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FRI0304
in Paris
トシリズマブを投与して低疾患活動性を
達成した患者におけるステロイドの減量
∼ACT-ALONE STUDYの結果∼
GLUCOCORTICOID DOSE REDUCTION IN PATIENTS WITH LOW DISEASE ACTIVITY USING TOCILIZUMAB:
THE ACT-ALONE STUDY
P. Verschueren
演者
先生(University Hospital Leuven, Belgium)
Q uick R eview
トシリズマブ(TCZ)でDAS28低疾患活動性(LDA)
を達成した関節リウマチ(RA)患者では、あらかじめ定めた
減量および中止スケジュールに則ってステロイドを漸減することで、約60%の患者がLDAを維持したままステ
ロイドを中止できることが認められた。
ACT-ALONE STUDYは、TCZの投与によりLDA
(DAS28≦3.2)
を達成したRA患者において、
ステロイドを
中止する場合の減量および中止スケジュールの設定を検討
した試験である。疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)
または腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬に対して効果不十分
(DAS28≧3.7と定義)で、
ステロイドを経口投与している
成人RA患者のうち、
4週毎のTCZ 8mg/kg静注投与により
LDAを達成し、
かつステロイドをメチルプレドニゾロン換算
表1
ステロイド減量スケジュール
開始時
ステロイド投与量
(mg)
投与量(mg)
通院2回目
通院3回目
(ステロイド
通院4回目 通院5回目 通院6回目 通院7回目 通院8回目 通院9回目
(ステロイド
減量開始
(4週後) (8週後) (12週後) (16週後) (20週後) (24週後)
減量開始)
4週前)
1
0
CV
0
0
0
0
0
2
1
0
3
2
1
CV
0
0
0
0
0
CV
0
0
0
4
3
2
1
0
CV
0
0
5
6
4
3
2
1
0
CV
0
5
4
3
2
1
0
CV
7
5
4
3
2
1
0
CV
8
6
4
3
2
1
0
CV
9
7
5
3
2
1
0
CV
10
8
6
4
2
1
0
CV
11
9
7
5
3
1
0
CV
12
10
8
6
4
2
0
CV
13
10
8
6
4
2
0
CV
14
11
8
6
4
2
0
CV
15
12
9
6
4
2
0
CV
>15-19
14
10
7
4
2
0
CV
20
17
11
7
4
2
0
CV
CV:強化通院 0:ステロイド中断
1日あたり1mg以上20mg以下で投与している患者を、
ステ
ロイド減量期の評価対象とした。
ステロイド減量期に移行した
場合は、
ステロイドをメチルプレドニゾロンに変更し4週間
投与した後、表1のスケジュールに従いステロイド投与量に
応じたステロイド減量、
中断をおこなった。
主要評価項目は、
20
週以内にステロイドを中止し、
かつその4週後にDAS28で
LDAを維持していた患者の割合とした。
本研究には68例が登録され、49例がTCZ投与を受け、
43例がステロイド減量期に移行し、
30例が試験を完了した。
ステロイド減量期に移行した43例の背景は、
年齢58歳、
女性
比率は53.5%で、DMARDs併用投与例は70%、NSAIDs
使用例は51%を占めた。
また、ステロイド減量開始時の
DAS28は2.2、
Clinical Disease Activity Index
(CDAI)
は
5.5、
Health Assessment Questionnaire(HAQ)
スコアは
0.9であった。
LDAを維持しながら
ステロイドを中止できたのは約60%
対象となった43例のうち、20週以内にステロイドを中止
図1
ステロイド減量期におけるDAS28の推移
6.0
5.5
5.0
DAS28
(平均値±SD)
TCZでLDAを達成したRA患者で
ステロイドを減量・中止
4.5
4.0
3.5
3.0
DAS28<2.6=寛解
2.5
2.0
1.5
1.0
ステロイド減量期の 4週後
ベースライン N=41
N=42
8週後
N=35
12週後
N=35
16週後
N=33
20週後
N=32
24週後
N=30
掲載薬剤のご使用にあたっては、各薬剤の添付文書をご参照いただきますようお願いいたします。
in Paris
FRI
した患者は25例
(58.1%)
であり、
これら症例は4週後の診察に
おいてもLDAの維持が確認された。
また、24週間の試験を
完了した30例のうち28例(93.3%)で、
ステロイド使用量の
50%以上減量が可能であった。
ステロイド減量期には、
患者の
大半がDAS28寛解(<2.6)
およびCDAIのLDA(<10)
を
維持でき
(図1)、HAQスコアは減量前と変わらずに推移
した。
また、
患者評価による痛みのVASも大半の患者で低値
を維持できた
(図2)
。
何らかの有害事象は26例(60.5%)、
ステロイド関連の
有害事象は6例(14.0%)
で発現したが、
重篤な有害事象は
1例
(2.3%)
で発現した。
0304
図2
ステロイド減量期における痛みのVASの推移
80.0
70.0
痛みのVAS
(平均値±SD)
EULAR 2014
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
ステロイド減量期の 4週後
ベースライン N=41
N=43
8週後
N=38
12週後
N=36
16週後
N=33
20週後
N=32
24週後
N=30