資料 2 事業報告については、評価対象の候補である宮城野区、若林区、泉区分を掲載し、講評やパ ネルディスカッションの発言については、他区に関する分も含めて掲載しています。 1 成果報告会について (1)概要 各区中央市民センターから事業の報告をするとともに、専門家から助言を得る機会として 開催した。 ○開催日時 平成 26 年 2 月 1 日(土)午後 2 時~5 時 ○会 場 中央市民センター ○参加者 84 人(地区館職員 34 人、市職員 21 人、事業参加者等 28 人) (2)コーディネーター及び助言者 【コーディネーター】 新田新一郎氏(有限会社プランニング開代表、元仙台市公民館運営審議会副会長) 【助言者】 澤藤英樹氏(東京アカデミー仙台校講師、元仙台市立中山中学校校長、元仙台市公民館運営審議会委員) 佐藤憲子氏(仙台市放課後子ども教室遠見塚YOU-GOクラブコーディネーター、 仙台市公民館運営審議会副会長) 【コーディネーター補助】 田中聡子氏(NPO 法人まなびのたねネットワーク) 2 事業に参加した子どもの発表 (1)事業に参加した“子ども”による発表 ①宮城野区の発表 ○地域課題を探しに原町商店街をまち歩き ・閉まっている店が多い ・人が少ない ○課題を解決するための話し合い ・もっと人が集まるための“めじるし”をつくりたい ○話し合いの結果、実施したこと ・七転び八起きの精神をもってもらうため、 “起き上がりこぼし” を作製 ○これからの活動 ・商店街に作品を展示してもらえるように交渉するなど、原町商 店街と深く関わっていきたい ②若林区の発表 ○実施概要 ・ 「まち歩きゴミ拾い隊」として地域の清掃活動 ・ 「広瀬川流域一斉清掃」イベントへの参加 ・児童館行事でのお手伝い ・ 「若林区民ふるさとまつり」でのお手伝い ・若林区若者事業への参加 紙芝居「みんなの白菜物語」を作製 し披露 ・ “あかねグループ”宅配弁当に添える手紙を作製 ・復興支援ボランティア「リルーツ」の活動に参加 ○感想 ・いつも周りに仲間がいて、楽しく活動できた ・JL に憧れ、JL になった ・しっかり後輩に伝えていきたい (2)講評(助言者) 宮城野区 若林区 ○ 自分が子どもの頃は、この辺りの商店街と ○ 昨年から、素晴らしい活動だと思っていた。 の関わりから様々なことを学ぶことができ 活動範囲が広いのによく頑張った。地域の人か た。ぜひ、みなさんの力で商店街を活性化し らも感謝されて、良かったですね。自分たちに ていただきたい。今後は、未来づくりのため できることに発達段階に応じて取り組んでいる の計画・運営を自分たちの手で行っていって ところが、大変素晴らしい。JL が増えたことも いただきたい。3年目の活動としては、大変 成果の表れである。 立派だった。 ○ 設置する場所に応じて、思いをこめて“起 ○「リルーツ」の活動に参加して、荒浜のがれき き上がりこぼし”を制作したことに感動した。 拾いなどのボランティア活動に取り組んだこと 皆さんの様子を見ていた大人たちも嬉しかっ に感謝したい。参加のきっかけは違うかもしれ たと思う。この事業を通して学んだことは、 ないが、仲間と話し合って決めていくプロセス これからの皆さんにとって、きっと貴重な財 を経験したことも貴重だ。この活動が地域の絆 産になることと思う。 を深めるきっかけになったのではないかと思 う。 3 事業担当者の発表 (1)事業担当者としての発表 区 事業名 宮 城 野 区 若 林 区 *各区の事業概要を掲載 事業内容 宮 キミと社会をアートで結ぶ! ワークショップ 「ぼくらとこども商工会」 参加者一同が原町本通り商店街の実地見学をすることで,商店 街の様子を知るとともに,商店街に愛着をもってもらうようにし た。その上で,商店街の各お店を PR するために設置をお願いす る, “起き上がりこぼし”の制作にとりかかった。お店の方に聞き 取り調査した結果をもとに,子どもたちは,思い思いにアイディ アを出し合ってデザインを工夫した。 作品の完成後は,宮城野区中央市民センターまつりにおいて, “作品制作実演・発表会”を行い,子どもたちが作品作りに取り 組む様子を実際に見てもらった。また,講座の最終回には,商工 会の方々や,子どもたちが通う学校の先生方,保護者の方々を対 象に報告会も行った。 今後は,展示する場所の交渉をはじめ,子どもたちの手による 企画・運営で,各お店等での展示をお願いする予定である。 若 チャイルドボランティア 「チャボ」 地域清掃や身近なイベントへの参加、 「NPO 法人あかねグルー プ」の宅配弁当に添える手紙書きなどを中心に毎月1~2回活動 している。 その他にも「若林ボランティアハウス・リルーツ」の被災地の がれきひろいなど地域の方々や各団体の協力をいただき、さまざ まな活動に取り組んできた。 登録しているのは、若林区中央市民センター管内の小学4年生 から中学3年生で、現在35名。そこからジュニアリーダーにな る子どもたちも出てきている。 泉 区 泉 夢をカタチに ~パティシエ編~ 仙台の野菜 de スイーツ創ろっ!! 「仙台の野菜使ったスイーツをつくる」をテーマに商品開発に 取り組み、体験活動を通して、社会のしくみに気づかせるととも に、職業観をもたせたり、コミュニケーション能力を培ったりす ることを目的とした事業である。 まず、経営コンサルティングの方や商品開発に取り組んでいる 高校生の話から、商品開発の流れを知り、野菜を使ったスイーツ のイメージ作りのために、仙台野菜についての話を聞いた後、仙 台市内の農家を訪ね畑を見学し、野菜スイーツ工房で見学・試食 を行った。 次に、フードコーディネーターのアドバイスで一人ひとりスイ ーツの企画を考え、それらの発表会を行い、話し合いで試作品を 決めた。短大生のサポートを得て、試作を行い、さらに意見を出 し合って、最終的な野菜スイーツを決めた。ネーミングについて 話し合い、デザイナーからパッケージデザインを学び、活動報告 会と試食会を行った。 受講児童、家族、学校の先生、お世話になった講師の方など 70 名を超える参加があり、受講児童が考案した「星くずキラリ・タ ルト」を試食した。参加した方々から、温かい感想をもらい、受 講児童たちの達成感につながった。 (1) 講評(助言者) ・家庭の役割は子どもを育てること。学校は学ぶ場所。地域は子どもを成長させる場所。自ら課題を見 つけ、自ら学び考え、主体的に判断し行動する力、すなわち「生きる力」を養ううえで、市民センタ ーを拠点として地域に目を向けさせることで課題を見つけ、たっぷり時間をとって考えさせ、子ども 達に実践させることを通して、子どもたちを成長させているところが素晴らしい。その際、コミュニ ケーションの場を設けることや自信を身に付けさせること、いろいろな考えを受容する気持ちを養う ことが、子ども参画型の事業としては大切な要素といえる。どの区もこのような要素を取り入れた素 晴らしい活動だった。今後も期待したい。 ・子どもたちと関わる事業は、根気がいる作業だったと推察する。そのような中、学校では味わえない。 地域の大人との関わりから子ども達は達成感を得る活動ができたのではないか。学校や企業、NPO 等市民センターが蓄積しているネットワークを生かしたことも成果につながったのではないか。 4 パネルディスカッション ~テーマ 『この3年間の総括と今後の展望』~ 《コーディネーター》 「助かる」 「すごい」 「ありがとう」 これらの言葉を地域の方に言ってもらうことで子どもは育つ。そ のための仕組みづくりをするために、この事業はスタートした。 さて、3年たってどうだったか。 《青葉区》 子どもの姿や地域住民の姿が見えるという点で、福沢市民センターと連携しながら居場所型の事業を展 開してきたが、成果や課題など得るところがあった。今後は、子ども達がもっと気軽に、そして自由に市 民センターを利用できるような環境づくりを目指していきたい。 《宮城野区》 商店街での活動を中心に進めてきたが、地区館との連携ということを考えると、広報紙を作ったり、掲 示板的なものを作ったりするなど、町内会の中で子どもが担える部分を取り出して、“子ども町内会”の ような形で展開することも考えられる。 《若林区》 子ども達の活動の拠点として居場所になることや自主的に地域活動に参画できるようになることを発 達段階に応じて企画してきた。子ども達が地域のことを知り、地域のことを考え、地域のために行動する、 という“学びの循環”が見られるようになってきた。今後は、連絡方法を工夫したり、サポートしてくれ る人々を育成したりして、地区館との連携も見据えていきたい。 《太白区》 食育を通して地元食材を知ってもらったり、異世代間の交流を通して上の世代への憧れをもってもらえ るような事業を展開した。太白区には、農業地区や商業地区等、様々な地域があることから、区中央市民 センターでは網羅しきれないところがある。次年度以降は、地区館と連携しながら、子どもが自分の地域 の中で地域課題を解決していけるように展開していきたい。太白区中央市民センターとしては、「エフエ ムたいはく」を活用し、それぞれの地区で展開している事業について、情報収集・情報発信をしていきた い。 《泉区》 1年目の事業「つくろう、あそびの天国」は、子どもスタッフが自分たちのブースや運営に関わること を続けている。今年度も5回の子どもスタッフ会議を行って当日を迎えた。2 年目の「伊達な防災イベン ト」は、今年度、小学生の子どもスタッフに加え、中学生もボランティアとして加わった。昨年度参加し た子どもスタッフが今年度はジュニアリーダーとして、このイベントに参加している。この3年間の取り 組みを通して学校との連携協力の必要性を感じている。 《コーディネーター》 若林区の取り組みはすばらしい。 「牛たん、 笹かま、子ども参画」として仙台の名物とし て全国にも発信していきたい。 宮城野区の取り組みもすばらしい。しかし、 “起き上がりこぼし”が子どもの発想からでた 物ではないことが残念だ。子どもは自分で選 んだもので遊ぶうちはけがをしない。しかし 大人が用意したものだとけがをする。自己決定がとても大切。中山の“雪だるマーケット”は子どもの発 想を生かしたイベントで、非常におもしろかった。 太白区は、地域の人との顔見知りが増え、連携の輪がどんどん広がっているところがすばらしい。子ど もの事業にたくさんの大人が関わり顔なじみになる。また、地元食材にこだわって、この3年間テーマを 設定してきた。そのこだわりもすばらしい。 泉区は、話し合いをたっぷりさせて、子ども達にじっくり考えさせたところがすばらしい。ただ、もっ と泉区にこだわってほしい。根白石の農家の野菜を活用しても良かったのではないか。また、総合的な学 習の時間だったらこれで良いが、社会との関わりという点では物足りなさを感じる。 青葉区は仙台の中心地。その中心地としての特性を生かした事業を展開してほしかった。高校生の FM 発信基地にするとか、若者が集まるような工夫がほしい。 「おいしい放課後」も、土佐の駅弁プロジェク トのような発想がほしい。 《助言者》 ・子ども参画型の事業は、学校で学んだことを実践する場。ぜひ、活発に話し合わせてこの事業を進めて ほしい。中・高校生が市民センター事業に参加することは少ない中、青葉区中央市民センターでは、多 くの中・高校生を集め、自分たちで企画させたことが素晴らしい。この事業をきっかけにジュニアリー ダーが増えたことが素晴らしい。 ・五区それぞれ、時間をかけて子ども達を育成してくれたことに感謝する。この3年間の課題を整理して、 次年度も継続してほしい。大人が考えていることと、子どもがやりたいことがマッチするよう、余裕を もって楽しく進めてほしい。そのためには、日頃から地域や学校の情報を把握し連携を深めながら、必 要な学びの種まきをし、育てる過程を大切にしながら、みんなで素敵な花を咲かせていってほしい。
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