末梢血単核球(PPBMC)からのiPS細胞誘導法 ( PDF:225KB)

 CytoTune-iPS 2 .0 を用いた末梢血単核球(PBMC)からの iPS 細胞誘導方法 ディナベック株式会社 【材料】 《細胞》 ・ ヒト末梢血単核球(PBMC:下記密度勾配遠心法により調製) 《ベクター》 ・ CytoTune-iPS 2.0 Cat. No. DV-0304 《試薬等》 ・ 霊長類 ES 細胞用培地(ESM):ReproCell Cat. No. RCHEMD001 ・ StemPro-34 SFM (1X), Liquid:Life Technologies, Cat. No. 10639-011 ・ L-glutamine, 200 mM:Life Technologies, Cat. No. 25030081 ・ SCF (c-Kit Ligand) Recombinant Human Protein:Life Technologies, Cat. No. PHC2116 0.1% BSA/D-PBS 溶液に溶解して使用 Stock concentration:100 µg/ml Working concentration:100 ng/mL ・ FLT-3 Ligand Recombinant Human Protein:Life Technologies, Cat. No. PHC9414 0.1% BSA/D-PBS 溶液に溶解して使用 Stock concentration:100 µg/ml Working concentration:100 ng/mL ・ TPO (Thrombopoietin), Recombinant Human Protein:Life Technologies, Cat. No. PHC9514 0.1% BSA/D-PBS 溶液に溶解して使用 Stock concentration:20 µg/ml Working concentration:20 ng/mL ・ IL6 Recombinant Human Protein:Life Technologies, Cat. No. PHC0065 0.1% BSA/D-PBS 溶液に溶解して使用 Stock concentration:10 µg/ml Working concentration:10 ng/mL ・ Ficoll-Paque PREMIUM:GE ヘルスケアジャパン, Cat. No. 17-5442-02 ・ FGF2:PeproTech Inc., Cat. No. 100-18B D-PBS 100 µl に溶解(0.5 µg/µl)
。ESM 500 ml に 5 µl を添加して使用 ・ ゼラチン:旭硝子株式会社 Cat. No.G0001-6 1
・ ペニシリンストレプトマイシン(PS)
:ナカライテスク, Cat. No. 26253-84 ・ トリパンブルー染色液:Life technologies, Cat. No. 15250061 ・ マイルドホルム 10N:Wako, Cat. No. 133-10311 ・ D-PBS: Life technologies, Cat. No. C14190500BT ・ 0.25% Trypsin-EDTA (1X):Life technologies, Cat. No. 25200-056 D-PBS で適宜希釈して使用 ・ 1-step NBT/BCIP(ALP 染色液)
:Thermo scientific, Cat.No. 34042 ・ ES 培地:ESM に FGF2 5 µl, PS 6 ml 添加した培地 ・ PBMC 培地の作製 (下図の PBMC 用培地-Cytokine) StemPro-34 Nutrient を 4℃で終夜、融解 融解後、StemPro-34 SFM ボトルに添加、優しく完全に混合 L-Glutamine を添加 5 ml PS を添加 5 ml ・ PBMC CM(complete medium の略)培地の作製(下図の PBMC 用培地+Cytokine) PBMC medium 100 ml SCF stock solution 100 µl FLT-3 stock solution 100 µl TPO stock solution 100 µl IL6 stock solution 100 µl 2-8℃で 30 日間、使用可能 方法】 ≪PBMC の分離、培養≫ ① 採血(採血管 2 本分 9 mlx2 本) ② Ficoll-Paque PREMIUM を 4 ml ずつ 15 ml チューブ 5 本に分注 ③ 血液と D-PBS を 1:1.5 で混合 ④ ②で準備したチューブに 8 ml ずつ③で準備した希釈血液を Ficoll-Paque PREMIUM の上に
優しく添加 ⑤ 400 x g,18℃で 30 分間遠心する。
(加速、減速ともにブレーキ解除) ⑥ 遠心後、白く濁った中間層をピペットマンで回収 ⑦ 新しい 15 ml チューブに移す。1 本より 1 ml 程度回収。5 本分をまとめて 1 本にする。 ⑧ 回収した PBMC に対し D-PBS 9 ml を添加 ⑨ 100 x g, 18℃, 10 分間遠心 ⑩ 上清を除去 ⑪ D-PBS 12 ml を添加 ⑫ 100 x g, 18℃, 10 分間遠心 ⑬ PBMC CM 培地を添加(5 ml)し、懸濁 ⑭ トリパンブルー染色液を用いて細胞数をカウント ⑮ PBMC CM 培地を用いて 5 x 105 cells/well/ml で 24 ウェルプレートに播種 2
⑯ 37℃、5% CO2 のインキュベーターで培養 ⑰ 翌日、0.5 ml の培養液を除き、0.5 ml の PBMC CM 培地を添加 ⑱ 37℃、5% CO2 のインキュベーターで培養 ⑲ 翌々日、0.5 ml の培養液を除き、0.5 ml の PBMC CM 培地を添加 ⑳ 37℃、5% CO2 のインキュベーターで終夜培養(翌日にベクター感染) ≪ベクターの感染≫ 細胞数のカウント ① カウント用のウェルをピペッティングにより懸濁し、培養上清を 1.5 ml エッペンドルフチ
ューブに移す ② 0.025% Trypsin-EDTA 溶液を 1 ml 添加し、37℃でインキュベート( 5 分) ③ 1.5 ml エッペンドルフチューブを遠心、5000 rpm 1 分 ④ 上清を除去 ⑤ 0.025% Trypsin-EDTA 溶液を添加したウェルをピペッティングにより懸濁し、先ほどと同
じ 1.5 ml エッペンドルフチューブに添加 ⑥ 1.5 ml エッペンドルフチューブを遠心、5000 rpm 1 分 ⑦ 上清を除去 ⑧ D-PBS を添加 0.5 ml し懸濁 ⑨ トリパンブルーを用いて細胞数をカウント ⑩ PBMC CM 培地に各 MOI=5 になるようにベクター溶液を調製し、細胞へ添加 目安:PBMC CM 培地 300 µl 500 µl に各ベクターを添加、混合後、細胞に添加 MOI は、生細胞と死細胞の合計した細胞数を用いて計算する ⑪ 感染 1 2 日目 細胞を吸わないように終夜培養液 0.5 ml を除去し、PBMC CM 培地を添加(0.5 ml) 37℃、5% CO2 インキュベーターで培養 重層用の MEF を準備する 3
⑫ 感染 3 日目 感染細胞をピペッティング等で剥がして 6 ウェルプレートの MEF に重層する。 37℃、5% CO2 インキュベーターで培養 目安として 2 x 104 1x105 cells/well ⑬ 感染 4 6 日目 細胞を吸わないように培養液を除去し、PBMC 培地を添加(2 ml) 37℃、5% CO2 インキュベーターで培養 ⑭ 感染 7 日目 培養液 1 ml を除去し、ES 培地を添加(1 ml/well) 37℃、5% CO2 インキュベーターで培養 ⑮ 感染 8 日 21 日 培地交換は、1 週間に 6 回行う(土日は 1 回、その他は毎日) 培養液を除去し、ES 培地を添加(2 ml/well) 37℃、5% CO2 インキュベーターで培養 ⑯ iPS 細胞の状態から判断して、適宜、ピックアップやアルカリホスファターゼ染色等、目的
に応じた評価を行う。 ≪アルカリホスファターゼ(ALP)染色の例》 ① 培養液を除き、D-PBS で洗浄(1 ml x 2 回) ② マイルドホルム 10N を添加し、細胞を固定(1 ml/well) ③ 室温で 10 分、振とう後、マイルドホルム 10N を除き、D-PBS で洗浄(1 ml x 2 回) ④ 1-Step NBT/BCIP を添加 (1 ml/well) ⑤ 室温で 20 分程度振とう後、D-PBS で洗浄(1 ml x 2 回) ⑥ ALP 陽性 iPS 様細胞コロニー数をカウントし、誘導効率を計算 【注記】 本プロトコールを用いることで、30 代成人由来 PBMC から 0.1%以上の効率で iPS 細胞の誘導できる
ことが確認されました。但し iPS 細胞誘導効率はドナーによって異なる可能性があり、本プロトコー
ルが常に 0.1%以上の誘導効率を保証するものではありません。 4