植物検疫にかかる放射線照射処理について(PDF:106KB)

植物検疫にかかる
放射線照射処理について
(資料6-3)
国際植物防疫条約(IPPC)※1 総会で採択されている
放射線照射処理に係る国際基準
番号
害虫(学名)
害虫(和名)
品目
(寄主となる全ての)
線量
効果
1
Anastrepha ludens
メキシコミバエ
果実・野菜
※2
70 Gy 羽化防止
2
Anastrepha obliqua
ニシインドミバエ
果実・野菜、ナッツ
70 Gy 〃
3
Anastrepha serpentina
ウスグロミバエ
果実・野菜
100 Gy 〃
4
Bactrocera jarvisi
(ミバエの一種。和名なし)
果実・野菜
100 Gy 〃
5
Bactrocera tryoni
クインスランドミバエ
果実・野菜
100 Gy 〃
6
Cydia pomonella
コドリンガ
果実・野菜
200 Gy 〃
7
Fruit flies of Tephritidae
ミバエ科のミバエ
果実・野菜
150 Gy 〃
8
Rhagoletis pomonella
リンゴミバエ
果実・野菜
60 Gy 蛹化防止
9
Conotrachelus nenuphar
スモモゾウムシ
果実・野菜
92 Gy 成虫不妊化
10 Grapholita molesta
ナシヒメシンクイ
果実・野菜
232 Gy 羽化防止
11 G. molesta (低酸素下)
〃
果実・野菜
232 Gy 産卵阻止
12 Cylas formicarius
アリモドキゾウムシ
塊根・野菜
165 Gy 次世代成虫成長(羽化)防止
13 Euscepes postfasciatus
イモゾウムシ
塊根・野菜
150 Gy 〃
14 Ceratitis capitata
チチュウカイミバエ
果実・野菜
100 Gy 羽化防止
資料:植物検疫処理に関する国際基準 から抜粋
※1 国際植物防疫条約(IPPC):国際貿易において、植物の病害虫の侵入・まん延を防止するため、加盟国が講ずる植物検疫措置の調
和を図ることを目的とする多国間条約。FAOに事務局を設置。(1952年4月に発効。日本は当初から加盟。現在181カ国が加盟)
※2 Gy(グレイ):放射線が物質に当たったときに、その物質にどのくらいのエネルギーを与えたかを表す単位。
(1kgの物質が1ジュールのエネルギーを吸収=1グレイ)
(参考)放射線照射に関する国内の状況
植物検疫措置として、国際的には、14の害虫/品目について、放射線照射処理の基準が定められているが、我が国は輸入される
植物に対する検疫措置としては認めていない。
食品については、食品衛生法第11条に基づき定められている「食品の製造・加工基準、保存基準」(昭和34年厚生省告示第370
号)において、原則禁止されているが、ばれいしょに対する放射線照射(150Gy以下)のみ許可されている。