我が国において革新的な創薬を行うために −メディカル・ビッグバンの実現に向けて− 渋谷 健司 www.ghp.m.u-tokyo.ac.jp 世界大学ランキング 2013∼14年 順位 大学 (国) スコア 1 カリフォルニア工科大学(米国) 94.9 2 オックスフォード大学(英国) 93.9 2 ハーバード大学(米国) 93.9 4 スタンフォード大学(米国) 93.8 23 東京大学(日本) 76.4 24 カーネギー・メロン大学(米国) 76 25 ワシントン大学 (米国) 73.4 26 シンガポール国立大学(シンガポール) 72.4 出典: Times Higher Educa1on h4p://www.1meshighereduca1on.co.uk/world-‐university-‐rankings/2013-‐14/world-‐ranking 2 QS 世界大学ランキング 10 順位 20 17 18 19 26 30 30 22 24 30 33 40 2007 2008 2009 23 24 22 23 25 25 28 30 31 2010 年 2011 2012 出典: QS University Rankings htp://www.topuniversi1es.com/university-‐rankings 24 26 32 シンガポール 国立大 香港大 東京大 2013 3 東京大学の弱点 100 80 スコア 60 東京大 シンガポール国立大 香港大 40 20 0 教育 国際性 イノベーション 研究 引用数 評価項目 出典: Times Higher Educa1on h4p://www.1meshighereduca1on.co.uk/world-‐university-‐rankings/2013-‐14/world-‐ranking 4 死の谷 橋渡し 5 我が国における創薬の現状 米国 日本 投入資金(年間) 約11兆円 約2.7兆円 米国食品医薬品局の 新薬承認件数 117 (100%) 23 (100%) 革新的創薬 70 (60%) 4 (17%) うち大学・ベン チャー 49 (42%) 2 (9%) 改良型創薬 47 (40%) 19 (83%) 24 (21%) 16 (70%) うち製薬企業 出典:Kneller R. Nature Reviews Drug Discovery 2010;9:867-‐882 6 日米欧・臨床開発プロジェクト数の推移 日本は三極の一極から脱落 日本 1996年 2002年 EU 米国 出典:山中、 爪. 東大医薬品評価学推計(2011) 2010年 7 ! 構造的要因 2009年時点における医療用医薬品の売上に占める長期収載品のシェア(販売額) 国名 新薬 長期収載品 日本 49% 44% 米国 74% 13% 欧州 60% 20% 出典:東大医科学研究所調査 ジェネリック薬の販売価格の比較(米国を100とした場合) 国名 日本 米国 独 英国 仏 相対価格 211 100 151 108 131 出典:2005年Danzon調査 「薬価の国際比較ー2010年薬価の調査報告書」月刊 8 多発する臨床研究不正 製薬企業と医療界の癒着 9 デジャブ? 10 金融ビッグバン(1996年) 1. Global(グローバルなマーケット) 2. Fair(透明で信頼できるマーケット) 3. Free(自由なマーケット) 11 グローバルヘルスは医療の将来 保健医療の3つのD 国益 1. Discovery(発見) 2. Development(開発) 3. Delivery(供給) 1. 開発 X 2. 成長戦略 3. 国家安全保障 12 4つのP 1. Prioritization(選択と集中) 2. Partnership(連携) 3. Performance(成果主義) 4. Professionals(人材) 13 保健医療人材教育の新たな潮流 H E A LT H P RO FE S S I O N A L S FO R A N E W CE N T U R Y HEALTH PROFESSIONALS FOR A NEW CENTURY Transforming education to strengthen health systems in an interdependent world THE COMMISSION 14 第3世代の医療人材教育 サイエンスからシステム思考のリーダー育成へ 1900年代 2000年代 科学的教育 課題解決型教育 コンピテンシー に基づく教育 学習内容 各科学領域 ロジカル思考 クラークシップ システム思考 地域とグローバル 教育組織 大学 大学関連機関 保健医療制度 出典:Frenk , Chen et al. Lancet 2011 15 革新的創薬を進めるために 1. 国内外の国際的知見を有する幅広い専門家が集結したアドバ イザリーボードの設置 2. グローバルアライアンス(連携)を前提としたプロジェクト への優先的なコア資金の配分 3. コア資金の成果に関する定量的クライテリアによる評価・ フィードバックの実施 4. 中長期的には、長期収載薬やジェネリック薬の薬価水準を国 際レベルまで引き下げることが必要 16 ケネディ大統領のスピーチ(1963年) “The problems of the world cannot possibly be solved by skep1cs or cynics, whose horizons are limited by the obvious reali1es. We need men who can dream of things that never were and ask, why not?” 17
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