浅香山病院リハビリテーション室リハビリ通信～第 11 号～福祉用具第４弾「知っていますか？手すりの色々」平成 27 年 3 月発行前号に引き続き、転倒予防についての特集です。今回は転倒しない環境作りをテーマに、今や身近となっている「手すり」についての特集です。手すりはどんな役割をするの？ ●伝うことで歩行の安定を図る ●トイレや風呂場など、立ち座り動作がしやすくなる ●暗い所でも、誘導の助けになる ●階段などの転落事故を防ぐ ●身体のバランスを助けてくれるどんな種類があるの？用途や場所によって、大きく２つに分けられます。歩行補助手すり階段・廊下やスロープで使われる横長の手すりで、廊下・階段用手すりとも呼ばれています。動作補助手すり浴室・トイレ・玄関など多くの場所に利用されＩ型手すり・Ｌ型手すりが代表的です。使いやすいよう、形や太さにも工夫がされています。円形手すり手を滑らせながら、軽く握る際に適します楕円手すり平坦手すりしっかりと握り、身体のバランスを保つ際に適します手や肘で押し付けて使う際に適します歩く時のように、滑らせながら軽く握る・・・やや太め例）直径 40 ㎜立ち座りのように、しっかりと握り体重を支える・・・細め例）直径 34 ㎜手すりを用いた環境作りの工夫転倒しやすい場所として、住宅内の段差（玄関など）廊下トイレ風呂場などが挙げられます。具体例を見ていきましょう。廊下（伝って歩く）玄関（上がり框）他にも… ●腕を真っ直ぐ下ろした状態での手首の位置 ●大腿骨大転子の位置手すりの長さ： 60 ㎝以上段差の昇り降りや、靴の着脱の際に、有効です。を目安にする事もあります。当院の一般科(メディカルタワー)・精神科 (Ｂ館)の廊下は、上縁 80cm の高さです。段差より、 10-20cm 前方へ床から 75-80cm 程度玄関廊下風呂場トイレ縦手すりの長さ： 60-80 ㎝程度縦手すりの長さ： 80 ㎝程度浴槽縁から横手すりまで：10-15 ㎝座面から横手すりまで：23-30 ㎝浴槽便座の先端から縦手すりまで：20-30 ㎝洗い場縦手すりは体の向きを変える際や立ち座りに、横手すりは安定した腰かけ姿勢を保つのに有効です。足元が滑りやすく、浴槽をまたぐ際には特に気をつけなければなりません。縦手すりは浴槽の出入りに、横手すりは浴槽内での立ち座りや姿勢を保つのに有効です。 ※ご紹介した方法や手すりの高さはあくまでも一例です。利用される方の身長・身体機能などにより、使いやすさは異なります。利用者の動作確認を行い、使いやすい位置・高さ・長さを確認した上で、取り付けましょう。公益財団法人浅香山病院リハビリテーション室