リハビリ通信(12号)

平成 27 年 7 月 第 12 号
公益財団法人
浅香山病院
リハビリテーション室
リハビリ通信
肩こりを学ぶ
『国民生活基礎調査(平成 22 年)』による自覚症状の上位ランキングは、男性が「①腰痛、②肩こり、③
肩こりとは・・・??
鼻がつまる、鼻汁」、女性は「①肩こり、②腰痛、③手足の関節の痛み」となっています。私たちの日常
は肩こりとの戦いとなっています。
肩こりとは症候名のひとつで、正式な病名ではありません。
眼精疲労
姿勢
冷え
ストレス
運動不足
肩こりの原因は数十種類もあって、人によってさまざまで
す。そのなかで多くみられるのが、「姿勢によるもの、眼精
疲労、ストレス、運動不足、冷えなどの温度によるもの」な
どです。
人間は二足歩行をするため、もともと首や腰に負担がかか
りやすい体をしています。首から肩にかけての筋肉が姿勢
を保つために緊張し、血行が悪くなり重く感じるのが肩こり
と言われています。特に加齢とともに筋力は低下するため
注意が必要です。
○肩こりを引き起こす筋肉
私たちの体は骨格により姿勢を形作られています。
その中で筋肉は姿勢を保ちながら各関節の動きを調
整しています。
人間の肩や首周辺には、「僧帽筋(そうぼうきん)」「三
角筋(さんかくきん)」「肩甲拳筋(けんこうきょきん)」
「棘上筋(きょくじょうきん)」「棘下筋(きょくかきん)」な
ど、大小さまざまな筋肉があります。これら筋肉は無
理な姿勢などによりすぐに大きな負担がかかり疲労し
やすくなっています。
その結果、筋肉に疲労がたまって肩こりが起こりやす
くなるといわれています。
公益財団法人 浅香山病院 リハビリテーション室
首や肩の筋肉をしなやかに保つことが肩こりの予防・治療になります。息を止めず、
肩こり改善体操
ゆっくりと各 10 回ほど行います。首筋や肩の筋肉が伸びていることを意識します。
1.首を前後に動かす運動
頭をゆっくり前に倒していきます。
次に軽く後ろに倒していきます。
(無理に曲げず天井が見えるくらいまで)。
最後に真ん中に戻していきます。
2.首を左右に動かす運動
頭をゆっくり左に倒していきます。
次にゆっくりと真ん中に戻します。
続けて右へも倒していきます。
最後に真ん中に戻していきます。
3.肩を上下に動かす運動
肩を持ち上げて首をすくめます。
3 秒間保って、力を抜きます。
4.肩甲骨を動かす運動
頭に両手を乗せます。
ひじを開きながら肩甲骨を真ん中に寄せ
ていくようなイメージでゆっくり胸を張って
いきます。
3 秒間保って、力を抜きます。
5.手を伸ばす運動
胸の前で掌が前を向くように手を組みま
す。
その状態で手を前に押し出します。
3 秒保って、力を抜きます。
肩こりには他の病気が潜んでいることもあります(例えば心筋梗塞・動脈硬化・変形性頚椎症など)。
無理のない範囲で運動をし、異変を感じればすぐに医療機関を受診してください。
公益財団法人 浅香山病院 リハビリテーション室