第2学年 国語科学習指導案 1 単元名 指導者 教諭 場所 2 年○組 千葉 千鶴 教室 生き物・びっくり・発見ブックをつくろう 「ビーバーの大工事」 2 単元の目標 ○ 生き物の生態に興味を持ち,進んで本を読んで調べようとしている。 (国語への関心・意欲・態度) ◎ 知りたいことに関係のある言葉に気を付けて,紹介したいことを伝えるのに必要な情報をさがして読ん でいる。 ○ (読むことエ・カ) 言葉には,事物の内容を表す働きや,経験したことを伝える働きがあることに気付いて文章を読んでい る。 3 (言語についての知識・理解・技能) 単元を貫く言語活動とその特徴 本単元を貫く言語活動として「生き物の秘密を本から見つけ,クイズを作る」ことを位置付けた。生き物 の生態や生き延びるための知恵について知ったことが答えとなるようなクイズを作らせることによって,本 や文章から知りたいことを探して読むことが必要となる。このことで「楽しんだり知識を得たりするために, 本や文章を選んでよむこと」(C 読むことカ)を実現するのにふさわしい言語活動であると考えた。 4 単元について (1) 教材につて 本単元で付けたい力は,本や文章から知りたいことを見つける力である。 教材文「ビーバーの大工事」では,ビーバーの体の特徴や生き延びる知恵について,大事な言葉や文章に 着目して読み取ることを通して,知りたい事柄に関係のある大事な言葉を探しながら読むことをねらいと して学習を進める。 本教材はビーバーのダムを作る手順が分かりやすく書かれている。小さな体で巨大なダムを築くビーバ ーの体の特徴や,厳しい大自然を生き延びるための知恵が描かれ,児童は驚きや感動をもって読み進める ことができる教材である。文章は比喩,擬態語や擬音語,数量や様子を表す言葉を使って展開されており, 児童が想像力をかきたてられるような表現が多く用いられている。ビーバーの体の特徴や知恵を読み取る ことを通して,さらに他の生き物の秘密についても調べてみたいという思いに駆られる教材である。 (2) 児童について ○○○○ (略) (3)指導について 本単元で付けたい力は,本や文章から知りたいことを見つける力である。そのために,単元を貫く言 語活動を位置づけ,読みの目的を明確にして,必要な情報を探して読み取る学習を進めていく。 そこで,第一次では, 「生き物の秘密を調べ本にまとめる」という単元のゴールを示す。自分が調べた い生き物の秘密を見つけていくためには,まず「ビーバーの大工事」を読み,ビーバーの秘密を見つ ける必要があることを児童に実感させる。 1 第 2 次では,与えられた情報を正確に読み取ることにとどまらず,ビーバーの体の特徴や生き延びる ための知恵に着目して, 「ビーバーのすごいと思うところ」を自分の言葉で表現させる。そして,互い の考えを交流させることにより,さまざまあるビーバーの秘密の中で,興味をもつものはそれぞれ異な ることや体の仕組みや能力,生きる知恵という観点を基に秘密を探ることができることに気付かせるよ うにする。また,並行読書を取り入れ,自分が選んだ生き物においては,体の特徴や能力,知恵がどの ように書いてあるか,ビーバーと比較しながら読み取らせるようにする。 第 3 次では「ビーバーの大工事」の読み取りを生かして,生き物の生態や知恵について,驚いたこ とやすごいと思ったことに着目させ,それが答えとなるクイズ作りをする。交流することを通して, 新たに知識を得たり,答えを求めるために本を読んだりする学習を進め,読書意欲を喚起させていき たいと考える。そこで,以下のような手だてを講じて学習を進めていく。 ① 読みの目的を明確にした単元構成の工夫 単元を貫いて「生き物・びっくり・発見ブックをつくろう」という言語活動を位置づけ,導入時 に学習計画表を提示することで,単元を見通して学習を進められるようにする。 並行読書を導入し「ビーバーの大工事」で読み取ったことを生かして,自分が調べたい生き物の 体の特徴や知恵に着目して,すごいと思うところを探しながら読むようにさせる。自分が調べたい 生き物についての本や文章を繰り返し読んだり,友達が見つけた表現を交流したりすることを通し て,生き物の秘密に気付かせるようにする。 ② 大事な言葉に着目させるための工夫 範読や一斉読み,指名読みを繰り返し行ったり,読む箇所を焦点化したりしながら,ビーバーの 体の特徴や様子,知恵について表現されている言葉に気付かせるようにする。また,語句にサイド ラインを引かせたり視書させたりする活動も取り入れ,知りたい事柄に関係のある言葉に着目させ る。 ③ 内容をとらえさせる発問の工夫 動作を表す表現から様子を想像する発問やビーバーが生き延びていくための知恵を問う発問を行 い,ビーバーの様子を豊かに想像したり,ビーバーの知恵のすばらしさについて考えさせたりする。 それをペアや全体で交流する場を設定し,自分の考えと比べながら友達の考えを聞いて,新たな気 付きを得られるようにする。 ④ 知りたい事柄に関係のある言葉に気付かせるための工夫 自分の経験と結びつけたり調べている動物と比較したりしてビーバーのすごいと思うところと思 うところやさらに興味をもったところを見つけさせる。そして交流を通して,自分とは違う考えがあ ることをとらえさせる。それらを体の特徴や能力,知恵という観点にまとめることで,自分が調べた い生き物の本からこのような観点に関係のある言葉を手がかりとして情報を取り出せばよいことに 気付かせるようにする。 5 単元における評価規準 関心・意欲・態度 読むこと 言語についての 知識・理解技能 ・自分が調べたい生き物の生 態に興味を持ち,体の特徴 や能力,知恵について進ん ・知りたいことに関係のある大事な言 ・生き物の秘密を表す語彙から適 葉を見つけながら読んでいる。 ・クイズを作るために,生き物の生態 で本を読んで調べようと について説明した本を選んで読んで している。 いる。 2 切な語句を選んで表現してい る。 6 単元の指導計画 (総時数 16時間 次 時 主な学習活動 本時 6/16時間) 指導・支援のポイント 具体の評価規準 ・単元の学習の流れをつか ・学習計画表を提示し,単元の学習 ○学習の見通しをもち,興 1 む。 の流れをつかませる。 ・全文を読んで初発の感想 ・ 「ビーバーの大工事」を読み, 「初 を書き,交流する。 味をもって教材文を読 んでいる。 【関・意・態】 めて知ったこと」や「驚いたこ 一 と」について感想を書かせる。 次 ・調べたい生き物を決め, ・教師が選書した本の中から興味の ○興味のある生き物を選 本を選ぶ。 ・生き物を選んだ理由とど 2 のようなことを調べた いかを書く。 ある生き物を決め,本を選ばせ び,その生き物について る。 調べていこうとしてい ・「どうしてその生き物を選んだの る。 【関・意・態】 か」「生き物のどのようなことが 知りたいのか」について思ったこ とをノートに書かせる。 ・ビーバーが木を切って運 ・「ぐいぐいと」という言葉からビ ○大事な言葉をとらえて ぶ様子を思い浮かべて, ーバーがどのように幹をかじっ ビーバーが木を切って 想像したことをノート ているかを考えさせる。 運ぶ様子を読み取るこ に書く。 3 ・切って運ぶビーバーの木 をすごいと思ったとこ ろを書く。 ・「ずるずると」という言葉からビ とができる。 【読む】 ーバーがどのように木を運んで いるかを考えさせる。 ・「ここがすごいよ・ビーバー」と 思うところを発表させ,友達と の考えの違いに気づかせる。 二 次 ・ダムの材料をとらえ,ど ・ダムの材料を確認し,丸で囲ませ, ○ビーバーがダムを作る 4 んな順序でダムを作る どんな順序でダムを作るのかと 様子を順序良く読み取 のかを読み取る。 らえさせる。 っている。 【読む】 ・ビーバーのどのようなと ・ダム作りでのビーバーのすごいと ころがすごいと思った のか,理由を付けて書 思うところを見つけ,その理由も 書かせる。 く。 ・巣の入り口が水の中にあ ・どのようなことを考えてビーバー ○安全な巣を作って暮ら るわけを考える。 ・ビーバーがダムを作るわ 5 けを考える。 ・ビーバーのどのようなと ころがすごいと思った は水の中に巣の入り口を作るの かを考えさせる。 ・ダムを作るとどのように都合が よいのかを文中の言葉を使って 説明させる。 の か , 理 由 を 付 け て 書 ・ダム作りでのビーバーのすごいと く。 思うところを見つけ,その理由も 書かせる。 3 すビーバーの知恵を読 み取ることができる。 【読む】 ・全文を通して読み,いち ・全文を通して,いちばん伝えたい ○いちばん伝えたいビー ばん伝えたいビーバー のすごいところを,理由 6(本時) を明らかにして書く。 ・ビーバーのすごいところ を観点にまとめる。 ビーバーのすごいところは何か, 理由を付けて書かせる。 ・交流を通して,さまざまな考えが あることに気付かせる。 バーの秘密を,理由を明 らかにして書くことが できる。 【読む】 ○観点に関係のある言葉 ・「体の秘密」「できること」「生き を手がかりに,調べたい る知恵」の三つの観点にまとめ 生き物の秘密を見つけ いと思うところを見つ る。 ることができる。 ける。 ・観点をふまえて,調べている生 ・生き物の本を読み,すご 【読む】 き物のすごいと思ったところを 見つけさせる。 ・観点に関係のある言葉を ・ビーバーのすごいところを見つけ ○観点をふまえて,生き物 手がかりに生き物のす ごいと思ったところを 789 見つけ,カードに書く。 た観点を確認させる。 ・クイズの答えのモデルを提示し, すごいと思ったところが答えと の秘密に関わりのある 言葉や文を書き抜くこ とがでる。 【読む・言】 な る よう 書き 方を とらえ さ せ る。 ・調べたことをそのまま写すのでは なく,必要なところを選んで書か せるようにする。 ・問題文の仕方を知る。 10 ・ビーバーの秘密クイズを 作る。 ・問題文のモデルを提示し,すご ○問題文の仕方を知り,ビ いと思ったことが答えとなるよ ーバーの秘密クイズを うな問題の作り方を知らせる。 作ることができる。 【読む】 三 ・「生き物のすごいところ ・生き物のすごいとおもったところ ○「生き物のすごいとおも 次 11 12 13 を見つけたよカード」を が生き物の秘密クイズの答えと ったところを見つけた 基に生き物の秘密クイ なるような問題文を作らせる。 よカード」を基に,問題 ・出題した本の名前,どのページ 文を作ることができる。 に答えがあるかをカードに書か 【読む】 ズを作る。 せる。 ・クイズを交換し合い,本 ・本のどこに書いてあるか問題文の ○本から必要な情報を選 を読んで答えを探しカ 14 15 16 ードに書く。 言葉を手がかりに見つけながら, 答えを探させる。 び,出題の答えを探すこ とができる。 【読む・言】 ・初めて知ったことや驚い ・クイズ大会を通して,他の生き物 ○クイズ大会を通して感 たことを観点にして感 の特徴や知恵について知ったこ 心を高め,他の生き物の 想メモを書き,交流す とを交流させ,読書への喚起をう 本も読もうとしている。 る。 ながす。 4 【関・意・態】 7 本時の指導(6/16時間) (1) ねらい いちばん伝えたいビーバーの秘密を,理由を明らかにして表現することを通して,生き物の秘密を見つ ける観点をとらえることができる。 【読むこと】 (2) 指導過程 段 学習活動 指導上の留意点 階 導 具体の評価規準と方法 ○発問・指示 1 入 本時のめあてを知る。 ・本時の学習のめあてを知らせる。 生き物のすごいところを見つ ・読み取りを生かし「生き物・びっくり・ けよう。 発見ブック」にビーバーのページを作る という目的を示す。 2 全文を読む。 ・P30L1~P32L1の範 ・いちばん伝えたい秘密はどの段落に書い 読を聞く。 ・P32L2~P37L11 指名音読 てあるか探しながら音読させる。 ・教師の範読に続けて,指名音読により全 文を音読させる。 展 開 3 理由を明らかにして,ビー ○ ビーバーのページに載せたいことは バーの秘密でいちばん伝えた どんなことでしょう。選んだ理由も考え いことを書く。 ましょう。 ・太い木をかじって倒すことが ・どこからの情報かを明らかにするため できる大きくて鋭い歯があ に,どの段落から見つけたかも発表させ る。便利だ。 る。 ・しっかりしダムを作るために, ・互いの考えをペアで交流させる。 石で重しをして泥でかためて いる。賢い。 ・全体で交流させ,自分の考えと友達の考 えとの違いに気付かせる。 ・ダムを作って湖ができる。そ ・意図的指名を行い, 「体の秘密」 「できる ・いちばん伝えたいビー バーの秘密を,理由を こに敵に教われない安全な巣 こと」「生きる知恵」など,さまざまな 明らかにして考えるこ を作る。安心。頭がいい。 観点があることに気付かせる。 とができる。 ・15 分も潜れる。自分はできな ・秘密を見つけるには,自分の経験と比較 い。 ・家族総出で仕事をするから, [読むこと]カード したり,他の動物との違いに着目したり すればよいことに気付かせる。 立派なダムができる。協力し ている。 4 生き物の秘密を見つける事 柄に関係のある言葉に気をつ けながら,調べている生き物 ○調べている生き物のすごいところを見 つけましょう。 ・ビーバーの秘密を見つけたことを生かし のすごいと思うところを探 て,体の秘密や能力,生きる知恵に関係 す。 のある言葉に気をつけながら,必要な情 5 ・調べている生き物の秘 密を,観点をふまえて探 すができる。 [読むこと]本・付箋 ・シロクマの毛は二重になって 報を探させる。 いて,冷たい水でも泳ぐこと ・見つけた秘密に付箋紙を貼らせる。 ができる。 ・数名の児童の見つけた秘密を実物投影機 ・キリンは 8 キロメートル離れ で映し出し,紹介する。 ても仲間を見分けることがで きる。 ・ライオンは獲物を追いかける 力を残すため,1 日に 20 時間 もねることがある。 5 学習のまとめをする。 ・今日の学習を振り返って,どの観点の付 箋紙を貼ったか確認させる。 ま と め (ア) 本時の評価 具体の評価規準 ・生き物の秘密を見つけるための観点をふまえて,事柄に関係のある言葉に気を つけながら,生き物のすごいところを見つけて付箋紙を1枚貼ることができ る。 十分満足できる児 ・生き物の秘密を見つけるための観点をふまえて,事柄に関係のある言葉に気を 童の姿 つけながら,生き物のすごいところを見つけて付箋紙を2枚以上貼ることがで きる。 努力を要する児童 ・個別に対応し,生き物の秘密を見つける観点を確かめさせ,事柄に関係にある への手だて 言葉を見つけさせる。 (3) 板書計画 ビーバーの大工事 生き物のすごいところ ○ ビーバーのページ ・するどい は ・十五分も もぐる ・家族 そう出 ・てきにおそわれない す ・しっかりした ダム 体のひみつ できること 生きるちえ そのた 6
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