ジョン・L・ホランド

特集●ホランドの職業選択理論
ジョン・L・ホランド
(John L . Holland, 1919-2008)
Photo:Bill Rettberg
理論はとても身近な存在です。職業レ
関わりをもつ人々にとって、ホランド
ラーをはじめ、進路指導や職業指導に
若者の職業支援に携わるカウンセ
考えたのです。
パーソナリティ形成史を示しやすいと
人 々 は、 共 通 し た パ ー ソ ナ リ テ ィ と
の 表 現 で あ り、 あ る 職 業 環 境 に い る
学的批判にも耐えうるものを構築しよ
さらに研究を続けました。そして、科
の 役 に 立 つ 理 論 ﹂ の 完 成 を 目 指 し て、
からの目標でもあった﹁実践する人々
うというホランドの研究目標は、やが
面 接 官 の 職 に 就 い て い た ホ ラ ン ド は、
この仮説に至る背景には、ホランド
﹁ 一 人 ひ と り の 職 業 経 歴 に は、 多 く の
実践ツールとしての﹁最も使いやす
ディネス・テストや職業興味検査で使
人のパーソナリティ・タイプがわか
規則性がある﹂と考えました。そして
い検査開発﹂と﹁実践する人々の役に
自身の職業経歴がありました。第二次
れば、おのずからその人の興味を活か
﹁その規則性は数個のタイプに分類で
立つ理論構築﹂に一生を捧げたホラン
われている六つの職業領域もホランド
せそうな職業領域や職業例の情報を得
きるであろう﹂という仮説に至るので
ド は、
﹁ホランド理論﹂とともにその
世界大戦当時、軍隊の入隊時における
ることができるという、現在では広く
す。﹁RIASEC﹂
のパーソナリティ・
名を今日に残しています。そこから垣
理論に基づいています。
知られる理論︵RIASEC キャリ
ア・ディベロップメント・モデル︶を
タイプ︵6類型︶の誕生です。
て﹁ 職 業 選 択 の 理 論 ﹂︵ Making Vo︶として結実しま
cational Choices
す。
確立したアメリカのカウンセリング心
にその名を知らしめることになる﹁ホ
ンド州の復員兵病院で職業カウンセ
この仮説への確信は、後にメリーラ
を併せ持ったホランドだからこそ生み
ナリティであり、最も相反するタイプ
術 的 ︶・E︵ 企 業 的 ︶ タ イ プ の パ ー ソ
間 見 え る の は、I︵ 研 究 的 ︶・A︵ 芸
ランド理論﹂の確立に至る背景を探っ
ラーとして仕事をする中で、さらに強
出すことができた﹁理論と検査﹂と言
理学者、ジョン・L・ホランド。世界
てみましょう。
固なものとなっていきました。
3年 ほ ど 勤 め て い た ホ ラ ン ド は、
﹁職
教えながら、職業カウンセラーとして
ウエスタンリザーブ大学で心理学を
味検査﹂の初版を公表します。
年か
ン ド は、1953年、﹁VPI職 業 興
検査を開発したい﹂と考えていたホラ
実践家の役に立つ﹁最も使いやすい
発 さ れ た﹁ 職 業 レ デ ィ ネ ス・ テ ス ト
なお、ホランド理論を基に日本で開
えるのかもしれません。
業興味とパーソナリティが非常に関連
ら 年にはNMS社の調査研究部でリ
︵VRT︶﹂や﹁キャリア・インサイト﹂
まざまな職業選択理論の中でも、職業
ACT社︵アメリカのテスト開発の公
サ ー チ ャ ー を、
るようになりました。職業理解があま
深い﹂ことに気づきます。そして、さ
は、近年、大学・短大等で広く使われ
選択および職業発達の主要な影響要因
り進んでいない若者には、職業名では
VRTが活用しやすいでしょう。
益企業︶でテスト開発の研究者を務め、
年に職業選択と適
として、特にパーソナリティ・タイプ
鞭をとりながら、
なく仕事の内容を表す項目を使った
年から
年までは
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その後ジョンズ・ホプキンス大学で教
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応に関する理論を初めて発表したとき
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に着目しました。
人と環境の相互作用を強調するホラ
ンドは、職業の選択がパーソナリティ
職業研究 2013 秋季号
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