CCA処理木材からのCr除去に関する研究 E2-6 CCA処理木材からのCr除去に関する研究 県立広島大学大学院 ○後藤祐希,高橋有布,赤木孝太郎,原田浩幸 1.はじめに <CCA処理木材> 1960年代に新築された 家屋は築30~40年を経て *クロム・銅・ヒ素化合物系木材防腐剤(CCA薬剤) 建築木材の 防蟻・防腐剤 として Cu Cr 1960年代に普及 薬剤の毒性 廃材の環境負荷 生産量(㎥) 400000 今後、解体により大量の廃材が 廃棄されることが予想される As 300000 <CCA処理木材中の標準含有量> 200000 100000 0 1960 1970 1980 1990 CCA処理木材生産量の推移 CCA木材 硫酸 粉砕 酸抽出 成分量 [mg/kg] 含有率 [%] 化学形態 2000 年度 2.実験方法 Cr 1053 50 CrO3 Cu 425 20 CuO バイオマス吸着材 As 460 25 As2O5 目的 除去・無害化する CCA木材中の重金属類の 必要がある 除去・無害化を検討 吸着構造 [ポリフェノール(一部)] [クロム酸イオン] Cu + As + Cr Cu + As <バイオマス吸着材> ぶどうジュースカス 廃棄されるぶどうの搾りカスを バイオマス吸着材として再利用する ・遠沈管 ・回転機にて攪拌 →24 [h] <バイオマス吸着材> みかんジュースカス 回分式 調整 Zr-みかんジュースカス As 溶出濃度 [mg/L] Cu As 1.54 5.41 27.50 ろ過 分析 Cr <CCA処理木材の酸溶出濃度> Cr 撹拌 ぶどうジュースカスに多量に含まれる ポリフェノールがクロムと吸着する ・ニクロム酸カリウム ・初期pH 2~3 ・全量 40ml ・吸着材 0.1g ぶどうジュース粕吸着材 3.結果 pH条件による影響 調整吸着材 基本性能 100 40 30 20 飽和吸着量 Q∞ = 32.6 (mg/g) 10 80 60 40 20 0 2 4 6 8 equilibrium concentration [mg/L] 10 1 2 3 4 5 6 7 8 initial pH Cr(Ⅲ) concentration [mg/L] 80 8 初期濃度 10 mg/L 吸着剤 0.1 g 60 40 6 4 20 2 Cr(Ⅲ) 0 0 0 10 time [h] 20 9 10 11 12 性能比較 10 Cr-T 80 60 40 初期濃度 100 mg/L 吸着剤 0.1 g 20 20 40 60 temperature [℃] 溶存形態の違いにより吸着率に差が表れた 経過時間 Cr(Ⅲ)溶存量 100 100 0 0 0 remove rate [%] Cr2O2-7 remove rate [%] Adsorption rate [%] adsorption amount [mg/g] 50 CrO42- 温度条件による影響 ぶどうジュース粕 ゼロ価鉄 麦わら(鉄担持)¹⁾ サトウキビ(酸化鉄担持)²⁾ 飽和吸着量 [mg/g] 42.2 8.4 9.1 5.1 ¹⁾Li Chun, Chen Hongzhang, Li Zuohu, Chun et al./ Process Biochemistry 39 (2004) 541-545 ²⁾ H.soner Altundogan, Process Biochemistry 40 (2005) 1443-1452 まとめ ・pH 2以下で高い吸着率を示した ⇒想定した酸抽出後の溶液に適している ・吸着剤としての性能は他のものと比べて 高性能である ・反応中のクロムはほとんどがCr(Ⅵ)であり Cr(Ⅲ)はわずかしか確認できなかった ⇒Cr(Ⅵ) の状態で吸着していると考える
© Copyright 2024 ExpyDoc