機能紹介 笊 加工領域が広がる ファイバーレーザー加工 藤原隆之* ㈱アマダ CO2 レーザーが板金加工用切断機として出現し 素材吸収率が極めて良く加えて高密度の集光性能 て以来、すでに 30 年以上が経過した。その間、 により超高効率の加工を提供することができる。 発振器出力の拡大、マシンの高速化にあいまって その 1 つとして、薄板加工がある。これにより、 加工技術は進化し続け、レーザー加工に対する要 CO2 では不得意とされていた銅合金、アルミ合金 望と可能性はますます拡大傾向にある。加えて近 の加工にその有効性が認められているのは周知の 年では変種変量生産対応とともに、エコロジーに 通りである。 対する取り組みは常識化し、生産性と多様性には 盪エコ 必須要件となっている。 そのような中、すでにレーザー加工といえばい システム全体で CO2 レーザーの 1/3 程度の電 力で稼働させることが可能、加えて発振器自体の まやファイバーレーザーがその代名詞として CO2 発熱も少ないことから、付帯設備(冷却装置など) レーザーに取って代わり、さらに留まるところな 能力も同様に 1/3 程度に抑えることができる。こ く新たなるファイバーとしての進化を歩もうとし れらの点からも、ランニングコストの低減に寄与 ている。 することは言うまでもない。 本稿では、現有ファイバー加工技術に加え、進 化し続けるファイバーとして期待される効果をマ シンの進化とともに紹介する。 ファイバーレーザーの強み ファイバーレーザーの注目ポイントは、 ①超高効率加工 蘯メンテナンスが容易 CO2 レーザー加工機を運用、維持する上で、メ ンテナンス費用とその時間が多く費やされること がネガティブな特徴であったが、ファイバーレー ザーではこれらがほとんど必要ないことがその特 徴といえる。 これは、ファイバーレーザーの基本プロセスが ②エコ CO2 に比べて極めてシンプルであることに依存し ③メンテナンスの容易化 ている。 の 3 項目である。それぞれの特性について述べる。 盧超高効率加工 ファイバーレーザーは 1. 08μm の波長により、 上記の期待を背負って、当社は板金機械メーカ ーによる板金加工に特化したファイバーレーザー 発振器を自社開発し、最速生産性を誇るリニア駆 動マシン「FOL−3015 AJ」として 2010 年以降、 * (ふじわら たかゆき):ブランク開発部門 〒418−0112 静岡県富士宮市北山 7020 TEL : 0544−54−2851 FAX : 0544−54−2859 生産現場でさまざまな製品を生み出している(写 真 1) 。 高速生産性の効果は、米国市場での例をみると、 ときにプレス加工に置き換わる位置付けでもある。 ファイバーレーザー加工は板金加工あるいはプ レス加工までをも包含し、革命を引き起こし続け る光といっても過言ではない。 上記までを見ると、レーザーにおいては優等生 写真 1 FOL−3015 AJ 54 のように思われがちなファイバーレーザーではあ プ レ ス 技 術
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