日長および光量がスプレイカーネーションの開花・晶質に友ぼす影響 1．試験のね」らいスプレイカーネーションの晩生晶種には人気晶種が多く、このため生産も多い。ところが、これらの晶種は夏季の強日射に伴う高温環境下で晶質の劣化を起こす。更にまた、花成の限界日長が長いため、短日期になると到花日数が著しく長くなり、生産上効率が悪い。本報では夏季の強日射の遮光による温度制御と、短日期の長日処理が品質および到花日数に及ぼす影響について検討し、栽培技術の改善に資する。 2．試験方法晩生晶種はアリセッタ、対照晶種に早生のファンタジア、中生のプリンセサを供した。一 6月11日に挿し芽、7月2日に定植、7月17日にピンチを行い、4本仕立て丁斉切り短期栽培の作型で下記の処理を行い検討した。供試個体数は1区36株とした。区Nα 遮光日長処理区Nα遮光日長処理 1無夜中断（22．：00∼2：00） 4有18時間日長（4：00∼22：00） 2 有〃〃 5 無無 3無18時間日長（4：00∼22：00） 6 有〃遮光は7月2日から10月19日二まで、快晴時のみ10：00∼15：00の間、遮光率50％のクレモナ黒 600＃で行った。長日処理は8月20日から60日間、4時闇の夜中断と18時間の日長延長により行った。長日処理の光油には白熱灯を用いた。 3．試験結果およぴ考察（1）早生晶種のファンタジア、中生晶種のプリンセサは全区とも試験期間内に開花した。晩生晶種のアリセッタは、無遮光・夜中断、無遮光・18時間日長および遮光・夜中断の3区で100％開花した。その他の区は100％開花に到らなかった。（2）いずれの晶種も遮光により開花が遅延した。この傾向は晩生品種ほど顕著であった。（3）遮光の有無にかカ三わらず、いずれの晶種も長日処理で開花が促進された。長日処理については18時間日長よりも夜中断の方が開花促進効果が顕著であった。（4）切花長は早・中生晶種の遮光区が長くなったが、晩生晶種のアリセッタでは差がなかった。一方、長日処理では自然日長区が最も長く、次いで18時間日長区、夜中断区の順となった。節数、切花重でも同様の傾向が認められた。（5）二次蕾の形成はいずれの日長区も全晶種とも遮光区で多くなった。また、晩生晶種のアリセッタでは日長の区間差は認められなかった。（6）花径に対する遮光および日長処理の影響は認められなかった。 4 成果の要約花成の限界日長が長い晩生晶種アリセッタの開花は、花芽形成前から発蕾期まで、深夜4時間の夜中断を行うと1．5か月程度開花が促進される。なお、高温期の遮光は開花を遅延するが、量的形質は向上する。（担当者花き部鈴木正史）一89一 uL 10 品糧遼光目畏処理上1申1下無夜中断 18時間8畏無ファンタジア．有綱夜中断［夜中断 18時闇目畏：：；：；1 1 ・；1 ：：夜中断 i鵬間目畏！無無夜中断、18鴎悶目畏無アリセッタ有；’ lI 1 1 プリンセサ夜中断 18時閥目畏無上：中；下 ■ 1 ；：：： 1 I ：：・ 1 ：： 1； ll ；：：；：：；H＋1 ．llI ：’； l I ：：；：：： lI ：；：；：： ■ 1 2 ’1 上：申：下：HrサーH：・II ・ 18時間目畏無無有．I 12 上：申：下 ll ’；・ 1 I I ・ 1 ．・：：．1 11 I ．．・ 1 I1 ・ I l 1： I I l・ ←一Hhl I 1’ 1・ ■1 1： 1； 1； 1 ・：；：：：：・・．・ I I ． 1 I・ I ・；1 ：； I ・：：；：：■ ■ 1 ：中：下 ③平均闘花日：：；：：： 1 ・：：：； ’1 ． 1 ：： 1； 1 ． 1 ・ 1 ・・ I ・：： 1 ・ I I ：’ ：1 1l 3 上1中：」：＝ 1 ・1 ： … ・・ 1 ：；：1 ；1 ＝：＝ 11 1： 1 ：：： 1：：： I l 1 11 1」 1 ・1 1・、＝・ 1 I ・・ I I 1 ・・ I 1 ： 1 1 1 （注）胴査は平成3年3月208で打ち切った。図一1 日長および遮光処理が開花日に及ぼす影響表一1 日長および遮光処理が切花晶質に及ぼす影響区品ぬ棚 1 2 3 4 ’5 6 フアンタジア 1 2ブ 3 リ 4 ン 5 セ 6サ 1 2ア 3 リ 4 セ 5 ツ 6 タ処理一遼光．畏日処理 7／2‘10！19 8／20，10！19 無有無有無有二次切花畏節数分枝数蕾数花径切り花璽（㎝）（節）（本）（個）（ω）（9）夜中断41．7±工6m−3±O−93−3±1．01．4±0．65−0珊一313，9±2−7 召巨司＝I 断 46」8± 8＿6 −0．3±1，2 3−2±1．1 1．8±1．0 5＿2±0，4 16．I± 4，8 18時間日長刎．O±6−41①一3±1．2乱6H．01．4±0−54一班O−3’13一艇2−6 18時闇日畏51．7±乱7n．0±1．23．3±0−92．削．05−1±0，418．2±6．0 無 47−6±1i．9 n．6±2−1 4．4±1．2 2．3±工．3 5−0±0−4 18−4±7．4 無 54．9±14，3 12−3±2・5 4．8±1．2 3．1二！12．2 5．1：110，4 26．2±13・2 無有無有無有夜中断45−9±＆9iλ舳一03一州一1112叫45−0±0−515−012−9 無有無有無有夜’中断阻6肌2岨帆9u±1．43一醐一06−o±o−545。仙g−g 夜中断趾3州一6岨1±1−73−6±1−22−7≒2−55一胆O−4洲一3±11，2 18時闇日畏肌8±・8−613−1H．5孔4±1．五1．6±1．05．0地．416−1±4，4 18時間日畏58−0±8−713−8」．5乱9±1．02−0H．25．2±O−7刎．2±6−4 無 67．i±14−3 15−3±3−1 4−3±1−1 2一工±1一．4 5＿2±0＿4 21−7± ＆0 無 65−9：1112，4 16．1±2−3 4．8二！二〇一9 2−6：！：1．7 5．1：110，6 27．5：1＝一9．1 夜中断8一．仙1−016一螂一τ↓5±1−44−3±2−26，0±0−454−5±20−4 18時間日畏87．7±7，817．1胤04．7±1．23一仙．65．9±0，454．州5，5 18時闇日長 8τ7±τ6肌肚2−74．9±1．14．5±1．9乱、0±0，459−6±14−4 無 95．9± 8−2 20．7±2−3 5．4±1．工 3．4二111．3 5．8：110，4 65．5±l10二6 無 88．9± 5，5 18．8±I．9 5．6旦1．0 4．2二1：1．5 5．9±0，3 66．8±10．3 一90一