死後処置と 感染リスクの 基礎知識;pdf

新連載
宿原寿美子
死化粧師が教える!
株式会社キュア・エッセンス 代表取締役/ Restorative Artist
日本ヒューマンセレモニー専門学校
フューネラルディレクターコース/
エンバーマーコース 死化粧講師
エンゼルメイク
実践講座
死後処置と
感染リスクの
基礎知識
急速な高齢化に伴い,国内で1年間に
亡くなる人は,15年後の2030年には,
今よりも3割増えて,およそ160万人に
厚生労働省認定1級葬祭ディレクター。大手アパレルや化粧
品などの流通業界勤務後,創業100年を超える家業の葬祭業
を意識しはじめるようになり,日本ヒューマンセレモニー専
門学校へ1年間の社会人入学。卒業後,大手互助会などで,
葬祭業全般に携わる。現在,学生や企業にて処置やメイクを
指導する傍ら,葬祭の現場にて自ら処置やメイクなどを実践。
企業内研修・指導・講習会などを行っている。テキサス州立
法医学顔復元コース修了認定(USA)
,法医学アート2次元
顔面再建マスターコース修了認定(USA)
,フォレンジック
技術:デジタル死後イラストコース修了認定(USA)
。
医療機関で亡くなった方に
携わる場合の基礎的な知識
身体の状態
上ると見られています 。
医療機関で亡くなられた方は,生前の
人生の最期は,戦後まもなくは8割の
疾病や治療により身体に傷を受けている
国民が自宅で迎えていましたが,現在で
場合があるため,重病であるほど身体へ
は8割近い人が病院や介護施設で迎える
の受傷度が大きいです。
時代となりました2)。しかし,この先の
・褥瘡などの創傷
多死社会の到来を前にして,在宅や介護
・後に,体液が漏出する創傷や開口創
施設といった,生活の場において看取ら
・静脈カテーテルやドレーンチューブな
1)
れる人がさらに増加していくことが想定
され,病院死が当たり前と考える現代の
価値観も変化してきています。
ど,医療器具の抜去痕
・解剖痕
(病理解剖などが行われた場合)
死後の変化
近年,介護施設・在宅において,急速
医療機関の手を離れた後,火葬までの
にエンゼルケア・エンゼルメイクが見直
間に故人に起こり得る現象は,次のとお
されており,医療・介護の現場でエンゼ
りです。
ルケア・エンゼルメイクを実践している
・注射針抜去部位からの出血
施設が増えてきています。その中でもエ
・気管切開痕などの開口部からの体液の
ンゼルメイクにポイントを置いて話を進
めていきますが,今回は,実施にあたり
大切なことをお伝えしていきます。
漏出
・出血傾向にある鼻・口・耳・膣からの
出血
・全身に浮腫が強く出ている場合は,体
液を貯留した水疱が発現し,鼻や口か
➡続きは本誌をご覧ください
臨床老年看護 vol.22 no.2
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