PDF版 - 三井住友アセットマネジメント

(No.2,089)〈マーケットレポートNo.4,065〉
2015年3月6日
ユーロ圏の金融政策(2015年3月)
3月9日から国債などの購入を開始
月額600億ユーロ購入
政策金利は据え置き
■欧州中央銀行(ECB)は5日、政策金利、預金金
利を、それぞれ0.05%、マイナス0.20%に据え置
くことを決定しました。また、月600億ユーロの国
債などの購入を3月9日から開始するなどの詳細
を公表しました。
(%)
政策金利とユーロの動向
(米ドル/ユーロ)
4.0
1.4
3.0
1.3
政策金利(左軸)
預金金利(左軸)
ユーロ対米ドルレート(右軸)
2.0
1.2
1.0
1.1
1.0
■ドラギECB総裁は、現行のマイナス0.20%の預 0.0
金金利までのマイナスの利回りとなった国債も
0.9
購入する旨発言しました。購入規模の大きさが ▲1.013/3
13/9
14/3
14/9
15/3
(年/月)
意識され、ユーロは対米ドルで下落、欧州株式
(注) データ期間は2013年3月1日~2015年3月5日。
(出所)Bloomberg
L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
は上昇、ドイツ国債の利回りは低下しました。
■総裁は、ギリシャ問題に関して一定の距離を置
くものの、「本日緊急流動性支援(ELA)を5億
ユーロ増額し」、また「条件を満たせば、ギリシャ
国債は購入対象となる」と発言しました。
GDP成長率見通しの改定の推移
物価上昇率見通しの改定の推移
(前年比、%)
(前年比、%)
3
3
2017年
2016年
2
景気見通しを上方修正
物価は年後半から徐々に上昇
■ECBは原油価格の反発、ユーロ安、量的緩和効
果から、政策判断の材料となるGDP成長率見通
しを上方修正する一方、今年の物価上昇率見通
しを0.0%に下方修正しました。しかし、今年の後
半から、景気回復の強まりとともに、徐々に上昇
すると予想しています。
2.1
2
1.9
1.5
1
物価上昇率目標
2017年
1.8
1.5
2016年
1
2015年
0
14/06
14/09
14/12
15/03
(年/月)
0
14/06
2015年
14/09
14/12
0.0
15/03
(年/月)
(注) データ期間は2014年6月~2015年3月。
物価上昇率目標は、2%近くで2%を上回らない水準。
(出所)ECBのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
物価目標達成に向け、さらに金融緩和拡充の可能性も
■現行の規模での金融緩和が2016年9月まで続く
ことを織り込んでも、ECBの2016年の消費者物価
の前年比上昇率の予想は1.5%にとどまっていま
す。必要に応じて現行の金融緩和策を強化・継
続するとの総裁発言もあり、物価見通しが下振
れた場合や、毎月の購入額が600億ユーロに届
かなった場合などには、緩和拡充が期待されま
す。
■為替市場では、米ドルに対するユーロ安が見込
まれます。円に対しては、日銀の強力な金融緩
和などから、方向感が出にくいと見られます。
■債券市場では、金融緩和が長期化し、国債利回
りは低位で推移するという見方が強まっています。
■株式市場では、金融緩和効果により、総じて堅
調な展開が続くと予想されます。
2015年02月19日 「ギリシャ支援」は新たな展開へ(欧州)
2015年01月23日 ユーロ圏の金融政策(2015年1月) 総額1兆ユーロ超の国債などの購入策を決定
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