別 冊 SineFit 通 信 ア ダ プ タ 機器名称 SineFit IP MA4-2 入 替 拡 張 機 能 取 扱 説 明 書 第1.0版 はじめに 「SineFit 通信アダプタ(SineFit MA4-2)IP 入替拡張機能 取扱説明書」の本文中においては、 「SineFit 通信アダプタ(SineFit MA4-2)」を「本装置」と表記させていただきます。 本書は、IP 入替拡張機能の動作について記載しています。本書に記載していない動作については、 「SineFit 通信アダプタ(SineFit MA4-2)取扱説明書」、及び、「SineFit 通信アダプタ(SineFit MA4-2)技術参考資料」に従った動作となります。 IP 入替拡張機能を動作させるには、ロータリースイッチの設定を 5(IP 入替拡張モード)にする必要 があります。ロータリースイッチの設定については、「SineFit 通信アダプタ(SineFit MA4-2)取扱 説明書」を参照してください。 また、IP 入替拡張機能は、本装置のソフトバージョン Ver02.02(AT*KSETVER で確認可能)以降 で対応しております。 IP 入替拡張機能には、下記に示す特長があります。 ■特長 ● LAN モードでの IP 入替が可能 LAN モードで IP 入替を行うことができます。 ただし、RS-232C 接続機器から IP 入替機能を行うことができなくなります。 ● 仮想サーバ IP アドレスに対する代理 ARP 応答が可能 仮想サーバ IP アドレス宛の ARP 要求に対して、ARP 応答することができます。 ● 無通信切断時間を 10 秒単位で設定が可能 無通信切断時間を 10 秒単位で設定することができます。 ● APN の重複登録、及び、IP アドレスの重複登録が可能 CID に設定する APN の重複登録を許容します。 また、一部の IP アドレスの重複登録を許容します。 登録商標・商標について 本書に記載されている会社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。 ● 「FOMA」、「Mobile Ark」はNTTドコモの登録商標です。 ● その他、本書に記載されている会社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。 ■ 目 次 LANモードでのIP入替 ..............................................................................................................................................................1 ■ 運用例.............................................................................................................................................................................................2 ■ 制限事項........................................................................................................................................................................................5 代理ARP応答機能.......................................................................................................................................................................7 ■ 動作例.............................................................................................................................................................................................7 無通信切断時間.............................................................................................................................................................................8 ■ ATコマンドでの設定.............................................................................................................................................................8 ■ 遠隔保守PCからの設定 ........................................................................................................................................................9 ■ 設定ツールからの設定.......................................................................................................................................................10 APN、及び、IPアドレスの重複登録.............................................................................................................................11 ■ 重複チェックルール............................................................................................................................................................11 ■ 制限事項....................................................................................................................................................................................14 LAN モードでの IP 入替 IP 入替機能によりサーバ側、LAN 接続機器側共に IP アドレスを入替えることができます。 IP パケットが本装置を通過する際、パラメータ設定に従い、発 IP アドレス、着 IP アドレスをそれぞれ 変換して送受信します。 LAN 接続機器からは仮想的なサーバと通信をしているように動作します。 【注意!】 ロータリースイッチを 5 に設定した場合は、RS-232C 接続機器から IP 入替機能を動作させることは できません。 【注意!】 IP 入替機能は、IP ヘッダ部の IP アドレスが本装置に設定された IP アドレスと一致した場合のみ入替 を行うため、FTP のように IP パケットのデータ部分を使用して、IP アドレスを通知するようなプロト コルでは、正常に通信できない場合があります。 1 ■ 運用例 LAN モードの IP 入替機能の運用例を以下に示します。 【構成図と動作概要】 構成図と動作概要は以下のとおりです。 LAN ケーブル FOMA 網 社内 LAN 本装置 (192.168.1.1) FOMA カード (178.1.10.1) ルータ サーバ (10.100.1.1) FOMA カード ルータ LAN 接続機器 (192.168.1.2) サーバ 10.100.1.1 FOMA 網通信区間 実際の通信相手 10.100.1.1 LAN 接続機器 192.168.1.2 FOMA カード 178.1.10.1 LAN 通信区間 送信先 10.100.1.1 送信元 178.1.10.1 送信先 168.1.10.1 送信元 192.168.1.2 送信先 178.1.10.1 送信元 10.100.1.1 送信先 192.168.1.2 送信元 168.1.10.1 仮想サーバ 168.1.10.1 仮想サーバ(168.1.10.1)と通信を しているように動作します。 2 LAN 接続機器 192.168.1.2 【設定項目と設定例】 IP 入替機能の設定に必要となる設定項目と設定に使用する AT コマンドは以下のとおりです。 AT コマンドに関しては「SineFit 通信アダプタ(SineFit MA4-2)取扱説明書」を参照してくださ い。 ● CID 設定 IP 入替機能を使用する場合、IP 入替設定が優先されるため、CID 設定のサーバ IP アドレス・サブネ ットマスク・接続機器 IP アドレスは任意となります。ダミーの IP を設定します。 設定項目 接続先 FOMA カード サーバ 接続機器 CID APN IP アドレス IP アドレス サブネットマスク IP アドレス 設定例 1 aaa.dcm.ne.jp 178.1.10.1 255.255.255.254(ダミー) 255.255.255.255(ダミー) 255.255.255.255(ダミー) AT コマンド AT*KSETCID ※ ダミーは一例です。IP アドレスは、絶対に使用されないものを設定してください。例えば、 サーバ IP アドレスに”255.255.255.255”を設定すると、ブロードキャスト用 IP アドレスと 重複してしまうため、誤動作する可能性があります。 ● 本装置の IP アドレス設定 本装置 設定項目 IP アドレス サブネットマスク 設定例 192.168.1.1 255.255.255.0 AT コマンド AT*KSETIPADR ● IP 入替設定 入替える IP アドレスを指定します。 (ネットワークアドレス指定はできません) 設定項目 接続先 サーバ 仮想サーバ LAN 接続機器 CID IP アドレス IP アドレス IP アドレス 設定例 1 10.100.1.1 168.1.10.1 192.168.1.2 AT コマンド AT*KSETIPCHG 3 【設定方法】 1 CID を設定する AT コマンド(AT*KSETCID)による設定例 AT*KSETCID=1,"aaa.dcm.ne.jp",,"178.1.10.1","255.255.255.254","255.255.255.255"," 255.255.255.255" ※ AT+CGDCONT による設定はできません。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 本装置の IP アドレスを設定する AT コマンド(AT*KSETIPADR)による設定例 AT*KSETIPADR="192.168.1.1","255.255.255.0" ※本装置の IP アドレスを変更(AT*KSETIPADR)した際は、再起動が必要です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 IP 入替を設定する AT コマンド(AT*KSETIPCHG)による設定例 AT*KSETIPCHG=1,"10.100.1.1","168.1.10.1","192.168.1.2" 4 ■ 制限事項 LAN モードでの IP 入替機能の制限事項を以下に示します。 【IP 入替機能利用時の制限事項】 IP 入替機能を利用する場合には、PASV モードでもアクティブ(PORT)モードでも FTP クライア ントを動作させることはできません。これは接続機器側での機器 IP アドレス、サーバ IP アドレスと もに入替しているため、PORT モードでの FTP はもちろん、PASV モードの 227 応答で通知され る IP アドレスに接続機器が接続しようとしても、その IP アドレスは IP 入替機能で設定された IP アド レスと異なるため、無効なアドレスとして破棄されるためです。 FTP と同様に IP パケットのデータ部分に IP アドレスを載せて通知しているようなプロトコルにおい ては、同様の制限が生じます。 上記から、接続機器側で FTP クライアントを立ち上げた場合の動作の可否の一覧を下表に示します。 接続機器 RS-232C LAN PPP 終端 無し 有り 有り IP 入替 無し 有り 無し 有り FTP 動作 PORT PASV ○ ○ ○ ○ × × × ○ × × 備考 ロータリースイッチが 5 以外 ロータリースイッチが 5 IP 入替を行う場合、LAN 接続機器、RS-232C 接続機器に依らず、FTP クライアントを動作させる ことはできません。 5 【IP パケットの通過動作について】 本装置では PPP 終端の動作の違いにより、それぞれの状況での通信の可否動作に違いが出ます。状況 ごとの IP パケットの通過動作をまとめたものを下表に示します。 動作状態と IP パケット通過可否の一覧(RS-232C 接続機器通信時) 接続機器 PPP 終端 無し RS-232C 有り LAN 有り IP 入替 無し RS-232C 通信中 上り 下り ◎ ◎ ○ ○ RS-232C 発信直後 上り 上り ◎ ◎ ○ ○ 有り ○ ○ ○ ○ 無し 破棄 破棄 破棄 破棄 有り 破棄 破棄 破棄 破棄 備考 ロータリースイ ッチが 5 以外 ロータリースイ ッチが 5 上り:接続機器→サーバ、下り:サーバ→接続機器 動作状態と IP パケット通過可否の一覧(LAN 接続機器通信時) 接続機器 PPP 終端 無し RS-232C LAN 有り 有り LAN 通信中 上り 下り 不可 破棄 不可 破棄 LAN 発信直後 上り 上り 不可 破棄 不可 破棄 有り 不可 破棄 不可 破棄 無し ○ ○ ○ ○ 有り ○ ○ ○ ○ IP 入替 無し 備考 ロータリースイ ッチが 5 以外 ロータリースイ ッチが 5 上り:接続機器→サーバ、下り:サーバ→接続機器 状態の説明 状態 RS-232C 通信中 RS-232C 発信直後 LAN 通信中 LAN 発信直後 ◎ ○ 破棄 不可 説明 RS-232C 接続機器とサーバがすでに IP パケットを送受信している状態 RS-232C 接続機器が ATD で発信、CONNECT し、サーバへ IP パケ ットを送信していない状態 LAN 接続機器とサーバがすでに IP パケットを送受信している状態 LAN 接続機器からサーバへ IP パケットを送信した直後の状態 すべての IP パケットが通過可能 許可されたアドレスの IP パケットのみ通過可能 すべての IP パケットを破棄 発信不可 LAN 接続機器にて通信を行う場合、IP 入替を行う、行わないに関わらず、IP パケットの通過動作は 同じになります。 6 代理 ARP 応答機能 本装置は、LAN 接続機器から仮想サーバの IP アドレスに対する ARP 要求を受信した場合、ARP 応答 します。 本機能の動作条件は、ARP 要求の IP アドレスの組み合わせが、IP 入替設定に通信可能な設定として存 在することです。 【注意!】 同一ネットワーク内の装置に設定している IP アドレスを仮想サーバに設定しないでください。 PC 等は自身のものとして使用予定の IP アドレスがネットワーク上で未使用であることを確認するた めに、接続時に使用予定の IP アドレスへの ARP 要求を送出します。本装置が使用予定の IP アドレス に対して ARP 応答を返すことで PC 等はその IP アドレスが使用されていると誤判断し、ネットワー クを使用できなくなります。 ■ 動作例 代理 ARP 応答機能の動作例を下図に示します。 仮想サーバ 168.1.10.1 LAN 接続機器 192.168.1.2 本装置 192.168.1.1 自分宛ではないので、 本来は無視 ARP 要求 宛先 送信元 168.1.10.1 192.168.1.2 仮想サーバに代わり ARP 応答を送信 ARP 応答 送信元 宛先 168.1.10.1 192.168.1.2 仮想サーバ宛に ARP 要求を送信 7 無通信切断時間 無通信切断時間を 10 秒単位で動作させることができます。 【注意!】 LAN 接続機器との通信による無通信切断時間は、10 秒単位で動作しますが、LAN 接続機器以外との 通信による無通信切断時間(遠隔保守後の無通信切断時間等)は、1 分単位で動作します。 【注意!】 無通信切断時間を小さい値にすると、電波状態が不安定な場所では、正常に通信が行えない可能性が ありますので、ご注意ください。 また、無通信切断時間は、LAN 接続機器の再送時間よりも長い時間に設定することをお勧めします。 ■ AT コマンドでの設定 無通信切断時間を設定する AT コマンド(AT*KSETCLOSETIME)を以下に示します。 コマンド 機能 解説 書式 備考 AT*KSETCLOSETIME 無通信切断時間設定 LAN モード通信時、無通信による切断までの時間を設定します AT*KSETCLOSETIME=<n> OK <n>:無通信切断時間[0~255] 0 に設定時は無通信による切断を 行なわない ロータリースイッチを 5 に設定 した場合、10 秒単位(10 秒~ 2550 秒)で動作する AT*KSETCLOSETIME? *KSETCLOSETIME:<n> 現在の設定値表示 OK AT*KSETCLOSETIME=? *KSETCLOSETIME:(range of supported <n>の設定範囲表示 <n>s) OK シリアル通信時に本タイマは動作しません 初期値(工場出荷時の設定値)は 5(50 秒)です 8 ■ 遠隔保守 PC からの設定 ◆ 無通信切断時間設定 無通信切断時間の設定、及び、読出しを行う ことができます。 「読出し」 :無通信切断時間を読出します。 「設定」 :無通信切断時間を設定します。 「入力キャンセル」:入力内容をキャンセル します。 AT コマンド「AT*KSETCLOSETIME」の 機能です。 無通信切断時間設定は、LAN モードおよび遠 隔保守時に有効です。RS-232C 接続機器で の接続時は、無効です。 ロータリースイッチを 5 に設定した場合でも、 遠隔保守 PC の画面には、無通信切断時間の 単位が「分」で表示されますが、LAN 接続機 器との通信による無通信切断時間は、表示さ れている値に 10 秒を乗算した時間で動作し ます。 9 ■ 設定ツールからの設定 ◆ 『通信設定』画面 『通信設定』画面にて、無通信切断時間の設 定、及び、読出しを行うことができます。 ロータリースイッチを 5 に設定した場合でも、 設定ツールの画面には、無通信切断時間の単 位が「分」で表示されますが、LAN 接続機器 との通信による無通信切断時間は、表示され ている値に 10 秒を乗算した時間で動作しま す。 10 APN、及び、IP アドレスの重複登録 CID に設定する APN の重複登録、及び、一部の IP アドレスの重複登録を許容します。 【注意!】 設定ツールから APN の重複登録は行えないため、APN を重複登録する際は、設定ツール以外のター ミナルソフトを使用し、設定を行ってください。 ■ 重複チェックルール 本装置には、パラメータの重複をチェックする AT コマンド(AT*KSETIPCHK)があります。ここで は、重複チェック時のルールを示します。 保守用 PC による遠隔保守や設定ツールから「IP 重複チェック」を実施した際にも、同様の重複チェッ クが行われます。 11 【IP アドレス重複チェック】 IP アドレス重複チェックのルールを示します。 ・チェック対象 本装置の重複チェック対象項目を下表に示します。 重複チェック対象項目 重複チェック対象項目名 CID 設定テーブル IP 転送テーブル IP 入替テーブル 保守用 PC 設定テーブル 本装置本体 IP アドレス 設定コマンド AT*KSETCID AT*KSETIPFOR AT*KSETIPCHG AT*KSETMNTSRV AT*KSETIPADR ・チェック処理の組み合わせ 下表の組み合わせで重複チェック処理を行い、OK/NG を判定します。 重複チェック処理の組み合わせ(ロータリースイッチを 5 以外に設定) 重複チェック対象項目名 CID 設定テーブル IP 転送テーブル IP 入替テーブル 保守用 PC 設定テーブル 本装置本体 IP アドレス ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○:チェック処理を実施するテーブルの組みあわせ ◎:テーブル内のチェック処理 重複チェック処理の組み合わせ(ロータリースイッチを 5 に設定) 重複チェック対象項目名 CID 設定テーブル IP 転送テーブル IP 入替テーブル 保守用 PC 設定テーブル 本装置本体 IP アドレス ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○:チェック処理を実施するテーブルの組みあわせ ◎:テーブル内のチェック処理 ロータリースイッチを 5 に設定した場合、①、及び、③のチェックを行いません。①、及び、③のチ ェック内容については、 「SineFit 通信アダプタ(SineFit MA4-2)技術参考資料」を参照してくださ い。 12 【APN 重複チェック】 APN 重複チェックのルールを示します。 ・チェック対象 本装置の重複チェック対象項目を下表に示します。 重複チェック対象項目 重複チェック対象項目名 CID 設定テーブル 設定コマンド AT*KSETCID ・チェック処理 下表に示す重複チェック処理を行い、OK/NG を判定します。 重複チェック処理(ロータリースイッチを 5 以外に設定) 重複チェック対象項目名 CID 設定テーブル ① ◎ ◎:テーブル内のチェック処理 重複チェック処理(ロータリースイッチを 5 に設定) 重複チェック対象項目名 CID 設定テーブル ① ◎:テーブル内のチェック処理 ロータリースイッチを 5 に設定した場合、①のチェックを行いません。①のチェック内容については、 「SineFit 通信アダプタ(SineFit MA4-2)技術参考資料」を参照してください。 13 ■ 制限事項 APN、又は、IP アドレスを重複登録した際の制限事項を以下に示します。 【APN 重複登録時の制限事項】 本装置では、サーバから IP パケットを受信した際、本装置に設定した APN との比較を行い、CID を 特定し、その後、本装置に設定した IP アドレスとの比較を行います。 そのため、複数の CID に同一の APN を設定した状態でサーバから IP パケットを受信した場合、受信 した IP パケットの IP アドレスに依らず、一番小さい CID で接続処理を行います。 <複数の CID に同一の APN を重複登録した例①> ● CID 設定 CID 1 2 APN abcd.com abcd.com サーバ IP アドレス 10.100.1.1 10.100.2.1 サブネットマスク 255.255.255.0 255.255.255.0 デバイス IP アドレス 192.168.1.2 192.168.1.3 APN が"abcd.com"、IP アドレスが"10.100.2.x"のサーバから IP パケットを受信した場合、CID1 の設定に従い、着信処理を行うため、CID2 の設定に従い、着信処理が行えません。 (CID2 への発信により通信を接続した場合、"10.100.2.x"のサーバから受信した IP パケットは、 CID2 の設定に従い、処理できます。 ) 上記の動作は、RS-232C 接続機器で使用する場合にも同様の動作となります。 14 <複数の CID に同一の APN を重複登録した例②> ● CID 設定 CID 1 2 APN abcd.com abcd.com サーバ IP アドレス 10.100.1.1 10.100.2.1 サブネットマスク 255.255.255.0 255.255.255.0 デバイス IP アドレス 192.168.1.2 192.168.1.3 ● 保守用 PC 設定 CID 2 保守用 PC IP アドレス 10.100.3.1 保守用 PC サブネットマスク 255.255.255.0 APN が"abcd.com"、IP アドレスが"10.100.3.x"の保守用 PC から遠隔保守を行うと、CID1 の設 定に従い、着信処理を行うため、遠隔保守が行えません。 <改善案> ● CID 設定 CID 1 2 APN abcd.com abcd.com サーバ IP アドレス 10.100.1.1 10.100.2.1 サブネットマスク 255.255.255.0 255.255.255.0 デバイス IP アドレス 192.168.1.2 192.168.1.3 ● 保守用 PC 設定 CID 1 保守用 PC IP アドレス 10.100.3.1 保守用 PC サブネットマスク 255.255.255.0 保守用 PC 設定の CID に一番小さい CID(上記の例では 1)を設定することにより、APN が "abcd.com"、IP アドレスが"10.100.3.x"の保守用 PC から遠隔保守を行うことができます。 上記の動作は、IP 転送、及び、IP 入替で使用する場合にも同様の動作となります。 15 【IP アドレス重複登録時の制限事項】 本装置では、LAN 接続機器から IP パケットを受信した際、送信元の IP アドレスと送信先の IP アド レスが設定内容と一致しているかを確認(CID の昇順に確認)します。 そのため、デバイス IP アドレスとサーバ IP アドレスに同一の値を設定し、設定と一致した IP パケッ トを LAN 接続機器が送信した場合、一番小さい CID の設定に従い、処理を行います。 <複数の CID でサーバ IP アドレスとデバイス IP アドレスを重複登録した例①> ● CID 設定 CID 1 2 APN abcd.com efgh.com サーバ IP アドレス 10.100.1.1 10.100.1.2 サブネットマスク 255.255.255.0 255.255.255.0 デバイス IP アドレス 192.168.1.2 192.168.1.2 "192.168.1.2"の LAN 接続機器から"10.100.1.x"のサーバ宛に IP パケットを送信した場合、送信 した IP パケットは、CID1 のサーバへ送信されます。 (APN が"efgh.com"、IP アドレスが"10.100.1.x"のサーバから IP パケットを受信し、CID2 にて 通信を接続した場合、"192.168.1.2"の LAN 接続機器から"10.100.1.x"のサーバ宛に送信した IP パケットは、CID2 のサーバへ送信されます。) <改善案> ● CID 設定 CID 1 2 APN abcd.com efgh.com サーバ IP アドレス 10.100.1.1 10.100.1.2 サブネットマスク 255.255.255.255 255.255.255.255 デバイス IP アドレス 192.168.1.2 192.168.1.2 サーバのネットワークアドレス(サーバ IP アドレスとサブネットマスクの組み合わせ)を変更するこ とにより、"192.168.1.2"の LAN 接続機器から"10.100.1.1"のサーバ宛に送信した IP パケットは CID1 のサーバへ送信され、"10.100.1.2"のサーバ宛に送信した IP パケットは CID2 のサーバへ送 信されます。 16 <複数の CID でサーバ IP アドレスとデバイス IP アドレスを重複登録した例②> ● IP 入替設定 CID 1 2 FOMA 網側サーバ IP アドレス 10.100.1.1 10.100.1.2 仮想サーバ IP アドレス 168.1.10.1 168.1.10.1 デバイス IP アドレス 192.168.1.2 192.168.1.2 "192.168.1.2"の LAN 接続機器から"168.1.10.1"の仮想サーバ宛に IP パケットを送信した場合、 送信した IP パケットは、CID1 のサーバへ送信されます。 ("10.100.1.2"のサーバから IP パケットを受信し、CID2 にて通信を接続した場合、"192.168.1.2" の LAN 接続機器から"168.1.10.1"の仮想サーバ宛に送信した IP パケットは、CID2 のサーバへ送信 されます。) <改善案> ● IP 入替設定 CID 1 2 FOMA 網側サーバ IP アドレス 10.100.1.1 10.100.1.2 仮想サーバ IP アドレス 168.1.10.1 168.1.10.2 デバイス IP アドレス 192.168.1.2 192.168.1.2 仮想サーバの IP アドレスを異なる IP アドレスに設定することにより、"192.168.1.2"の LAN 接続 機器から"168.1.10.1"のサーバ宛に送信した IP パケットは CID1 のサーバへ送信され、"168.1.10. 2"のサーバ宛に送信した IP パケットは CID2 のサーバへ送信されます。 17 18
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