1級損害保険登録鑑定人 機 械 試験問題 用紙 (2015年1月) 注 意 事 項 1.試験責任者の指示があるまで開かないで下さい。 2.解答用紙は試験問題用紙の最初の頁に入っています。試験開始の合図があったら解答 用紙があることを確認して下さい。解答用紙がない場合は直ちに申し出て下さい。 3.解答用紙には受験地、受験番号、氏名を必ず記入して下さい。また、受験番号は正確 に記入して下さい。間違った受験番号を記入すると採点できないことがあります。 4.解答はすべて解答用紙に記入し、解答用紙のみ提出して下さい(問題用紙は持ち帰っ て結構です) 。 5.解答は楷書で記入して下さい。 6.試験時間は正味50分です。 7.試験問題の内容に関する質問は、いっさい受け付けません。 8.試験時間中の私語は禁止します。 9.資料等の使用は認められませんので、筆記用具、電卓以外はすべてしまって下さい。 10.試験時間中は、携帯電話等の使用はいっさい認められません。あらかじめ電源を切っ て下さい。 11. 「受験票」および「写真が貼付されている公的本人確認書類」は机の上の見やすいとこ ろに置いて下さい。 12.問題用紙、解答用紙の印刷に乱丁・落丁があれば申し出て下さい。 一般社団法人 日本損害保険協会 1・機 【問題1】 次の1~6の記述は、機械材料とその加工性について述べたものです。その内容が正し いものには○を、誤っているものには×を、それぞれ解答用紙に記入して下さい。 1.下図において、合金Qの温度tにおける固相の組成は、合金Rの常温における組成に 等しい。 2.炭素工具鋼鋼材は、引張試験の際に降伏点がはっきり現れる。 3.質量効果の大きな鋼は、焼入れで生じるひずみや割れが少ない。 4.ダクタイル鋳鉄は、鋳放しのままでも構造用炭素鋼に劣らない強さをもち、炭素鋼鋳 鋼品よりも強い。 5.ホワイトメタルは、建築金物などに幅広く使用されている。 6.あらかじめ形状を記憶させた形状記憶合金は、常温でほかの形状に変形させても、適 当な温度以下に冷却すると、記憶させておいた形状に戻る。 - 1 - 1・機 【問題2】 次の1~4の記述は、鋳造について述べたものです。空欄にあてはまる最も適切なもの を下の選択肢から選び、その記号を解答用紙に記入して下さい。 1.砂型鋳造法において、鋳物の凝固・冷却による収縮にともなって不足する空洞部の湯 を補うために鋳型に設ける補助部分を( 1 )という。 《選択肢》 ア.湯口 イ.湯道 ウ.揚がり 2.鋳物砂に望まれる性質には、成形性などのほかに( 2 エ.押湯 )がある。 《選択肢》 ア.弾性 イ.熱硬化性 3.鋳鉄の溶解に使われる( 3 ウ.可融性 エ.復用性 )は、地金が燃焼熱(燃料・燃焼ガス)に直接接触す るために熱効率が高い。 《選択肢》 ア.アーク炉 4. ( イ.キュポラ ウ.誘導電気炉 エ.るつぼ炉 4 )法は、密閉された溶解ポット内の湯の表面に空気で圧力を加え、管を通して 湯を押し上げて、上部に取り付けた金型に鋳込んで鋳物をつくる鋳造法である。 《選択肢》 ア.金型鋳造 イ.ダイカスト ウ.低圧(低加圧)鋳造 - 2 - エ.溶湯鍛造 1・機 【問題3】 次の1~6の記述は、溶接について述べたものです。その内容が正しいものを3つ選び、 その番号を解答用紙に記入して下さい。 1.ガス溶接では、母材と同じ材質の溶接棒を用いなければならない。 2.ガス溶接では、アセチレンと酸素の混合ガスが、一般に広く用いられている。 3.直流アーク溶接では、電源のプラス側に溶接棒を、マイナス側に母材をつなぐのが一 般的である。 4.自動アーク溶接では、つねに良好なアークの発生状態になるように、溶接棒の送給が 自動的に行われる。しかし、溶接トーチの移動は手で行わなければならない。 5.電縫管の溶接には、バットシーム溶接が使われる。 6.下図は、すみ肉溶接を施したT継手の溶接変形を示したものである。 - 3 - 1・機 【問題4】 次の1~6の記述は、塑性加工について述べたものです。その内容が正しいものを3つ 選び、その番号を解答用紙に記入して下さい。 1.鋳塊は、鍛造を行うことによって粗大結晶組織が破壊されるので、機械的性質は改善 される。 2.冷間鍛造品は寸法精度が高く、硬く強いなどの特徴がある。 3.下図は、鍛造プレスである。 4.板材を曲げ加工したときのスプリングバックの量は、弾性限度が高い材料ほど大き い。 5.油圧プレスは、プレス加工の行程中、常に一定の力を板材に作用させることができ る。 6.下図は、後方(間接)押出しを示すものである。 - 4 - 1・機 【問題5】 次の1~5の記述は、切削加工などについて述べたものです。その内容が正しいものに は○を、誤っているものには×を、それぞれ解答用紙に記入して下さい。 1.下図は、マシニングセンタの一例である。 2.ドリルの切れ味が悪くなったときには、ドレッシングを行うとよい。 3.液体ジェット加工を施した工作物の表面は滑らかななし地状になり、ピーニング効果 も生まれる。 4.フェロース式歯車形削り盤では、ピニオンカッタを用いて、歯車素材に歯形を創成す る。 5.超精密旋盤のように、高速回転で高い精度が要求される工作機械の主軸には、ピボッ ト軸受を用いる。 - 5 - 1・機 【問題6】 次の1~5の記述は、機械工作について述べたものです。アとイのうち、正しいものを 選び、その記号を解答用紙に記入して下さい。 1.金属材料の再結晶温度について ア.同一金属材料を放電加工した場合、加工度の小さいほうが再結晶温度は低くな る。 イ.鉛やすずは、常温で加工しても熱間加工となる。 2.金属材料の機能と用途について ア.超塑性合金は、振動減衰能が高いので、吸振・吸音材料、複合材料などに使わ れている。 イ.アルミニウム合金鋳物は、切削加工中のモータや加工にともなう振動を吸収す るので、工作機械のベッドなどに使用されている。 3.表面処理について ア.PVD法は、強い密着性が要求される工具や金型への窒化物などの皮膜をつく るのに利用される。 イ.イオンプレーティング(イオンめっき)は、高精度が要求される工具や金型へ の窒化物などの皮膜をつくるのに利用される。 4.計測器について ア.測長機は、精密加工されたねじの移動量を基準とする長さの測定器である。 イ.てんびんなどのはかりが、安全に正確にはかることができる最大の質量をひょ う量という。 5.機械加工と生産の自動化ついて ア.トランスファマシンは、いろいろな切削機能を持ったパワーユニットを複数配 置し、さらに工作物の移送装置なども組み合わせたもので、異なった多くの工 程に対応することができる。 イ.旋盤などの工作機械に、工作物を手早く正確に取り付けることができる機能を 持つ補助工具をジグという。 - 6 - 1・機 【問題7】 次の1~4の記述は、機械要素と設計について述べたものです。空欄にあてはまる最も 適切なものを下の選択肢から選び、その記号を解答用紙に記入して下さい。 1.アンギュラ玉軸受における玉と内輪・外輪との接触点を結ぶ直線と、ラジアル方向の 中心線のなす角度を( 1 )という。 《選択肢》 ア.摩擦角 イ.ラジアル角 ウ.接触角 エ.軸受角 2.ラック工具による標準歯車の歯切りでは、歯数が少ないと歯の( 2 )が起こるた めに歯が弱くなり、かみあい率も小さくなる。 《選択肢》 ア.干渉 3. ( イ.切下げ ウ.摩耗 エ.転位 3 )は木綿や麻などでつくられたパッキンである。この密封装置は、パッキンを パッキン押えで軸方向に圧縮し、直径方向に広げて軸に密着させる。摩擦抵抗が大き く、漏れ量も多いが、低速回転部分や往復回転部分に用いられている。 《選択肢》 ア.グランドパッキン イ.Vパッキン ウ.Uパッキン エ.フェルトング 4.チェーン伝動でチェーンを結合する際、リンクの総数が奇数のローラチェーンの場合、 ( 4 )リンクを使用する。 《選択肢》 ア.案内 イ.オフセット ウ.割ピン形継手 - 7 - エ.クリップ形継手 1・機 【問題8】 次の1~4の記述は、機械要素と設計について述べたものです。空欄にあてはまる最も 適切なものを下の選択肢から選び、その記号を解答用紙に記入して下さい。 1.静荷重を受ける圧縮コイルばねにおいて、使用上の最大応力は、許容ねじり応力の ( 1 )%以下にするのがよい。 《選択肢》 ア.80 2. ( イ.85 ウ.90 エ.95 2 )ピンは鋼製または黄銅製で、ナットのゆるみ止め、輪などの抜け止めに用い られる。 《選択肢》 ア.割り イ.テーパ ウ.平行 エ.せん断 3.板カムは、原動節の回転が速くなると、従動節が浮き上がり、運動が不確実になるの で、これを防ぐ目的で従動節をばねで押しつけたり、カムに溝を付けた( 3 )カ ムを用いる。 《選択肢》 ア.直動 イ.確動 ウ.斜板 エ.逆 4.ブレーキドラムの周囲に、鋼帯に摩擦片などを裏ばりしたものを巻きかけて制動する ( 4 )ブレーキは、小さな力で大きなブレーキ力が得られる。 《選択肢》 ア.ディスク イ.ブロック - 8 - ウ.複ブロック エ.バンド 1・機 【問題9】 次の1~5の記述は、機械設計について述べたものです。その内容が正しいものには○ を、誤っているものには×を、それぞれ解答用紙に記入して下さい。 1.動摩擦力は、最大静摩擦力よりも小さく、接触面の垂直力に反比例する。 2.材料が均質で、かつ、応力が断面に一様に生じているものとすれば、引張応力と圧縮 応力は、荷重の向きが異なるだけで、応力の求め方は同じである。 3.円運動では、速度を示すのに単位時間あたりの回転角の変位量で表し、これを周速度 という。 4.設計は、機構や構造を主体として設計し図面化する機能設計と、機能設計に基づいて 加工・組立の簡易化や経済性を考えた生産設計に分けることができる。 5.圧力容器である薄肉球の肉厚は、内圧・内径・引張応力が等しければ、薄肉円筒の肉 厚の1/3でよい。 - 9 - 1・機 【問題 10】 次の1および2の記述は、バルブについて述べたものです。空欄にあてはまる最も適切 なものを下の選択肢から選び、その記号を解答用紙に記入して下さい。 1. ( 1 )は、バルブを全開にすると、バルブの中で流体の流れる方向がかわらず、流 路の断面も変化しないので、流路のしゃ断用として使用され、特に圧力に強いことか ら幹線の管路に用いられる。 2. ( 2 )は、管路や圧力容器内の圧力が規定以上になると自動的に作動し、流体を外 に流したりして圧力を調整する。 《選択肢》 ア.逆止め弁 イ.仕切弁 ウ.止め弁 エ.(圧力)逃がし弁 - 10 - 1・機 【問題 11】 次の1~4の記述は、機械要素と設計について述べたものです。アとイのうち、正しい ものを選び、その記号を解答用紙に記入して下さい。 1.断面二次極モーメントについて ア.単位は長さの4乗で、単位記号はm4 を用いる。 イ.単位は長さの3乗で、単位記号はm3 を用いる。 2.ねじをゆるめる力について ア.多条ねじは、同じピッチの一条ねじよりリード角が小さいので、ゆるみにくく なる。 イ.リード角より摩擦角が小さいとき、ねじは自然にゆるむことになる。 3.構造物の継手について ア.リベット継手は、結合しようとする板にリベット穴をあけ、これにリベットを 通し、その一端をかしめながら穴を充満させて頭部をつくり、板を密着させる ので、それだけ板の強さが強くなる。 イ.溶接継手の強さは、母材の溶接性、溶接棒の材質、溶接作業の良否によって左 右されるので、通常母材の強さの 70~80%くらいにしている。 4.ねじの基本について ア.メートル並目ねじ等において、おねじの山の幅とめねじの山の幅とが等しくな るような仮想の円筒の直径を有効径という。 イ.ねじの大きさは、おねじの有効径で表し、これをねじの呼び径という。 - 11 - 1・機 【問題 12】 下図は変速歯車装置の一つである。3個の同じ歯車2が腕Aによって連結され、内歯車 1および外歯車3とかみあっています。 次の1~3の空欄にあてはまる最も適切なものを下の選択肢の中から選び、その記号を 解答用紙に記入して下さい。 ただし、回転方向は、左まわりを(+)、右まわりを(-)とします。 1.腕Aを固定して、歯車3が+60min-1 で回転するとき、歯車1は( 1 )min-1 で回 転する。 《選択肢》 ア.+15 イ.+30 ウ.-15 エ.-30 2.腕Aのかわりに歯車 1 を固定し、歯車 3 を+60 min - 1 で回転するとき、腕Aは ( 2 )min-1 で回転する。 《選択肢》 ア.+20 イ.-20 ウ.+60 エ.-60 3.腕Aが+60min-1 で回転すると同時に、歯車1が腕Aと逆向きに 60min-1 で回転すると き、歯車3は( 3 )min-1 で回転する。 《選択肢》 ア.+120 イ.+180 ウ.+240 - 12 - エ.+300 1・機 【問題 13】 次の 1~5の記述は、流体機械について述べたものです。アとイのうち、正しいものを 選び、その記号を解答用紙に記入して下さい。 1.ベルヌーイの定理について ア.定常流では、流体がもつ比エネルギーの総和は常に一定である。 イ.一つの管路を流体が充満して流れているとき、管路のどの断面においても流速 が等しい。 2.軸流ポンプの特徴について ア.大流量・高揚程の多段ポンプとして、農業用の揚水や排水、洪水対策用として の雨水の排水などに使用されている。 イ.可変羽根形(可変翼形)は、吐出し量が大幅に変動した場合でも、ポンプ効率 を低下させることなく運転することができる。 3.圧縮機について ア.ターボ圧縮機は、脈動がなく、空気やガスの圧力を高めての送給や増圧に適し、 冷凍機の圧縮機などにも利用されている。 イ.スクリュー圧縮機(ねじ圧縮機)は、対をなす2つのウォームねじとケーシン グからなり、ウォームねじの回転によって空気を圧縮する。 4.プロペラ水車について ア.この水車は、約 50~2000mの落差で、水量が比較的少ない場合に適する反動水 車である。 イ.この水車は、羽根車を通過する水の流れ方向が主軸方向なので、軸流水車とも よばれる。 5.粘性について ア.流体は必ず粘性をもち、粘度が大きいほど流動しにくい。液体の粘度は温度の 上昇とともに減少し、気体では増加する。 イ.流体の流れに対して抵抗する性質を粘性という。粘性の程度を表す量を粘度と いい、単位はパスカル毎秒(Pa/s)で表す。 - 13 - 1・機 【問題 14】 次の1~5の記述は、内燃機関について述べたものです。その内容が正しいものを2つ 選び、その番号を解答用紙に記入して下さい。 1.理想気体での断熱変化における断熱指数は、定圧比熱と定容比熱の比である比熱比と 同じである。 2.コモンレール燃料噴射システムはガソリン機関において、電子制御により、機関の回 転速度や負荷に応じて、燃料噴射圧や噴射量、あるいは噴射時期などを最適な状態に 制御して行われる。 3.内燃機関の正味熱効率は、軸出力Pe[kW] を単位時間あたりに供給した燃料B[kg/h] と燃料の高位発熱量Hh[kJ/kg] の積で割った値である。 4.カルノーサイクルでの気体の状態は、①等温膨張→②断熱膨張→③等温圧縮→④断熱 圧縮の順に変化する。 5.シャルルの法則では、気体の絶対温度が一定のとき、一定量の気体の比体積は、その 気体の圧力に反比例する。 - 14 - 1・機 【問題 15】 次の1~6の記述は、蒸気動力プラントや冷凍装置について述べたものです。その内容 が正しいものには○を、誤っているものには×を、それぞれ解答用紙に記入して下さい。 1.基本的な蒸気動力プラント内の作動流体の循環経路を順に示すと、①ボイラ→②過熱 器→③蒸気タービン→④復水器→⑤給水ポンプ→⑥ボイラ水タンクとなる。 2.エコノマイザは、ボイラの燃焼用空気を予熱する装置である。 3.下図は、炉筒ボイラの一例である。 4.高圧部にカーチスタービンを用い、低圧部にはパーソンスタービンを用いた蒸気ター ビンは、多段タービンとよばれる。 5.小形の冷凍機では、膨張弁のかわりに、キャピラリチューブとよばれる細い管を用い るものもある。 6.吸収冷凍機は、ポンプの駆動以外には可動部分がないため、運転時の騒音や振動が少 ない特徴がある。 - 15 -
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