Skt. Uig. datukayapad Vijnanakaya- sastr∼Skt. AK prakaranapad(or 8-3a31; TA Dhatukayapada sastra; TA A 70b14, para-)sastr∼Sktk 130b12, inymaparastm A 10b2, 53a7, 毘 婆 沙 論(T.No.1545)。Uig. 6b25; Prajnaptiada 70b15. 発 智 論(T.No.1544)。Uig. 8. sastr∼Skt. 71x5. sastra; naprasthana 82b4. vidymakayapad 品 類 足 論(T.No.1542)。Uig. karanapada Dharmaska- (84b4-pad欠)。 界 身 足 論(T.No.1540)。 sastra; sastr∼Skt. pradniyaptipad 識 身 足 論(T.No.1539)。Uig. pada smgitapiryayi- sastra ; TA A 71a8, 82b4. Uig. 施 設 足 論(T.No.1538)。 sastra; (or 70b13 vaibas 131a7 Pra- etc. iyma-)sastr∼Skt. Jna- etc. sastr∼Skt.7ibhasa sastra; AK 13- TAB83b12. 9. rday b11, 濟) 阿 毘 曇 心 論(T.No, atlγ sastr 1550)。Uig. darmavicayi-ning Dharmavijayaのsastra, sastir-i Abhidharmahrdayaと abidarm-mい う 名 のsastra' TAA94a9. 10. 雑 阿 毘 曇 心 論(T.No.1552).(1)Uig. raka-hrdaya sastra; TA A 3a2. (U. Wogihara, (1932-36) p. 251: Misraka, abidarm-mrday い う 名 のsastra'TA 11. misiraka-mrday atlγ sastir A o) (2) Uig. Dharmatrata Sphutartha sastr∼Skt-Mis- Abhidharmakosavyakhya darmatirati baxsining 師 の 造 った Abhidharmahrdaya 順 正 理 論(T.No.1562)。Uig. 前 掲 拙 稿p.20を と 94a11. 倶 舎 論(T.No.1558)。(1)Uig. abidarmkos sastr∼Skt..Abhidharmako- sa sastra; TA A 0, 1x15, 3x14, 52a9 etc. (2) Uig. kos'avarti sastr savrtti sastra; AK 30-7a19; TA A la3 etc. 12. yaratmis ny(a)yanusari sastr∼Skt.Nyanusarin Skt. Kosastra; 修 正。 (龍 谷 大 学 講 師) -371-
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