◆ STEP1 「リスニング力アップの秘訣は発声にある」 「リスニング」というと、「聞く」ことだけを重視しがちですが、「自ら発音する」ことがリスニング力を高める重 要な要素です。人は自分が実際に発声したことのない音は、なかなか聞き取れません。「聞き取ること」と 「発音すること」は同じ言語能力なのです。その言語能力を身につける方法は、スポーツの技術を身につけ ることとよく似ています。 【参考】語学の達人の外国語勉強法はみな暗記 (参考文献:「音読革命」七田眞著[全日出版]) 音読法をおすすめする。20 回音読法英語の達人といわれる人たちは、多くの文章をひたすら丸暗記するこ とに努めたことが伝えられています。 例えば上智大学教授の松尾弐之先生は、中学での英語の時間に「お前の英語の成績では進級できない」 といわれて奮起し、夏休みに二冊の問題巣を丸暗記した。それ以来英語の学習が、非常に楽になったと 『外国語をどう学んだか』(講談社現代新書)という本の中で言っておられます。 そして若い時代に、英語の文型を 800 ぐらい無条件に、頭の中にたたき込んでしまうとよいとアドバイスして おられます。 先生は言います。「強い意欲と、単純でバカバカしいまでの暗記。この二つこそは、外国語を習得する上で の必須の条件ではなかろうか」 国弘正雄先生も『落ちこぼれの英語修行』という本の中で、「英語は身体に覚えさせなければだめ。漢文の 素読と同じ。中一~中三までの教科書を、少なくとも 500 回音読した。書写もした。一枚の紙の表と裏に書 き、次は赤鉛筆で表と裏に書いた。一枚の紙を四枚に使った。手で写すのは英語を身体にたたき込むのに 役立つ。ひたすら手で書いた。入れる訓練だけ重視してもダメ。出す訓練が必要。知的記憶を動作記憶に 移すこと。朗読用の教材は会話体のものは感心しない。和文英訳の模範文が役に立つ」と書いておられま す。 『私はこうして英会話をマスターした』の著者、横山総三先生は次のように言っておられます。 英会話には基礎英単語 1000 語が最低必要限度。ただし最もよく使われる単語であること。1000 語のうち 六、七割は名詞、動詞が二割。形容詞、副詞が一、二割。 英会話をものにするには中学一年と二年の英語を完全にしゃべりつくすこと。会話の秘訣は暗記しかない。 短文 20 回には次の効果がある。 ①自分で理解した例文の内容を、繰り返し、繰り返し自分の舌が唇を通して音にかえ、発音の練習をして いる。理解している内容を音声にしている。すなわち言葉で話している。 ②誰の声より聞き慣れた自分の声を自分の耳に送り込み、くり返し聞き取る練習をしている。 ③くり返し耳に入れる言葉が呪文のように潜在意識に話しかけ、刻み込まれるという三位一体の特訓をし ている。 英語の達人といわれる人たちがみな暗記に努めたことが分かります。 ◆STEP2 「センター試験対策」 (参考文献:2008 年版 センター赤本シリーズ① センター試験過去問研究 英語) ◆コラム◆ 「ナチュラルとは」 「ナチュラルスピード」というと「早口である」と思いがちですが、実際には単にしゃべる速さの問題ではあり ません。発音における特徴が重要なのです。 たとえば got it on の発音は、「ゴット・イット・オン」と早口でいうよりも、「ガッティットン」とゆっくり言う方 がナチュラルです。 こういった発音の特徴をおさえていなければ、ナチュラルスピードの英文を聞き取るのは難しくなります。 ネイティブの発音には、「つながる」「消える」「変音する」という特徴があります。 大学入試センター試験の英語リスニング試験で用いられる音声は、北米のアメリカ英語(米語)です。 以下の説明は米語の特徴を踏まえた上でリスニング試験対策として注意すべき点をまとめたものです。 ①つながる=2つ(以上)の音がひと連なりに発音される ● an umbrella は「アン・アンブレラ」ではなく「アナンブレラ」 ● got it on は「ゴット・イット・オン」ではなく、「ガッティットン」 ②消える=ある単語の末尾の音が次の単語にいわば「飲み込まれて」しまう ● at the lecture の at the は「アット・ザ」ではなく「アッザ」 ● first store は「ファースト・ストア」ではなく「ファーストア」 ③変音する(その1)=なめらかに発音していると字面とは違う音になる ● have to は「ハブ・トウ」ではなく「ハフタ」 ● has to は「ハズ・トウ」ではなく「ハスタ」 ● going to は「ゴーイング・トウ」ではなく「ゴナ」 ● want to は「ウアント・トウ」ではなく「ワナ」 ※入試ではあまり見られないが、going to や want to は gonna や wanna と表記されることもある。 これは音としてそう聞こえるからである。 ④変音する(その2)=tの音が r 化したり n 化したりする(米語の特徴) ● water は「ウオーター」ではなく「ワラー」(t が r 化) ● wanted to は「ウオンテッド・トウ」ではなく「ワニットウ」(t が n 化) このように、耳に入ってくる音は、文字になおしたときの「文字面」とは違う、という点に留意しておかなけれ ばなりません。 また、自分が英文を音読する際も「ナチュラル」な発音を心がけておけば、リスニング力は確実にアップしま す。 ①リスニング力をUPさせる秘訣! ◆より短い時間で、確実に音読暗記するには 言葉を習得しようとするときに最も大事なのは「音」をいかに記憶に残すかという点です。 そのためには、記憶に残すための3つのコツを実践することが成功のカギとなります。 ≪音読暗記をするときの3つのコツ≫ 1) 早口で読む 早口で読むことにより、理論的に記憶する左脳ではなく、リズムやイメージを記憶する右脳に記憶される。 つまり、「無意識」の回路に記憶が刻まれる。 2) 片耳を手のひらでふさぐ 片耳をふさぐことにより鼓膜の奥にある骨を振動させ、体内振動音を聞くときと同じ状態になる。 この体内振動音を聞く訓練が実はリスニング力を上げる秘訣である。 3) 20回以上声に出す 繰り返し見聞きした情報は、脳の中の「海馬」から長期記憶を司る「側頭連合野」を通して情報が保存さ れるようになる。 これにより、情報を忘れにくくなる。 以上の点を押さえた上で以下のトレーニングを行ないましょう。 ≪リスニングのトレーニング方法≫ 1) 音声を聞いてから、音声を止め、テキストを音読する テキストを見ながら音声を聞き、音声を止めて自分ひとりで発音する。 最初は1文ずつの短い単位で行なう。テキストをただ読むのではなく、できるだけ英語のネイティブ・スピ ーカーの真似をしよう。文全体の緩急のリズムに慣れることが第一目標である。この時点では一字一句 正確に発声できる必要はない。リズムとイントネーションの特徴がつかめていればOKである。 繰り返し発声して慣れてきたら、言い間違えたり詰まったりせずに滑らかに1文いえるまでやろう。 2) 音声を聞きながらテキストをみて同時に音読する 1 文ずつあとについて音読するのではなく、テキストを見ながら音声と同時に音読する。ナチュラルスピ ードについていけるようになることが目標である。ここではないよう理解はできなくてよい。テキストを見て 音読するが、大切なのは同時に耳を働かせておくことである。音声を無視して読むことに一生懸命にな らないようにする。音読が上手くできるようになった段階でまだ内容が理解できない箇所は、訳を見て音 と意味とを結びつけておくこと。 3) 音声を聞きながらテキストを見ずに発音する テキストは見ずに、流れる音声に合わせて発音していく。耳に入った音をすぐ再現していくことになる。 これもまずは音に集中して、内容が理解できない箇所は、訳を見て音と意味とを結び付けておくこと。 対話では、どちらかひとりの発言だけを再現することから始めてもよい。 途中で詰まっても後戻りはせず、次に耳に入ったところから再現していくこと。 4) 聞くことだけに集中する ここまでやってくれば、すでに内容理解も殆ど同時にできるようになっているはずである。 モノローグに関しては、ポイントになる箇所をメモする練習をしよう。 5) 語彙を増やす リスニングも読解と同様、まずは語彙が豊富であることが前提となる。 リスニングの場合は特に、発音・アクセントを正確に覚えておかなければ役に立たない。 日ごろ、単語を覚える作業は当然しているだろう。 その段階で、ひとつひとつの単語の正確な発音・アクセントを身につけていくことが、重要な基礎力となる。 このためには発音記号を正確に読めるようになることが必要最低限の基礎知識である。 また、読解問題などの英文も、音読してリズムやイントネーションを体得するよう心がけよう。 そうすることにより、長文の速読力も鍛えることができる。 ② アクセント攻略法 センター英語の第一問は「発音・アクセント問題」です。 発音は、単語を覚える時に、正しく“音読する”ことで覚えていきますが、アクセントは紛らわしいものが多 いですね。 覚える時に「第一アクセントがどこにつくか」を確認して覚えればよいのですが、そこまでできていない人 のために、「アクセントの位置」がわかる法則を一覧表にしました。 センター試験までに、これだけは覚えておきましょう! A)語尾のパターンで覚える ①それ自体にアクセントがつく系統・・・5系統 ②1つ前の母音にアクセントがつく系統・・・7系統 ③2つ前の母音にアクセントがつく系統・・・8系統 B)品詞のパターンで覚える ④名前動後・・・同一単語でも品詞によってアクセントの位置が変わる C)その他のパターン ⑤複合名詞・・・前の語にアクセントがつく ⑥カタカナ英語・・・日本語と発音が違うところにアクセントがあるものが出やすい ⑦接尾辞・・・元の単語のアクセントの位置と同じ 以上のパターンをしっかり理解するための資料を用意しました。 ※資料・アクセントはこれで“9割”GET ※資料・アクセントの表 これをプリントアウトして、覚えてください。 また、単語暗記のときは、アクセントの位置も必ず確認するクセをつけてくださいね! ③発音記号の確認をしよう センターの発音問題は、普段から発音記号を意識して音読して覚えおけばいいのですが、あいまいな発 音で覚えていると間違いやすいですね。単語帳で単語を覚える時には、必ず音読して発音記号を確認し ましょう。 まず、発音記号の種類を一覧表にしたものがこれです。 ※資料・発音記号はこれで完璧! センター試験の「発音・アクセント問題」でよく出される「母音」は、「ア」と「オ」です。 「アに近い母音」の発音は、これだけあります。(a、ɑ、Λ、æ、ə) 「a」は、日本語の「ア」に一番近い音です。二重母音の「ai」、「au」しかありません。 「アイ」「アウ」と発音したら、必ずこの記号(ai、au)を使います。 だから、「アイ」「アウ」と発音して「ɑi」、「ɑu」と書くことはありません。 二番目の「ɑ」は、しいていえば、「アイウエオ」の「オ」の口の形で、「ア」と発音した時の「ア」に近い音で すから、「アイウエオ」の「オ」の口の形のまま、「ɑ」になります。 三番目の「Λ」は、強く、短く切って、あまり口を大きく開けずに「ア」と発音します。 「cup」の時の「ア」ですね。 四番目の「æ」は、皆さん、よくご存知の「エ」の口の形で「ア」ですから、「アイウエ」の「エ」の口の形で、 「æ」。 五番目の「ə」は、喉の奥から「ア」と発音します。 この「ə」は、喉の奥から「アイウエオ」のどれを発音しても、全部「ə」と書きます。 「アに近い母音」は間違いやすいですから、気をつけてください。 また、「オに近い母音」は二つしかありません。「o」と「ɔ」です。 どちらも同じ「オ」ですが、「o」は、二重母音の「ou」の時しか使いません。 だから、「オウ」と発音したら、全部この記号(ou)を使います。 「オウ(ou)」以外の「オ」は、全部こちらの「ɔ」を使います。 センター試験でよく出るのは「オー」と伸ばす発音です。この時は、伸ばす記号(:)をつけて、「ɔ :」と書き ます。 「ou」なのか、「ɔ:」なのか、どちらかという問題がよく出されます。 近年の発音問題を見ると、「わかりにくい子音」と「ローマ字の感覚で良い子音」の区別や、「日本語には 存在しない子音」同士の区別なども出題されています。 スペルの一部が同じで発音が異なるものの区別をつける問題が中心ですので、発音に自信がない単語 は、発音記号で確認していきましょう! ≪過去4年間の発音問題≫ ◆2007~2010年度の問題 4つの単語の中で、下線部の発音が異なるものを一つ選ぶ問題です。 一番左の単語が正解です。[ ]が下線部の発音記号です。 左と右の違いがわかりますか? [u]wool /[u:]boot,goose,proof [ð]smooth /[θ]breadth,faith,lenght [ɑ : r]heart /[ə: r]earn,pearl,search [z]physics /[]leisure,measure,vision [ə r]comfort /[ɔ : r]absorb,formal,newborn [b]subtitle /[無音]debt,doubt,subtle ʤ [�]eager /[ [ɑ ・ɔ ]fragile,ginger,urgent ]honest /[Λ]brother,cousin,double [t∫]cheer /[k]character,chemical,stomach [e]breath /[i:]cease,leat,reason [s]classic /[∫]assure,efficient,social [ɔ :]abroad /[ou]approach,coast,throat [�]ghost /[f]graphic,phrase,tough
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