卒業研究成果パネル 平成26年2月 トマトUターン整枝栽培のさらなる技術向上を目指して 研究科 512501 下澤田陽祐 【選定理由】 私は昨年の卒業研究でも U ターン整枝栽培について研究を行った。その中で、U ターン整枝栽培は省力化に ついては利点を持っているものの、収量が確保しづらいという課題点が浮き彫りとなった。 そこで、今年は遮光や適応品種の見極めによって、収量を確保できないか研究することにした。 また、作業性の改善についても、誘引の方向を変えることにより検証することにした。 【Uターン整枝栽培について】 トマトの慣行のつる下げ栽培では、特につる下げ、誘引、わき芽かきの管理作業に多くの労力を要する。U タ ーン整枝は主枝を直立させたまま栽培することにより、それらの管理作業にかかる労力を軽減しようと考案さ れた栽培法。しかし、栽培後半に U ターンさせた茎葉が繁茂するという特性があり、その回避のため栽植本数 が少なくなってしまう。 【実施計画】 畝幅180cm 株間60cm 2条植え 条間70cm 1,850株/10a 隔離床・点滴灌水施肥(慣行より1.5倍量の多かん水)による栽培。 【結果概要】 商 品 果 構 成 (遮光・誘引・品種) 主茎長 (cm) 収穫花房段数 (段) 花房間長 (cm) 総収量 (kg/10a) 行 無・通路・サニー 341 11.8 30 9,690 7,618 43,290 176 改善1 有・通路・サニー 304 10.6 29 7,505 6,432 34,780 185 改善2 無・畝・サニー 331 10.8 31 10,112 8,188 46,250 177 改善3 有・畝・サニー 348 11.6 30 8,474 6,883 38,110 181 改善4 有・畝・ギフト 338 12.0 29 7,549 5,736 34,040 169 区名 慣 収量 個数 1果重 (kg/10a) (個/10a) (g/個) 生育は、各区とも大きな違いは見られなかった。 収量では、誘引方向に関わらず遮光無し区が優った。 収穫作業では、作業性に大きな違いはなかったが、わき芽かき作業においては通路方向誘引が優った。 品種については、収穫果数、1果重ともに上回った結果、桃太郎サニーの収量が優った。 【考察とまとめ】 遮光無し区のほうが多収だったのは、今年度の日照不足等の条件からだと考えられる。供試した2品種間の比 較では、桃太郎サニーが収量・品質において優った。U ターン整枝栽培では、慣行のつる下げ栽培より栽植本数 が少ないため、1 果重を確保していくことが収量アップの第一のポイントと考えられる。
© Copyright 2024 ExpyDoc