第4章 演習問題・研究課題などの解答

第4章
演習問題・研究課題などの解答
☆4.1 熱と仕事の研究課題
1 . 1kW ≒ 102kgf  m / s ; 1kWh ≒ 860kcal ; 1PS = 75kgf  m / s ≒ 735.5W ≒
632.5kcal / h である。では、 10kW のモータは何 PS であるか。
解答: 1kW ≒ 102kgf  m / s より
102  10
 13.6 ( PS )
75
2.氷塊を 120 m の高さから地面に落下させたとき、もし位置エネルギがすべ
て熱エネルギに変換されるとすれば、何%の氷がとけるか。ただし、氷の
融解熱は 80kcal / kg とする。
解答:氷塊の質量を m とし、 x %の氷が融解するとすれば次式が成立する。
mgh  m  4186  80 
x
100
(J )
したがって、氷の融解割合 x (%)は、 h  120m を代入して、
x
100  9.807  120
 0.351 (%)
4186  80
☆4.2 エネルギと内部エネルギの研究課題
1.0  C の氷1 kg と0  C の水 1 kg では潜在エネルギの差はいくらか。
解答:融解熱という。融解熱= 80(kcal / kg水 )
2.100  C の水 1 kg と 100  C の蒸気1 kg では潜在エネルギの差はいくらか。
ただし、圧力は標準大気圧とする。
解答:蒸発の潜熱という。蒸発の潜熱= 539.06(kcal / kg水 )
3.100  C の水 1 kg と0  C の水 1 kg が持つ内部エネルギの差はいくらか。ただ
し、水の比熱を1 kcal /( kg  K ) とする。
解答:感熱または顕熱という。保有エネルギの差を求めればよいから、
1 (100  0)  1  100(kcal)  4.186  105 (J )
☆4.3 熱力学第 1 法則の研究課題
1.朝食で 2000 kcal のエネルギを注入し、マラソンで 42.195 km を走った。内
部エネルギの変化はいくらか。ただし、走者の体重を 60 kgf とする。
解答:熱力学の第1法則から dq  du  dw より、
Q  U 2  U1  W で、 U 2  U1  Q  W となる。
U 2  U1  Q  W  2000  4186  42.195  103  9.807  60
- 116 -
 1.645  10 7 (J )  3931(kcal)
内部エネルギは減少したことになる。
2.熱力学の第1法則はいろいろな表現の仕方がある。代表的なものを調べよ。
解答例:
「熱はエネルギの一形態であり、エネルギの総量は不変である」
3.外部からなんら熱量等のエネルギの補充を受けることなしに、永久に運動
を続ける機関は成り立たない。第1種永久機関の否定。このことを証明す
るため、永久機関を考えてみよう。
解答:ページ 94 において、2つの例を示した。他に水飲み鳥などが考えられている。
☆4.4.1 エンタルピの研究課題
1.図 4.6 において、状態①②間に単位質量あたり熱量 q を加えたとき、
1)状態①②間で体積変化が起こらなければ (dv  0) 、 q  u 2  u1 で与えられ
ることを証明せよ。
解答: dq  du  pdv より dv  0 では dq  du となる。したがって、 q  u 2  u1
2)状態①②間で圧力変化が起こらなければ (dp  0) 、
q  h2  h1 で与えられること
を証明せよ。
②
入る熱q
①
解答:熱力学の第1法則において比エン
タルピ h を用いて表すと、
dq  dh  vdp
より dp  0 では dq  dh
比容積v2、 圧力p2
内部エネルギu2
となる。したがって、
q  h2  h1
比容積v1、 圧力p1
内部エネルギu1
系に加えられたエネルギは①②間のエ
図 4.6 エンタルピの考え方
ンタルピ差で求めることができる。
☆第4章 ここまでの演習問題
熱力学第 1 法則関係
1.1 kWh および1 PSh の仕事量はどれだけの熱量( kcal )に相当するか。
10 3  3600
(kcal)  860.0 ( kcal )
4186
75  3600  9.807
1PSh  75  3600(kgf  m)  75  3600  9.807( J ) 
4186
解答: 1kWh  10  3600( J ) 
3
- 117 -
 632.56 ( kcal )
2.60 W の電灯を毎日7時間使用すると、1ヶ月ではどれだけのエネルギを消費すること
になるか。ただし、1ヶ月を 30 日とせよ。
解答: 60  7  3600  30  4.536  10 ( J )
7
3.重量 30 kgf の物体を 15 m 引き上げるために必要な仕事量を熱量( kcal )に換算せよ。
解答: 30  9.807  15( J ) 
30  9.807  15
kcal   1.054 ( kcal )
4186
4.1時間に 2.1×108 kcal に相当する重油を消費し、5 万 kW の電力を発生する火力発電
所がある。この場合の熱効率は何%か。
解答:熱効率をηとすれば、
2.1  108  4186
   5  10 4  10 3 ( W )より
3600
3600  5  10 7
 0.2048 ;20.48%
2.1  10 8  4186
5.鉛球を 20 m の高さから床に落下させる。このとき発生する全エネルギの 30%が熱エネ

ルギとして鉛球に与えられるものとすれば、鉛球の温度上昇はいくらになるか。ただ
し、鉛球の比熱は 0.031 kcal /( kg  K ) とする。
解答:鉛球の質量を m とし比熱を C 、温度上昇を T 、エネルギ効率をη、高さを h と
すれば、次式が成立する。
mghη mCT
したがって、 T は
T 
 
gh 9.807  20  0.3

 0.453  C
C
0.031 4186
6.乗用車のガソリン1リットルあたりの走行距離は(a)高速道路では 12 km 、
(b)市
街地では 8 km であった。また(a)、(b)での停車時以外の平均速度はそれぞれ 72 km/ h 、
36 km/ h であった。いま、ガソリンの比重を 0.9、発熱量を 10500 kcal / kg 、エンジン
の熱効率を 0.2 としたとき(a)および(b)の走行時の平均出力は何馬力( PS )か。
解答:(a)高速道路の場合
ガソリン1リットル=0.9 (kg) ;1リットルの発熱量=10500×0.9 (kcal)
ガソリンの単位時間当たりの消費量=
ガソリンが持っている熱エネルギ=
72
6  0.9
 6 (リットル/h)=
( kgf / s )
12
3600
6  0.9  10500
( kcal / s )
3600
熱と仕事は相互に変換可能であるから、
動力に変換される有効熱エネルギ=
6  0.9  10500  0.2
( kcal / s )
3600
- 118 -
6  0.9  10500  0.2  4186
( W )  13185.9 (W )
3600
 17.93 (PS )
動力に変換される有効エネルギ=
(b)市街地の場合
ガソリンの単位時間当たりの消費量=
ガソリンが持っている熱エネルギ=
36
4.5  0.9
 4.5 (リットル/h)=
( kgf / s )
8
3600
4.5  0.9  10500
( kcal / s )
3600
熱と仕事は相互に変換可能であるから、
動力に変換される有効熱エネルギ=
4.5  0.9  10500  0.2
( kcal / s )
3600
4.5  0.9  10500  0.2  4186
( W )  9889.425 (W )
3600
 13.445 (PS )
動力に変換される有効エネルギ=
内部エネルギ関係
1.The first law of thermodynamics is occasionally stated in the following way:
“It is
Impossible to invent any process which will operate in a cycle (i.e.、the system
return to its initial state)without any other effect left in the surroundings than the
production of work.” Prove that this statement by applying the equation
dU  dQ  dW
解答:英訳;
熱力学の第1法則はしばしばつぎのように記述される。
”仕事の生成なくして、周囲に
なんら影響を残さずに一つのサイクル、すなわち、そのシステムが初期状態に戻る事
が可能な、どのようなプロセスも発明することは不可能である。”dU  dQ  dW 使っ
てこのことを厳密に検討せよ。
解答:題意より dW ≠0 である。もし、もとに戻るサイクルで、周囲に何も影響を残さな
いのであれば dQ  0 でかつ dU  0 となる。この Q と U を dU  dQ  dW へ代入する
と、 dW  0 となり初めの dW ≠0 と矛盾する。
2.あるガスが 5 kcal の熱を受けて、750 kgf  m 仕事をした。このとき、内部エネルギに
は変化があったか調べよ。
解答: dQ  dU  dW より、
U 2  U1  Q  W  5  4186  750  9.807  13574.75 ( J )
13574.75( J )または 3.24( kcal )内部エネルギが増えた。
3.標準大気圧において 1 kg の水を全部蒸気に替えると容積は 0.001 m から 1673 倍に膨
3
張する。また、このために蒸発の潜熱として 538.8 kcal の熱を加えなければならない。
- 119 -
このとき内部エネルギにはどれだけの変化が生じるか。
解答: dq  du  dw  du  pdv より、
u 2  u1  q  p(v2  v1 )  538.8  4186  101.325  103 (1.673  0.001)
 2.086  10 6 ( J / kg )または 498.32( kcal / kg )増加した。
4.シリンダ内でガスを圧縮するとき、3000 kgf  m の仕事を必要とし、冷却水によって
8 kcal の熱量を失った。内部エネルギの変化量はいくらか。
解答:圧縮仕事なので仕事は負、冷却されるので熱量も負となることに注意する。
U 2  U1  Q  W  8  4186  (3000  9.807)  4067 ( J )
-4067( J )減少または-0.972( kcal )減少した。
エンタルピ関係
1.あるガス 1 kg の状態が、圧力 0.3 kgf / cm 、体積 3.5 m であった。これを圧縮して、
2
3
圧力 10 kgf / cm 、体積 0.4 m の状態にするとエンタルピの増加はいくらになるか。
2
3
ただし、内部エネルギの変化がないものとする。
解答:比エンタルピの定義 h  u  pv から、状態1および2のエンタルピは、
h1  u1  p1v1 および h2  u 2  p2 v2 となる。状態2から状態1の比エンタルピを引
くと、
h2  h1  u 2  u1  p2 v2  p1v1  p2 v2  p1v1
10  9.807 10 4  0.4  0.3  9.807 10 4  3.5  2.893 105 ( J / kg )
または 69.1( kcal / kg )
2.重さ 10 kgf の蒸気が 50℃、圧力 0.38 atm 、容積 7.5 m のとき、内部エネルギは
3
1600 kcal であったとする。このような状態の蒸気が有するエンタルピと比エンタルピ
の大きさを求めよ。
解答:比エンタルピの定義 h  u  pv とエンタルピ H  Gh  U  pV の定義から、
H  1600  4186  0.38 101.325 103  7.5  6.9864 10 6 ( J )or1668.9( kcal )
h
H 6.9864  10 6

 6.9864  10 5 ( J / kg )または 166.89( kcal / kg )
G
10
3.重さ 5.4 kgf 、圧力 2 at 、容積 1.5 m のガスを加熱して、容積を 2 倍にすると圧力が
3
1.6 倍になった。もし、このとき内部エネルギの増加量が 10 kcal であるとすれば、こ
の場合のガスのエンタルピおよび比エンタルピはどれだけ増加したことになるか。
解答: H1  U1  p1V1 および H 2  U 2  p2V2 である。状態2から状態1のエンタルピ H
を引く。さらに 1at  1kgf / cm または 1at  98.07kPa であることに注意して、
2
H 2  H1  U 2  U1  p2V2  p1V1
- 120 -
 10  4186  2 1.6  98.07 103  3  2  98.07 103 1.5
 6.891 10 5 ( J )または 164.63( kcal )
したがって比エンタルピの増加量は、
h2  h1 
H 2  H 1 6.891  10 5

 1.276  10 5 ( J / kg )または 30.486( kcal / kg )
G
5.4
☆4.5 熱力学の第2法則の研究課題
1.熱力学における第2種永久機関が成立しないことを理解せよ。
解答:外部からのエネルギ供給なしに連続運転する機関は成立しないため。
☆4.7.2 等圧比熱と等積比熱の研究課題
1.なぜ C p > C v となるか、等圧比熱、等積比熱の実験装置概念図を描いて考察
し、あわせて理論的に証明せよ。
解答:図に示したように、実験装置を定義に
等圧比熱測定
等積比熱測定
錘(可動)
従って設計した。等積変化はガス容積の変
化がない。これに対して等圧変化は圧力を
ガス1kg
ガス1kg
温度
上昇
1℃
温度
上昇
1℃
供給熱量dq
供給熱量dq
一定とするためにガスの膨張を伴い、外部
への仕事の変換に余分な熱量が必要となる。
であるから、 C p > C v となる。
理論的な証明はつぎのようになる。
エンタルピの変化に関する補助関係式
(4.17)を用いる。すなわち、
dh  du  RdT 、 dh  C p dT 、 du  Cv dT
を代入すると次式がえられる。
C p dT  Cv dT  RdT
∴ C p  Cv  R
となり C p  Cv であることが証明される。
☆4.7.3 各種状態変化の研究課題
1.断熱変化の状態式が pv   一定 で与えられることを、熱力学の第1法則、
比熱比  ならびに比エンタルピ h などを用いて証明せよ。
- 121 -
解答:断熱変化であるから dq  0 であり、この場合熱力学の第1法則はつぎのようにな
る。 dq  du  pdv  0 。さらに比熱比  、内部エネルギ du  Cv dT  C p dT
 およ
び dq  dh  vdp  0 から vdp  dh  C p dT を代入すると、
du  pdv 
C p dT

 pdv 
vdp

 pdv  0
となる。したがって、
vdp  pdv  0
上式の両辺を pv で割れば、つぎの微分方程式を得る。
dp dv

0
p
v
この微分方程式を解いて、
ln p   ln v  C  。したがって ln p  ln v  C  となり、
ln pv   C 

ゆえに、 pv  C となり証明できた。
☆4.8.2 カルノーサイクルの熱効率の研究課題
1.図 4.15 に示されたカルノーサイクルの
p
熱効率が   1  T2 T1  で与えられるこ
A
とを以下の手順に従って証明せよ。課
題の解決手順として、入熱 Q AB 、出熱
等温変化T=T1
QCD および正味仕事 W ABCD を求め、つぎ
B
の熱効率の定義
W
Q  QCD
Q
  ABCD  AB
1- CD
Q AB
Q AB
Q AB
を利用する。ただし、作動流体ガスの
質量を Gkg とし、仕事および熱量はそ
れぞれ W  Gw;Q  Gq であることに注
QAB
断熱圧縮
正味仕事W
D
断熱膨張
等温変化T=T2
C
QCD
v
意する。
図 4.15 カルノーサイクル
解答:
手順1:A→B の等温変化における仕事 W AB および入熱 Q AB は加えた熱が全て外部仕事
に変換されるから、 W AB  Q AB であり、それぞれつぎのようになる。ここで A→B の
等温変化における温度は T1 で与えられていることに注意する。
- 122 -
W AB  GwAB  G R1 Tln
vB
(>0)
vA
Q AB  Gq AB  G R1 Tln
vB
(>0)
vA
手順2:B→C の断熱膨張で外部に取り出される仕事 WBC は、断熱膨張の結果を使って求
められる。ただし、 TB  T1 ; TC  T2 であることに留意する。
WBC  GwBC 
GR
GR
(TB  TC ) 
(T1  T2 ) (>0)
 1
 1
手順3:C→D の等温圧縮行程で必要となる外部仕事 WCD および排出される熱量 QCD は
この場合も等温変化であるから WCD  QCD であり、かつ温度は T2 と与えられているか
ら、以下のようになる。
WCD  GwCD  GRT2 ln
vD
(<0)
vC
ここで比容積比 v D vC は vD
vC  1であるから、 GRT2 ln
vD
 0 となることに注意が
vC
必要であり、熱効率の計算では QCD の値は正にしておく必要がある。このことを考慮
すれば
QCD  GqCD  G R 2Tln
vC
(>0)
vD
手順4:D→A の断熱圧縮行程で外部から供給すべき仕事 WDA は、手順2で求めた方法と
同様にして求まる。ただし、 TD  T2 ; TA  T1 であることに留意する。
WDA  GwDA 
GR
GR
(TD  TA ) 
(T2  T1 ) (<0)
 1
 1
手順 5:以下の熱効率の定義に従って
入熱-出熱 作動流体がした正味仕事
=
入熱
入熱
W
Q  QCD
Q
= ABCD = AB
=1- CD (ただし、 QCD はこの場合正にとる)
Q AB
Q AB
Q AB

先に求めた入熱 Q AB および出熱 QCD および正味仕事 W ABCD を代入すると、まず正味仕
事 W ABCD は
WABCD  WAB  WBC  WCD  WDA
 GRT1 ln
vB
v
GR
GR

(T1  T2 )  GRT2 ln D 
(T2  T1 )
vA  1
vC   1
- 123 -
 GRT1 ln
vB
v
 GRT2 ln D
vA
vC
Q AB  GRT1 ln
v
vB
(>0)
; QCD  GRT2 ln C (>0)
vA
vD
となる。以上より熱効率ηは定義式に代入して、まず正味仕事 W ABCD から算出すれば

v
v
v
W ABCD
 (GRT1 ln B  GRT2 ln D ) / GRT1 ln B
Q AB
vA
vC
vA
vD
v
T2 ln C
vC
vD
 1
 1
v
v
T1 ln B
T1 ln B
vA
vA
T2 ln
続いて、熱の出入り Q AB 、 QCD から熱効率を求めてみると、
 1-
QCD
Q AB
vC
v
T2 ln C
vD
vD
 1
 1
v
v
GRT1 ln B
T1 ln B
vA
vA
GRT2 ln
となる。
手順6:したがって、上の2式から比容積比が
ーサイクルの熱効率  が   1 
要な問題は
vC v B

となることを証明すればカルノ
vD v A
T2
となることを証明できる。そこで、最後に証明が必
T1
vC v B

が成立するか否かである。これは B→C および D→A の断熱行程
vD v A
について、断熱変化の第 2 の関係式を適用することによって可能となる。つまり
TC  v B 
 
TB  vC 
 1
v 
T
T
 2 (B→C)、 D   A 
T1
TA  v D 
 1

T2
(D→A)
T1
この両式から
T2  v B 
 
T1  vC 
 1
v
  A
 vD



 1
 vB
 vC
となり 
  vA 
    が得られる。これを変形すれば結局、
  vD 
vC v B
Q

となる。したがって、  1- CD
vD v A
Q AB
- 124 -
vC
T
vD
 1 2
 1
v
T1
T1 ln B
vA
T2 ln
となり、カルノーサイクルの熱効率が、   1 
T2
で与えられることが証明された。
T1
☆4.8.3 各種サイクルの研究課題
1.高温側熱源が 1000  C 、低温側熱源が 20  C で作動するカルノーサイクルの
理論熱効率はいくらとなるか。
解答:カルノーサイクルの熱効率は、
  1
T2
293.15
 1
 0.7697 。つまり熱効率は 76.97(%)である。
T1
1273.15
2.圧縮比が   12 で設計されたガソリンエンジンを運転させたとき、熱効率は
いくらと推定されるか。ただし、比熱比は   1.4 と仮定する。
解答:ガソリン機関オットーサイクルの熱効率は、圧縮比をεとするとき
  1
1

k 1
 1
1
12
1.4 1
 0.63 ;63(%)
3.カルノーサイクルを理論的に実現する方法を述べよ。またそのサイクルが
実現不可能なことを工学的観点から考察せよ。
解答:カルノーサイクルを実現するためには、つぎのような熱源の切り替え操作が必
要である。
1)圧縮行程(低温側):等温変化をさせるため、機関をすばやく冷却しなければなら
ない。
2)膨張行程(高温側):等温変化をさせるため、機関にすばやく熱を供給しなければな
らない。
3)これを例えば 6000rpm で回るエンジンに適用しようと試みれば、1秒間に 600 回
の加熱、冷却変化を実現することが要求される。
4)ところが、加熱媒体や機関周りに熱容量が存在するため、急速な熱量の変化が、
作動流体に伝熱できないということが実現できないことの最大の理由となってい
る。もし、600 回の変化に追随できる媒体が開発できれば、夢のカルノーサイクル
は実現可能となる。
☆4.9 エントロピの研究課題
1.等温変化は P-V 線図上では双曲線で表されることを説明せよ。
解答:ガスの質量およびガス定数 G, R が一定であるから、
PV  G R T
 c o nとなり、等温変化は
s t
P―V 線図上では双曲線となる。
- 125 -
2.熱力学の第1法則から
dQ  dU  PdV ; dW  PdV
で、等温変化では内部エネルギの変化がなく dU  0 であるから dQ  dW 、つ
まり Q  W となることを説明せよ。
解答:ガス 1kg について、状態 a からbの変化が等温変化であれば
b
b
b
b
qab  a dq  a (du  pdv)  a (Cv dT  pdv)  a pdv  wab
となり dQ  dW となる。
3.一方、エントロピの定義 dQ  TdS より、等温条件でこれを積分すれば、
W  Q  A dQ  A TdS  T A dS  T S B  S A 
B
B
B
となり、T-S 線図では、図のように熱量 Q が長方形で与えられること。
などを総合的に理解し、エントロピの効用について理解を深めること。
解答:エントロピの定義から等温変化では
W  Q  A dQ  A TdS  T A dS  T S B  S A 
B
B
B
であるから、等温変化における熱量 Q は T-S 線図上では長方形の面積で表されること
がわかる。
第4章 総合演習問題
ガス定数
1.圧力 200kPa、温度 40℃の状態にある酸素 O2 の比容積はいくらか。ただし、酸素は理
想気体とみなし、酸素のガス定数は R  0.2598  10 ( J /( kg  K )) とする。
3
3
(解答: 0.407(m / kg) )
解答:題意から P  200kPa, T  313.15K , R  0.2598  10 J / kg  K  とし、酸素を理
3
想気体とみなすと
v
RT 0.2598  10 3  313.15

 0.407(m 3 / kg)
P
200  10 3
2.ある気体 1kg は、圧力 101.325kpa(1標準大気圧)、温度 30℃の状態で、 0.8m の体
3
積を占める。この気体のガス定数はいくらか。
(解答: 0.267(kJ /( kg  k ))
解答:題意から、 P  101.325kPa, v  0.8m , T  303.15K を代入して、この気体を理
3
想気体とみなして、
R
Pv 101.325  10 3  0.8

 267.4( J / kg・K)=0.267 kJ/kg  K)
T
303.15
- 126 -
等圧比熱・等積比熱
3.ある理想気体1kg を容積一定のもとに、20℃から 100℃まで加熱するのに 837.2KJ を
要した。この気体の分子量を 2 として、等積比熱、等圧比熱を求めよ。
(解答:Cv  10.5(kJ /( kg  K )) 、C p  14.7(kJ /( kg  K ))
解答:題意から、 Q12  837.2kJ , G  1kg, T1  293.15K , T2  373.15K として、
Cv 
Q12
837.2

 10.47kJ / kg  K 
G(T2  T1 ) 1  373.15  293.15
また、等圧比熱と等積比熱の関係式 C p  Cv  R および一般ガス定数 R と気体分子量
M の関係 MR  R と R  8315J / kmol  K  であることを考慮して、等圧比熱 C p は、
C p  Cv  R  Cv  8.315 M  10.47 
8.315
 14.627kJ / kg  K 
2
4.空気 10kg を 20℃から 800℃まで圧力一定のもとで加熱する場合、
(解答:1872kcal)
(1)必要な熱量
(2)内部エネルギの変化
(解答:1334kcal)
(解答:1872kcal)
(3)エンタルピの変化
を求めよ。ただし、空気を理想気体とみなし、等圧比熱 C p  0.24(kcal /( kg  K )) 、等積
比熱 Cv  0.171(kcal /( kg  K )) として計算すること。
解答:比熱に関する総合問題であり、
(1)加熱に要する熱量 Q12 は T1  293.15K , T2  1073.15K を代入して、
Q12  GC p T2  T1   10  0.24  1073.15  293.15  1872kcal 
(2)内部エネルギの変化は
U 2  U1   GCv T2  T1   10  0.171 1073.15  293.15  1334kcal 
(3)エンタルピの変化は
H 2  H1   GC p T2  T1   Q12  1872kcal 
5.ある理想気体が 2m のタンクに、圧力 200kPa 、温度 20℃の状態で入れられている。
3
この気体の圧力を 340kPa まで上げるにはどれほど熱量を加えなければならないか。
ただし、この気体のガス定数を R  0.46(kJ /( kg  K )) 、等積比熱を
Cv  1.40(kJ /( kg  K )) とする。
(解答:852kJ)
解答:題意から、 P1  200  10 Pa, T1  293.15K , P2  340  10 Pa で、等積変化であ
3
3
るから、V1  V2  2m であることを考慮して、かつ、この場合、等積変化の関係式は、
3
- 127 -
P1V1 P2V1

であるから、
T1
T2
P2
340  10 3
∴ T2  T1
 293.15 
 498.36 K
P1
200  10 3
また、この場合、気体の質量 G は
P1V1
200  10 3  2

 2.966kg
RT1 0.46  10 3  293.15
∴ Q12  GCv T2  T1   2.9663  1.4  498.36  293.15  852.2kJ 
G
理想気体の各種状態変化

6.一定容積 2000 リットルのタンクに圧力 2kgf / cm 、温度 0 C の空気が入っている。こ
2

の空気の重量を求めなさい。また、この空気を 60 C に加熱する場合の圧力の増加およ
び加熱に要する熱量は何 kcal か。ただし、空気は理想気体とみなし、ガス定数および
等積比熱はそれぞれ、R  29.27(kgf  m /( kgf  K )) 、Cv  0.171(kcal /( kgf  K )) とす
る。(解答:空気の重量=5kgf、圧力の増加= 0.44(kgf / cm ) 、加熱量= 51.3(kcal) )
2
解答:まず、空気の重量 G は、
G
P1V1
2  10 4  2

 5.00(kgf )
RT1 29.27  273.15
等積変化であるので、加熱後の圧力 P2 を求めると、
P1T2 2  10 4  333.15
P2 

 2.439  10 4 (kgf / m 2 )  2.439 kgf / cm 2
T1
273.15

したがって、加熱前後の圧力差は、

P 2  P1  2.439  2.0  0.439 kgf / cm 2


さらに、加熱に要する熱量は、
Q12  GCv T2  T1   5.0  0.171 333.15  273.15  51.3kcal 

7.一定容積 500 リットルのタンクに圧力 300kpa、温度 120 C の酸素が入っている。こ
の酸素から、40kJの熱量を取り去ったら圧力はいくらになるか。ただし、酸素のガス
定数は R  0.2598(kJ / kg  K ) とする。
(解答:268kPa)
解答:タンク内の酸素の質量 G はガス定数が R  0.2598(kJ / kg  K ) であるから、
G
P1V1
300  0.5

 1.4686kg
RT1 0.2598  393.15
つぎに、40kJ取り去った後の温度 T2 は、 Q12  GCv T2  T1   40kJ あるから、
T2  T1  
Q12
 40

 41.996( K )
GCv 1.4586  0.653
∴ T2  41.996  393.15  351.15K
したがって、-40kJ 取り去った後の圧力 P2 は
- 128 -
P2 
P1T2 300  351.15

 267.95(kPa)
T1
393.15

8.空気 2kg を、圧力 400kPa、温度 400 C の状態から、等圧のもとで容積が 1/2 になる
までの加熱に要する熱量はいくらか。ただし、空気の等圧比熱は
C p  1.005(kJ /( kg  K )) とする。
(解答:-675.4kJ)
解答:始めの容積を V1 、終わりの容積を V2 とすれば、題意から、
V2 0.5

であり、終わりの温度 T2 は、等圧変化であることを考慮して、
V1
1
T2  T1
V2
0.5
 673.15 
 336.57( K )
V1
1
したがって、加熱に要する熱量 Q12 は、
Q12  GC p T2  T1   2.0  1.005  336.57  673.15  676.5kJ 

3
3
9.初め容積 1m 、温度 25 C の状態のある気体を、等圧のもとで 4m に膨張させるにはい
くらの熱量を加えればよいか。またこの変化によって、この気体がする仕事量はいく
らか。ただし、気体の等圧比熱は C p  0.837(kJ /( kg  K )) 、ガス定数は
R  0.2943(kJ /( kg  K )) とする。
(解答:263.1kJ)
解答:等圧変化であるから、
T2  T1
V2
4
 298.15   1192.6 K
V1
1
したがって、加える熱量 q12 は
q12  C p T2  T1   0.837  1192.6  298.15  748.65kJ / kg
等圧変化中にこの気体がする仕事量 w12 は、


w12   Pdv  P v2  v1  RT2  T1 
2
1
 0.2943  1192.6  298.15  263.24kJ / kg

10.空気 5kg を、圧力 200kPa 、温度 27 C の状態から、温度一定のもとに、圧力 1MPa
まで圧縮するのに必要な仕事量を求めよ。ただし、空気のガス定数は
R  0.2871(kJ /( kg  K )) とする。
(解答:-693kJ)
解答:等温圧縮変化であるから、 P1V1  P2V2  GRT であり、
P1  200kPa, P2  1MPa, G  5kg 、T1  300.15K , R  0.2871kJ / kg  K  であること
を考慮し、まず、最初の体積 V1 は、
- 129 -
GRT1 5  0.2871  10 3  300.15
V1 

 2.1543 m 3
3
P1
200  10
 
したがって、圧縮後の体積 V2 は、
V2  V1
P1
200  10 3
 2.1543 
 0.431 m 3
P2
1  10 6
 
等温圧縮に必要な仕事 W12 は
2
v 
v 
W12   PdV  GRT ln  2   P1V1 ln  2 
1
 v1 
 v1 
v 
P
 P1V1 ln  2   P1V1 ln  1
 v1 
 P2

 200  10 3 
  200  10 3  2.1543  ln 
  693.4kJ 
6
 1  10 

11.ある理想気体が、圧力 1MPa、容積 0.1m の状態から、等温膨張によって、容積が 4
3
倍になった。膨張後の圧力、この気体が外部になした仕事および外部から供給された
熱量はそれぞれいくらか。
(解答:膨張後の圧力=250kPa、仕事量=138.6kJ、熱量=138.6kJ)
解答:等温変化であるから、 P1V1  P2V2  GRT であり、したがって膨張後の圧力 P2 は
P2  P1
V1
01
 1000 
 250kPa
V2
0.1  4
また、 V2 / V1  v2 / v1  4 / 1 であるから、仕事量 W12 は
2
v 
4
W12   PdV  GRT ln  2   P1V1 ln    1000  0.1  ln 4  138.63kJ
1
1
 v1 
外部から受けて熱 Q12 は、等温変化では Q12  W12 であるから、
Q12  W12  138.63(kJ )
12.重さ 1kgf の空気を、圧力 1kgf / cm 、容積 2m の状態から、断熱的に圧力 10kgf / cm
3
2
2
まで圧縮するのに必要な仕事量を求めよ。ただし、空気の比熱比は   1.4 とする。
(解答:-46500kgf・m)



解答:断熱変化では、 P1v1  P2 v2 であるから、 v 2 
P
1
v2  ( 1 )1 1.4 v1   
P2
 10 
P1 
v1 となる。したがって、
P2
1 1.4
 2  0.193  2  0.386(m 3 / kgf )
したがって、断熱変化の仕事 W12 は
- 130 -
W12  Gw12 

G
P1v1  P2 v2   1 P1V1  P2V2 
k 1
 1


1
P1V1  P2V2   1 1 10 4  2  10  10 4  0.386  46500(kgf  m)
 1
1.4  1

13.圧力 2kgf / cm 、容積 0.86m 、温度 20 C の空気を、圧力 20kgf / cm になるまで断
3
2
2
熱圧縮させた場合について、以下の問いに答えよ。
(解答:2.01kgf)
(1)使用している空気の重量
(解答:0.166m3)
(2)断熱変化後の容積
(3)断熱変化後の温度
(解答:567K、292℃)
(4)断熱変化による仕事量
(解答:-40000kgf・m)
(5)内部エネルギの変化量
(解答:93.7kcal)
ただし、空気の比熱比は   1.4 、ガス定数は R  29.27kgf  m / kgf  K  とする。
解答:まず、使用している空気の重量は、
P1  2kgf / cm 2 ,V1  0.86m3 , R  29.27kgf  m / kgf  K ,
(1) G 
T1  293.15K であるから、
P1V1
2  10  0.86

 2.00(kgf )
RT1 29.27  293.15
4
(2)断熱圧縮変化後の容積



断熱変化では、 P1V1  P2V2 であるから、 V2 
P 1 1.4
 2
∴ V2  ( 1 ) V1  

P2
 20 
P1 
V1 となる。したがって、
P2
1 1.4
 0.86  0.193  0.86  0.166(m 3 )
(3)断熱変化後の温度は、完全ガスの状態方程式 PV  GRT と断熱変化 PV

 const
を組合せれば、断熱変化は別の表現としてつぎのように書ける。すなわち、
P  GRT / V を代入して、
 GRT  
 1
PV   
V  GTV  const
V


この状態変化を最初と最後に適用すれば(G は一定)、T1V1
 T2

 T1
  V1
  
  V2



V 
∴ T2   1 
 V2 
 1
 T2V2
 1
 const より、
 1
 1
となり、
 0.86 
T1  

 0.166 
1.41
 
 293.15  566.04K   292.88  C
(4)断熱圧縮による仕事量 W12 は、
- 131 -
W12  Gw12 

G
P1v1  P2 v2   1 P1V1  P2V2 
k 1
 1


1
2  10 4  0.86  20  10 4  0.166  40000kgf  m  3.923  10 5 J 
1.4  1
(5)内部エネルギの変化は、
熱力学の第 1 法則すなわち、dQ  dU  dW を断熱変化(の場合 dQ  0) に適用して、
dU  dW となり、これを積分して
U 2  U1  W12  40000kgf  m  3.923  105 J   93.72kcal 
14.図 4.16 に示されたオットーサイクル
の熱効率が圧縮比を  とするとき、
  1
1
  1
で与えられることを以下
の手順にしたがって証明せよ。演習課
D
p
Q1
題の解決手順として、入熱 Q1  QCD 、
出熱 Q2  QEB および正味仕事 WBCDE
爆
発
正味仕事W
C
を求め、つぎの熱効率の定義

膨張
E
圧縮
WBCDE QCD  QEB
Q

1- EB
QCD
QCD
QCD
排
気
を利用する。ただし、作動流体ガスの
A
吸入
Q2
B
v
質量を Gkg とし、仕事および熱量は
それぞれ W  Gw ; Q  Gq であるこ
図 4.16 オットーサイクルの熱効率
とに注意する。なお、図において吸
入または排気行程 A→B、B→A の仕事は相殺されるのでここでは考慮しないものとする。
手順1:B→C の断熱圧縮変化における仕事 WBC および入熱 QBC については、
まず B→C の断熱圧縮行程で外部から供給すべき仕事 WBC は、
WBC  GwBC 
GR
TB  TC  (<0)
 1
断熱行程であるから、系への熱の授受が行われないので、
QBC  GqBC  0
手順2:C→D の等積変化における仕事 WCD および入熱 Q1  QCD は
まず仕事 WCD は等積変化であるから
WCD  GwCD  0
入熱 Q1  QCD は C 点および D 点の温度をそれぞれ TC 、 TD として、
Q1  QCD  GqCD  Gcv TD  TC 
手順3:D→E の断熱膨張変化で取り出される仕事 WDE は
- 132 -
WDE  GwDE 
GR
TD  TE  (>0)
 1
であり、この行程では熱の授受が行われない。
手順4:E→B の等積変化における、外部仕事 WEB および排出する熱量 Q2  QEB は
まず外部になす仕事は等積変化であるから、
WEB  GwEB  0
である。一方、外部に排出する熱量 Q2  QEB は E 点および B 点の温度をそれぞれ TE 、
TB として、
Q2  QEB  GqEB  Gcv TE  TB 
手順5:チェックのため B→A または A→B の等圧行程における仕事 W AB および WBA は
W AB  GwAB  GRTB  TA   G
  1 C T  T 
p
B
A
WBA  GwBA   GRTA  TB   G

  1 C T  T 
p
A
B

これより、 WAB  WBA  0 となることが確認される。
手順6:以下の熱効率の定義に従って
入熱-出熱 作動流体がした正味仕事

入熱
入熱
W
Q  QEB
Q
 BCDE  CD
1- EB
QCD
QCD
QCD

(ただし、 QCD はこの場合正にとる)
先に求めた入熱 Q1  QCD および出熱 Q2  QEB および正味仕事 WBCDE を代入する。ま
ず正味仕事 WBCDE は
WBCDE  WBC  WCD  WDE  WEB
GR
TB  TC   0  GR TD  TE   0
 1
 1
であり、入熱 Q1  QCD 出熱 Q2  QEB はそれぞれ
Q1  QCD  Gcv TD  TC   0 ; Q2  QEB  Gcv TE  TB   0

であるから、オットーサイクルの熱効率は


WBCDE Gcv TB  TC   Gcv TD  TE 
Gc T  TB 

 1 v E
QCD
QCD
Gcv TD  TC 
QCD  QEB
Gc T  TB 
Q
T  TB 
 1  EB  1  v E
 1 E
TD  TC 
QCD
QCD
Gcv TD  TC 
 1
TB TE TB  1
TC TD TC  1
(4.45)
となる。
- 133 -
手順7:続いて、圧縮比が  
vE vB

で与えられること。さらに、状態変化 B→C およ
v D vc
び D→E が断熱変化であることに注目して、式(4.45)に現れる温度 TD 、TE 、TC 、TB
と比容積 v D  vc 、v E  v B の関係を整理する。すなわち、断熱変化の状態方程式(4.32)
から、
v 
TE  TD  D 
 vE 
 1
v
 TD  C
 vB



k 1
 TD  1
同様にして、B→C の断熱変化においては
v
TB  TC  C
 vB



 1
v 
 TC  D 
 vB 
k 1
 TC  1
したがって、
TE TB
T
T

  1 でありかつ、 E  D
TB TC
TD TC
手順8:手順7で得られた結果を式(4.45)へ代入すれば最終的にオットーサイクルの熱効率
は
  1
 1
TB TE TB  1
T
 1  B  1   1
TC TD TC  1
TC
1

 1
となり、証明することができた。
-------------------------------------------------------------------------------
- 134 -