目白大学大学院 所属 氏名 論文題目 リハビリテーション学研究科 リハビリテーション学専攻 修士課程 新泉 一美 修了論文概要 修了年度 平成 25 年度 指導教員 (主査) 山田 孝 作業療法士を目指す学生に人間作業モデルが与える影響 本 文 概 要 「目的」作業療法士を目指す学生が作業療法の概念的実践モデルの 1 つである人間作業モデル(MOHO) を学ぶことで自己認識と学生生活にどのような変化がみられるのかを検討することである.なお, 学生の自己認識を評価する為に作業に関する自己評価(OSAⅡ)を,また,学生の生活の変化を知る ために作業質問紙(OQ)を実施する. 「方法」対象者は,当学院作業療法学科に在学中の学生(1,2 年生)で,研究同意書にて同意した者と した.同意した学生を実験群と対照群に分け,実験群には MOHO の概念の講義を,対照群には,身 体障害の分野で行われている治療について 1 講義 60 分として実施した.講義前後に MOHO に基づい て作成された OSAⅡと OQ を行った.OSAⅡは,技能・遂行機能,習慣化,意志,物理的環境,社会 的環境を講義前後の結果を利得とし実験群,対照群で分析した.OQ からは,各群の平日,休日の自 己学習時間の変化,また両群の平日,休日の自己学習時間を分析した. 「結果」OSA Ⅱの統計結果は,技能・遂行機能(P=.67) ,習慣化(P=.65) ,物理的環境(P=.16) ,社会 的環境(P=.15)には有意差はみられなかった.意志(P=.03 )には有意な変化がみられた. OQ で は実験群の平日(P=.04) ,休日(P=.01)の自己学習時間に有意な変化がみられた.対照群は,平日, 休日ともに自己学習時間減少傾向がみられた.また,実験群,対照群では,平日(P=.04 ),休日 (P=.03 )の自己学習時間に有意な変化がみられた. 「考察」学生は,MOHO を学ぶことにより「意志」に有意な変化をもたらすことができた. 「意志」が変 化したことが,学習に対して楽しさを見出し,興味に繋がってきているのではないかと考える.そ の結果,学習時間は有意に増加したと思われる.このことは, 「意志」における価値・個人的原因帰 属・興味から構成されている.学生は,作業療法士になるためには何が必要かを理解し,興味を持 ち,作業療法士の価値を見出すことができたと考えられた.
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