Pivmecillinamの 代 謝 に 関 す る 研 究 植村家顕 ・常盤知宣 - J

JAN.
115
CHEMOTHERAPY
1977
Pivmecillinamの
代 謝 に 関 す る 研 究
植 村 家 顕 ・常盤 知宣 ・門 脇 久 治 ・小 池 倫 代
野村 総合研究所生物科学研究部
緒
はFig.1に
言
Pivmecillinamは1972年,LUND&TYBRING1)に
よ
り報 告 さ れ た 経 口 用 合 成 ペ エ シ リ ン で あ る 。Pivmecillinamは6位
の 側 鎖 が 既 存 の 合 成 ペ エ シ リ ンの も つacyl
結 合 で は な くamidino結
示 す 合 成 法 に よ り合 成 さ れ た14Cラ
Pivmecillinam,す
合 に な っ て お り,既
hydro-1
H-azepin-1-y1)-methylene-14C-amino〕penici-
llanate
(14C-Pivmecillinam)を
度 は,逆
存 の合 成
EtOH
用 い た。 放 射 化 学 的 純
希 釈 分 析 法 に よ れ ば100%で
: H2O
ベル の
な わ ちPivaloyloxymethyl-6-〔(hexa-
: AcOH
(60 : 40
あ り,ま
: 1v/v,
た,
500mgNaOAc
ペ ニ シ リ ン に な い ユ ニ ー ク な 化 学 構 造 を 有 し て い る。
含 有)を
Pivmecillinamは
経 口投 与 後 す み や か に 吸 収 され腸 管 組
織 内 非 特 異 的 エ ス テ ラ ー ゼ に よ り3位
thyl esterが
のpivaloyloxyme-
加 水 分 解 さ れ てMecillinamと
な り,抗
ラ ベ ル し たPivmecillinamを
お け るPivmecillimamの
namの
用 い,ラ
ッ トに
代 謝 に つ い て 検 討 し,Mecilli-
生 体 内 に お け る 存 在 を 確 か め,さ
ま で で あ る。
は98.0%で
リカ ゲ ル,東
BB-5ll,
BB-517,
F L 1115,
F L 1121,
BB-513お
(構 造 式 をFig.2に
示 す)。
HIS
1201,
実験材料および方法
Fig.1
Synthesis
用 いた
方標
準 物 質 は 武 田 薬 品 三 業 株 式 会 社 よ り 入 手 した 。
2. 実
験
す べ て4週
4週
研究 に
F L 1114,
よ びBB-514を
てれ らの 標 識 化 合 物 お よ び
動
物
令 のSprague-Dawley系
エ ン タ ル 酵 母 株 式 会 社 製MF)と
次 に 示 す 化 学 構 造 を 有 し,本
京
あ った 。
雄 性 ラ ッ トを 静
岡 県 実 験 動 物 農 業 協 同 組 合 よ り購 入 し,固
1. 標 識 化 合 物 お よ び 標 準 物 質
Pivmecillinamは
film-f)で
Mecillinam,
らに他 の代 謝
物 に つ い て 方検
討 し た の で 報 告 す る 。 研 究 期 間 は 昭 和50年
1月 よ り50年8月
展 開 溶 媒 と す る 逆 層TLC(シ
Spot
代 謝 物 同 定 の た め の 標 準 物 質 と してPivmecillinam,
菌
作 用 を 発 揮 す る も の と 考 え ら れ る。 そ こ で 放 射 性 同 位 元
素14Cで
化 成,
間 飼 育(室
用 し た(体
温24±1℃,湿
重190∼250g)。
of 14C-Pivmecillinam
型 飼 料(オ
リ
水 道 水 を 与 え,3∼
度55±5%)し
た 後 に使
CHEMOTHERAPY
116
Fig.2
Chemical
structure
3. 投 与 経 路 お よ び 投 与 量
C-Pivmecillinam
kg
(20mg
与 直 前 に 調 製 した
Pivmecillinam/
水 溶 液 を29.2mg
Mecillinam/kg)に
な る よ う に 胃 ゾ ンデ に
よ り経 口 投 与 し た(6∼10mgPivmecillinam/mlの
液 を0.6∼1.0ml投
与 し た)。 投 与
溶
した 放 射 能 量 は 尿 中
代 謝 物 お よ び 血 漿 中 代 謝 物 分 析 の 際 は20∼40μCi/ラ
ト,胆
汁 中 代 謝 物 分 析 で は40∼60μCi/ラ
ッ
ッ トと な る よ
う適 宜 希 釈 して 用 い た 。
4. 放
射
能
測 定
PPO59,
た は10mlを
Dimethyl
ル エ ン135ml,メ
テ ン レ ス,Waters社
い,溶
媒A(0.05Mギ
B(ア
セ ト ニ ト リル/0.05Mギ
95:5v/v)へ
オキ サ ン
よ び3337)に
用
ら溶 媒
酸 ア ンモ ニ ウ ム 水 溶 液=
の グ ラ ジ ェ ン ト法(CurveX4,0%→100
よ り各 試 料 を 展 開 し,溶
1ml/min.と
し,254mmの
した 。 放 射 性 代 謝 物 は 溶 出 液 を30秒
ご とに フ ラ ク シ ョン
体 シ ンチ レー シ ョ ンカ ウ ン
確 認 に は 充 填 剤 は 日立3010(2mmφ
用 い,ア
出 した。 流 速 は
紫 外 線 吸 収 に よ りモ ニ タ ー
Pivmecillimamの
×45cm,ス
セ トニ ト リル2.0ml/min,で
準 品 のPivmecillinam溶
テ ンレ
溶 出 し,方標
出 位 置 と 放 射 能 ピ ー ク溶 出 位
置 に よ り行 な っ た 。 な お,代
よ り放 射 能 を 測
製)を
酸 ア ン モ ニ ウ ム 水 溶 液)か
%,30分)に
ス)を
1
謝 物 同 定 に 用 い た標 準 物 質
は ての条 件 で ほ とん ど分 解 しなか った 。
6. 薄 層 ク ロ マ トグ ラ フ ィ-(TLC)
数 効 率 は 外 部 標 準 法 に よ り補 正 し た),、 そ の
他 の 試 料 は 一 定 量(湿
重 量 で200mg以
オ キ シ ダ イ ザ ー(Packard
生 成 した14CO2を
した 後,シ
O.3g,ジ
タ ノ ー ル35ml)を,5mlま
加 え 液 体 シ ン チ レ ー シ ョ ンカ ウ ンタ ー
(PackardModel3380お
定 した(計
POPOP
フタ リン
NO.
用 い た 。 充 填 剤 に μBondapak
×30cm,ス
タ ー に よ り 放 射 能 を 測 定 し た 。 一 方,
定 量 を ガ ラス バ
イ ヤ ル に と り ジ オ キ サ ン系 シ ン チ レ ー タ ー(ナ
737ml,ト
立635型)を
C18(4mmφ
25
sample
コ レ ク タ ー に よ り分 取 し,液
高 速 液 体 ク ロ マ トグ ラ フ溶 出 液 は,一
1009,
of authentic
フ ィ ー(日
約17時 間 絶 食 させ た ラ ッ トに,投
14
VOL.
Model
吸 収 剤(Packard
ンチ レ ー タ ー(Packard,
で ガ ラ ス バ イ ヤ ル に 洗 い と り,液
内)を
306)で
サ ンプル
燃 焼 さ せ,
Carbosrb)で
Permofluor
捕 捉
V)
体 シ ンチ レー シ ョ ンカ
ゥ ン タ ーで放 射 能 を 測 定 した。
5. 高 速 液 体 ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー(HLC)
各 生 体 試 料 中 の代 謝 物 の 分 画 に高速 液 体 ク ロマ トグ ラ
TLCに
は シ リ カ ゲ ル ガ ラ ス プ レ ー ト(Kiesel
F254,5×20cmお
5%XE-60ア
よ び20×20cm,Merck社
セ ト ン溶 液 に 浸 漬 後,室
た 。 展 開 溶 媒 は エ タ ノ ー ル/水/酢
500mg酢
酸 ナ ト リ ウ ム を 用 い,試
で 標 準 物 質 はBB-511以
60
温 乾 燥 して 用 い
酸(50:50:1ml)+
料 は キ ャ リヤ ー と し
て 少 量 の 標 準 物 質 の 混 合 物 に よ り希 釈 し,少
解 して 標 準 物 質 と と も に12∼13cm展
gel
製)を,
量 の水 に溶
開 した 。 こ の 条 件
外 は展 開 中 ほ とん ど分解 しなか
JAN.
1977
CHEMOTHERAPY
った 。標 準物 質 の プ レー ト上 の 位 置 は ョウ素 蒸 気 に よ り
117
検 索 お よ び定 量 を行 な った 。同 様 の操 作 を4匹 の ラッ ト
検 出 し,放 射 能 部位 の 検 出 は オ ー トラ ジオ グ ラム に よ り
に つ い て行 な い平 均 値 を 求 め た 。HLCに
行 な った 。
収 率 は4時 間 胆 汁 で100.6%,8時
あ
った 。
7. 生 体 試 料 の 採 取
尿試 料 は,14C-Pivmecillimamを
代 謝 ケ ー ジに 収容 し,0∼4時
8時 間(8時
よ る放 射 能 回
間 胆 汁 で101.4%で
(3) 血 漿 中代 謝 物 の分 離
ラ ッ トに経 口投与 後
間(4時
血 漿 中の 放 射 能 含 量 が 低 い ため 血 漿 を セ ン トリフ ロー
間 尿)お よび4∼
間 尿)の 自然 排 尿 を 氷 冷 した 受 器 に分 取 し
処 理 し,凍 結 乾 燥 に よ り濃 縮 してHLC試
料 と した 。す
た後,凍 結 保存 し3日 以 内 に分 析 に供 した 。4時 間尿 お
なわ ち,採 取 した 血 液 を 遠 心分 離 し,得 た血 漿 の2.0ml
よ び8時 間 尿 へ排 泄 され た 放 射 能 の 平 均 値 は そ れ ぞ れ投
を セ ン トリフ ロ ー(CF
与 量 の13.2%(n=3)お
ー
胆 汁 試 料 は,胆
14
よ び7.01%(n=3)で
C-Pivmecillinam
し,0∼4時
あ った。
管 カ ニ ュ レー シ ョ ンを 施 した ラ ッ トに
を 投 与 し ボ ル ー マ ンケ ー ジ に収 容
間(4時
間 胆 汁)お よ び4∼8時
間(8時
25, Amicom社
製)に
心 機 に よ り1,000Gで30分
1.4mlを
間遠 心 し,CF処
得 た。 こ のCF処
入 れ,コ
ス ウイ ング型 遠
ン ホ ル ダ ー お よ び 遠 心 管 に セ ッ ト し,
理 血 漿1.0∼
理 血 漿 を 凍 結 乾 燥 し,0.75
Mギ 酸 ア ンモ ニ ウム水 溶 液300μlに 溶 解 し,直 接HLC
間 胆 汁)の 胆 汁 を 氷 冷 した 受 器 に分 取 した後 凍 結 し,12
の 分 析 に供 した 。 てれ らの操 作 は で き る だ け代 謝 物 の 分
時 間以 内 に分 析 に供 した 。4時 間胆 汁 お よ び8時 間 胆 汁
解 を お さえ る た め5℃ 以 下 で行 な った 。 同様 の操 作 を3
に 排 泄 さ れ た放 射 能 の 平 均 値 は,そ れ ぞれ 投 与 量 の2.38
匹 の ラ ッ トで行 な い,CF処
%(n=4)お
平 均 値 を 求 め た 。HLCに
よ び1.69%(n=4)で
あ った。 血 液 は
最 高 血 中濃 度 時(投 与後30分)に,腹
部背 位 動 脈 よ りヘ
理 血 漿 中の 代 謝 物 の 比 率 の
お け る放 射 能 回 収 率 は98.6%
で あ った 。
パ リン処理 を した注 射 器 に よ り全 血 採 取 した。
8. 代 謝 物 の 分 離
(1)
実
験
結
果
ラ ッ ト尿 中代 謝物 の分 離
Pivmecillinamの
1. 尿
尿 中 代 謝物 は分 解 しや す い た め 抽 出
に よ り各 代 謝 物 に分 離 した 。す な わ ち,採
Pivmecillinam投
与 ラ ッ トの 尿 に標 準 物 質 混 合 物*を 溶
解 し,そ の 一 部(50∼75μl)をHLCカ
0.05Mギ
取 した14C-
ラ ムに注 入 し,
酸 ア ンモ ニ ウム と アセ トニ トリル に よ りグ ラジ
謝
物
は 少 な く と も8種
HLCの
FL
よ びP-8と
P-3はHIS
1201,
平 均 値 を 求 め た 。HLCに
ロ
P-3,
出 され る順 に
P-4,
P-5,
P-6はBB-511,
ら にP-8はMecillinamと
推 定 さ れ た。 ま た
マ トグ ラ フ ィ を 試 み た 。 そ の 結 果P-1はBB-5l7,
(Rf値0.67)P-2はFL
1114
ち に凍 結 乾燥 し,TLCに
(0.76)P-7はFL1115
(0.41)に,P-8はMecillinam
よ り標 準 物 質 との コ ・ク ロ マ
(0.51)に,そ
胆 汁 中代 謝 物 の 分 離 に つ い て も,尿 の場 合 と同 様 に 直
接HLCに
よ り各 放 射 能 ピー ク に分 離 し,分 取 した フ
ラ ク シ ョ ンの放 射 能 を 測 定 す る こと に よ り,各
ピー クの
標 準 物 質 混 合 物 はBB-517,
HIS
1201,
0.1mgず
FL
1141お
BB-511,
よ びFL
1151を
Mecillimam,
そ れ ぞ れ 約
(0.54)がP-6と
実 験 で は 除 外 した。
が 一 致 し た 。 ま た,BB-511
準 物 質 のTLCで
も単 一 な
た る ス ポ ツ トのRf値
一 致 す る こ と,さ
ら にTLCの
分 解パ
よ びP-5は
同 定
ど の 標 準 物 質 と も 一 致 せ ず,
未 同 定 代 謝 物 と し た 。 未 変 化 体 で あ るPivmecillinam
は 尿 中 に は 認 め られ な か った 。
尿 中 の 各 代 謝 物 の 含 有 率 はHLCの
に加 えた 。 そ の他 の標 準 物 質 は 予 試 験 で それ ら に一 致
め,本
1201,
タ ー ンが 類 似 し て い る こ とか ら,P-6はBB-511と
つ 混 合 し て キ ャ リ ヤ ー と し て,尿200μl
す る代 謝 物 が認 め られ ない て と が 明 ら か に な った た
(0.70)P-3はHIS
ス ポ ッ トは 得 ら れ な か っ た が,主
さ れ た 。P-4お
*
れ ぞ れRf値
は 非 常 に 不 安 定 な 物 質 で,標
(2) ラ ッ ト胆 汁 中代 謝 物 の 分 離
P-2は
P-7はFL
よ り標 準物 質 との コ ・ク
よ り分 画 され た各 放 射 能 ピー クを そ れ ぞれ 分 取 し,た だ
トグ ラ フ ィを行 った。
P-6,
溶 出 位 置 と の 比 較 か ら,P-1はBB-517,
l114,
各 ピ ー ク を 凍 結 乾 燥 しTLCに
あ った。 一 方,HLCに
よ り分 画 し
示 す 。尿 中 に
した 。 同 じ条 件 に お け る 標 準 物 質 の
1115,さ
よ る放 射 能 回収 率 は4時 間 尿
Fig.4に
P-2,
を 行 な った 。 同様 の操 作 を3匹 の ラ ッ トにつ いて 行 な い
間 尿 で95.6%で
接HLCに
の 代 謝 物 が 認 め ら れ,溶
各 放 射 能 ピ ー ク をP-1,
と に(各0.5ml)分
で92.4%,8時
経 口 投 与 した 後4時
間 尿 を 採 取 し,直
た 。 そ の 結 果 の 一 例 をFig.3,
ェ ン ト溶 出 し,フ ラ ク シ ョ ンコ レク タ ーを 用 いて30秒 ご
測 定 し各 放 射能 ピー クの 検 索 と各 ピ ー クの放 射 能 の定 量
代
間 尿 お よ び8時
P-7お
取 した 。 各 フ ラ ク シ ョ ンの放 射 能 を
中
ラ ッ トに14C-Pivmecillinamを
操 作を 行 わ ず,直 接 高 速 液 体 ク ロ マ トグ ラ フィ ー(HLC)
ー
分 画 に よ る各 ピ
クの 放 射 能 測 定 によ り 求 め た。 そ の 結 果 はTable
に示 す 。 抗 菌 活 性 を有 す る主 要代 謝 物Mecillinam
1
(P-
118
CHEMOTHERAPY
Fig.
3
High-performance
in rat urine
Fig.
4
(0
High-performance
liquid
∼
radiochromatography
VOL.
of 14C-Pivmecillinam
metabolite
4 hours) after oral administration
liquid
radiochromatography
of 14C-Pivmecillinam
in rat urine ( 4 ∼ 8 hours) after oral administration
metabolite
25
NO.
1
JAN.
1977
CHEMOTHERAPY
Table
1
Distribution ratio of the radio
119
activity of 14C-Pivmecillinam
metabolite
in rat urine after oral administration
Table
2
Distribution ratio of the radio activity of 14C-Pivmecillinam
metabolite
in rat bile after oral administration
8) は,4時
れ,8時
間 尿 で は33.6%(投
間 尿 で は18.2%(投
与 量 の4.71%)認
与 量 の1.29%)と
減 少 し た 。 ま たMecillinamの
たBB-511は,4時
で,8時
一
β−ラ ク タ ム 環 の 開 裂 し
間 尿 で は22.0%(投
間 尿 で は16.2%(投
方BB-517は4時
減 少 し,
与 量 の2.64),8
与 量 の1.88%)と
と同様 にHLCの
分画 に
2に 示 す 。 抗 菌 活 性 を 有 す るMecillinamは4時
与 量 の0.48%),8時
与 量 の0.29%)と
29.2%(投
与 量 の0.67%),8時
量 の0.52%)で
間胆汁
間 胆 汁 で16.4%(投
存 在 比 で は あ ま り差 が なか った 。 胆 汁
中 で最 も存 在 比 の 高 い の は,BB-511で,4時
増加 の傾 向が 見
られた。
聞 胆汁で
間 胆 汁 で31.1%(投
与
あ った 。尿 中で 存 在 比 の高 か っ たBB-
511は 胆 汁 中で は そ の 存 在 比 は非 常 に小 さか っ た。
2. 胆 汁 中 代 謝 物
ラッ トに14C-Pivmecillinamを
胆 汁 中代 謝 物 の 含有 率 は,尿
よ る各 ピー クの 放 射 能 よ り求 め た。 そ の 結 果 をTable
で19.3%(投
与 量 の2.88%)
与 量 の1.14%)に
間 尿 で21.4%(投
時間尿で は26.6%(投
めら
含有率 は
経 口 投 与 した後,4
時間胆汁 お よび8時 間胆 汁 を 採 取 し,直 接HLCに
より
3. 血 漿 中代 謝 物
ラ ッ トに14C-Pivmecillinamを
経 口 投 与 し,投 与 後
分画 した。 そ の 結果BB-517,BB-511,Mecillinamが
30分 の血 漿 を 採 取 し,セ ン トリフ ロ ー 処 理 血 漿 を 得,
胆汁 中の主 た る代 謝 物 と して 認 め られ,ま
HLCに
たFL1114
が少量 認 め られ る他 は 明 確 な ピー クを 示 さず 同 定 で きな
かった。未 変 化 体 のPivmecilliRamは
も認 め られ なか った 。
胆 汁 中 にお い て
よ り各 代 謝 物 に分 離 した 。
投 与 後30分 のCF処
理 血 漿 中で はMecillinamが
要 な 代 謝物 で あ り,そ の比 率 は50.9%で
にBB-511,BB-517,FL1114お
主
あ った 。 そ の他
よ びFL1115が
認め
120
Table
CHEMOTHERAPY
3
Distribution
ratio
C-Pivmecillinam
14
of the radio activity
of
metabolite
in rat plasma
at maximam
blood
level of
after oral administration
radio
activity
VOL.
考
14
25
NO.
1
察
C-Pivmecillinamを
投 与 した ラ ッ トの 尿 中 代 謝 物 は
少 な くと も8種 類 認 め られ,投 与 後8時 間 ま で に採 取 さ
れ た 尿 中 の主 要代 謝物 はMecillinamで
能 の28.2%(投
が23.2%(投
与 量 の6.00%)を
与 量 の4.51%)で
しめ,次 い でBB-517
あ った 。 そ の他 確 認 され
た 代 謝 物 はFL1114,HIS1201,BB-511お
1115の6種
類 で,未
あ り,尿 中放 射
よ びFL
同定 代 謝 物 はP-4お
よびP-5の2
種 類 で あ った 。
投 与 後8時 間 ま で に採 取 され た胆 汁 中 の 主 要 代 謝 物
は,BB-511お
よ びMedllinamで
中放 射 能 の29.9%(投
与 量 の0.76%)を
BB-517お
ら れ た(Table3)。
一 方,未
よ びFL1114で
っ た。
Metabolic
よび18.4%(投
しめ た 。 そ の他 確 認 され た 代 謝 物 は
あ った 。 そ の他 の代 謝 物 は明
確 な 分 離 が 困 難 で,そ の構 造 を 推 定 す る こ とは で き なか
変 化 体 のPivmecillinam
は認 め られ な か った 。
Fig. 5
あ り,そ れ ぞ れ 胆 汁
与 量 の1.20%),お
pattern
of Pivmecillinam
in rat
JAN.
血 中 濃 度 ピ ー ク 時 のCF処
namが50.9%存
BB-517お
理 後 血 漿 中 に はMecilli-
在 して お り,そ の 他BB-511,FL
よ びFL
1115の
のPivmecillinamは
尿 中 放 射 能 の28.2%で
1114,
存 在 が 認 め られ た 。 未 変 化 体
管 組 織 内
(BB-517),お
脈 血 中 で は す べ てMecillinamと
して
存 在 す る こ と が 明 ら か に さ れ て い る2)。 こ の よ う に して
生 体 内 で 代 謝 を う け,主
と して
ペ ニ シ リ ン誘 導 体pivaloyloхymethyl-6β-〔(heхahydro
hydrochloride
よ びFL
標 識 し た14C-Pivmecillinamを
14
C-Pivmecillinamを
謝 物 をHLCお
よ び 少 量 の
同定 され た。
同 定 さ れ,そ
の 他BB
認 め られ た 。
最 高 血 中 濃 度 時 の 血 漿 中 に はMecillinamが50.9
FL
1115が
の 他BB-511,FL
1114,BB-517お
よび
認 め られ た 。
尿,胆
汁,血
漿 の い ず れ に もPivmecillnamは
認
め られ なか った 。
位 を14Cで
文
献
用 い て 研 究 した 。
ラ ッ トに 経 口 投 与 し,投
時 間 ま で の 尿 お よ び 胆 汁,お
後30分)の
H-azepin-1-
1115)(7.3%)お
1114が
在 し,そ
4.
ラ ッ トに お け る 代 謝
amino部
1114)
胆 汁 中 に は 主 要 代 謝 物 と し てBB-511(29.9%)
%存
penicillanate
(Pivmecillinam)の
を,Pivmecillinamのmethylene
acid(FL
お よ びMecillinam(18.4%)が
517お
約
- methyleneamino•l-
cacid(FL
yl)-methyleneaminomethyl〕-5,5-dimethylthiazolidine-
3.
1-y1)
それ
在 した。 また そ
(8.4%),2-〔1'-carboxy-1'-(hexahydro-1
2.
謝 の過 程 に は化 学
的 分 解 が 加 味 さ れ て い る も の と推 定 さ れ た(Fig.5)。
H-azepin
よ び19.9%存
domethy1)-thiazolidine-4-carboxyli
ラ ッ ト尿 お よ び 胆 汁 に 添 加 し た 時 に 生 ず る,Mecillinam
要
H-azepin-1-yl)
acid(BB-511),が
sodium-6-formamidopenicillanateが
尿 お よ び 胆 汁 に 認 め ら れ る 代 謝 物 は,Mecillinamを
の分 解 物 に 類 似 して い る こ と か ら,代
〔-(hexahydro-1
ぞ れ 尿 中 放 射 能 の23.2お
4-carboхylic
尿 か ら 生 体 外 に 排 泄 さ れ る3)。
-1
よ び6-β
の 他 の 代 謝 物 の う ち,5,5-dimethyl-2-β-(N-formami-
非 特 異 的 エ ス テ ラ ー ゼ に よ りす み や か にMecillinam
生 じたMecillinamは
あ り,disodium-5,5-dimethyl-2-
(1'-formamidomethyl)-thiazolidine-1',4-dicarboxylate
-methyleneamino•l-penicilloic
認 め られ な か った 。
ラ ッ トに 投 与 さ れ たPivmecillimamは,腸
に転 換 さ れ,門
121
CHEMOTHERAPY
1977
1)
与 後8
よ び 最 高 血 中 濃 度 時(投
よ びTLCに
1. 尿 中 に は 少 な く と も8種
2)
acid
(Mecillinam),で
New
常 盤 知 宣,植
常 盤 知 宣,宇
ま さ み,万
吸 収,分
&
L.
TYBRING
acids―a
vmecillinamの
3)
類 の 代 謝 物 が 認 め ら れ,
最 も 多 い の は,6-β-〔(hexahydro-1H-azepin-1-yl)methyleneamino〕-penicillanic
Nature
よ り 分 析 した。 そ の結 果
は次 の よ う に 要 約 さ れ る 。
F.
cillanic
与
血 漿 を 採 取 して そ れ ぞ れ に 含 ま れ る 放 射 性 代
LUND,
: 6-β-Amidinopeni-
new
Biology
groupe
236
村 家 顕,宇
(66)
of antibiotics.
: 135,
田 文 昭,雷
1972
野
剛:Pi-
腸 管 吸 収 に関 す る研 究 。 未 発 表
田 文 昭,植
歳 知 子,望
村 家 顕,藤
野 明 治,金
月 紀 子:Pivmecillinamの
布 お よ び排 泄 に関 す る研 究 。未 発表
子
122
CHEMOTHERAPY
METABOLISM
VOL.
OF PIVMECILLINAM
25
NO.
IN RATS
IEAKI UEMURA,TOMONOBU
TOKIWA,HISAJI KADOWAKIand MICHIYO KOIKE
Life Sciences Division, Nomura Research Institute
Kajiwara, Kanagawa, Japan
The
metabolism
of a
amino〕-penicillanate
by
labelling
time
the
(30min.)
1.
The
xahydro-1
methylene
were
metabolites
in
delivative
of
rats
were
at
H-azepin-1-yl)
carboxylic
acid
5, 5-dimethyl
1115)
and
by
The
HLC
sample,
(FL
1114),
and
each
5
(8.4%),
TLC.
metabolites,
of
bile
(0∼8hr.)
results
consists
(7.3%),
was
are
of
plasma
and
summalized
3 major
the
as
at
peak
radioactive
follows.
metabolites,
disodium
28.2,
-methylene
synthesized
and
orally
6-β-〔(hexahydro-1
which
(hexahydro-1
1115),
H-azepin-1-yl)
14C-pivmecillinam
administered
(mecillinam),
5, 5-dimethyl-2-β-
2- 〔1'-carboxy-1'(FL
The
which
and
ratio
using
(0∼8hr.),
was
acid
(BB-517)
acid
studied
urine
and
distribution
minor
〔(hexahydro-1
was
metabolites
4-dicarboxylate
(BB-511),
the
unknown
l4C.
rats
14C-pivmecillinam
8 radioactive
thiazolidine-4-carboxylic
2
in
-methyleneamino〕-penicillanic
acid
in
with
to which
analysed
least
rmamidomethyl)-thiazolidine-1',
amino〕-penicilloic
portion
from
samples
contained
pivaloyloxymethyl-6β-
(pivmecillinam),
amino
taken
these
urine
radioactivity
penicillin,
hydrochloride
6-β-〔(he-
5,5-dimethyl-2-(1'-foH-azepin-1-yl)-methylene
23.2
and
19.9%
of
the
total
(N-formamidomethyl)-thiazolidine-4H-azepin-1-yl)-methyleneaminomethyl〕sodium-6-formamido-penicillanate
(FL
compounds.
2. In the bile, the major metabolites identified were mecillinam (18.4%) and BB 511 (29.9%) and the
minor metabolites identified were BB-517 and FL 1114.
3. The major metabolite in the plasma collected at peak time was mecillinam (50.9%) and the minor
metabolites were BB-511, FL 1114, BB-517 and FL 1115.
4. Pivmecillinam
was not detected
in
any sample.
1