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Center for Bioscience Research & Education
国立大学法人宇都宮大学
バイオサイエンス教育研究センター プレスリリース
2015年3月25日
矢ヶ崎一三 バイオサイエンス教育研究センター 特任教授が
平成27年度日本農学賞・読売農学賞を受賞
当センターの⽮矢ヶ崎⼀一三宇都宮⼤大学特任教授が「農林林⽔水産物とその成分の保健作⽤用に関する研
究」で平成27年年度度⽇日本農学賞(⽇日本農学会)を受賞しました。また、併せて第52回読売農学賞(読
売新聞社)を受賞しました。⽮矢ヶ崎⼀一三特任教授(東京農⼯工⼤大学名誉教授)は平成26年年9⽉月より⽂文
部科学省省の地域イノベーション戦略略⽀支援プログラム事業「とちぎフードイノベーション戦略略推進地
域」の招へい研究者として当センターに赴任し、「いちごの輸出促進を⽬目指した機能性成分の探索索・
評価」などについての研究を⾏行行っています。 『⽇日本農学会』は、農学に関する専⾨門学協会の連合協⼒力力により、農学およびその技術の進歩発達
に貢献し、総合統⼀一された農学の発展を⽬目指す連合体として昭和4年年(1929)に設⽴立立され、現在、
50余りの学協会が所属しています。昭和5年年(1930)から⽇日本農学賞が授与されており、⽇日本の農
学関係の賞としては最も伝統と権威のある賞です。 平成27年年4⽉月5⽇日(⽇日)に東京⼤大学⼭山上会館(本郷キャンパス内)において、授賞式および受賞
者講演会が開催されます。 (参考ウェブサイト:⽇日本農学会[ http://www.ajass.jp/ceremony.html]) !
【研究概要】 題⽬目:農林林⽔水産物とその成分の保健作⽤用に関する研究 本研究は、⾷食品栄養⽣生理理化学的観点から農林林⽔水産物の保健作⽤用について⼤大きく3つのテーマを扱っています。それ
は(1)他の疾患に付随して発症する内因性脂質異異常症の軽減作⽤用とその機構に関する研究、(2)⽇日本⼈人の死因の
第⼀一位であるがんの増殖、浸潤、転移抑制作⽤用とその機構に関する研究、(3)世界的に増加している2型糖尿尿病の
予防・軽減作⽤用とその機構に関する研究です。これら脂質異異常症、がん、2型糖尿尿病はいずれも⽣生活習慣病として知
られ、今後も超⾼高齢社会における国⺠民医療療費の増加要因と考えられています。 (1)の内因性脂質異異常症については、肝癌を移植したラットが動脈硬化を起こしやすい異異常な「⾎血清リポタンパク
質像」を⽰示すことを発⾒見見し、このラットをモデルとして、農林林⽔水産物の作⽤用と機構を検討しました。その結果、アミ
ノ酸、キャベツ、緑茶茶、コーヒー、発芽⽞玄⽶米、リンゴポリフェノール、レスベラトロール(ブドウ成分)、リグナ
ン、⿂魚油などがこの異異常を改善することを⾒見見出し、作⽤用機構を明らかにしました。また、⽷糸球体腎炎はタンパク尿尿
症、低アルブミン⾎血症、⾎血清脂質異異常症を起こしますが、その増悪を防ぐためには⾷食事タンパク質摂取制限の必要が
あります。そこでメチオニンなどのアミノ酸を低タンパク質⾷食へ補うことで⾷食事アミノ酸バランスを整え、腎炎時の
諸症状を改善できることをラットで⾒見見出しました。 (2)では、がんの増殖、浸潤、転移に対する農林林⽔水産物の作⽤用をラット肝癌の培養細胞を⽤用いて検討しました。
その結果、緑茶茶、紅茶茶、カテキン、⼤大⾖豆イソフラボン、レスベラトロール、⽊木質由来のリグナン、ビタミンC・E、リ
ンゴポリフェノールなどががん細胞の増殖ないし浸潤を抑制することを明らかにしました。 (3)2型糖尿尿病について、ラット筋細胞を⽤用いて、ブドウ糖の取り込み能検定系を構築し、農林林⽔水産物の作⽤用を
スクリーニングし、さらに2型糖尿尿病モデルマウスでも作⽤用を調べました。その結果、レスベラトロール、アスパラ
チン(ルイボス茶茶成分)、ピセアタンノール(ベリー類成分)などが糖代謝を改善し、これらの成分が筋収縮時にみ
られる「AMPK経路路」を活性化させることで、2型糖尿尿病でみられるインスリン抵抗性の克服と⾎血糖値正常化に寄与
することを⽰示唆しました。 !
[本件に関する問い合わせ先]
宇都宮大学・バイオサイエンス教育研究センター Tel: 028-649-5527 Fax: 028-649-8651
広報担当 杉山 和香奈(すぎやま わかな) E-mail: [email protected]